アプラス、アプラスパーソナルローン、全日信販でキャッシングを利用していた場合には、株式会社アプラスから過払い金を取り戻せる可能性があります。
貸出金利の上限には、利息制限法という法律で上限が決められていますが、過払い金は利息制限法の上限を超えて貸金業者に支払った利息です。条件を満たせば取り戻せますが、注意点もあります。
この記事では、アプラスから取り戻せる過払い金の金額や、過払い金請求の注意点、コツを解説します。
「アプラスに過払い金を請求できる」とはどういうことか
アプラス、アプラスパーソナルローン、全日信販でキャッシングを利用していた場合には、株式会社アプラスから過払い金を取り戻せる可能性があります。
「過払い金」「グレーゾーン金利」とは
消費者金融やクレジットカード会社からお金を借りると、利息を支払わなければいけません。その利息の金額を決めるのが金利ですが、金利が高い方が、貸金業者にとっては儲けが大きくなります。
従って、貸金業者は高い金利でお金を貸そうとします。
その一方で、金利には法律で上限が定められていますが、2010年までは以下のように定められていました。
- 利息制限法・・・金利の上限は、年15〜20%
- 出資法 ・・・金利の上限は、年29.2%
上限金利が低い方の法律は「利息制限法」ですが、利息制限法については、上限金利を超えてお金を貸しても、罰則がありませんでした。
貸金業者は高い金利でお金を貸し、儲けを大きくしようとするため、利息制限法の制限を超えた金利で貸しても罰則がなければ、「利息制限法を超え、出資法以下」の金利で貸すケースが発生してしまいます。
この金利がグレーゾーン金利と呼ばれるものです。
そもそも、利息制限法を超えた金利でお金を貸しても罰則が無いというのはルールとしては不完全ですし、金利が高いと、お金を借りる側にとっては返済が厳しくなってしまい、金利が高すぎると借金の返済のために借金を重ねるような状況も生まれやすくなってしまいます。
しかし、2006年に最高裁が「グレーゾーン金利でとった利息は無効」という判決を出したため、お金を借りた人は、グレーゾーン金利による利息の返還を貸金業者に請求できることになりました。このお金が「過払い金」と呼ばれているものです。
なお、2010年6月には、出資法の上限金利が29.2%から20%に引き下げられています。そのため、出資法の改正後に新たに借り入れをした場合、借り入れの金利はグレーゾーン金利とはならず、過払い金が発生しません。
アプラスでは、グレーゾーン金利で貸し出しが行われていた
アプラス、アプラスパーソナルローン、全日信販からお金を借りた場合の上限金利は、グレーゾーン金利となっていた時期があります。
グレーゾーン金利が存在していた時期には、貸出金利がグレーゾーン金利となっていることも少なくありませんでした。この時期にお金を借りていた方は、グレーゾーン金利でお金を借りており、過払い金が発生している場合があります
アプラスから過払い金を取り戻すポイント
アプラス、アプラスパーソナルローン、全日信販での借り入れの返済が苦しく、利息だけを長期間払い続けた方もいるのでは無いでしょうか。
アプラス、アプラスパーソナルローン、全日信販に対して「多く」「長く」返済していた方は、過払い金の金額が大きくなる可能性があります。
また、アプラスとの交渉の方法によって、取り戻せる金額や、交渉にかかる期間が変わってきます。
アプラスから過払い金を請求できる可能性があるケース
アプラスに対して過払い金が発生していても、過払い金を請求できない場合もあります。
過払い金が請求可能なポイントとしては、過払い金の請求権の時効前かどうかです。過払い金の請求権は、最終取引から10年で時効を迎えることになっています。
つまり、アプラスで過払い金を請求できる可能性があるのは、このような条件に当てはまる方と理解しておくといいでしょう。
- グレーゾーン金利でお借り入れをした方
- 借金の最終取引日から、10年が超過していない方
アプラスから取り戻せる過払い金の金額・期間は?
