「債務整理(借金整理)するタイミングってどうやって決めればいいの?」
「どのくらいの借金の額で、どの債務整理を選択すればいいのかわからない」
債務整理を検討したいと思っていても、タイミングやどの方法が良いかわからないと、相談をためらっている方は意外と多くいらっしゃいます。
債務整理には任意整理や自己破産、個人再生などの手続きがありますが、それぞれ借金の金額や状況によって、どの手続きをどのタイミングで行うべきかの判断は異なります。
債務整理をするタイミングを逃さないためにも、判断の目安や、タイミングを逃した場合のリスクについて理解しておきましょう。
債務整理を考えるタイミング
借金の返済が苦しいと感じていても、「もう少し頑張れば返済できるかも」「専門家に相談と考えると戸惑いを感じる」など考える方は多いようです。
しかし、債務整理を考えるタイミングとはひとことでいうと、「借金を完済できそうにない」とご自身が感じたときだと言えます。
それ以外にも、下記のような状況にある場合は、債務整理を検討するときと言えるでしょう。
返済するために借金をしている
現在の借金を返済するために、別に借金をしている方は多くいらっしゃいます。今月の返済分をなんとかしようとしていることはわかるのですが、借りては返すということを繰り返していても、借金は完済できません。
このような状況の場合、自力での解決は難しいことを知って、債務整理を検討しましょう。
月収の3分の1以上が借金返済に消えている
ご自身の収入のいくらくらいを、毎月返済するために使っているかご存知でしょうか?月収の3分の1以上が借金返済に消えている場合は、債務整理を検討するタイミングといえます。
日本には「総量規制」という法律がありますが、これは「金融機関が行う貸し付けは、利用者の年収の3分の1を超えてはならない」というものです。これ以上お借り入れをすると、生活破たんする可能性が高いと考えて、規制されているのです。
月々の返済額が収入の3分の1以上になっているときは、早めに専門家に相談すべきです。
借金の利息分だけを長く支払っている
毎月の返済ができていたとしても、ほとんど元金が減っておらず、利息分だけを長く支払っているという場合も、債務整理を検討するタイミングです。このようなケースでは、毎月の返済額を今より低くしないと、いつまで経っても元金の返済ができません。
債務整理をおこなえば、将来利息のカットができる可能性があり、そうなると元金(借りたお金)の返済に注力すれば良いことになります。ずっと返済し続けなければいけない状況を脱するためにも、ご自身にあった返済額にできるよう専門家に相談してみましょう。
複数の会社から借金している
複数の会社から借金をしている場合は返済先が多いため、当然生活は苦しくなります。このような状態を多重債務と呼んでいて、多重債務に陥ると抜け出すのは容易ではありません。
中には、複数の返済をご自身で管理するのが苦手という方もいらっしゃるでしょう。そんな場合の借金解決にも、債務整理は有効です。
新たに借金をしようとしたらできなかった
新たにお借り入れをしようとしたが断られてしまったというケースでは、金融機関があなたの経済的信用について不安があると判断したのです。
それでも借金をしようとするとお借入先の選択肢がなくなり、ヤミ金に手を出してしまうということになりかねません。ヤミ金はそのように切羽詰まった状況の方に、甘い誘い文句で勧誘をしてきます。
普通に新たな借金ができないということは、債務整理を検討するタイミングだと理解しましょう。
失業や大幅な減収があった
ご自身の病気、または会社の事情で大幅な減収があった、失業してしまったなど、急な人生の転換期を迎えることがあります。借金がある方の場合、不測の事態のための貯金はできていない場合がほとんどです。
返済をすることができないまま借金を放置すると、利息や遅延損害金などがかさみ返済金額が増えていきます。すぐに新たな仕事に就ける状況でない場合は、債務整理を考えるときです。
「借金の悩みを解決したい」と考えた
結婚など人生の転機を迎え、債務整理をしようと考えることもあります。また、特に転機がなくても「借金の悩みを解決したい!」と決意して相談に来られる方もいらっしゃいます。
いずれも借金に関わる危機的な出来事に直面したというわけではありませんが、ご自身がそのように思われたときはまさに債務整理を行うベストなタイミングだと言えます。
債務整理の手続き別に考える タイミングの目安
債務整理の手続きには、主に3つの種類があります。手続きの種類別に、タイミングの目安を考えてみました。
裁判所を介さない任意整理
「任意整理」は裁判所を通さないで行えるため、費用やかかる時間、そして精神的な面で大きなメリットがあります。手続きでは、返済の負担が減るように、債権者に利息分のカットや返済回数について交渉をします。
