過払い金とは、払いすぎた利息のことです。
過払い金は、利息制限法と、民法にもとづいて返してもらうことができます。
実際これまで、多くの方が過払い金を返してもらっています。
ただし、過払い金が返してもらえるかどうかは、一定の条件がありますので確認をすることが必要です。
また、過払い金の請求を進めるうえでの留意点がいくつかあります。
これらを踏まえて、実際に過払い金はどうやったらうまく返してもらえるのか、また、過払い金のことで困ったら誰に相談したらいいのかなど、具体的な方法や適切な相談先について、実際に過払い金を返してもらえた事例とあわせてご説明します。
過払い金を実際に返してもらう方法は?
過払い金を実際に返してもらう方法には
- 貸金業者と交渉をして合意する(和解契約を結ぶ)
- 裁判を起こす(訴訟の提起)
の2つの方法があります。
この2つの方法で、返してもらう額と期間が異なります。
裁判を起こす場合は、過払い金全額に加えて、法定利息まで付けて返してもらえることが一般的です。
これに対して、交渉で返してもらう場合は、必ずしも過払い金全額は返ってこないばかりか、利息も返ってこないのが通常です。
しかし、裁判所で手続きをするよりも早めに返してもらえることが多いです。
これらの方法は、自身でもできる方法です。裁判(訴訟の提起)も、自身で行おうと思えばできます。
しかし、交渉や、裁判のため書面を準備することや、貸金業者と交渉をすること、あるいは裁判所に出向いて手続きをすることは、大変手間と時間がかかります。
また、過払い金がいくらなのか、知るためには「引き直し計算」といって、決まったやり方で計算を正しく行わなければなりません。
もしも正しく引き直し計算を行わないまま、貸金業者に過払い金を返してもらうように交渉しようとしても拒否されることも考えられます。
これらの準備は、時間の都合や、インターネットなどの情報だけに頼って自力で行うには難しい面があります。
弁護士・司法書士に依頼すると?
面倒で時間のかかる書類作成、誤りがちな引き直し計算も、専門家に依頼すると、自身で行うよりも正確でスピーディに進めてもらうことができます。
司法書士と弁護士、どちらにも過払い金を返してもらう手続きは依頼できますが、どんな違いがあるかは、ご存じでしょうか。
自身の過払い金を返してもらいたい場合、どちらを選べばよいのでしょうか。
次に選び方をご説明します。
司法書士の場合
司法書士は、「認定司法書士」という制度により、
- 簡易裁判所での訴訟(金額は140万円まで)には代理権があるので、裁判ができる
- 依頼者の代理人になって、貸金業者と交渉ができる
そこで過払い金を返してもらいたい方は、司法書士に依頼をすることができます。
ただし、司法書士はもともと、登記や供託などの専門家で、裁判や、交渉を専門とする弁護士とは職務が違います。
裁判や、代理人として交渉ができるのは、認定司法書士という資格をもった司法書士だけであり、扱う法律問題も、借金整理や過払い金の問題に限られています。
弁護士の場合
これに対して、弁護士に依頼すると、
- 訴訟の金額に制限がない
- 取り扱う法律問題にも制限はなく、相談・解決に力を貸してもらえる
ことになります。
認定司法書士と弁護士の違いは以上の通りですが、これだけではどちらを選んで頼めばよい、とは一概には言えません。
弁護士にしか頼めない問題、たとえば140万円を超えて、過払い金を返してほしい、家族の問題も絡んでいる借金の法律問題である、といったことがない限り、専門家を選ぶポイントは、経験と実績だからです。
弁護士・司法書士、いずれも過払い金を専門としている場合でないと、結果として返してもらえる額にも影響が出ることもありえます。
専門家を選ぶときのポイントは、次のとおりですので、いざというときのために、是非覚えておいてください。
- 弁護士でも、司法書士でも、過払い金を返してもらうための依頼ができる
- 過払い金を専門に扱う弁護士・司法書士に頼むと、適切な対応をしてくれる可能性が高い
- ただし、140万円を超えて返してもらいたい場合や、過払い金・借金の整理以外の法律問題も一緒に解決できるのは弁護士
過払い金を返してもらえる場合とは?