アプラス以外の貸金業者からも、過払い金を取り戻せる可能性がある
もしアプラス以外の貸金業者にも過払い金があれば、並行して過払い金を請求できる可能性があります。
過去に他社からも借金をしていたことがあり、次のような条件に当てはまる場合は、アプラスと同時に過払い金の請求を進めた方が良いでしょう。
- 2010年6月18日より前に借りた借金
- 貸出金利が、利息制限法の上限を超えている
- 最終取引から10年以内
アプラスへの過払い金の請求には注意が必要
過払い金請求のお悩みは、中央事務所にご相談ください
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アプラスに過払い金を請求するメリット
アプラスのお借り入れで過払い金を請求すると、払い過ぎた利息(過払い金)が戻ってくる可能性があります。また、訴訟を提起すれば、過払い金に対する利息も取り戻せる可能性があります。
長期間返済している場合は、過払い金が思った以上の金額になることも
返済履歴を調べてみると、利息の総額が思っていた以上に大きな金額になる場合があります。特に、毎月の返済額が小さい場合は返済期間が長期化し、利息の総額が大きくなる分、過払い金の総額も大きくなり、思った以上の金額を取り戻せることもあります。
借金をしたり借入金を返済したときに、「総額で利息をいくら払ったか?」は分からない人が多いと思います。もし過払い金を支払っていた可能性があるなら、取引履歴の調査だけでも専門家に依頼した方が良いでしょう。
アプラスへの返済から解放されることも
借金を前倒して返済することは、金銭的なメリットが大きいものです。
借金を前倒しで返済すると、将来的な利息の支払いから解放されます。
とりわけ、毎月少しずつ返済している場合、支払う必要がなくなる利息の金額も大きくなります。
残借金がある中で過払い金を取り戻せた場合、過払い金と残借金を相殺することで、借金を完済できる場合があり、生活上のゆとりが作れる可能性があります。
他社への過払い金請求や、借金の返済も並行できる
アプラス以外の借り入れがあった場合、過払い金の発生状況の調査を並行して進められます。
更に、条件を満たしていれば、並行して過払い金を請求できます。
仮に、調査した結果、他社では過払い金が発生していなかったり、過払い金が取り戻せなくても、アプラスから過払い金を取り戻せれば、そのお金で他社への借金を前倒して返済することも可能です。
最終取引日から10年超が過ぎていても、過払い金を請求できることも
過払い金を請求する権利が時効を迎えてしまうのは、最終取引から10年です。
ただし、最終取引から10年超が経過していても、過払い金を請求できる可能性はあります。
一つの会社に対して複数回借り入れをしていた場合、古い取引と、新しい取引が、「一連の取引」と見做されることがあります。一連の取引と見做されると、その最も新しい取引を基準に時効が計算されるため、古い借金で発生した過払い金の請求権についても時効を逃れる可能性もあります。
なお、一連の取引とみなせるかどうかは、下記ような条件を踏まえて判断されることになります。
- 契約番号が変わらない
- 常に借り入れの残高がある、または借り入れの空白期間が短い
- 貸主と借主が接触していた
- 同じ契約内容・・等
個人で判断するのは難しいため、司法書士などの専門家に相談することをお薦めします。
アプラスに過払い金を請求するデメリット
アプラスに過払い金を請求すると、悪影響が生じてしまうケースもあります。
借金の返済状況などにより状況が異なりますので、具体的に見ていきましょう。
過払い金を請求すると、アプラスが発行しているカードは全て使えなくなる
アプラスに対して過払い金を請求すると、同社が発行した全てのカードが使えなくなります。過払い金の請求につながったカードに限りません。
公共料金や定期的に発生する料金などの支払いに、アプラスが発行したクレジットカードを使用している場合は、支払い方法の変更・カードの切り替えをするなどの対応が必要です。
過払い金を請求すると、アプラスからは借金ができなくなる可能性が高い
過払い金を請求した場合、株式会社アプラスに借入を申し込んでも、社内の審査に通らなくなり、お金を借りることが難しくなってしまいます。
過払い金を請求した場合、アプラスの立場から見れば、契約した内容通りにはお金を返してくれなかった事になります。信用情報機関には登録されなくても、社内の審査ではこのような事情も考慮されてしまう可能性があります。
