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無職でも債務整理(借金整理)できる?
収入なしの際の対処法

借金があるのに無職になってしまい、返済が滞ってしまうケースは少なくありません。

また、専業主婦や年金生活をしている方の中にも、無職だけれど債務整理(借金整理)はできるのだろうか?とお悩みの方がいらっしゃるかも知れません。

無職の方で債務整理をお考えの場合、ご自身の現在の状況にあった方法で借金問題の解決を計ることが重要です。

そこで、無職の方が選択できる債務整理の種類や、収入がない場合の対処法などを詳しく解説します。


無職の場合に選択できる債務整理の種類

債務整理の方法には、主に任意整理と自己破産、個人再生の3つがあります。

その中で、無職の場合に選択できる債務整理は、ほとんどのケースで任意整理か自己破産の2つになります。個人再生は、安定した収入が継続してある方でないと厳しいからです。

任意整理とは、債権者と直接話し合いをして、利息の減額や返済回数の見直しをしてもらい、無理なく返済できるようにする手続きです。交渉する債権者は、ご自身で選ぶことができます。

一方、自己破産とは、裁判所に申立てを行うことで、支払いの義務を免除してもらう手続きのことを言います。


無職で任意整理ができるのはどんな方?

任意整理をすると、示談交渉後は残った借金を返済していくことになります。そのため、定期的な収入がない無職の方の任意整理は、難しいという考えが一般的です。しかし、現在仕事についていない方でも、返済資金の見通しがたてば、任意整理は可能です。では、具体的に無職で任意整理ができるのはどんな方なのか?以下で解説していきます。

今後の収入見込みがある方

現在は無職であるが、今後就業予定があるなど安定した収入が見込める方は任意整理が可能です。就業予定については、必ずしも正社員でなくても大丈夫です。

アルバイトやパートでも構いません。ただし支払いが可能となる収入が、返済期間(3〜5年)を通して安定して得られることが必要です。

専業主婦などの被扶養者

現在無職で今後も就業予定はないが、例えば専業主婦など家族の被扶養者となっていて、家族からの助けが得られる人は可能です。

また、これからパートやアルバイトを始めて返済に充てられるという場合も、任意整理を選択肢の1つに入れることができます。

年金で生活している方

年金で生活している無職の方も、年金収入の中から返済ができる場合は任意整理を行うことが可能です。公的年金は生活のための収入とされており、債務整理をしたからと言って年金の支給が止められることはありません。

とは言え、受給している年金額は個々によって異なります。年金で生活している方全員が、生活費を差し引いた残りで返済を継続できるとは限りません。年金生活と返済が継続していけるのか、冷静に見極めることが大切です。

借金の総額が大きくない方

任意整理の交渉の過程で、返済原資は毎月いくらか?と必ず問われます。さらに、現在の収入や家計の状況を聞き取る債権者もあります。

その点で、無職という条件は債権者にとって、本当に支払ってくれるのかと不安になる材料であることは間違いありません。無職で借金の総額が大きいと、示談交渉できない可能性が高くなります。


任意整理を選ぶメリットとデメリット

任意整理を選択した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのか解説します。

裁判所を通す手続きより費用が安く、時間もかからない

裁判所に申立を行う自己破産や個人再生などの手続きと比べて、任意整理は費用が安く時間もかからないというメリットがあります。また、費用の分割に応じてくれる専門家の事務所へ依頼した場合は、手続きを進めながら費用の支払いができるので、安心して頼むことができます。

家族や友人などに知られる可能性が低い

債務整理の中でも任意整理は、周囲の人に知られにくい手続きです。誰にも内緒で借金の整理を行いたいと考える方には、最適の方法と言えます。

ただし、ご自身で任意整理を行う場合は少々事情が異なります。債権者からの郵便や連絡などで、同居するご家族に知られてしまう可能性が高まるからです。

専門家に依頼した場合は、郵便や連絡などは専門家の事務所とのやりとりになるため、このような心配はほとんどなくなります。

現在持っている財産を手放さなくて良い

自己破産の手続きを行う場合、一定の金額以上の財産は手放さなくてはなりません。しかし、当事者同士の合意があればよい任意整理では、そのような必要はありません。現在保有しているご自宅やお車など、売却しなければならないのか?という心配は不要です。

官報に氏名が載ることがない

自己破産や個人再生の手続きの中では、官報という機関紙に氏名や住所が掲載されますが、任意整理ではそのようなことはありません。

デメリットは?

