自動車ローン、その他新規のお借り入れには審査が必要です。
審査の時には、かならず信用情報を確認するので、過払い金の請求が信用情報に影響するか問題になります。
完済後に、過払い金の請求を行う場合は、信用情報に影響しません。
しかし、借金が残っている状態で過払い金の請求を行う場合は、過払い金の請求により、信用情報に事故情報が登録される可能性があります。
いわゆる「ブラックリスト入り」です。
では、どのような場合に自動車ローンを組めなくなるブラックリスト入りになってしまうのか、その他自動車ローンと過払い金の関係について説明します。
自動車ローンが組める条件とは?
自動車ローンもお借り入れなので、新たに自動車ローンを組む際は、審査が必要となります。審査を通過できる条件は、信用情報に問題がないことです。
具体的には、滞納や事故情報の登録がないこと、いわゆるブラックリスト入りしていないことが必要です。
また、会社ごとに若干条件が異なりますが、一定以上の収入があること・定まった住所があること・定職があることなどの要件が決められています。
過払い金の請求を申し込むとブラックリスト入りする?
借金を完済している場合に過払い金の請求を申し込んでも、自身のお金を返してもらうだけなので、ブラックリスト入りはしません。
しかし、借金が残っている場合は、事情が異なってきます。
過払い金の請求によって、借金の整理として取り扱われる可能性があるためです。借金の整理は、ブラックリスト入りする原因となりますので、注意しましょう。借金とブラックリストについては、次のように整理できます。
借金と過払い金の金額には要注意
過払い金で借金が全額、返せない場合は、ブラックリスト入りする可能性があります。
まず、借金の残額については、借金の整理と同様に扱われるのが一般的です。
また、実際に残借金については、貸金業者と示談交渉をしたうえ支払い続けることもできますが、これも借金の整理として取り扱われるのが通常です。
したがって、過払い金よりも、借金が多く、残ってしまう場合(借金>過払い金)には、ブラックリストに載ることを考えて対応する必要があります。
自動車ローンを新規に組むことも難しいでしょう。
過払い金請求しても自動車ローンは組める
これに対して、すでに借金を完済した場合、借金<過払い金なので、過払い金を返してもらえれば借金がなくなる場合、ブラックリストには載りません。この場合にはその他の自動車ローンを組むための収入・定職など、他の条件を満たすことにより、審査に通ることができれば自動車ローンを組むことが可能です。
自動車ローンの負担を過払い金で軽くする方法とは?
ところで、すでに自動車ローンを組んでいる場合、過払い金を返してもらうことにより、借金を減らすことができます。
自動車ローンの債務の額が過払い金を返してもらえたら少なくなり、結果として借金の負担が軽くなることも考えられます。
すでに過去の借金を完済した場合も、自身に過払い金があるかどうか、確認することをおすすめします。長期間の借金の場合などはとくに、利息に相当する額が毎年増えてきますので、多額になっている可能性もあります。
過払い金が発生している場合とは?
過払い金とは、貸金業者に払いすぎた利息のことです。
払いすぎた利息とは、グレーゾーン金利という、かつて利息制限法の上限利息を超えた違法な利息が適用されていた借金を返済していた場合に発生しています。
過払い金を取り戻すには、グレーゾーン金利が適用されていて過払い金が発生していること、消滅時効で請求権が消滅していないことが基本的な条件です。
グレーゾーン金利とは、以下の2つの法律で定められた上限の間にあたる利息のことをいいます。
この利息は、貸金業者からのお借り入れにかつて適用されていたことがあり、現在は違法な利息として扱われています。
グレーゾーン金利と、利息制限法の上限の利息の差額について、過払い金が発生するのです。
- 利息制限法・・・利息の上限は、年15〜20%
- 出資法 ・・・利息の上限は、年29.2%
自動車ローンに過払い金は発生する?
過払い金の発生には、お借り入れに利息制限法の上限を超えた利息が適用されていたことが必要です。
一方、自動車ローンは利息制限法の上限利息を超えず、低い利息が適用されているので過払い金は発生しないとされています。
同様に、ショッピングや、住宅ローンも同様に利息が低率なので過払い金は発生しないとされています。
過払い金を取り戻せる条件とは?
