借金をしていて、返済を延滞している間にも過払い金を請求することは可能です。
過払い金を返してもらえれば、返済に充てることもできるので、借金の額を減らすことができます。
しかし、実際には、督促や、延滞による利息の発生も気になることがあります。
どうやって過払い金の請求を進めればよいのでしょうか。
ここでは、借金の返済が延滞している場合の、過払い金の請求を進める方法や、延滞による利息の発生をストップする方法について、注意点も踏まえて解説します。
過払い金とは?
過払い金とは、払いすぎた利息のことをいいます。
特に利息制限法が改正される以前までの借金に、グレーゾーン金利と呼ばれる金利が適用されていたために払いすぎが発生します。
発生した過払い金は、返金してもらえる可能性があります。
具体的には、次の二つの条件を満たしていると過払い金は返金してもらえる可能性があるのです。
- グレーゾーン金利が適用されていたこと
- 過払い金の返金を請求する権利が消滅していないこと
過払い金を返金してもらえる条件とは?
実際に過払い金を返金してもらうには、過払い金の返金を請求する権利が消滅時効により消滅していないことが必要です。
消滅時効は、一定の期間、持っている権利を行使しないと、その権利が消滅してしまう制度です。
消滅時効には2種類があり、どちらかにあてはまると過払い金の返金を受けることができなくなります。
- 借金をしていた人が過払い金を返してもらえる権利を行使できる時(通常は最終返済日)から10年が経過したとき(民法166条2項)
- 返してもらえることを知ったときから5年が経過したとき(民法166条1項)
ただし、2020年4月1日よりも前に完済した借金については、10年の消滅時効が適用されます。グレーゾーン金利の適用があり、なおかつ上記の年数を経過していない場合に、過払い金を返してもらえます。
これに対して、借金の返済が延滞していることは、過払い金が返金されなくなる理由にはなりません。
借金の返済が延滞中に過払い金を請求することのメリット
借金の返済が延滞している場合にも、過払い金の請求をすることは可能です。
その上、過払い金を請求すると、次のようなメリットが生じます。
- 借金の額を過払い金で減らすことができて、返済の負担を軽くできる
- まとまった額なら完済の可能性もある
中でも、長く借金をしていた方は、過払い金も高額になっていることがあるのでぜひ確認してみましょう。
なお、過払い金で借金の完済が可能なら、延滞が長期間でなければ、信用情報に延滞しているという情報が登録されず、ブラックリスト入りは止められることがあるので、早めに対応しておきましょう。
借金の返済が延滞中に過払い金を請求することのデメリット
これに対して、借金の返済が延滞している場合に、過払い金を請求することにデメリットが生じる場合もあります。
借金の金額>過払い金の金額であって、返金された過払い金を全額、返済に充てても借金が残る場合です。
この場合、借金の整理と同様に扱われ、事故情報として信用情報に登録されてしまい、いわゆるブラックリストに載る可能性があります。
留意点:督促は依頼しないと止められない
また、督促で悩んでいる場合は、司法書士・弁護士の受任通知があると督促を法律により止めることができます。
依頼をし、受任通知があることが督促を止める条件であるため、自身で対処する場合には督促を止めることができないことに注意しましょう。
自身でも過払い金の返金を請求することはできます。
また、多少の期間返済を待ってもらうよう貸金業者と交渉をすることも、借金の整理をすることも、自身のみで対応できないわけではありません。
しかし、度重なる督促に悩んでいるなら、過払い金・借金の整理を専門に扱う事務所へ相談し、督促を確実に止めてもらう方が精神的負担も少なくなります。
留意点:過払い金の金額は正確に計算することが難しい
過払い金は、正確な額がわからないと、貸金業者に返金をさせることができません。
過払い金の金額を計算する方法は、引き直し計算と呼ばれる計算です。
すでに返済した金額のうち、利息制限法の上限を超えた利息分に相当する額を元本にあてて、完済まで計算し、返済した総額と、本来の完済までに支払うべきだった金額の差額を計算します。
ところが、インターネットなどで調べて計算方法がわかっても、計算するとなると、間違えることも多く、不正確な過払い金の金額をもとに請求をしても貸金業者は返金に応じません。
過払い金の実績が豊富で、借金の整理も専門に扱う司法書士・弁護士事務所に計算してもらうと正確な過払い金の額が計算できます。
その結果、借金の額>過払い金となるのかなど、正確な見通しが立てやすくなるのです。
借金の返済が延滞中に過払い金の請求や、延滞による利息が心配?無料確認を利用してみよう
過払い金・借金の整理を専門に扱う中央事務所では、過払い金の有無や金額を無料確認することが可能です。
電話一本で過払い金の手続きや、借金の整理による今後の見通しが立てやすくなります。
過払い金を借金に充てて負担を軽くし、延滞利息の発生を止めることも可能ですので、できるだけ早く、自身の過払い金の有無・金額を具体的に確認することをおすすめします。
借金の返済が延滞中に過払い金の請求、借金の整理と並行して進める場合とは?
