過払い金の引き直し計算とは？計算方法を解説

一方、実際に過払い金を請求する場合は、以下の準備が必要になります。

1. 取引履歴
2. インターネットに接続でき、Excelが使えるパソコン
3. 過払い金の計算ソフト

取引履歴を取り寄せる

過払い金の金額を計算するために、カード会社や、貸金業者から取引履歴を取り寄せます。
カード会社や、貸金業者は、契約者が取引履歴を要求した場合は、応じる義務があります。
取引履歴を取り寄せる方法 は会社によって異なりますが、以下3つの方法が代表的です。

• 電話、FAX
• インターネット
• 郵送

取引履歴を受け取るまでの期間は、おおよそ数週間〜数か月になります。

インターネット環境とExcelが使えるパソコン

過払い金の計算ソフトを動かすには、次のようなパソコンが必要です。

• インターネットに接続できる
• Microsoft社のExcelという表計算ソフトが使える

もしパソコンをお持ちでなければ、Excelがインストールされている中古パソコンを購入されても良いかもしれません。
パソコンはあるけれどもExcelが入ってない場合は、ExcelをAmazonなどで購入して、インストールしてください。
この記事を書いた時点（2023年10月）では、￥15,000程度です。
インターネットの接続環境については、自宅に固定のインターネット回線がなくても、スマートフォンをお持ちであれば、テザリングという方法を使ってパソコンをインターネットに繋げて作業することも可能です。

計算ソフトに取引履歴の情報を入力すれば、過払い金を自動で計算してくれます。
ただし、計算ソフトを過信するのではなく、自身でも確認ができるように計算の方法を知っておくべきです。

過払い金を計算する方法の考え方自体は、簡単です。

1. 表計算ソフトに、法律上の利息の上限（上限金利）を入力

2. 表計算ソフトに、取引（借入または返済）の内容を、時系列に入力

• a. 取引をした日
• b. その取引で借りた金額（返済したならゼロ）
• c. その取引で返済した金額（借入したならゼロ）

3. それぞれの取引で、法律上の利息・元金の返済額・取引後の残元金、を計算

	取引で支払った利息	元金の返済額	取引後の残元金
借入の場合	ゼロ	ゼロ	（前回の取引の残元金）＋（借り入れた金額）
返済の場合	(前回の取引の残元金）×（契約上の利息）×（前回の取引からの年数※2）	（金融機関に入金した額）−（今回の取引で支払った利息）	（前回の取引の残元金） –（今回の元金の返済額）

※2. 前回の取引からの年数 ＝ 前回の取引からの経過日数 ÷ その年の1年の日数

4. 最後の取引後に残元金がマイナスの場合は、お金を返しすぎていることになりますこの金額が、「過払い金」です

カード会社や貸金業者ごとの取引履歴の見方

取引履歴の項目は、カード会社や貸金業者ごとに異なります。

■イオン

「取引年月日」「貸付金額」「入金額」の項目を確認して計算ソフトに入力していきます。
貸付金が借り入れた額、入金が返済にあてた金額です。
上記3つの数値をExcelに入力すると、自動で過払い金が算出されるようになっています。
イオンから送付される取引履歴には、過払い金を計算した金額が掲載されていますが、あくまで目安であり、過払い金に対する利息を計算するうえでも、自身での別途計算が必要です。

■ニコス

年月日に対して、貸付金が借り入れした額で、入金額が返済したお金です。
イオンと同様にから送付される取引履歴には、過払い金を計算した金額が掲載されていますが、利息に関しては、自身での別途計算が必要です

■エポス

平成9年以降のみの取り扱いとなります。
キャッシングのみではなく、ショッピング分も掲載されるケースもあるので、注意が必要です。
他社と同じように「年月日」「貸付金額」「返済金額」の3点で、貸付金額は借り入れ、返済金額はそのまま返済した額となっています。
現在は見やすい取引履歴となっており、利用しやすいと思います。

■アコム

「取引日」「出金額」「入金額」と、おおまかな点は一緒です。
取引日に沿って、入出金の区分が、「貸付時のお取引金額」と「入金時のお取引金額」とを注意しながら、Excelに入力していくのみです。
入力の誤りには気を付けて、最後に数値が間違っていないかしっかり確認してください。

