借金整理(債務整理)とは?デメリットも分かり易く解説
テレビの広告やチラシなどで『債務整理』という言葉を目にしても、具体的にどういったことを指すのかご存知ない方も多いと思います。
また、興味をお持ちの方でも、『債務整理』と『任意整理』という似た言葉の違いや、それら の手続きを行うときのデメリットなど知る機会は少ないのではないでしょうか。
ここでは、『借金整理(債務整理)』についてわかりやすく説明するとともに、債務整理に不安 を感じていらっしゃる方に、そのメリットやデメリットなどについても丁寧に解説します。
借金整理(債務整理)とは
債務整理とは、借金問題でお悩みの方に解決を促す、法律で認められた制度です。
主な方法としては、
『過払い金請求』『任意整理』『個人再生』『自己破産』という手続きがあり、これらをまとめて借金整理(債務整理)と呼んでいます。
困窮している生活を立て直すための救済制度と言えるでしょう。
過払い金返還請求とは
現在借金をしている方だけではなく、すでに支払いを終えている方も対象となります。
ただし、過払い金返還請求には時効があるので、お早めにご相談ください。
過払い金返還請求とは、本来は支払う必要のなかった利息(過払い金)を支払っていた場合に、返還請求することで取り戻すという方法です。
まず、ご自身に過払い金があるのか調べることから始まりますが、利息制限法を超える利息に よるお借り入れを行い、その支払いを長く続けていた方は、過払い金が発生している可能性が高くなります。
ただし、支払いを終えている方の場合、請求権の時効として、借金を払い終えた日から 10 年 間(又は権利を行使することが出来ることを知ったときから 5 年間)という期限がある点に は注意が必要です。
過払い金返還請求のメリットとデメリット
メリットは、「払い過ぎた利息が返金される」ことです。完済している場合はブラックリスト に載ることもありません。
デメリットとしては、「返済中の場合は任意整理として扱われ、ブラックリストに載る可能性がある」ことです。ブラックリストに載ってしまうと、カードローンの利用や新たなローンを組む事などはできなくなるため、注意が必要です。
ただし得られた過払い金は借金に充当され、元金を減らすことができます。他にも、「同じ会社からお借り入れができなくなる」というデメリットもあります。
任意整理とは
貸金業者に交渉して、無理のない返済計画に沿って、3〜5年以内に借金を全額返済できるようにします。
支払い(返済)催促の電話がすぐにストップするのも特長です。
任意整理とは、裁判所での手続きを利用せずに、お借入先の金融機関と直接交渉して、無理のない返済ができるようにする手続きです。
裁判所を通さないということで、様々な面で依頼者の負担が軽減されます。
手続きとしては、借金を法定利息で正しく計算し、「返済期間の延長」や「将来利息のカット
」などについて金融機関と交渉して、和解をします。
任意整理のメリットとデメリット
メリットの1つめは、「将来の利息がカットされる」ということです。将来利息がカットされると、今後の返済にその利息分を充当できることになり、完済までの期間の短縮や月々の返済額を減らすことが可能になります。
2つめは、「督促の電話が止まる」点です。弁護士や司法書士に依頼した場合、金融機関に通知を発送後、数日で督促の電話は止まり、精神的なプレッシャーから解放されることは大きなメリットです。
他にも、
「払い過ぎた利息があれば返金される」
「月々の返済額が減る」
「完済の目処がたち、将来的な不安から解放される」
といった点などが挙げられます。
一方で、デメリットとしては「新たなお借り入れが難しくなる」ことがあります。
個人再生とは
「借金をしているのが個人であること(会社や法人ではない))「今後、継続した一定の収入があること」など、いくつかの条件があります。
マイホームを残せる制度としても知られています。
個人再生とは、裁判所に申し立てをして、借金を大幅に減額してもらい原則3年間で返済していくという方法です。
ただし、この手続きを利用するには、いくつかの要件が定められています。
「借金をしているのが(会社や法人ではない)個人であること」
「今後、継続した一定の収入があること」
などです。
また、この手続きの特徴として、減額された住宅ローン以外の借金を分割で支払いながら、住宅ローンはこれまで通り支払いつつ、自宅に住み続けることができるといった点があります。
個人再生は、現在の借金を支払い続けることは難しいが、マイホームは手放したくないという場合に対応できる方法としても知られています。
個人再生のメリットとデメリット
個人再生の最大のメリットは、「自宅などの高価な財産を維持しながら借金の減額ができる」 という点でしょう。
自己破産のように、借金がなくなるというわけではありませんが、それでも住宅ローン以外の借金を大幅に減額できます。
また、ケースによっては「住宅以外の財産も維持できる」可能性もあります。
デメリットとしては、個人再生手続きを行うと「信用情報機関に事故情報として登録される」ため、今後新たなお借り入れやローンを利用することが難しくなることが挙げられます。
その他には、
「手続き費用が高額」
「手間がかかる」
