すでに完済していても、過払い金の請求はできる?

完済している方でも、過払い金が発生していることがわかれば、過払い金の請求は可能です。ただし、完済している方、全員に過払い金が発生しているわけではありません。
過払い金が発生する目安となる2つの条件や、気になるブラックリストについても説明していますので、完済していて過払い金の請求に迷われているという方はぜひ参考にしてください。

そもそも過払い金とは何?

過払い金とは、カードローンやキャッシングなどを利用した際に、貸金業者に支払い過ぎていた利息のことを言います。
なぜ利息を支払いすぎていたのかと、不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。
以前の貸金業者では、グレーゾーン金利と呼ばれる範囲で利息を設定していた時期がありました。
これは、利息制限法の上限を超えた違法な利息ですが、当時は罰則を科せられることがなかったため、多くの貸付でこの利息が設定されていたのです。
過払い金が発生していたのは、このグレーゾーン金利で利息を設定していた2010年以前のことであり、ここ数年のお借り入れでは過払い金は発生しません。
この以前に支払い過ぎた利息を、現在過払い金返還請求という手続きで返金してもらうことが可能です。

完済している人は必ず過払い金が発生するの?

完済しているからといって、必ず過払い金が発生するわけではありません。
利息制限法で定められている上限の18%を超えた利息で借りていた場合には、違法な利息での貸付けとなるため、完済していれば確実に過払い金が発生していることになります。
つまり、過払い金があるかどうかはお借り入れをされていた時期が重要になります。
多くの貸金業者が違法な利息を設定していた時期にお借り入れされていれば、現在借金を完済している、いないに関わらず過払い金が発生している可能性があります。

過払い金が発生する(返金される可能性がある)条件

過払い金の請求をして、過払い金を受け取れる可能性があるのは、主に下記の2つの条件に該当する方になります。

  • お借り入れが2010年6月以前からであること
  • 完済をしてから10年以内であること(2020年4月1日施行の改正民法により、権利を行使することができることを知った時から5年間(民法166条1項1号)という定めが加えられています。)

ただし、過払い金の対象となる条件は他にもあるため、必ずしもこの2項目に当てはまらないと過払い金が発生しないということではありません。

完済した銀行系のカードローン、過払い金は発生するの?

銀行系のカードローンは、2010年より前から法定利息を守って貸付を行なっていました。
その多くが利息15%以下での貸付であり、過払い金は原則発生しないと考えて良いでしょう。ただし、注意が必要なのは、銀行系クレジットカードでのキャッシング利用です。
銀行系のクレジットカードでは、一括払いのキャッシングで過払い金が発生している可能性があります。

完済したのはかなり昔、それでも過払い金請求はできるの?

過払い金を請求する権利は、一定期間それを行使しない場合には消滅してしまいます。
その期限は、最後にお借り入れもしくは返済をした日から10年(または権利が行使できることを知ってから5年)と民法で定められています。
過払い金の請求をお考えの方の中には、数年前までは過払い金の請求の時効は10年と聞いていたのに、5年というのは何のこと?と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
この過払い金請求の権利に関する消滅時効は、2020年の民法改正により「権利を行使できることを知った日から時効を5年とする」ことが、過払い金請求の条件に追加されたのです。この民法改正については、次の章で詳しく説明します。

過払い金の消滅時効について

2020年4月1日の改正民法施行前までは、過払い金の消滅時効は10年と定められていました(最高裁平成21年1月22日判決、同年3月3日判決、同年3月6日判決)が、民法166条1項1号の「権利を行使することができることを知った時から5年間」という消滅時効期間が加えられたことにより、改正後は2つの起算点が存在することになりました。
どちらの起算点に該当するのかという問題は、個々のケースによって検討の必要がありそうです。
ともあれ、過払い金の請求する権利の時効がこれまでの10年から5年に短縮される可能性があるということを念頭に、過払い金が発生しているかもと思う場合には、早めの手続きをおすすめします。

完済した時にカードや明細などは捨ててしまったけど、過払い金請求はできるの?

借り入れされた時のカードや明細などは、完済した時に処分してしまう方がほとんどでしょう。
そのため、契約に関する書類等が手元にないと、過払い金の請求ができないと思われている方も多いようです。
しかし、貸金業者には取引履歴の保管が義務づけられています。
そのため、取引のあった貸金業者名が分かれば、過払い金の請求ができる可能性があります。

完済後に過払い金の請求をするとブラックリストに載ってしまうの?

完済している貸金業者に過払い金の請求をしても、信用情報にそのことが事故情報として載る(ブラックリストに載る)ことは、ありません。
過払い金の請求を行うと、信用情報に報告がされていた時期もあったようですが、現在では金融庁による見直しが行われ、「過払い金請求によって残借金がなくなる場合は、信用情報に載せない」というルールになっています。

信用情報・ブラックリストについて

ところで「信用情報」とは何を指すのでしょうか?
信用情報とは、お借入先と消費者との間でやり取りされた信用取引についての記録です。
例えば、クレジットカードやローンの申し込みをした時、その貸金業者から信用情報への登録が法律によって義務づけられています。その後の取引についても登録され、それは数年間保管されます。
そして返済の遅延や滞納が発生すると事故情報として記録され、その他にも借金整理の手続きを行った場合に、記録が残ります。これが、世間でいうところのブラックリストに載るということです。
ブラックリストに載るとは、特別な一覧に名前が記されるということではなく、本人の信用情報に事故情報が掲載されることを指します。
事故情報の記載があると、新たにお借り入れの審査が通らないなどの支障が生じることがあります。
ただし、過払い金の請求をした場合については、原則としてブラックリストには登録されませんので安心してください。
過払い金の申請求とは、貸金業者から返金してもらうべきお金の請求を行うことなので、事故情報にはあたりません。

クレジットカードでのお借り入れだったので、過払い金は発生していないのでは?