アプラスへの借金を返済中なら、ブラックリストに載る可能性がある
借金を返済中に過払い金を請求した場合は、ブラックリストに載ってしまう可能性があります。
貸金業者は、お金を借りた人の返済状況を信用情報機関に登録しています。
契約通りに借金を返済できなかったこと(事故情報)が信用情報機関に記録され、貸金業者からは「契約通りに返済してくれない人」と見られてしまいます。これが「ブラックリストに載る」ということです。
ブラックリストに載った人は貸金業者からは「お金を貸すと契約通りに返してもらえないリスクがある」と判断されるため、新たな借金が難しくなります。
ただし、過払い金を取り戻した後に借金がいくら残るかによって、ブラックリストに載るかどうか・どの程度の期間載ってしまうかが異なります。
過払い金を取り戻した後に借金が完済できるなら、ブラックリストに載る期間は数ヶ月、完済できない場合は5年間ほどとなります。
従って、返済中の借金に対して過払い金を請求する場合は、残借金の金額・取り戻せる過払い金の金額の両方を正確に見積もることが重要です。専門家に調査してもらうか、少なくとも相談してみることをおすすめします。
アプラスからお金を取り戻す流れ
過払い金を請求するためのメリット・デメリットについてご説明しましたが、次は過払い金を請求するための5つのステップについて解説します。
(Step.1) ご相談・過払い金請求のご依頼
最初のステップは、司法書士や弁護士などの専門家への相談です。
もちろん、過払い金の請求はご自身でも可能です。過払い金を請求するなら、必ずしも専門家に相談したり、請求を依頼する必要はありません。
その一方で、過払い金についての不明点があれば質問ができますし、相談自体は無料なことも多いため、専門家に頼むつもりはなくても相談だけは利用してみるのが得策でしょう。
(Step.2) 取引履歴の取り寄せ
過払い金を請求するには、請求する側が過払い金の金額を計算する必要があります。その根拠となるのが取引履歴で、株式会社アプラスから取得します。
取引履歴を請求するには、オンライン・郵送・電話などで申請する必要があります。
(Step.3) 過払い金の金額計算
貸金業者に支払った金額から、法律上支払う必要がある上限の金額を差し引くと、過払い金の金額が計算できます。具体的には、次の3つのステップで計算します。
- 取引履歴の返済日・返済金額や、貸出金利に基づいて、契約上の利息・残借金を計算する
- 法律上の上限金利で返済した場合の利息・残借金を計算する
- 契約上の利息(残借金)の金額と、法律上の利息(残借金)の金額の差が、過払い金となる
なお、この計算は複雑で、表計算ソフトや専用のソフトウェアを使って計算することが一般的です。
また、上記の計算では、利息の日割計算、毎月の残債など、間違いやすい点が多数あります。間違いがあると、交渉が長期化したり、交渉の際に不利な条件を提案されることも考えられるため、ご自身で請求する場合は慎重に計算しなければいけません。
(Step.4) 貸金業者との交渉
過払い金の引き直し計算ができたら、株式会社アプラスへ過払い金の計算書(引き直し計算書)・返還請求書を内容証明郵便で郵送します。
その後、先方の担当者から連絡がきて交渉に入ります。
和解を目指した話し合いから始めた場合でも、満足いく条件で合意できなければ、訴訟を提起し、裁判で決着をつけることになります。
裁判を始めるには、次のような書類を提出し、費用を裁判所に預け入れる必要があります。
- 貸金業者に訴えの内容を述べた訴状
- 訴状の根拠となる書類
- 裁判所や貸金業者に過払い金が発生する事実を証明する証拠を伝えるための証拠説明書
- 貸金業者とどのような取引がおこなわれたかを証明する取引履歴
- 過払い金がいくら発生しているかを証明する引き直し計算書
- 貸金業者の会社の情報が書かれた登記簿謄本(資格証明書)
様々な書類が必要なため、時間や手間もかかることに注意が必要です。
(Step.5) 過払い金の受け取り
交渉に合意、もしくは裁判で判決が出たら、過払い金が返金されます。
なお、ご自身の口座に返金される場合は、過払い金が返金されたことをご家族に知られてしまう可能性があります。借金をしていたこと・過払い金を取り戻せたことなどをご家族に知られたくないなどのご事情がある場合、過払い金の請求を専門家に依頼していると、柔軟に対応してもらうことが可能です。
アプラスに過払い金を請求する時の注意点
