債務整理をすると、家族カードも使えなくなるのではないか、とご心配の方もいらっしゃると思います。
一般的に、家族カードに債務整理の影響が生じるかどうかは、カード契約者が債務整理をしているのかどうかで決まります。
契約者の与信でカードを利用することがその理由です。
このため、カードの契約者が債務整理をした場合は、家族カードも含めてすべて強制解約となります。
これに対し、家族カードの利用者のみが債務整理をした場合は、契約者のカード・家族カードともに、利用に影響はありません。
家族カードの仕組みとは?
家族カードは、カード契約者(1名)の与信により、家族がカードを使えるようにしているものです。クレジットカードの発行の際の審査は、契約者の情報を元に審査し、家族の情報は考慮されません。
また、利用限度額は、家族と共有されるものです。契約者本人の利用限度額が100万円なら、家族と合計で、100万円までしか利用できないとされています。
家族が使った分は、契約者がすべて返済の責任を負うことになる点は注意が必要です。
家族の分も含めて使いすぎや、不正な利用がないか、Web などで早くチェックできるようにするなど、管理は契約者本人が家族の分までしっかり行う必要があります。
契約者の信用情報により家族カードも審査
クレジットカードには審査が必ず必要です。
なかでも、契約者の返済能力・支払い能力を見るための情報である「信用情報」についての審査は、重要とされています。
信用情報は、ブラックリストとも呼ばれており、返済の遅延や、債務整理の情報などの事故情報が登録されます。
カードの審査の際には、法律の規定により、返済・支払い能力をチェックする審査が必要です。
そのため、どのクレジットカード会社でも信用情報を参照します。
信用情報はカード会社間で共有されるので、一社のみであっても、契約者の信用情報に事故などの登録があると、どの会社でも発行できません。
既存のカード利用も信用情報の登録のタイミングでたまたま、という場合を除いてほぼ不可能です。
カード契約者が債務整理をした場合
カード契約者が債務整理をした場合には、ご本人のカードも使えなくなるほか、家族カードも利用できなくなります。
もう少し詳しい影響や、家族カード利用者の信用情報にはどのような影響がありうるのかについて説明します。
家族カードは回収される
家族カードは強制解約され、回収されてしまいます。
契約者の信用情報に基づき審査され、ご家族の信用情報を考慮せずに限度額も決められるので、家族の信用情報に問題がなくても、考慮はされません。契約者のカードと同様に、家族カードも利用できなくなります。
また、家族カードの利用分だけ、返済に応じるなどということもしてはなりません。
偏頗弁済といって、一部の債権者にのみ不公平な返済をすることは、破産法で禁止されているためです。
債務整理の中でも、自己破産・個人再生の手続きを進めるうえでマイナスの影響があります。
家族はクレジットカードを作れる?
これに対して、契約者の信用情報と、ご家族の信用情報は別のものです。
もし家族カードを利用しているご家族の信用情報に問題がなければ、カードを作ることは可能です。
ただし、家族カードの利用者は、借金の整理をしたカードの契約者と「同一生計にある」との情報がカード会社にあることは要注意です。
同じカードを使おうと申し込んでも「見送り」という可能性はあるのです。
カードの審査基準は各社で異なり、総合的に判断されるものです。
したがって、信用情報の状況のみで、一律には審査が通るとは言えません。
家族に債務整理を知られたくない場合は注意
任意整理で借金の整理をする場合、特に弁護士・司法書士事務所に手続きを代行してもらう場合は、ご家族にバレにくいというメリットがあります。
任意整理は、裁判所で行う手続きではなく、金融機関との示談交渉で借金を減額する手続きであり、弁護士や司法書士が手続きを代行することもできるためです。
裁判所から自宅に通知などが来ることもありません。
ところが、家族カードが突然使えなくなる、などのトラブルから、ご家族に知られることがあります。
ご家族に知られたくない場合は、事前に上手にデビッドカードに切り替えるなど、対策はあります。
対策について事務所に相談し、手続きを代行してもらうことがおすすめです。
家族カード利用者のみが債務整理をした場合
カード契約者のカードは、家族カード利用者のみが債務整理をした場合、そのまま利用可能です。
家族カード利用者のみが債務整理をした場合、契約者の信用情報に影響はありません。
契約者の信用情報に基づき、カード会社が審査をして利用が可能になるカードであるため、契約者のカードの利用には影響がありません。
カード契約者には影響なし、家族カードも利用可能
契約者のカードだけでなく、この場合、家族カードも利用を継続することができます。
債務整理をした家族が利用している家族カードもそのまま利用できます。
家族カードの利用がそのまま継続している場合、カードの利用はご本人の利用と同視されるので、ご本人のみが返済することとなります。
家族カードだけの債務整理はできない
家族カード利用者のみの債務整理はできますが、家族カードのみを対象とする借金の整理はできません。
家族カードのキャッシング・ショッピングの利用は契約者にのみ返済義務があるからです。
したがって、カード契約者の家族が家族カードを利用して浪費、その結果債務整理が必要になった場合は、家族カードのみの整理をすることはできません。
契約者は、ご家族に家族カードを持たせない・デビットカードで管理する・利用させる場合も、伝票や利用明細は契約者がこまめに管理するなどの対策をとる必要があります。
ご家族のお金の使い方に困ったら、ご自身だけでも早めに債務整理に強い司法書士や弁護士に相談し、対策を立てたほうが賢明といえるでしょう。
カード契約者・家族カード利用者が債務整理をした場合
なお、カード契約者・家族カード利用者が両方とも債務整理をした場合は、カード契約者が債務整理をした場合と同様、カードはすべて使えなくなります。
カード契約者の与信でカードを作成・利用しているので、カード契約者のみが債務整理をしているのと同様の結果となります。
家族カードに困ったら事務所に相談を
債務整理をカード契約者が行った場合は、家族カードも使えなくなります。
これに対して、家族カードの利用者のみが債務整理をした場合は、契約者の信用情報には影響がないので、契約者のカードも家族カードも継続して利用できます。
また、家族カードに使いすぎなどの問題があった場合は、カード契約者が返済義務を負い、家族カードのみの債務整理はできません。
カード契約者本人がご自身の借金の問題として、対策を立てる必要があります。
借金の返済に悩まれたときは、借金の専門家の力を借りるのが早期解決の近道です。
中央事務所では、債務整理の知識と実績が豊富な専門家が、あなたのお悩みをしっかりとお聞きします。
ご相談時にお話しをよく伺った上で、あなたの状況にあった解決方法をご提案させていただきます。
WEBから、24時間いつでも受付していますので、お困りの際はぜひお問い合わせください。
本記事の監修/司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤 竜郎
中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。 借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。

投稿日: 2024年6月10日
更新日: 2024年12月5日