一方、過払い金は消滅時効により、取り戻す権利権がなくなってしまうことがあります。
返してもらえる権利が時効にかかり、消滅するのは次の場合です。
- 借金をしていた人が過払い金を返してもらえる権利を行使できる時(通常は最終返済日)から10年が経過したとき(民法166条2項)
- 返してもらえることを知ったときから5年が経過したとき(民法166条1項)
ただし、2020年4月1日よりも前に完済した借金については、10年の消滅時効が適用されます。グレーゾーン金利の適用があり、なおかつ上記の年数を経過していない場合に、過払い金を取り戻すことができます。
自動車ローンの返済が心配な場合にはどうする?
自動車ローンの返済が厳しい・督促が来てしまって悩んでいる、という場合には過払い金の有無の確認と、借金の整理の検討が必要です。
過払い金が発生しているときには、借金の整理ができることもありますし、また額によっては自動車ローンをすべて返済できる可能性もあります。
そこで、過払い金の発生しているかの有無の確認と、過払い金が発生している金額を確認して自動車ローンの負担を軽くするための検討をしましょう。
特に督促が気になる場合・他にも借金がある場合などは、過払い金・借金の整理に強い司法書士・弁護士に相談したほうがよいでしょう。
司法書士・弁護士に借金の整理を依頼し、受任通知を貸金業者に送ると、それ以上の督促が法律によりできなくなります。
過払い金の確認の進め方
過払い金を取り戻すには、過去の取引の記録を確認するための調査と計算が必要です。
取引の調査は、手元の記録で確認すること、もしなければ貸金業者に個人情報の請求を行い、記録を開示してもらうことにより進めます。
取引記録が手元に揃ったら、これをもとに過払い金の金額を計算します。
過払い金の確認をするうえでよくある問題は、過去の記録の保管期間を過ぎてしまっており、貸金業者に請求しても過去の情報が集められないこと、過払い金の計算が正確にできないことです。
自身で進めようとすると、これらの問題点に直面すると思います。
困ったら過払い金と借金の整理に強い司法書士、弁護士に相談しましょう。
過払い金・借金の整理を専門に扱い、過去の実績が豊富な司法書士、弁護士なら、問題の解決策を知っています。
また、いよいよ過払い金を返してもらう際には、貸金業者との示談交渉か、訴訟の提起により進めることとなりますが、自身では、経験値で上回る相手方との交渉が難しく、手続きの進め方で困ってしまうことも、事務所に依頼すると代行してくれますので、スムーズに進められます。
借金の整理の進め方
借金の整理は、主な方法として、任意整理・民事再生・自己破産があります。
任意整理・・・個別の借金について貸金業者との交渉により、将来の利息や遅延損害金をカット、借金を減らす手続き。
民事再生・・・裁判所で原則すべての借金を整理する手続きで、財産を分配し、債権者に対して借金を減額したうえで返済する。ただし、住宅ローン特例を適用することにより、持ち家を失わなくて済むことがある。
自己破産・・・裁判所ですべての借金を整理する。原則としてすべての財産を債権者に分配するかわりに、借金の返済義務を免除する。
借金の残額があまり多くない・お借入先も少ない場合は、多くの場合任意整理で十分借金の整理をすることが可能です。
これに対して、借金の額が大きい場合は、裁判所で手続きを進める民事再生・破産の手続きが適していることもあります。過払い金で借金を減らし、より生活への影響が少ない任意整理ができるようにしたいものです。
遅延損害金が発生して借金の額が大きくなってしまわないうちに、自動車ローンの返済が苦しい場合には、過払い金・借金の整理に強い司法書士、弁護士に相談し早めに解決しておきましょう。
過払い金と借金の整理に強い事務所の無料確認を利用してみよう
過払い金と借金の整理に強い事務所を選んでおくことは、過払い金と自動車ローンで困ったときに解決をする近道です。
司法書士・弁護士はすべてが過払い金と借金の整理に強いわけではありません。
細かく専門分野が分かれているので、事務所選びは解決のために重要なポイントになります。
過払い金の金額や、借金の返済の見通しをつけるために、過払い金の有無や額を確認できる無料確認を利用することは早めに問題を解決できるきっかけになります。
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まとめ:自動車ローンは過払い金の請求しても組める。借金がある場合はブラックリストに載ること、借金の整理が必要になることに注意。
自動車ローンは、過払い金を請求しても組むことができます。
しかし、借金があり、過払い金の額を上回る場合には、ブラックリストに載ることから、審査に通らず、自動車ローンが組めない可能性があります。
自動車ローンの返済が気になるなら、今までに発生した過払い金で負担を減らすことを検討してみましょう。
また借金の整理が必要になる場合は早めに対応することがおすすめです。
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本記事の監修/司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤 竜郎
中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。 借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。
投稿日: 2024年6月10日
更新日: 2024年10月8日