任意整理を行うと、信用情報に事故記録が掲載されます。そのため、新たなお借り入れやクレジットカードの作成は5年ほどできなくなります。

また、任意整理は裁判所を通して行う手続きとは異なり、法的な強制力はありません。返済条件の変更について示談交渉できるかどうかは、債権者次第とも言えます。


今後も収入の見込みがない場合は自己破産

手続き後に支払いが始まる任意整理や個人再生と異なり、自己破産は借金が免除されて返済の必要がなくなります。そのため、現在も今後も無職で収入の見込みがない場合は、自己破産を選ぶことになります。

自己破産を選択するメリットとデメリット

最大のメリットは、なんと言っても借金返済の必要がなくなることです。また、現在無職の方にとって、就職の予定や安定した収入がなくても行える手続きであることは、大きな特徴と言えます。

その反面、デメリットとして、任意整理より費用も時間もかかる、財産が一部を除き処分される、信用機関に事故情報が登録されると同時に、官報にも氏名や住所が掲載されることなどが挙げられます。

無職で生活保護受給中の方は自己破産

無職で生活保護を受けている場合、生活保護費を返済に充てて任意整理ができるのでは?とお考えになる方がいらっしゃるかも知れません。

しかし、生活保護費は、最低限度の生活を保障する(憲法25条)もので、生活保護制度の趣旨から保護費を使って借金返済をすることは、原則認められていません。

また、黙っていればわからないと思われるかも知れませんが、もし発覚した場合、保護費が打ち切りになる恐れもあります。このような事情から、生活保護を受給中の方は自己破産を選択することになります。


債務整理の手続き費用について

では、債務整理を専門家に依頼する際、手続き費用に不安がある場合はどうしたらよいのでしょうか?ここでは、2つの対処法を解説します。

分割払いOKの弁護士・司法書士事務所へ依頼する

弁護士・司法書士事務所では、債務整理費用の分割払いについて相談にのってくれるところが数多くあります。最初の相談時に聞いてみましょう。

分割払いの方法ですが、手続きを依頼すると、まず債権者へ受任通知を送ります。債権者が通知を受け取ったら、その時点から返済は一時的に停止することになります。

停止した分の返済資金を手続き費用に回して、分割で支払っていきます。また、任意整理など着手金を無料としている事務所もあるため、そのような事務所を選ぶとさらに費用が積み立てやすいでしょう。

収入のない方が手続きする場合は「法テラス」の利用も

また、「法テラス」という市民向けの法的支援を行う機関もあります。国によって設立された機関で、正式名称は「日本司法支援センター」、通称「法テラス」と呼ばれています。

法テラスでは、要件を満たしていれば民事法律扶助という制度を利用することができます。民事法律扶助とは、無料の法律相談(法律相談援助)や、必要な場合には手続き費用等の立て替え(代理援助・書類作成援助)を受けることができるサービスです。

利用する方が生活保護を受給している場合には、立替金の償還免除を希望することができます。


無職の方や収入なしの方もまずはお早めの相談を

無職の方や収入がない方でも、基本的には任意整理と自己破産の2種類の債務整理が可能です。ただし、今後の収入見込みやご自身が置かれている状況によって、選択するべき債務整理の方法が異なります。

また、各々の手続きで生じるメリット・デメリットをしっかりと認識することも大切です。

借金返済に悩まれたときは、専門家の力を借りるのが早期解決の近道です。中央事務所では、債務整理の知識と実績が豊富な専門家が、借金のお悩みをしっかりとお聞きします。

ご相談時にお話しをよく伺った上で、ご自身の状況にあった解決方法をご提案させていただきます。WEBから、24時間いつでも受付していますので、お困りの際はぜひお問い合わせください。


本記事の監修/
司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤竜郎

中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。
借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。

執筆者伊藤竜郎

投稿日:2023年7月31日



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