過払い金の請求の進め方によっては、過払い金が請求できなくなったり損をしてしまうことがあります。過払い金請求の注意点を抑えておきましょう。
過払い金の請求が遅れて、請求ができなくなるリスク
過払い金が発生していた場合、できるだけ早く過払い金を請求することが理想です。注意しなければいけないのは、過払い金請求の時効・株式会社アプラスの倒産です。
過払い金を請求できるのは、完済(最終取引)から10年以内となっています。
従って、ご自身の最終取引から10年以内に過払い金を請求する必要があります。
加えて、過払い金を請求する際は、取引履歴の取得や過払い金の計算に想像以上に時間がかかり、アプラスに過払い金を請求するまでに時効を迎えてしまう可能性もあります。
また、アプラスが倒産してしまうと、過払い金は取り戻せなくなります。
過去には東証一部上場の武富士が経営破綻したこともあります。
時効や倒産のリスクを避けるには、できるだけ早く過払い金を請求する必要があるでしょう。
取引履歴の請求でのリスク
取引履歴の請求では、その後の貸金業者との交渉が難しくなってしまうリスクが潜んでいます。
取引履歴の請求で、過払い金の請求交渉が難しくなるリスク
アプラスに借金を返済中だった場合には、ご自身で取引履歴を取り寄せると、アプラスから過払い金があると通知してくる場合があります。
この通知を受けてしまうと、株式会社アプラスとの交渉で「過払い金を請求する権利がない」と言われるリスクやブラックリストに載ってしまうリスクがあります。
民法705条では「返さなくてもよいと知りながら借金を返した場合は、それを取り戻すことができない」と定められています。
(債務の不存在を知ってした弁済)
第七百五条 債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。
出典:総務省 電子政府の総合窓口 民法第七百五条 (https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089#3012)
つまり、アプラスが過払い金があることを通知してくると、下記のような選択を迫られてしまいます。
- アプラスに借金の返済を続けるが、後の交渉で「過払い金を請求する権利がない」と言われる余地を与える
- アプラスに借金を返済せず、ブラックリストに載る
交渉においては、できるだけ不安材料を取り除くことが重要です。過払い金が発生していることを直接ご自身に通知されないよう、過払い金の請求を専門家に依頼するのが得策でしょう。
古い取引履歴が廃棄されているリスク
貸金業法施行規則第十七条では、貸し付けの契約ごとに、取引履歴を最終返済期日から10年間保存することと定めています。逆に、最終返済期日から10年を経過した取引については取引履歴が廃棄されてしまっている可能性があります。
【貸金業法施行規則 第17条】
該契約に定められた最終の返済期日(当該契約に基づく債権が弁済その他の事由により消滅したときにあっては、当該債権の消滅した日)から少なくとも十年間保存しなければならない。
貸金業法施行規則 – e-Gov法令検索
(https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=358M50000040040#603)
最終取引から10年超を経過した取引は時効となってしまいますが、新しい取引と一連の取引と見なすことが出来れば過払い金を請求できる可能性があります。それにもかかわらず、法律に従って取引履歴が処分されてしまうと、古い取引について過払い金を請求することが難しくなってしまいます。
ただし、取引履歴が廃棄されていても、過払い金が請求できる場合もあるため、専門家に相談してみると良いでしょう。
残借金の金額・過払い金の請求タイミングを間違え、ブラックリストに載ってしまうリスク
ブラックリストに載ってしまうと、新たな借り入れや、ご自身名義のクレジットカードの作成が難しくなってしまうため、気をつけなくてはいけません。
先述したように、ブラックリストに載るかどうか・ブラックリストに載る期間は、借金の返済状況に影響を受けます。
- 借金を完済している場合:ブラックリストに載ることはありません。
- 借金を返済中で、過払い金で完済できる場合:ブラックリストに載る期間は数ヶ月間
- 借金を返済中で、過払い金が戻ってきても完済できない場合:ブラックリストに約5年ほど載る