■プロミス

出金額は借り入れた金額、入金額は返済した金額です。
取引日は、それぞれ対応した日です。

■レイク

まず、「約定利率部分」と言う項目に確認し、ここの数値がグレーゾーン金利になっている場合は、過払い金が発生している対象です。
他社と同じように「貸付日と入金日」「貸付金額」「入金額」となっています。
数値を算出する際には、まず取引内容を見て、以下の通りに入力します。
貸付＝借り入れた金額、
入金＝返済した金額となります。
注意として、93年以前の取引記録は、内容も計算も複雑になるので、司法書士などの専門家に調査・確認してもらうことを、おススメします。

■アイフル

レイクと同様に、「約定利率部分」と言う項目に確認し、ここの数値がグレーゾーン金利になっている場合は、過払い金が発生している対象です。
他社と同じように「貸付日と入金日」「貸付金額」「入金額」となっています。

■セゾン

レイクと同様に、「利率部分」と言う項目に確認し、ここの数値がグレーゾーン金利になっている場合は、過払い金が発生している対象です。
項目の名称は異なりますが、他社と同じように「年月日」「利用額」「金額（元金）」となっています。
利用額と言う項目の金額が、その時借り入れた金額を指し、金額（元金）が返済した金額になります。

■オリコ

オリコの過払い金の計算を自身で行うのは、非常にハードルが高いです。
理由は、借り入れ詳細と、返済時の詳細が別のシートに掲載されているためです。
返済時の金額の数値を算出するのに、合計の入金額から費用を二つ、さらにショッピング（SP）元金・手数料を差し引いた額を出す必要があります。
個人で進めた場合、計算ミスなど過払い金の金額に影響してくるので、司法書士などの専門家に調査・確認してもらうことを、おススメします。
⇒専門家への依頼はこちらから

過払い金を大まかに計算するのは、自身でも可能ですが、気をつけないと大きく損をしてしまいます。
過払い金の計算までの各ステップで、注意すべき点を解説します。

取引履歴を取り寄せる時の注意点

取引履歴を取り寄せると、カード会社や、貸金業者から和解をしませんか？と、提案をしてくる場合があります。
自身に有利な条件だと判断できなければ、司法書士などの専門家に調査・確認してもらうことを、おススメします。

また、返済中の借入金に関しては、取引履歴を自身で取り寄せると、過払い金の取り戻しにあたって問題が生じる可能性もあります。
民法705条では「返さなくてもよいと知りながら借金を返した場合は、それを取り戻すことができない」と定めています。

（債務の不存在を知ってした弁済）
第七百五条　債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。

出典：総務省 電子政府の総合窓口 民法第七百五条

裁判においては「取引履歴を取り寄せただけで、債務の存在しないことを知っていたことに該当しない」と主張することで、過払い金を認められることが多いです。

しかし、話し合いの場合には、カード会社や、貸金業者に交渉をする余地を与えてしまうことになるので、注意が必要です。
このような場合には、自身での適切な対応が難しいケースもあると思われますので、やはり、司法書士などの専門家に調査・確認してもらうことを、おススメします。

過払い金を計算する時の注意点

過払い金の計算では、ちょっとした計算ミスが、大きな損につながってしまう可能性があります。

過払い金の計算ミスが、交渉を長びかせてしまう、不利な和解に繋がってしまう

過払い金の請求では、お金を借りた側が、カード会社や、貸金業者に対して過払い金を請求することから始まります。
もし、請求した過払い金の金額が間違っていたら、取り戻すまでの交渉が長引いてしまいなかなか戻って来ないばかりか、請求に関する手間や費用が増えてしまう可能性もあります（遠方の場合の交通費など）。
また、不正確に過払い金を請求した場合には、カード会社や、貸金業者はこちらの経験不足を見抜いて、強気に出てくることも考えられます。
そのため、過払い金の計算では、正確に計算する必要があります（理想を言えば、1円も間違わないレベルが望ましいです）。

様々な取引履歴を正確に理解しなければいけない

取引履歴の形式や、取引履歴の中で使われている言葉・意味は、会社によって異なります。
古い取引履歴は、読み方が分からない項目も多いです。
また、取引履歴を読み解けたと思っても、本当に正しいか確認・相談できる相手がいなければ、計算ミスにも気づくことができません。

時効の判定は間違いやすい

過払い金を請求する権利は、最後に取引をした日（完済）から10年を過ぎると時効を迎えてしまいます。

ただし、同じ会社から完済・返済と借入を繰り返していた場合は、「10年以上前に完済した借入」と「その後の借入」が、「一連の取引」と認められると、時効を迎えていないと判断される場合があります。

