過払い金は学生ローンでも発生する?条件と手続きの流れを解説

「学生ローン」は、学生を対象に貸し出しを行う消費者金融のサービスです。かつて、貸金業者では多くの学生ローン取り扱いがあり、今でも一部で取り扱いがあります。

他の消費者金融からの借金と同様に、過払い金が発生することがあります。

学生ローンで借金をした場合の、過払い金の返金について、手続きや留意点をご説明します。

学生ローンとは

18歳以上の大学生・専門学校生など、学生を対象に貸し出しを行う消費者金融のサービスのことです。かつては、学生ローンを専門に扱う貸金業者・一般の消費者金融の学生向けローンなど、多くの貸金業者による取り扱いがありました。

2010年の貸金業法の改正により、貸金業者は定収がある利用者にしか貸し付けができなくなったことから、学生ローンもアルバイトなどの収入がある学生にのみ利用されています。

その結果、以前よりも取扱う貸金業者の数は少なくなったようです。

学生の名義で、学生を審査し貸し出しを行うのが学生ローンの特徴です。似ているものに貸与型の奨学金がありますが、定収がない学生も借りることができる点、また、審査の対象が保護者である点、また利率が低く、過払い金が発生しない点が学生ローンとは異なっています。

学生ローンの過払い金を返してもらえる条件

学生ローンも、消費者金融のサービスの1つなので、過払い金が発生し、返金してもらえる可能性があります。

過払い金は、払いすぎた利息のことをいいますが、かつて高い利息で学生ローンも貸し出されていたので、過払い金が発生し、返金される場合もあるのです。

ただし、学生ローンの過払い金発生には条件があり、また発生した過払い金の返金を受けるための条件もあります。

グレーゾーン金利が適用されていたこと

過払い金は、貸金業者に払いすぎた利息のことです。

過払い金は、「グレーゾーン金利」といって利息制限法の上限利息を超えた違法な利息が適用されていた借金を返済していた場合に発生していますが、学生ローンにも適用があった可能性があります。

学生ローンの過払い金の請求を行うには、グレーゾーン金利が適用されていたことと、消滅時効で請求権が消滅していないことが基本的な条件です。

ところで、グレーゾーン金利とは、かつて、以下の2つの法律で定められていた上限利息の間にあたる利率のことをいいます。

この利率が、学生ローンを含め貸金業者からのお借り入れに適用されていたことがあるのです。

  • 利息制限法・・・利息の上限は、年15〜20%
  • 出資法  ・・・利息の上限は、年29.2%

そのため、学生ローンで過払い金が発生しているかどうかは、いつごろ何パーセントの利息が適用されていたかを確認して見極める必要があります。

時効で請求権が消滅していないこと

ただし、学生ローンによる過払い金が発生していただけでは、必ずしも返金を受けることはできません。

返してもらえる権利が時効により消滅していないことが条件となります。

過払い金を返してもらえる権利が時効にかかり、消滅するのは次の場合です。

  • 借金をしていた人が過払い金を返してもらえる権利を行使できる時=最終返済日から10年が経過したとき(民法166条2項)
  • 返してもらえることを知ったときから5年が経過したとき(民法166条1項)

なお、5年の消滅時効は、2020年4月1日よりも前に借金を完済している場合には適用されず、10年の時効が適用になります。

また、学生ローンの過払い金の返金のための基本的な条件を満たしていても、お借入先が利息制限法改正以前に利息を低く変えていたため、あるいはお借入先が倒産してしまったため、返金がなされなかったりすることもあります。

そのため、より確実に返してもらえるかどうかを判断するためには、過払い金を専門に扱う事務所の無料診断を利用し、詳細を確認したほうがよいでしょう。

学生ローンカレッヂの過払い金請求はできる?


学生ローンカレッヂは、1977年創業の学生ローン会社です。

学生の街、東京・高田馬場を所在地として学生ローンを専門に営業し、多くの学生に貸し付けを行ってきました。

カレッヂの学生ローンにも、かつては利息制限法の上限の利息を超えるグレーゾーン金利が適用されていたことがあります。

そのため、2010年の貸金業法改正以前にご利用された場合、一般の消費者金融などと同様に過払い金の請求ができる可能性があります。

しかし、グレーゾーン金利が適用されていただけでは、過払い金の請求ができるとは限らないのも他の消費者金融などからのお借り入れと同様です。

消滅時効が完成していないことが必要です。

学生ローンの過払い金の手続き

学生ローンの過払い金は、他の消費者金融からのお借り入れと同様に、過去の記録を確認し、過払い金の額を計算して請求することができます。

実際に、過払い金の返金をしてもらう方法には、示談交渉と裁判とがあります。

示談交渉では、貸金業者と交渉して、過払い金を返金してもらいます。裁判の場合は、訴状など書面を用意し、貸金業者に対して訴訟の提起を行います。

示談交渉(和解)

貸金業者と返金の交渉を行うことを示談交渉といいます。

示談交渉は、ご自身で進めることができますが、過払い金を専門に扱う司法書士や弁護士に依頼すると、過去の学生ローンでのお借り入れの調査や過払い金の計算、貸金業者との交渉がよりスムーズに進めやすくなります。

