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過払い金に遅延損害金は発生する?
利息との違いも解説

遅延損害金は、過払い金の請求において無視できないポイントです。

通常の利息とは異なるものの、利息と同様に認められる利率に上限があるため、過払い金の対象になることがあります。

また、過払い金の発生している金額によっては、今後の遅延損害金の発生を止められる可能性もあります。

この記事では、遅延損害金まで考慮した過払い金請求のポイントを解説します。


遅延損害金とは

「遅延損害金」とは、借金の返済が遅れた場合のペナルティにあたります。

「延滞利息」「遅延利息」などと、呼ぶこともあります。

借金の返済が遅れた場合は、返済する金額に加えて、遅延損害金を支払う必要があります。

遅延損害金は、遅延損害金利率で次のように計算されます。

遅延損害金 = 借入の残高 × 遅延損害金利率 ÷ 365 × 延滞日数

遅延損害金利率は、年利率で表示されていることが多いので、計算をするときは日割りで計算をします。

遅延損害金利率は、損害賠償の性質をもっていることから、借金に適用される利率よりも高いことがほとんどです。

遅延損害金の上限とは

お金を貸し借りをする際の利息については「利息制限法」という法律で定められています。

利息制限法は、遅延損害金の金利について、貸付時の上限金利(15%~20%)の1.46倍までを認めています。

つまり、貸付時の上限金利の1.46倍を超えて支払いをしていれば、超過した部分については、払いすぎた利息である過払い金として扱われます。

つまり、遅延損害金を払いすぎている場合は、過払い金として請求し、取り戻すことができる可能性があります。

遅延損害金を整理すると、次の通りになります。

お借入額 利率の上限 遅延損害金の上限
~10万円未満 20% 29.2%
10万円~100万円未満 18% 26.28%
100万円以上 15% 21.9%

すでに、超過して支払った遅延損害金を返してもらえるかどうかは、過去の取引の記録を確認する必要があります。

自身で進めていて、いつ遅延損害金が発生したのかの確認・その場合の計算がうまく行かない、など困る場合には、過払い金の請求を多く扱っている、司法書士などの専門家に相談することをオススメします。


利息と遅延損害金の違いとは?

利息は、お金を借りている間の利用料として、支払うお金です。

貸金の取引では、借りているお金の返済を行っている間は、利息を支払う必要があります。

借りているお金(元金)に、利率をかけ、借りているお金の返済に加えてして支払います。

一方、遅延損害金は、返済が遅れた場合のペナルティとして発生します。

支払う必要が生じるのは、返済が遅れた場合です。

借りているお金(元金)に、返済が遅れている期間分の遅延損害金をかけ、借りているお金と利息に加えて支払う必要が生じます。

このように遅延損害金と、利息は異なります。


過払い金の請求後も遅延損害金は発生するのか?

過払い金が発生している状態で、借金も返済している場合、借金の返済は止めてもよいのか、返済をとめてしまうことで遅延損害金が発生してしまうのか、気になりますよね。

では、どのように対応すれば、適切なのでしょうか。

過払い金の発生している金額>残っている借金の金額 のケース

過払い金の発生している金額が、借金が残っている金額よりも大きい場合は、過払い金の請求をした後は、借金の返済は止めてもよいといえます。

過払い金で残っている借金を完済していることになるので、借りているお金がない=借金の返済が遅れることはないからです。

そのため、借金の返済をしている状況で、過払い金が発生している場合は、過払い金発生している金額によっては、借金を返済する負担から抜け出せる可能性があります。

ただし、督促を止めるには、注意点がありますので、のちほど解説します。

過払い金が発生している金額<残っている借金の金額 のケース

過払い金の発生している金額が、借金が残っている金額よりも小さい場合は、過払い金で借金を完済することができないため、利息や遅延損害金が発生する可能性があります。

ただし、この場合は見方を変えて借金整理の手続きへと進めることで、残っている借金を減らせる可能性があります。

借金整理については、のちほど解説しますが、過払い金と借金整理の両方を扱う司法書士事務所などの専門家に相談して行うことを、オススメします。

司法書士など専門家に依頼すると、督促が止められる

自身で過払い金の請求を行う場合は、発生している過払い金が、残っている借金の金額を上回っても下回っても、督促が止まることはありません。

過払い金の請求を、司法書士など専門家に依頼をしている場合は、依頼を受けた専門家が、受任通知という、代理で過払い金の手続きを行うので、今後の連絡は専門家へ、という内容の書面を貸金業者へ送るため、直接の督促がなくなります。