過払い金は、不当利得返還請求権という民法上の権利にもとづいて返してもらえます。
過払い金は、利息制限法の上限を超えて支払われたお金ですが、法律上の根拠なく返済を義務付けられ貸金業者が受け取ったお金です。
根拠がない利得なので「不当利得」と呼ばれ、返してもらえる権利が民法によって生じます。
ただし、実際に返してもらうには条件があるので、それぞれの条件について、下の説明にしたがって確認しましょう。
お借り入れにグレーゾーン金利が適用されていた取引
お借り入れに、グレーゾーン金利が適用されていた取引は、過払い金が発生しています。
グレーゾーン金利とは、法律(利息制限法)の定めを超える利息のことを言います。
法律の定める利息は次のとおりです。
- 利息制限法・・・利息の上限は、年15〜20%
- 出資法 ・・・利息の上限は、年29.2%
この2つの上限の間で、2010年6月18日の利息制限法の改正まで、適法なのか、違法なのかはっきりしなかった利息を「グレーゾーン金利」といいます。
グレーゾーン金利が適用されたお借り入れに対して、利息制限法の上限を超えて返済をした場合、お金が過払い金として返してもらえる可能性があります。
なお、上記の利息制限法改正以降、利息制限法を超える利息での貸し付けは違法とされ、その後の新たな契約に過払い金は発生しません。
したがって、2010年6月18日の利息制限法までは、過払い金の発生の可能性があります。
ただし、それまでに利息を低く変更している貸金業者がありますので、お借入先により、実際に過払い金が発生していた期間は異なります。
キャッシング取引の場合
過払い金は、キャッシング取引に限って発生し、返してもらえる可能性があります。
たとえば、お借入先からのカードお借り入れ、クレジットカードのキャッシングなどの場合は過払い金を返してもらえるかもしれないのです。
これに対して、クレジットカードのショッピングのご利用、銀行のカードローンでは、グレーゾーン金利が適用されていなかったため、過払い金は発生せず、そのため、過払い金を返してもらうことができないことにご注意ください。
また、リボ払いの場合は、クレジットカードの場合、キャッシングに限り、過払い金の請求ができる可能性があります。ショッピングでは過払い金の発生はありません。
過払い金の消滅時効が完成していない場合
過払い金には消滅時効があり、民法162条2号によって最終取引日から10年を経過すると時効が完成し、請求ができなくなってしまいます。
ただし、最終取引日とは、借金を最後に返済した日のことを一般的には指すものですが、同じお借入先と複数の取引をしていた場合には、最終取引日はいつになるのかが問題になります。
新しい取引と、古い取引があり、それらが1個の「一連の取引」とみなされる場合には、新しい取引の最終返済日から期間を数えて、消滅時効が完成するかどうかを判断します。
一連の取引とみなせるかどうかは、裁判所は以下のような条件を判断の基準としています。
- 別個の契約に見えても、契約番号が同じである
- 常にお借り入れの残高がある、またはお借り入れのない期間が短い
- 貸主と借主が接触したことがある
- 別個の契約でも、契約内容が変わらない
その結果、古い過払い金について、まだ10年の消滅時効が完成していないとして請求できる場合があると考えられますので、慎重に過去の取引を確認することが必要です。
過払い金請求で実際にお金が返ってきた事例の紹介
今までご説明した通り、一定の条件をクリアすると、過払い金は返してもらうことが可能です。
そこで、実際に過払い金請求をして実際にお金が返ってきた事例をご紹介します。
事例1:Aさん「20年前の借金でも、過払い金を返してもらえました」
Aさんは、20年前にキャッシングをし、18年間返済し続けました。
返済を終わって、しばらくたってから、たまたま目にしたテレビのCMをきっかけに、「古い借金だから、無理かもしれないけど、もしかすると過払い金があるかもしれないのかしら。」と思うようになりました。
相談先を見つけて、ある日専門家に相談しました。
相談の結果、過払い金が発生している可能性が高いと、専門家から告げられ、依頼することとしました。
最終的に、過払い金を200万円も返してもらうことができました。
事例のポイント:時効をあきらめないで確認し、早めに請求しましょう
古いお借り入れでも、時効が完成しているかどうかは、最終取引日からの期間を数えて判断します。
最終取引日は、最終返済日なので、18年間返済し続けたこの事例では、2年前にさかのぼって期間を数えて判断します。
このように、古いお借り入れであっても、最終返済日がいつであるかにより、時効の完成を判断することになること、また、もし古い取引と新しい取引がある場合は、これを「一連の取引」として1つと数え、新しい取引の最終返済日からの期間で判断することもあることに注意しておきましょう。
時効の完成については、「一連の取引」に関する判断もありますので、専門家に相談しながら確認を進めるほうが確実です。