借金の返済が延滞中に過払い金の請求を行う場合、借金の整理が必要になることがあります。
返金された過払い金で、借金を全額返済することができれば、借金の整理は必要がありません。
しかし、借金の額>過払い金の額の場合、借金の整理が必要になる可能性があります。
特に延滞中は、借金の整理をせずに放置してしまうと、延滞利息がさらに積み上がり、借金の総返済額が大きくなってしまう可能性があります。
過払い金で借金を完済できない場合には、借金の整理が必要
借金の返済を延滞し続けると、延滞による利息の分だけ、負担が重くなりますが、過払い金を返金してもらえれば借金の額を減らすことができるので、過払い金の返金と借金の整理は早めに並行して進めることがおすすめです。
手順としては、どれくらいの借金を、過払い金の返金で返済することができるか、の確認と、過払い金の請求を先にすすめます。
その後、借金の額を整理することとなります。
借金の整理の方法とは?延滞利息の発生は止められる?
借金の整理は、主な方法として、任意整理・民事再生・自己破産があります。
任意整理・・・個別の借金について貸金業者との交渉により、将来の利息や遅延損害金をカット、借金を減らす手続き。個別に業者との交渉により進めるので、交渉がまとまるまでの期間は数か月と短めなのが特徴。
民事再生・・・裁判所で原則すべての借金を整理する手続きで、財産を分配し、債権者に対して借金を減額したうえで返済する。ただし、住宅ローン特例を適用することにより、持ち家を失わなくて済むことがある。
自己破産・・・裁判所ですべての借金を整理する。原則としてすべての財産を債権者に分配するかわりに、借金を免除する。
多くの場合、任意整理で十分借金の整理をすることが可能ですが、借金の額が大きい場合などは、裁判所で手続きを進める民事再生・破産の手続きが適していることもあります。裁判所で手続きを進める場合、年単位で手続きを行うこともありますし、手続きは任意整理より複雑なものです。
できるだけ、早めに過払い金の手続きを行い、借金の額を減らしておいて、任意整理で解決するようにしましょう。
また、借金の整理をすると借金の額はこれ以上増えません。
延滞利息も発生を止めることができます。
借金の整理、留意点と対処法とは?
借金の整理をすると、ブラックリスト入りしてしまい、新規のお借り入れ・クレジットカード取引などの取引ができなくなります。
ブラックリストに載ることにより、生活に少し不便なこともありますが、例えばデビットカードを使うなどでクレジットカードが使えない不便は大半を解消することができます。
任意整理のデメリットはブラックリストに載ることが最大のもので、ほかに財産に対する制限はありません。
できるだけ早く、過払い金の手続きをして、他の方法ではなく任意整理で借金の整理を解決できるようにしましょう。
過払い金と借金の整理に強い事務所で相談してみよう
過払い金と借金の整理で悩んでいるとき、すべての司法書士・弁護士なら解決を手助けしてくれるというわけではありません。
法律の専門家は多くの専門領域に分かれていて、誰もが過払い金や借金の整理に強いとは限らないのです。
過払い金の返金・借金の整理に実績のある事務所に相談すると、困ったときに適切な解決策を提示してくれます。
困ったことはなんでも相談できること、無料確認などの利用しやすいサービスを提供しているので、相談しやすく解決もスピーディです。
まとめ:借金の返済を延滞していても、過払い金は請求できる
過払い金が返金されれば、借金の額を減らすことができる。
借金の返済が延滞している場合でも、過払い金を請求することは可能です。
ただし、督促を自身のみでは止められないことや、延滞利息の発生を止めるために借金の整理が必要になることもあるので、過払い金や借金の整理に強い事務所に相談してみましょう。
無料確認で過払い金を気軽に確認してみることから、ぜひ始めてみてください。
本記事の監修/司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤 竜郎
中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。 借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。
投稿日: 2024年6月10日
更新日: 2024年12月5日