リボ払い(リボルビング払い)とは
リボ払いとは、「リボルビング払い」と呼ばれるクレジットカードの支払方法です。
クレジットカードの利用金額にかかわらず、毎月の支払額を一定の金額にして、利息と一緒に支払っていきます。
リボ払いの種類には、主に「定額方式」と「残高スライド方式」の2つがあります。
定額方式とは、支払残高の大きさに関係なく毎月一定額を支払う方法です。
一方、残高スライド方式とは、支払残高の大きさに応じて、月々の支払額が段階的に増減する方式です。
リボ払いと似た支払い方法に、「分割払い」という方法がありますが、分割払いは買い物ごとに支払回数を選ぶ方法で、リボ払いとは異なります。
リボ払いは、高額の買い物をしても毎月の返済額が一定になるため、気軽に利用したくなりますが、利息が発生することを認識しておくことが大切です。
リボ払いで過払い金を請求できるケース
すべてのリボ払いに、過払い金が発生するわけではありません。どのようなリボ払いに発生する可能性があるのか、確認しておきましょう。
クレジットカードのキャッシングのリボ払いである
リボ払いは、主にクレジットカードで使われている支払い方法ですが、クレジットカード以外でも用いられています。
過払い金が発生する可能性があるのは、クレジットカードのキャッシングのリボ払いです。
クレジットカード以外のリボ払いや、クレジットカードのショッピングのリボ払いには、過払い金発生の可能性はありません。
次のような場合に、過払い金が発生している可能性があります。
- 消費者金融からのお借り入れを、リボ払いで返済していた
- クレジットカードでキャッシングをして、リボ払いで返済していた
時効を迎えていない
過払い金が発生していても、時効になると取り戻す権利が消滅してしまいます。
時効を迎えてしまう前に、請求手続きを行うことが重要です。
過払い金請求の時効は、「最後にお借り入れや返済をした日から10年以内」(2020年4月1日以降に完済した場合は、最後に取引した日から10年、または過払い金を請求できることを知ってから5年)とされています。
もし、自身の記憶があいまいで手続きをためらわれている場合は、お借入先から取引履歴を取り寄せて確認することができます。
また、自身では時効だと思っていても、まだ時効になっていないケースもあるので、早めに専門家に相談することをおすすめします。
対象のクレジットカード会社や消費者金融が倒産していない
お借入先のクレジットカード会社が倒産している場合は、過払い金を取り戻すのは難しくなるでしょう。請求先の会社が完全になくなっている場合は、当然請求できません。
民事再生や破産などの法的整理を行なっている場合、配当を受け取れる可能性がありますが、本来受け取れる金額よりもずっと低い金額になります。
また、他の会社に吸収合併されていたり、事業継承されていたりする場合にも、過払い金請求が可能な場合があります。
いずれにしても、過払い金がある場合には、請求先の会社が倒産する前に、手続きを進めましょう。
リボ払いで過払い金が発生しないケース
次に、リボ払いでも過払い金が発生しないケースについて、解説します。
ショッピング利用のリボ払い
クレジットカードでショッピングをすると、カード会社が購入した商品の代金を立替払いしてくれて、後からカード会社に支払いをすることになります。
ショッピングリボは、このショッピングで発生した金額をリボ払いで支払う方法です。
ショッピングのリボ払いでは、カード会社の手数料はかかりますが、利息はつきません。
つまり、ショッピングはキャッシングのような貸金取引ではないため「利息制限法」は適用されず、ショッピング利用分に過払い金が発生することはないのです。
銀行カードローンのリボ払い
銀行カードローンには、まず過払い金は発生しません。そのため、銀行カードローンのリボ払いにも、当然過払い金は発生しません。
理由は、銀行のカードローンは、2010年以前から適法な利息で貸付を行なっているからです。
ただし、ここで注意したいのは、銀行の関連会社であるクレジットカード会社(信販会社など)が運営するクレジットカードのローンと、銀行のカードローンは異なるという点です。
銀行の関連会社であるクレジットカード会社のローンでは、銀行カードローンとは異なり、過払い金が発生している可能性があります。
リボ払いの過払い金の請求にデメリットはある?