クレジット会社のカードであっても、法律に定めた上限利息を超えていれば過払い金が発生している可能性があります。
毎月の取引明細書には、請求金額や明細などと一緒にキャッシング利率の記載もあることがほとんどですが、当時の明細がないとご自身で確認することは難しいかも知れません。
上限利息を超えた状況で、借りたり返したりの取引を長く続けていた場合は、過払い金が発生している可能性があります。また、違法な利息でお借り入れして完済されている場合は、過払い金が発生していることになります。

クレジットカードのショッピング枠の利用がないか注意しましょう

もし、クレジットカードのキャッシング枠の利用で過払い金が発生していた場合、その同じカード会社でショッピング枠の利用がないか確認しましょう。
キャッシングで過払い金が発生していても、ショッピングで借金があると、それらは相殺されることになります。その結果、借金が残る結果となると、ブラックリストに載ってしまうため注意が必要です。

私には過払い金なんて発生していないのでは?調査した結果、過払い金が無かったらどうするの?

中央事務所では、過払い金が発生しているかどうか、無料で調査を行うことができます。
もし過払い金が発生してなかった場合でも、相談・調査に費用がかかることはありません。
少しでも可能性があるのではと思われる方は、ぜひお問い合わせください。
また、中央事務所のホームページにあります「過払い金計算機」で、どのくらいのお金が返ってくるのか、おおよその金額を確認いただくこともできます。

たくさんのメリットがある中央事務所の無料確認

中央事務所の無料確認にはたくさんのメリットがあります。
過払い金についてご自身でインターネットなどを使って調べると、専門用語を使ったわかりづらい情報や、更新されていない古い情報もあり、必要な情報を取捨選択しながら読み解くのは、なかなか大変な作業になります。
その点、中央事務所の無料確認では、多くの時間をかけることなく、過払い金に関する情報を効率的に知っていただくことができます。
相談や調査に費用はかかりませんので、安心してご連絡ください。

完済後の過払い金請求のメリット

完済後に過払い金の請求をすることは、いくつものメリットがあり、返済中の方が過払い金請求する際にはないメリットもあります。
次の章でそれらをご確認ください。

ブラックリストには載りません

完済された過払い金請求の手続きをした場合、「信用情報」に過払い金請求をしたことが事故情報として載るということは一切ありません(ブラックリストには載りません)。
そのため、現在ローンを検討している場合でも、その審査に影響を及ぼすことはありません。

お金が返ってくる

支払い過ぎた利息は、貸金業者が利用者に返金する義務があります。
過払い金の請求と聞くと、そんな大げさなことをしたくないとお考えになる方もいらっしゃるようですが、利用者として当然の権利です。
過払い金を請求すれば、貸金業者から支払い過ぎた利息分のお金が戻ってきます。
過払い金の請求を専門家に依頼した場合には、その返金分の中から費用をいただくことになりますので、費用を用意しないと依頼できないという心配は不要です。

他のお借り入れの返済に充てることができる

もし、他社でお借り入れをされている場合にも、返金された過払い金をその返済に充てられるため、経済的にも気分的にも楽になります。

お早めのご相談をおすすめする理由

過払い金請求を行うかどうか、現在お悩みの方もいらっしゃると思いますが、過払い金の石臼は、下記の様な理由でいつでもできるわけではありません。ぜひ、早めのご相談をおすすめします。

過払い金請求の時効が成立すると手続きができない

過払い金を請求する権利の消滅時効によって、最終取引日から10年(または権利が行使できることを知ってから5年)が経つと、請求自体ができなくなってしまいます。
また消滅時効がきていなくても、近く到来する場合には間に合わなくなる可能性もあります。

請求先のお借入先の貸金業者が倒産すると過払い金の請求ができない

多くの過払い金請求を受けたことにより、経営不振になって倒産してしまう貸金業者も少なくありません。
倒産した貸金業者に過払い金の請求をしても、返金してもらうことはできません。
また、倒産状態には至っていなくても、日々経営状態が悪化している貸金業者もあるため、早急に過払い金請求の手続きをしましょう。

まとめ

完済したから過払い金の請求ができないと考えていらっしゃった方は、ご自身も請求が可能であることをご理解いただけたと思います。
過払い金の請求には消滅時効があり、それは間近に迫っているかも知れません。
過払い金の請求実績が豊富な専門家に、ぜひ早めにご相談ください。

本記事の監修/司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤 竜郎

中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。 借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。

伊藤 竜郎
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