そこで、調査や交渉を相談してすすめることや、代行を依頼する場合が多く見られます。司法書士・弁護士に相談をして進める際の流れは以下の通りです。

  1. 司法書士・弁護士への相談
  2. 司法書士・弁護士への依頼
  3. 過払い金の調査(ご利用記録の確認)
  4. 引き直し計算(=過払い金請求額の計算)
  5. 示談交渉で進める方針の決定
  6. 交渉の準備・日時の調整など
  7. 貸金業者との交渉
  8. 和解契約を作成、締結

裁判(訴訟の提起)

一方、示談交渉より多くの額を返金される見通しがあるときなどは、訴訟の提起により過払い金を取り戻すこともあります。

裁判所に訴訟を提起すること、その後の手続きを進めることはご自身でも行うことができます。

しかし、ご自身で進めると、専門知識がなく手間や時間がかかりがちであることや、平日に裁判所に出向くことが難しいことなどが考えられます。そこで、多くの場合、司法書士・弁護士のような専門家が代理人となって手続きを進めています。

代理人に依頼して進める場合の流れはおおむね次のようなものです。

  1. 司法書士・弁護士への相談
  2. 司法書士・弁護士への依頼
  3. 過払い金の調査(ご利用記録の確認)
  4. 引き直し計算(=過払い金請求額の計算)
  5. 訴訟で進めることの方針の決定
  6. 裁判所に提出する書面の作成などの準備
  7. 訴訟の提起
  8. 口頭弁論
  9. 判決

過払い金の請求の場合、裁判所で口頭弁論を何回か行い、多くは交渉により判決まで行かずに和解により終了します。しかし、場合によっては判決・控訴審まで行くこともあります。

ご自身で返金してもらうときの留意点

学生ローンで発生した過払い金の請求手続きをご自身で進めると、過去のお借り入れの記録の調査がうまく行かないことや、過払い金の額の計算ができないことなど、困り事が生じることがあります。

過去の過払い金の調査には、お借り入れの記録を確認することが必要ですが、手元にない・貸金業者も保管期間を過ぎていて記録がない、という場合もあります。

また、過払い金の額の計算は、引き直し計算という計算を行いますが、正しい額を出さなければ貸金業者が交渉に応じないので、正確に行う必要があります。

引き直し計算は、学生ローン返済の際に払い過ぎた利息を返済の都度元金に充当することを繰り返して行います。引き直し計算は、ご自身でもインターネット等で方法を調べて計算することも可能ですが、必ずしも正確な計算ができるとは限らないようです。

さらに、交渉に入っても経験値で上回る貸金業者と相対して、思うように進められない可能性もあります。

こうした場合の解決策が、過払い金に強い司法書士・弁護士事務所に相談することです。

過払い金を専門に扱う事務所に相談するメリット

ご自身で学生ローンによる過払い金の返金手続きを進めるのに困ったときには、過払い金に強い事務所に相談してみましょう。また、相談を十分に行い、ご自身が納得したうえで手続きを依頼すると過払い金の返金手続きを代行してもらうことができます。

学生ローンの過払い金返金の手続きを代行してもらうと、次のようなメリットがあります。

調査がスムーズ・過払い金の計算を正確にしてもらえる

過払い金の調査には、ご自宅などにある手元の資料が足りない・過去のお取引の記録がないと言われてしまった、など困ったことも生じます。

過払い金に強い事務所に依頼し、調査を代行してもらうと、これらの困りごとへの解決方法を知っているので、適切に対応してもらえます。

また、引き直し計算を使い、過払い金の計算することにも過払い金に強い事務所が対応すると、慣れていて正確です。

自分でおこなうより多く過払い金を取り戻せる可能性がある

交渉は、長い経験をもとにして交渉にのぞむ貸金業者に対して、ご自身で交渉を行うと、経験の差から思ったような交渉ができないことがあります。

経験の差を埋めようとするなら、過払い金に強い事務所に依頼するのが近道です。貸金業者との交渉も過去の経験をもとに、スムーズに進めてもらえます。

また、訴訟の提起のほうが多くの額を取り戻せるかどうか、といった方針を決める際にも適切なアドバイスを得られます。

その結果、ご自身で行うよりも多く過払い金を取り戻せる可能性があります。

まずは無料診断を活用

過払い金の返金に多数の実績があり、借金の整理にも強い信頼できる事務所では、過払い金の無料診断を用意していることが多く、過払い金の返金の見通しも立てやすいものです。

学生ローンを過去に利用し、過払い金の発生が気になる方は、まず無料診断を利用してみましょう。過払い金が発生している可能性があるかどうか、また、返金の見通しがあるか、簡単に知ることができるので、時間の無駄がありません。

返金手続きに困った時も、過払い金の調査・返金手続きの代行など、過払い金に強い事務所なら解決策を知っています。

相談しながら手続きを進めるとご自身のみで手続きを進めるよりもスムーズです。

借金返済に悩んだら専門家に相談を

中央事務所では、過払い金の対象であるかどうか、また過払い金はいくらあるのかの診断を無料で行っております。

もし、対象でなかった場合でも費用はかかりません。

過払い金に悩まれたときは、専門家の力を借りるのが早期解決の近道です。

中央事務所では、過払い金の知識と実績が豊富な専門家が、あなたのお悩みをしっかりとお聞きします。

ご相談時にお話しをよく伺った上で、あなたの状況にあった解決方法をご提案させていただきます。

WEBから、24時間いつでも受付していますので、お困りの際はぜひお問い合わせください。

本記事の監修/司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤 竜郎

中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。 借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。

伊藤 竜郎
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