「官報という機関紙に名前が載る」
ということがあります。
自己破産とは
その反面、マイホームなどの価値のある財産(原則20万円以上)が処分される場合があったり、一定期間、新規のお借入れやクレジットカードが作れなくなるなどのデメリットもあります。
自己破産とは、支払不能であること、つまり借金返済の見込みがないことを裁判所に認めてもらい、借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。
終わりの見えない借金生活を白紙に戻し、収入の範囲で生活できるよう生活の立て直しを計っていきます。
自己破産というとネガティブなイメージが優先されますが、必ずしもそうではなく、むしろ生活再建への究極の救済手段であるともいえるのです。
現在、いくつかのお借入先から借金をして多重債務状態である、利息だけ支払う状態を続けていて先が見えない、などの状況にある場合は、検討する価値のある手続きです。
自己破産のメリットとデメリット
自己破産をするメリットはたくさんあります。
まず、何と言っても「借金の免除」です。
「非免責債権」と呼ばれる一定の債権においては免責されませんが、借金をなくしたいと考える方は多いと思います。
次に、「手続きは誰でも可能」で収入がない人や生活保護を受給中の人も申し立ては可能です。
そして「取り立てが止まる」ことの精神的な効用も大きいでしょう。借金の悩みから解放されて、今後の生活の立て直しを図ることができます。
対してデメリットは、
「自宅や土地などの財産は、基本処分される」
「車や預貯金、生命保険なども一部没収されることがある」
「一部の職業に就けなくなる」
などが挙げられます。
特定調停とは
特定調停についても触れておきます。
特定調停とは、裁判所に仲裁してもらい、金融機関と話し合うことで借金を減額してもらう方法です。
司法書士や弁護士に依頼する費用を抑えたい方には、費用も安く便利といえるでしょう。
ただし、
「指定された調停の日に必ず裁判所に行かなければならない」
「返済計画通りに返済できない場合、直ちに給料などを差し押さえられる恐れがある」
「遅延損害金を請求される可能性がある」
などのデメリットもあることを、念頭に入れておきましょう。
借金整理(債務整理)のメリットとデメリット
ここまでは、各々の手続きについてメリットやデメリットを解説しましたが、ここでいったん詳細をまとめてみます。
これから借金の相談を考えている方は、大まかなメリット・デメリットの把握にお役立てください。
借金整理(債務整理)のメリット
債務整理全体に共通して挙げられるメリットの1つめは、「借金が減額される、又は消失する」 というものです。
借金が免除されない手続きでも、利息分をカットできたり月々の支払いが楽になったりといった多大なメリットがあります。
2つめは、「(弁護士・司法書士に依頼した場合は)依頼した数日後には金融機関からの督促が 止まって、支払いもストップできる」というものです。
これは、専門家からの通知によって金融機関が督促を控えるもので、自身で手続きする場合は止まりません。
借金整理(債務整理)のデメリット
債務整理に関する共通したデメリットは、「信用情報機関に事故情報として登録されてしまう ため、一定期間は新たなお借り入れが難しくなる」ことや、「手続きに費用がかかる」ことです。
費用は専門家に依頼する費用とは別に、手続きによっては裁判所に納める費用も発生します。
ブラックリスト・信用情報について
実際には、「ブラックリスト」というリストは存在しませんが、「信用情報機関」にネガティブな情報(貸倒れや延滞などの事実)が登録されている状況が、「ブラックリストに載る」と表現されています。
かつては過払い金の返還請求を行うと、各信用情報機関に履歴が残されていました。しかし、現在では借金を払い終えてからの過払い金返還請求は、信用情報に登録されなくなったため、安心して請求することができるようになりました。
職業別の借金整理(債務整理)手続き
借金整理(債務整理)の相談を考えている方へ
借金に悩む多くの方は、債務整理にかかる費用やブラックリストに載ってしまう心配があり、また、どの弁護士・司法書士に相談すれば良いかわからないといった不安を感じていらっしゃいます。
しかし、借金のお悩みは親しい人にも相談しづらく、まして解決のための知識や情報を持っている相談者となると、身近にいる可能性はさらに低くなるでしょう。
お一人で悩んでいても生活が楽になることはほぼありません。
まずは司法書士や弁護士に相談することで、新しい生活への一歩を踏み出されることをおすすめします。
司法書士法人 中央事務所に依頼された場合
弊所ではご相談者さまのお気持ちに寄り添って、なんでもご相談いただける環境作りを目指しております。
ご相談の内容が、ご友人やご家族に知られることはありませんし、電話やメールでのご相談を無料でお受けしております。
また、全国にいくつもの拠点があるため対応はどこからでも可能ですし、WEBでは24時間年中無休で受付しており、いつでもお気軽にご相談いただける環境を整えております。
借金整理(債務整理)のお手続きの流れ
依頼先選びの考え方
1. 過払い金をどれだけ取り戻してくれるのか?