従って、ブラックリストに載らないためには、次の条件が重要になってきます。
- 残借金の金額、取り戻せる過払い金の金額を正しく見積もること
- 過払い金を請求するタイミングは、過払い金で相殺できるまで借金を返済してから
- 過払い金請求の時効が迫っている場合、過払い金を請求できなくなる損失と、ブラックリストに載るリスクのどちらかが得策かを判断すること
なお、ブラックリストに載ったとしても、影響を軽減する方法もあります。不安があれば、専門家に相談することをお薦めします。
残借金の計算における注意点:ショッピングの請求額は、残借金に算入される
ショッピングやサービスのご利用でカードをご利用した場合にカード会社に対して手数料を支払っている場合がありますが、この手数料には過払い金は発生しません。
ショッピングでカードをご利用した場合は、利息制限法ではなく割賦販売法が適用され、カード会社からの借り入れとはなりません。カード会社に支払うのは商品などの代金と手数料になり、借金による利息とはならないため、過払い金も発生しません。
その一方で、ブラックリストに載るかどうかの基準となる、過払い金を取り戻した後の残借金の金額には、ショッピングの請求予定の金額も加算されてしまいます。
従って、過払い金を請求する際は、ショッピングのご利用によって請求予定の金額がないかの確認が必要です。
交渉に失敗して、不利な条件で和解してしまうリスク
アプラスなどの大手は、過払い金の返還交渉の経験が多数あり、交渉で弱点となるポイントや、交渉を有利に進めるポイントも熟知しています。
交渉で不利にならないよう、次のポイントに注意しましょう。
引き直し計算が不正確なせいで、交渉が難航するリスク
ご自身で過払い金を請求する場合、過払い金の金額もご自身で計算(引き直し計算)する必要があります。
計算方法は業界のやり方にある程度合わせないと、計算方法自体が論点になってしまいますし、計算に間違いがあると、交渉の際に細かく確認や指摘が入って交渉の争点が増え、交渉の時間がかかりすぎてしまう可能性があります。
交渉が長引くほど手間も増え、ご自身にとって不利な条件でも和解を受けざるを得なくなる可能性があります。
アプラスが別の会社のローンの保証会社となっている場合のリスク
アプラス以外の会社にも借金がある場合、株式会社アプラスがその借金の保証会社となっている可能性があり、注意が必要です。
ローンの保証会社は、お金を借りた人が予定通りお金を返さない場合に、借りた人に代わって借金を返す会社のことです。また、代わりにお金を返すことを「代位弁済」といいます。
保証会社が代位弁済した場合は、お金を借りた人は、代位弁済されたお金を保証会社に返さなければいけなくなります。
ただし、保証会社が代位弁済していなくても、一定の条件を満たせば、保証会社は、お金を借りた人に「保証した分も返済してください」と請求する権利があります(事前求償権)。
アプラスとの交渉では、「ローンの保証の事前求償権を考慮すると、過払い金を返金しても残借金が残り、ブラックリストに載る可能性があります。」という主張の元に、不利な条件の和解案を提案してくることも考えられます。
実際には事前求償権が成立する条件を満たさなければ無視しても良いのですが、個人では判断が難しいでしょう。
ご自身が借りているローンの保証会社を正しく把握したり、事前求償権の対象になるかを正しく判断するため、専門家に相談された方がいいでしょう。
示談金の金額で妥協してしまい、取り戻せるお金が少なくなるリスク
示談金の金額の適切な水準感を判断するには、過払い金を請求した経験が不可欠です。もし貸金業者との交渉で大きな金額を取り返したとしても、実はもっと大きい金額を返還してもらえる場合もあります。
過去の借金や過払い金があることが、ご家族に知られるリスク
過去に借金をしていたことや、過払い金があることを家族に知られたくない方もいらっしゃいます。
ご自身で過払い金を請求した場合、貸金業者から連絡がきたり、過払い金を取り戻せた場合は口座に入金があります。ご家族に過払い金があること、借金をしていたことが分かってしまい、ご家族とのトラブルになる可能性があります。
アプラスに過払い金請求するコツ
過払い金請求の流れや、注意点を踏まえた上で、アプラスに過払い金を請求するおすすめの方法を紹介します
自己流は避け、専門家の力を借りましょう
過払い金の請求はご自身でもできます。但し、かなり手間がかかりますし、多くの注意点があります。
