もう少し詳しくいうと、現在の借金総額を36回(3年間分)に分割してみて、1回分(1ヵ月分)の金額を完済(36回分)までの間、滞りなく支払うことができるかどうかが、大まかな目安となります。
具体例をあげると、借金総額が315万円の方の場合 315万÷36=87,500となり、ひと月に87,500円を完済(36回分=3年間)まで定期的に支払うことができなければ、自己破産をご検討されてもいいと思います。
下記のいずれかに該当すると免責不許可事由になります。
a. 浪費行為が原因の借金。
b. ギャンブルが原因の借金。
c. 高額な株式・為替取引など、投資・投機的行為が原因の借金。
d. 詐欺的なお借入状況がある。(返済不能状態を認識しつつのお借り入れ、そもそも返済するつもりがないお借り入れなど)
e. ローンが残っている物品・権利などを債権者に不利益に処分した。(換金行為など)
f. ある特定の債権者(借入先)のみに返済している。
g. 闇金などの非合法な団体・個人からお借り入れをしている。
h. 高額な飲食を繰り返していたことがある、また女性の場合はホストクラブやエステ、男性の場合はキャバクラなどの風俗に通っていた経歴がある。
i. クレジットカードを他人に貸与して借金が増大した。(名義貸し)
j. 過去7年以内に、破産手続きや民事再生手続きで免責決定などを受けている。
k. 債権者(借入先)に財産を隠したり、裁判所に対してウソの申告をしたりする行為。
l. 過去5年間に海外旅行に行ったことがある。
m. 過去5年間に10万円以上の商品を買ったことがある。
どうですか?上記で該当したものはありましたか?
買物依存などの浪費行為、パチンコや競馬などのギャンブル、キャバクラなどの風俗通い、高額なエステ契約など…。
これらの行為が原因による借金は原則として免責されません。
ただし、本人が反省をして、もう以降しないことを裁判所に陳情して許しを請い、裁判官が諸事情を考慮した上で免責を許可してくれる場合があります(これを裁量免責といいます)。
大切なことは、「真実を申告し、深く反省して再起を誓う」 態度なのです。
裁判官も鬼ではありません。殊勝な態度で臨めば免責決定を受けることができる場合もありますので、免責不許可事由があることを理由に自己破産をあきらめる必要はないと思います。
ぜひ一度ご相談ください。
なお、破産申立手続きにおいては、嘘や隠しごとが一番よくありません。
下手をすると犯罪者として刑事罰を受けることにもなりますので、くれぐれもご注意願います。
ただし、それには任意整理などで借金を減額した上で、完済までの期間、滞りなく返済するための資金確保ができることが必須条件となります。 自己破産だけは嫌だからと無理をしたり、多分なんとかなるだろうとの楽観的な判断に基づいて資金確保の見込みを誤ると、借金問題の抜本的な解決にはなりません。
体裁ばかりを気にしたり、責任感が強過ぎたりして、自己破産を回避して無理な借金整理をすることは結局のところ遠回りになり、時間と費用の無駄遣いで終わる場合も考えられます。 「借りたお金は必ず返す」という姿勢は美しいことですが、ご自身の健康や心のバランスまでを犠牲にする必要はありません。
みなさんは、複数の金融業者からの借り入れで苦しむ必要はありません。どうか無理をせずに自己破産の制度を上手に利用して借金問題を解決していただき、「心の平和」を手に入れてください。
自己破産を回避するには、任意整理などで減額した借金を支払っていけることが前提となります。
増収が見込める方はよいのですが、そうでない場合は支出を抑える方法が有効となります。
仕事量を増やして昼夜を問わず働く方もいらっしゃいますが、短期間ならともかく、数年にも及ぶとなると体調を崩してしまったり、睡眠時間が取れず精神的に不安定になってしまったりと、借金を支払う代償としては余りにも大き過ぎ、本末転倒となってしまうおそれがあります。
ここは、一念発起して倹約に努めてはいかがでしょうか?
まずは、家計簿をつけて収支をしっかりと把握し、節約できるところを知り、生活に必要な最低限の支出に抑えましょう。
お酒・タバコなどの嗜好品が好きな方は、この機会にやめるのも方法のひとつです。結果、健康や環境にもよい方向に向かうかもしれません。
余談になりますが、現在テレビなどで活躍している、あるお笑い芸人さんは、節約に尽力した結果、薄給にもかかわらず数年間で300万円を貯めたといいます。
その芸人さんは、一戸建てを購入する目的で倹約を続けたということですが、みなさんの目的は、借金返済です。
目的は違えど、その芸人さんのような根性と覚悟があれば、多重債務状態でも自己破産をせずに借金整理ができると思います。
また、倹約するのを常とする習慣が身につけば、以降借金に頼ることなく人生を楽しむことができることでしょう。
自己破産は、破産者の財産を裁判所に申告して、一定額以上の財産(原則20万円以上)を換価して債権者(借入先)に分配し、破産者の財産処分をしても払えない借金は免責されるという手続きです。
ただし、日常の生活用品(高額なものは除く)は、処分されることはありませんが、土地や家屋などの不動産は処分しなければならないでしょう。
車やバイクなどに関しても価値(原則20万円以上)によっては処分しなければならない覚悟が必要です。
また、初めから処分する財産がない場合は、破産手続開始決定後に債権者(借入先)に対して財産分配することなく、そのまま免責決定手続きに移行することになります(※同時廃止)。
※同時廃止(どうじはいし) 破産宣告と同時に破産手続きを終わらせてしまうことです。お借入先に配当する財産がない場合や、免責不許可事由がない場合、同時廃止になります。
差押禁止財産といって、テレビや冷蔵庫などの家財道具は差し押さえられることはありません。 自己破産をしても20万円未満のものはそのまま所有することができます。
例えば、格段に高価な物品などは、差押え対象となります。テレビなどは生活用品として処分対象外となっていますが、購入価格が数十万円もする大型テレビなどの場合は自己破産の際に差押えの指示を受ける可能性があります。