リボ払いで返済した借金の過払い金請求をする場合も、通常の過払い金請求をするときと同様のデメリットがあります。
過払い金を請求をしたクレジットカードは原則使用不可
過払い金返還請求を行ったクレジットカードは、強制解約され、原則使用不可となります。
過払い金請求は、当然の権利ではあるのですが、請求先の金融機関では、その情報を社内リストに登録します。これは俗に言う社内ブラックという状態で、再度のお借り入れもできない可能性が高いと考えておきましょう。
クレジットカードが使えないとなると、不安に思われるかもしれません。しかし、請求手続きを行なったお借入先以外のカード会社では、問題なくカードが作れますので安心してください。
ブラックリストに載る可能性がある
個人の信用情報に、事故情報が登録されることを、「ブラックリストに載る」という言い方をします。
借金の完済後に過払い金の請求をしても、ブラックリストに載ることはありません。
借金返済中に過払い金請求をする場合は、引き直し計算の結果、借金が残ってしまうか完済できるかによって、ブラックリストに載るかどうかが決まります。
借金が残れば、任意整理として扱われるため、ブラックリストに掲載されます。
信用情報に事故情報が登録されると、過払い金を請求した貸金業者だけでなく、他の貸金業者での借り入れも難しくなります。
ただし、ブラック情報はずっと残るわけではなく、一定の期間が過ぎれば削除されます。
対象のクレジットカード会社を調べる方法
「過払い金があるかどうか、どうやって調べたらいいのだろう?」
そんな場合は、インターネット上でシミュレーションをしてみることをおすすめします。
インターネットで「過払い金 無料診断」や「過払い金 シミュレーション」などと検索すると、過払い金を計算できるツールが出てきます。
ただし、シミュレーションの結果はあいまいです。過払い金があるかも?と思われた場合は、専門家へ相談されることをおすすめします。
代表的なクレジットカード名の一覧を載せていますので、参考にしてください。
<代表的なクレジットカード名を記載、カードページ遷移>
リボ払いの過払い金請求手続きの流れ
過払い金の請求手続きは、自身でもできますが、専門家に依頼することもできます。
手続きの流れは、次の通りです。
取引履歴を取り寄せる
取引履歴の取り寄せは、お借入先の金融機関に連絡をして請求します。
金融機関の公式サイトから、もしくはおお問い合わせ窓口などに電話をして、取引履歴を郵送してもらいます。お借入先の金融機関によっては、手数料がかかる場合もあります。
弁護士や司法書士などの専門家に依頼した場合は、これらの手続きを事務所で行なってくれます。
取引履歴を見て、お借り入れや返済など過去の取引をチェックすることで、過払い金の対象になるのかを判断し、過払い金請求でおおよそどれくらい戻ってくるのかもわかります。
引き直し計算をする
過払い金請求の対象であることが判明した場合、取引履歴の記載内容をもとに、引き直し計算を行います。
引き直し計算とは、利息制限法の上限利息で計算をし直すことを言います。
法定利息で返済した場合の借金の残高を計算することによって、実際に返済した残高との差額を出し、過払い金を算出します。
また、過払い金請求には消滅時効があるため、いつ完済したかの確認も重要です。
過払い金の計算は、無料計算ソフトを使えば自身で行うこともできます。
しかし、正確な過払い金額を計算するのが難しい場合もあるため、専門家への相談がおすすめします。
過払い金返還請求書を送付する
請求できる金額が確定したら、お借入先へ内容証明郵便で「過払い金返還請求書」と「引き直し計算書」を送付します。
過払い金返還請求書には、取引があった期間や発生している過払い金の金額とその利息、返金希望時期などが記載されています。
また、内容証明郵便を利用することで、「いつ」「誰が」「誰に」「どのような内容」の文書を送ったのかが証明できるため、「受け取っていない。」などと言い逃れされて、交渉に時間がかかるリスクを避けられます。
任意交渉を行う
請求書が到着すると、お借入先の担当者から連絡が入り、電話や書面で過払い金の返金額や期日について交渉が始まります。
お借入先が返金に応じたり、納得できる条件を提示してきたりした場合は、合意をして和解書を取り交わします。
しかし、和解交渉が成立しなかった場合は訴訟に移行します。
提訴すると、手続き期間は伸びてしまいますが、請求側が勝訴した場合、和解交渉で合意をするより高い金額が返金される傾向にあります。
和解交渉で合意する、もしくは裁判で解決できると、過払い金が指定した口座に入金されます。
リボ払いの過払い金請求は専門家におまかせ
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本記事の監修/司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤 竜郎
中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。 借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。
投稿日: 2024年6月13日
更新日: 2024年10月8日