専門家に頼むとミスのリスクを避けられますし、手間を減らせます。また、過払い金の請求に対する様々な要望に丁寧に対応してくれるので安心です。
過払い金を取り戻すまでの期間が短くなる可能性がある
専門家は、過払い金請求の未経験者・初心者に比べて手早く請求・交渉を進めてくれます。ご自身で請求するよりも、早く過払い金が戻ってくる可能性があります。
アプラスから払い戻される金額が増える可能性がある
ご自身で過払い金を請求しようと考えても、過払い金を請求する知識がない場合が多いのではないでしょうか。
過払い金をなるべく多く取り戻すためには、 アプラスとの交渉での様々な争点で、ご自身の主張を アプラスまたは裁判所に認めてもらう必要がありますが、経験不足ですと、ご自身の主張を認めてもらうのは大変難しいのが実情でしょう。
実績豊富な専門家に請求を頼めば、ご自身で交渉した場合に比べて主張を認めてもらいやすくなるため、より多くの請求額が認められる可能性が高くなります。
より楽に過払い金を取り戻せる
過払い金の請求を専門家に頼んだ場合、ご自身での作業は基本的になくなります。
書類の作成や、貸金業者とのやりとりなどの手間のかかる作業を任せられる安心もメリットの一つです。
過払い金請求の能力が高く、ご自身にあった専門家を選ぶ
過払い金請求では、専門家の能力の高さはもちろん必要です。加えて、ご自身のタイプに合った専門家を選ぶことも重要です。
過払い金請求の能力は、専門家によって違う
たとえ、「司法書士」「弁護士」といった資格があっても、過払い金の請求を有利に進められる能力にはそれぞれ違いがあります。これまで担当した案件数や、どんな案件に関わったかなどを可能な範囲でしっかり確認して、候補の中からより確かな実績がある専門家を見つけることが大切です。
ご自身との相性もしっかり確認する
どのように請求を進めて欲しいかは人によって違います。専門家を信頼してなるべくお任せしていきたい場合、細かく進捗状況の連絡が欲しいなど、求めるものはさまざまです。
ご自身が希望する対応が望めないと、不信感に繋がり、過払い金の請求手続きがとてもストレスになってしまいかねません。担当者とのコミュニケーションが円滑に進むかという点も、専門家を選ぶ上でとても重要です。
アプラス以外にも過払い金が発生している可能性があれば、並行して調査を進める
アプラス以外の貸金業者にも過払い金が発生している可能性があるのなら、他の貸金業者への過払い金の調査・請求も同時に進めることをおすすめします。
例えば、過払い金が発生している古い取引があって、取引履歴が廃棄されている場合、過払い金を請求するには過払い金の金額を推定する必要がありますが、アプラスなど他の会社への返済情報が引き直し計算の参考になるかもしれません。
また、着手金が必要な専門家の場合、一括して調査したほうが着手金が余分にかからないというメリットもあります。
ご自身の状況に合った方法で、貸金業者と交渉する
過払い金の請求の中で貸金業者と交渉する方法には、「和解(示談交渉)」「裁判(訴訟の提起)」という2つの手段があることをお伝えしました。ご自身の状況に応じてどちらを選ぶかが変わってきます。
スピードを優先するなら「和解」
時間をかけずにお金を取り戻したい場合は、和解(示談交渉)を選ぶと良いでしょう。
和解(示談交渉)は、裁判をせず、企業と交渉して過払い金を請求する方法です。
和解で交渉する場合は、最短で1ヶ月程度で過払い金を取り戻せる場合があります。
但し、和解では、裁判よりも取り戻せる金額は減ってしまいます。アプラスの場合、最大で過払い金の満額が取り戻せる可能性があるものの、過払い金に対する利息を取り戻すことは難しいでしょう。
返金額を優先するなら「裁判」
裁判(訴訟の提起)をする場合、和解よりも大きな金額を取り戻せる可能性があります。
過払い金に対する利息は、和解では取り戻すことが難しい一方で、裁判であれば取り戻せる可能性があります。
その一方で、裁判をするには費用がかかります。また、負けることはほぼ無いものの、敗訴する可能性はあります。
また、裁判は和解と比べて時間がかかります。交渉期間は9ヶ月以上かかると見ておく必要があるでしょう。
過払い金の状況を正しく把握した上で、和解よりも得策かどうかはよく考える必要があります。
過払い金請求のお悩みは、中央事務所にご相談ください
過払い金や借金の返済に悩まれたときは、専門家の力を借りるのが早期解決の近道です。
中央事務所では、過払い金や借金の知識と実績が豊富な専門家が、お悩みをしっかりとお聞きします。