任意整理を考える目安としては、現状の返済方法では無理でも、返済条件を変更してもらい負担が少なくなれば、完済できる見込みがあるという方です。
任意整理では借金総額を原則、3〜5年で完済するため、ご自身の借金総額を36〜60回で割った金額を支払えるかどうかが1つの目安になります。
ただし、債権者が応じてくれなければ示談交渉は成立しませんし、分割回数についても必ずしもこちらの提案どおりに示談交渉できるとは限らないという難しさがあります。
安定した収入が必須条件の個人再生
「個人再生」は裁判所を通して行う債務整理方法の1つです。借金額が大幅に減額できることや、住宅ローン特則を利用すれば家を維持しながら手続きができるといったメリットがあります。ただし、安定した収入があることが必須条件です。
個人再生を考える借金総額の目安は、住宅ローンを除く借金の総額が100万円以上5,000万円以内です。住宅ローンを除く借金総額が5,000万円を超える場合個人再生は利用できず、100万円に満たない場合も利用するメリットがないため利用できません。
現在住宅ローンを返済中で、自宅を失いたくない人や、この目安に当てはまる状況の場合には、個人再生を検討すべきタイミングかもしれません。
収入がない場合は自己破産
「自己破産」は収入や財産がなく、裁判所が借金の返済をできる見込みがないと認めた方に、借金の免責を許可する手続きです。法律上、借金返済の義務がなくなります。
自己破産を考える目安としては、収入も財産もないか、あっても少なくて借金を返済できる見込みがない、生活保護を受けているなどの条件に当てはまる方になります。
ご自身が返済できないと訴えれば、誰でも手続きできるというわけではありません。裁判所に借金返済の見込みがないと判断され、債権者も納得できるだけの資料を提出する必要があります。
債務整理のタイミングが遅れるとどうなる?
債務整理手続きを行うタイミングは重要です。タイミングが遅れると、以下のようなデメリットが発生します。
滞納することでブラックリストに登録される
返済が遅れその日数が重なると、個人の信用情報に事故情報として登録されます。世間一般で言われている、ブラックリストに載るという状態です。
信用情報は金融機関の間で共有されていて、新たなクレジットカードの作成やローン契約ができなくなります。
遅延損害金が発生する
お借り入れを始めたときの契約に、返済期日に延滞すると遅延損害金が発生するということが記されていたはずです。督促の電話に出ないで避けていたとしても、その間に遅延損害金は毎日増えていきます。
時間が経てば経つほど、返済しなければならない金額が積み重なっていくのです。
滞納が長期化すると強制執行される可能性も
滞納してしばらくすると、お借入先の金融機関から期限の利益喪失通知が届きます。期限の利益とは、一定の期日がくるまでの間、借金などの返済をしなくてよい(待ってもらえる)利益を指します。
期限の利益を喪失すると、お借入先から残金を一括で支払うよう請求されますが、対応を怠ると裁判を起こされたり強制執行されたりする可能性があります。
悩みを解決するための債務整理の選択肢が減ってしまう
もうどうにもならないという状態から債務整理を検討し始めても、解決の選択肢がすでに減っている可能性があります。
早いタイミングで相談した方が、財産を残したい、家族に知られにくい方法を取りたいなど、ご自身の希望を通せる可能性が高くなります。
債務整理が遅れると生活の立て直しが難しくなる
時間の経過とともに発生した利息や遅延損害金の支払いは、一般的にはカットができません。そのため、延滞日数が増えるほど債務整理後に返済する借金額は大きくなってしまいます。
その分生活の立て直しも難しく、自暴自棄になってしまうケースもあります。
債務整理のタイミングを逃さないようまずは無料診断を
債務整理のタイミングを逃さないためにも、まずは無料診断に行かれることをおすすめします。費用をかけずに相談することができるので、気楽に利用してみましょう。
借金返済に悩まれたときは、専門家の力を借りるのが早期解決の近道です。中央事務所では、債務整理の知識と実績が豊富な専門家が、借金のお悩みをしっかりとお聞きします。
ご相談時にお話しをよく伺った上で、ご自身の状況にあった解決方法をご提案させていただきます。WEBから、24時間いつでも受付していますので、お困りの際はぜひお問い合わせください。
本記事の監修/
司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤竜郎
中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。
借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。
投稿日:2023年8月31日