a.租税などの請求権
例:所得税・相続税などの国税や住民税・自動車税などの地方税、健康保険料など
b.破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
例:詐欺や窃盗による損害賠償など
c.破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
例:傷害行為(ケンカなど)による損害賠償など
d.夫婦間の協力および扶助の義務、婚姻から生ずる費用の分担の義務、子の監護に関する義務、親族間の扶養義務、以上に掲げるものに類するものであって、契約に基づく義務に係る請求権
例:婚姻中に発生した生活費などの負担金や子供の養育費など
e.雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
例:未払い給与など
f.破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
例:裁判所に対してウソを言ったり、隠したりした借金など
g.罰金などの請求権
例:交通違反や刑事罰による罰金や過料など
つまり、上記を理由に負った借金を免責させる目的で破産をしても意味がないということになります。
ただし、税金などに関しては、納税先の窓口に相談すれば納付期限を猶予してもらえる場合もあるので、ご相談してみてはいかがでしょうか。
よって解約返戻金が高額になる場合は学資保険を解約して債権者に分配しなければならない可能性があります。
債務名義を取られると、給与(賞与)の一部(4分の1相当額)を差し押さえることができ、その場合、お借入先に対する返済に充てられてしまいます。
また、高額な財産などを所有している場合は差押をして競売などで換価することができ、やはり返済に充てられてしまうことになります。
給与などが差押さえられた場合、勤務先にその事実が知れてしまうことになります。
上記のようなおそれがあるので、裁判所から見慣れない書類が届いた場合は、大至急、ご相談ください。
法人が破産した場合、税金の支払義務は法人が負う形となります。自己破産のお手続きでは銀行からのお借り入れは免責になる可能性はございますが、税金は対象外となります。
しかし税金滞納分を考慮して、自己破産手続きを進めることはできます。(税金滞納分も合わせたら支払不能と考えられる場合があります。)
養育費は『非免責債権』にあたりますので、従来通り請求することが出来ますが、慰謝料については、破産開始決定前に請求権が発生していた場合は、免責となってしまいます。
免責許可や、破産開始など、少し専門的な表現がありますので、補足いたしますね。
まず、破産手続きの開始は、裁判所へ破産を申し立てて、裁判官と面接した後からになります。
破産開始となれば、その人の財産を借金の代わりにお金に換えて、債権者に分配しなければなりません。
でも、換えられる財産がなくて、借金が返せない場合は「借金を返さなくても良いですよ」という、免責許可が下ります。
今回のご質問だと、養育費は、お子様を育てるのに必要なお金なので、免責されません。 養育費の請求は、いつでもできます。
ただし、慰謝料は状況によって異なります。
破産手続きが始まる前に、すでに離婚調停を終えて、慰謝料を請求できる場合は、元旦那さまの借金の一部として認められて、免責されます。
慰謝料がもらえません。
もし、破産手続きを開始した後に、離婚が成立し慰謝料を請求できる場合だと、破産を開始してからの借金なので、元旦那さまに支払義務が発生します。
慰謝料の請求は、破産手続き開始の前後によって可否が異なります。
官報は一般的な出版物ではないので、そこから発覚するということはあまり考えられないのですが、「絶対に内緒でできる」というところまでは保証できません。
しかし、普通に考えて、ご自身で口が滑ってしまったりする以外にバレたりすることは限りなく少ないのではないかと思います。
ただし、連帯保証人などがいらっしゃる場合は、連帯保証人に一括請求などがいってしまう場合があるので、内緒にすることは難しいと思います。
しかし、自己破産手続きは経済生活の再生と機会を確保するための措置です。 何度も破産する…といったことのないよう、しっかりとマネープランを見直していきましょうね。
自己破産後の制限の1つとして移転制限があげられますが、それはアパートの審査にどのように影響するのでしょうか。
破産手続開始が決定されると、財産の有無をチェックされ、大きな財産があれば破産管財人が選任される形になります。
破産管財人は財産処理にたずさわり、お借入先などの金融機関へ少しでも返済ができるように手助けをします。
大きな財産がなければ、すぐに免責許可が決定され、自己破産という形になります。
では、自己破産後に引っ越しをするとき、アパートの審査は通るのでしょうか。
家賃を振り込むタイプなら、自己破産したことはまず不動産会社に伝わらないので問題なく審査が通ります。
しかし、まれに不動産会社によっては、家賃の支払いをクレジットカード指定されることもあります。例えば、ジャックスに家賃の回収をお願いされている場合などです。
この場合、アパートの審査は通らないことがあります。
したがって、自己破産をした後でも、アパートの審査に影響が出ることは少ないといえるでしょう。
しかし、苗字以外の情報にお変わりがなければ、以前の情報と照合されてしまう場合もございますので、そうなってしまうと新たなお借り入れは難しいでしょう。
家族カード発行の際、審査の対象となるのはあくまで元となるカードの名義人です。ですから、家族カードの使用者が過去に自己破産をしていたり、信用情報になんらかの問題がある場合でも、基本的にはカードの発行は可能です。
しかし、カード会社によって対応に違いがあるので、該当するカード会社に事前に確認した方が良いでしょう。
ただし、資格の中には手続きの完了後でなければ、登録などが出来ないといった資格もあります。
ただし、個人再生のうち“給与所得者など再生”については、自己破産手続きが完了してから7年を経過した後でなければ、行うことが出来ません。