家族に借金を知られたくない場合や、お仕事で忙しい場合などは、督促の電話や督促状が送付されることがなくなるので、精神的にも負担になります。

周囲に知られたくない場合も、極力秘密に配慮してもらえることが多いです。

督促を抜きにしても、過払い金の手続きや、借金の整理の負担が少なくすむので、司法書士などの専門家に相談することを、オススメします。


過払い金の遅延損害金における争点

過払い金の遅延損害金をめぐり問題になるのは、過払い金の算出額が食い違うことです。

この場合は、貸金業者が主張する過払い金の算出額が少ないことが多いです。

これは、遅延損害金が発生した場合は、つまり延滞をした場合は、その後も遅延損害金が発生し続けるのか、その後は通常の利息(利率)にもどるのか、という2つの考え方があるためです。

貸金の契約では、支払いを数回延滞をしたら、その契約で残っている借金のすべてを返済しなければならない期限が到来するという「期限の利益喪失条項」があります。

文字通りなら、返済が数回遅れた場合は、以降にその契約で残っている借金のすべてを返済しなければならないこととなります。

しかし、実際のところ、残っている借金のすべてを返済するよう、貸金業者が、請求してくることはありません。

通常の利息が適用された金額で請求してくる貸金業者がほとんどです。

裁判所の通例も返済をしていた人の主張を認めることが多いです。

もし、貸金業者と折り合いがつかない場合は、専門家に相談し、裁判で解決することを検討しましょう。


借金整理とは

借金の整理には、任意整理という手段があります。

借り入れをした貸金業者と交渉を行い、利息をカットする・遅延損害金をカットするなどして借金を返済で支払う総額を減額したり、月々の返済額を減らしたりする手続きを意味します。

過払い金があっても借金が残る場合には、借金整理で支払う総額を減らし、月々の返済額も返済回数を増やすなどして減らし、返済しやすくすることで無理なく完済できるようにします。

借金の整理は、自身で、できないことではありませんが、司法書士など専門家に相談して行うほうが、安心できます。

過払い金の請求と借金の整理に強い事務所に依頼

借金の整理の方法は、借入先を交渉を行う任意整理、あるいは裁判所ですべての借金について整理を行う民事再生・破産など、方法がいくつかあります。

過払い金と借金の整理に強い事務所なら、過払い金で借金が残ってしまう場合でも、ご自身にあった適切なアドバイスをしてくれます。

また、貸金業者からの督促が止められる、借金の整理の交渉も貸金業者と対等に進めやすいなど、メリットは大きいです

事務所の選び方

過払い金や借金、遅延損害金について専門家に依頼をするといっても、司法書士や弁護士のすべてが、過払い金の専門家であるわけでは、ありません。

それぞれ専門とする分野は異なっていて、例えば商業登記に強い事務所・離婚に強い事務所に依頼をしても、過払い金や借金について適切に対処できるわけではないからです。

過払い金や借金の問題を専門に扱っている強い事務所を選んで依頼しましょう。

過払い金の請求や借金の整理の実績が豊富な事務所であれば、過払い金・借金の整理について、適切にアドバイスしてくれます。


過払い金と遅延損害金の関係のまとめ

遅延損害金は「延滞利息」「遅延利息」とも呼ばれ、借金の返済が遅れた場合に支払うお金です。

遅延損害金と利息は異なります。

過払い金が発生している金額が借金が残っている金額よりも大きい場合は、利息も遅延損害金も発生しません。

過払い金が発生している金額が借金が残っている金額よりも小さい場合は、過払い金で借金を完済することができないため、利息や遅延損害金が発生する可能性があります。


過払い金は専門家に無料相談を

過払い金の請求に悩まれたときは、専門家の力を借りるのが早期解決の近道です。

中央事務所では、過払い金の知識と実績が豊富な専門家が、お悩みをしっかりとお聞きします。

ご相談時にお話しをよく伺った上で、ご自身の状況にあった解決方法をご提案させていただきます。

WEBから、24時間いつでも受付していますので、お困りの際はぜひお問い合わせください。


本記事の監修/
司法書士法人 中央事務所 司法書士 伊藤竜郎

中央事務所はお客さまのお悩みに寄り添い、常にお客さまの目線に立ってアドバイス、解決するためのお手伝いをさせていただきます。
借金、過払い金請求のことでお悩み、お困りの方、ぜひお気軽に中央事務所にご相談ください。

執筆者伊藤竜郎

投稿日:2023年1月31日
更新日:2024年3月29日



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