2. 借金をどれだけ減らしてくれるのか?
3. 将来の重い利息をどれだけ減らしてくれるのか?
4. 安かろう悪かろうの交渉内容になっていないか?
5. 業務完了まで迅速に処理してくれるか?
6. リラックスして相談できる事務所か?
7. 真剣にあなたと向き合える事務所か?
弊所では、お客さまに、本当にやさしい事前相談・事後相談、日本全国への出張相談、借金整理後の未来の指針となるシミュレーション、正確なグレーゾーン金利の計算技術、決して妥協しない粘り強い交渉や裁判、スピーディーな業務完了をご提供するための限界ラインとしての料金設定を行っております。ご信頼をいただければ幸いです。
借金整理(債務整理)のまとめ
債務整理には、主に
『過払い金返還請求』
『任意整理』
『個人再生』
『自己破産』
の手法があることを解説してきました。
債務整理全体としてのメリットやデメリットを、イメージしていただけたかと思います。
借金のお悩みは一朝一夕に解決できるものではありません。
特に、法的な制度を利用しての借金問題解決となると、豊富な経験と相談実績を持つ専門家へのご相談が有効です。
司法書士法人 中央事務所では、一人でも多くのお客さまを全力でサポートすべく、借金に悩む方が安心して相談できる環境を提供させていただいております。
お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
借金整理(債務整理)のよくある質問
- 借金をまとめる方法はありますか?
-
複数のローンを集め、バラバラだった返済を一本にする方法があります。
これは、別のローンを組み、今ある複数のローンを大きく一つにまとめ、場合によっては利率が下がるため毎月の返済額が減らせる、という方法です。
このローンを「おまとめローン」といいます。
この方法の最大のメリットは、多岐化した借金を一本化することにより、今後の返済日や返済方法の管理がとても楽になることです。
貸金会社ごとに違う返済日を気にすることもなくなります。
「おまとめローン」はいくつものローンを一つにまとめることから、どうしても高額融資となることが多く、審査の流れによっては誰か保証人を立てるよう要求されることも考えられます。
そして、おまとめローンができる条件として、あくまでも借り換えができる人ということが絶対条件です。
過去に返済を何か月も延滞したり、お借り入れできる限界(年収の3分の1)を超えてしまう方は、違う方法を考えなければなりません。
「おまとめローン」は新たにローンを組み直し、今支払いに苦しんでいるローンを改めて返済していこうという案なので、根本的な借金問題解決にはなりません。
司法書士法人 中央事務所では、過払い金で借金を大幅に減額したり、借金の利息を無くして返済をもっと楽にする「借金整理」というお手続きをしております。 - 初めてのことなので、ちょっとしたことで相談することがあると思いますがいいのでしょうか?
-
借金整理について、自己破産についてなどなど、疑問な点、不安な点、たくさんあると思います。
これくらいのことわかって当たり前、こんなこと聞いていいのかな…。
そのようなご心配は不要です。
少しでも疑問に思われることがありましたら、お気軽にご連絡ください。 - 相談してもすごく難しいことを言われるんじゃ…。
-
お客さまのご理解を第一に、常日頃、お客さまと接する場面を想像しながら、一言一句お客さまへ説明する際の文言を考え、お客さまへお伝えしております。
極力難しい法律用語は使用せずにご説明することを心がけてはいますが、もしわからない場合は、理解できるまで何度でもご説明しますので、お気軽に聞いてください。