ご相談時にお話しをよく伺った上で、ご自身の状況にあった解決方法をご提案させていただきます。
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アプラスへの過払い金請求が難しくなるケース
過払い金が発生している場合にも、請求が難しかったり、過払い金と思っていたものが、そうではなかったというケースもあります。
個人による和解契約が成立してしまっているケース
返済額が多すぎた場合に、将来利息のカットや減額をしてもらった方もいるかもしれません。その際の条件に過払い金を請求しないという条件が含まれていると、すでに和解したと見做され、過払い金の請求が難しいと判断される場合があります。
弊所では、請求ができたケースもあるため、ご相談されることをおすすめします。
アプラスのクレジットカードのショッピング枠のみ使っていたケース
クレジットカードで買い物・サービスの料金を支払った際に手数料が発生していても、過払い金は請求できません。こちらは立替に伴う手数料という位置付けで、利息ではないため、過払い金自体が発生しません。
アプラスの会社情報
ここからは、株式会社アプラスの会社情報について解説させていただきます。
アプラスの会社概要
アプラスは新生銀行の完全子会社です。
アプラスの起源は「大阪信用販売株式会社」で、大阪にて1956年に設立されました。
1970年代にかけてショッピングクレジット、キャッシングサービス、クレジットカード業務を開始したのち、1981年に大阪証券取引市場第二部に上場しています。
2009年に株式会社アプラスクレジット・株式会社アプラスパーソナルローンを設立し、2010年には株式会社アプラスフィナンシャルに商号変更するとともに、事業持株会社に移行しました。
- 株式会社アプラス(旧アプラス) →株式会社アプラスフィナンシャル
- 株式会社アプラスパーソナルローン →株式会社アプラスフィナンシャル
- 株式会社アプラスクレジット →株式会社アプラス(新アプラス)
その後、2015年に新アプラスは新生カード株式会社、株式会社アプラスフィナンシャルを吸収合併しました。
2020年に上場を廃止し、新生銀行の完全子会社となりました。
アプラスの過払い金返済状況
アプラスの所属する新生銀行グループは、過払い金の返還状況をIRの「決算・ビジネスハイライト」資料で公開しています。2020年中間期決算の資料に最新の過払い金返済状況が記載されています。
過払い金請求の最初のステップである取引履歴の開示請求件数については新生フィナンシャル・新生パーソナルローン・アプラスの合算件数のみ記載されていますが、件数としては2018年7-9月期から2020年1-3月期まで6000件前後で推移しています。
2020年4月からの2四半期では5500件前後と件数は若干減少しています。
アプラスの過払い金の返還実績件数は減少傾向にあります。
- 2019年7-9月期:5億円
- 2019年10-12月期:5億円
- 2020年1-3月期:5億円
- 2020年4-6月期:3億円
- 2020年7-9月期:3億円
過払い金の返還に備えるための準備金とも言える「利息返還損失引当金」の残高は、2020年9月時点で59億円と、他社に比べて手厚く引き当てされています。
したがって、業績に問題がなければ、数年間は過払い金の請求に応じる余裕があると言えるでしょう。
ただし、企業の業績は外部環境の影響を受けるため、残借金などの問題がなければアプラスに対して過払い金が発生している場合は早めに請求を進めた方が得策と言えるでしょう。
アプラスの会社概要
最後に、株式会社アプラスの基本情報をまとめます。
商号 | 株式会社アプラスフィナンシャル |
---|---|
設立 | 1956年10月6日 |
資本金 | 1億円 |
本社所在地 | 東京都中央区日本橋室町二丁目4番3号日本橋室町野村ビル |
主要株主 | SBIグループ 100% |
本記事の監修/司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤 竜郎
中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。 借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。
投稿日: 2024年7月17日
更新日: 2024年10月29日