また、時効によって、過払い金を返してもらえなくなるリスクには十分注意する必要がありますので、過払い金返還請求を行うのであれば、早めに着手されることをおすすめします。
事例2:Bさん「借金を過払い金で整理、普通の生活に戻りました」
Bさんは、生活費が足りないのをキャッシングで埋め合わせすることとしました。
繰り返しキャッシング取引をしていたところ、お借り入れの総額が150万円を超える高額になり、過払い金のことが頭に浮かぶようになりました。
なんとなく、過払い金があるように思いましたが、ブラックリストを恐れて請求せず、なんとか返済を続けていましたが、ある時、お借り入れの返済が滞ってしまい、督促が何度も来る事態におちいりました。
何とかしないとまずい、と思い、専門家に相談したところ、過払い金を返してもらえれば借金が整理できることを知って依頼することを決めました。
結果、ブラックリスト入りもなく、過払い金でお借り入れも全額返済できたとのことです。
事例のポイント:過払い金請求のみでは、ブラックリストの心配はありません
過払い金で、借金を整理することもよくある事例です。
また、よくある誤解は、過払い金の請求をすると、必ずブラックリスト入りしてしまう、ということです。
お借り入れの返済が遅れた事実や、借金の整理の手続きをしている事実が信用情報に登録されていることを「ブラックリスト入り」と呼んでいます。
信用情報は、貸金業者が参照し、返済能力を確かめてから取引を開始します。
もしブラックリストに情報が載ると、返済能力がないものとされ、クレジットカードが使えない・作成ができない、あらたなお借り入れができないなどの事態が考えられます。
借金を完済している場合なら、ブラックリスト入りすることはありません。
また、戻ってきた過払い金で借金を完済できる場合も、事故や延滞にはなりませんので、ブラックリスト入りすることにはなりません。
そこで、お借り入れがある場合に、ブラックリスト入りすることなく、過払い金を返してもらいたい場合には、お借り入れの全額が過払い金で返済できるかどうかを十分に確認してから行いましょう。
できればこの確認は、過去の取引記録を専門家が取り寄せて、すべて見て判断したほうが正確であること、また、借金の整理は専門家の助言で進めるとうまくいくことも多いことから、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
事例3:Cさん「ショッピングセンターのカードの過払い金も返してもらえた」
Cさんは、専業主婦です。
少額をかつてショッピングセンターのクレジットカードでキャッシングしたことがあった以外、他のお借り入れはありませんでした。
ある日、友人からショッピングセンターのカードでも過払い金が発生し、返してもらえる可能性があることを知り、半信半疑ながら専門家に相談したところ、過払い金があることが判明しました。
専門家に依頼をし、80万円を超える過払い金を返してもらいました。
事例のポイント:グレーゾーン金利の適用の確認は、専門家に相談して進めるのがおすすめ
クレジットカードの種類にかかわらず、キャッシングにグレーゾーン金利が適用されていれば、過払い金発生の可能性はあります。
ただし、確実に過払い金が発生しているかどうかは、多くの過払い金事例を扱った専門家に相談をし、取引の期間、そのカード会社でいつまでグレーゾーン金利を適用していたのか、クレジットカードのブランド・種類等に応じて、詳細に確認したほうがよいでしょう。
過払い金の請求、実際の留意点とは?
実際に過払い金を返してもらいたい場合、事例にもあったとおり、次のような条件を確認する必要があります。
- 過払い金が発生しているかどうか・・・グレーゾーン金利が適用されているか
- 時効・・・最終取引日から10年以内で、時効が完成していないかどうか
また、借金の整理と、過払い金を返してもらう手続きを同時に進める場合は、ブラックリストに載ることは避けられるかどうか、ブラックリストに載ったとしても、過払い金で借金の負担を軽くした方がよいか、などのポイントを専門家に相談しながら進められると安心です。
過払い金や、借金の整理の専門家なら、引き直し計算といって、過払い金を正確に計算することや、過去の取引記録の照会も、短時間で進めることができます。
このように、過払い金が発生しているかどうか、正確に見極めて、ブラックリストのようなリスクを減らしながら、返金還請求を進められるのは、過払い金を専門とする弁護士・司法書士です。
過払い金の請求で悩まれたときは、専門家の力を借りるのが早期解決の近道です。
中央事務所では、過払い金の知識と実績が豊富な専門家が、あなたのお悩みをしっかりとお聞きします。
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本記事の監修/司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤 竜郎
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投稿日: 2024年6月19日
更新日: 2024年12月4日