どのような場合は、一連の取引と認められるか、を判定するには、法律や判例に関する専門的な知識が必要です。
こういったケースでは、自身での正確な計算は難しくなります。

「借入金額」「借入期間」だけでの計算は、かなり精度が低い

インターネット検索などで「過払い金の簡易計算ツール」は、多くみつかります。
弊所のサイト上でも提供していますが、あくまで大まかな過払い金の金額を知るためのもので、精度は高くありません。

例えば、以下の場合には対応できません。
時効を迎えた可能性がある
延滞をしたことがある
複数の会社から借り入れしていた

過払い金を請求しようと考えた時に、ざっくりとした見立てを立てる程度のご利用に止めることを、おススメします。

過払い金を請求するメリットをより実感いただくために、過払い金が発生していた場合の過払い金の発生金額の例や、ラクに取り戻せる方法について解説します。

過払い金が発生していた場合の発生金額の例

弊所に、消費者金融等に対する過払い金の請求をご依頼いただいた方の、平均の過払い金額は次のようなものでした※1。

会社名	平均過払い金額
アコム	125万円
プロミス	111万円
アイフル	95万円
レイク	116万円

※1. 司法書士法人 中央事務所との間で2018年1月〜2018年12月の期間に、上記カードのいずれかで過払い金が発生したお客様40,614名（新規委任契約された方）のカード別平均過払い金発生額（2019年3月2日時点）。
過払い金の金額が大きくなる要因は、元々契約していた利息の高さだけでなく、返済期間の長さも関係します。
例えば、リボ払いでは返済期間が長くなるため、利息の総額が大きくなる傾向にあります。
結果的に毎月の返済額が増えてしまい、利息だけを払って元本を返せない状態に陥ると、利息の総額も増えてしまいます。

過払い金をラクに取り戻すコツは専門家に依頼すること

過払い金の請求ご自身で進めることもできますが、大変な手間がかかります。
具体的には、以下の作業が必要です。
取引履歴の取り寄せ
表計算ソフトを使った過払い金の計算
過払い金の請求書を作成

過払い金請求の専門家であれば、面倒な作業は全てやってくれますのでラクに進みます。
初期費用ゼロ円で成功報酬型の専門家に頼めば、費用だけがかかることもないので、、おススメします。

専門家の力を借りるメリットは大きい

過払い金の取り戻しを専門家に頼むと、過払い金の計算以外にも、多くのメリットがあります。

過払い金の計算が早い・正確

過払い金の取り戻しに慣れている専門家の場合は、以下の知識が豊富です。
取引履歴の取り寄せをいかに早く進めるか
過払い金の正しい計算方法は何か

初めて自身で計算される場合に比べ、早く・正確に過払い金を計算をしてくれます。

民法705条のリスクも回避できる

過払い金の取り戻しを専門家に頼むと、カード会社や貸金業者が「過払い金がありますよ」と伝えても、あなたに不利益が生じないよう、適切な対応を取ることができます。
そのため、不利な和解条件を突きつけられることも減るでしょう。

過払い金の請求を依頼する専門家は、どのように選べばいい？

過払い金の請求を依頼するなら、以下3点で選ばれることを、おススメします。

1. 事務所の規模が大きく、スムーズに手続きを進めてくれる事務所
2. 過払い金の実績の多い事務所
3. 相談・着手金がゼロで、報酬が成功報酬の事務所

この3点は、過払い金を「ラクに、なるべく多く、早く」取り戻すのに不可欠な要素です。

過払い金の請求を依頼すると、たびたび説明を受けたり、要望を伝えたりすることもあります。
快適にコミュニケーションができる相性の良い相手を選ぶことで、請求をスムーズに進められたり、請求自体の満足度が高まったりする可能性があります。
相性で選んで良いのかと悩んでしまう方もいるかもしれませんが、フィーリングも大切な条件です。

過払い金の請求は、無料でご相談いただけます

過払い金について悩まれたときは、専門家の力を借りるのが早期解決の近道です。

中央事務所では、過払い金の知識と実績が豊富な専門家が、過払い金のお悩みをしっかりとお聞きします。
ご相談時にお話しをよく伺った上で、ご自身の状況にあった解決方法をご提案させていただきます。

WEBから、24時間いつでも受付していますので、お困りの際はぜひお問い合わせください。