コールセンターのサービスレベルとは?基準や用語、改善方法を解説
公開日 2024.07.31
更新日 2024.07.31
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コールセンターのサービスレベルとは?基準や用語、改善方法を解説

コールセンターで良く耳にする「サービスレベル」は、安定したコールセンター運営を進める上で欠かすことのできない指標です。 サービスレベルの良し悪しは応対品質に直結するため、問題点があればすみやかに解決しなければなりません。 今回はコールセンターにおけるサービスレベルの基準や改善方法について詳しく解説します。  

コールセンターのサービスレベルとは?

コールセンターのサービスレベルとは、一定時間内にオペレーターが応答したコール数の割合を示す指標のことです。 言い換えれば「電話のつながりやすさ」を表す指標であり、サービスレベルが高ければ生産性が高く、サービスレベルが低ければ顧客の不満を招く危険性があると考えて良いでしょう。 サービスレベルは応答率や成約率よりも後回しにされがちですが、サービスレベルの改善無くして顧客満足度の向上は考えにくいため、しっかりと把握する必要があります。  

コールセンターのサービスレベルの計算方法

コールセンターのサービスレベルは以下の方法で割り出すことができます。 サービスレベル=設定時間内に取った件数 ÷ 着信件数 × 100 設定時間はコールセンターによって若干異なりますが、一般的には「20秒以内」と設定し、20秒以内に80%以上の電話に出ることを目標にしている場合が多いようです。 ただし業務内容によっては80%以上の応答が難しい場合もあるため、あくまでも目安として捉え他のKPIと総合的に判断することが大切です。  

サービスレベルに関する用語(SLA・SLO・SLI)の違い

サービスレベルの担保に関する用語として「SLA(Service-LevelAgreement)」「SLO(Service-Level objective)」「SLI(Service-Level Indicator)」があります。 ◆SLA SLAは、サービスの提供者と利用者の合意により、保証されるサービスレベルについて締結したものです。約束した基準値に満たない場合はペナルティが課せられます。 ◆SLO SLOはサービスレベルの目標値についての指標です。目標値に満たなくてもペナルティが課せられることはありません。 ◆SLI SLIは、実際にサービスレベルを測定し、ペナルティに値する数値がないか確認するための指標です。 サービス利用者とのトラブルを回避し信頼関係を築くためには事前にSLAを締結し、責任の所在や保証の範囲を明確にしておくことが重要です。  

コールセンターのサービスレベルに影響する要素

コールセンターのサービスレベルは、センターの規模やオペレーターのスキル、業務の効率化を図るシステムの導入などによって大きく影響します。 サービスレベルを左右する主な要素をそれぞれ解説します。  

オペレーターの人数

オペレーターの人数はサービスレベルの良し悪しに直結します。人数が多ければサービスレベルは安定しますが、過剰な増員は稼働率の低下を招き人的コストの問題が生じます。 ただし、それ以上に問題なのはオペレーターの人数が不足している場合です。 オペレーターが不足し、受電するまでのスピードが遅くなることで放棄率が増え、顧客側も「電話がつながらない」という不満が蓄積します。 オペレーター側も次から次へと鳴り続けるコールにストレスが溜まり、離職につながることも少なくありません。 どのコールセンターも人材の確保に頭を悩めていますが、専門性の高い人材ほどアウトソースや外部委託などを活用した人員確保を検討するのも良いでしょう。  

オペレーターのスキル

オペレーターの人数は適切なはずなのにサービスレベルが低い場合は、オペレーターのスキル不足が考えられます。 スキル不足の要因の一つとして、昨今のオペレーター不足に伴い十分な研修期間を設けないまま新人をデビューさせざるを得ないという話を良く聞きます。 その結果、対応時間が長くなって繁忙が加速するという悪循環になりがちです。 またサポート側の人手不足も深刻で、オペレーター教育に時間をかけられずフォローも行き届かないなどの問題点も少なくありません。 とはいえ、オペレーター1人1人のスキルを向上させることで人数不足を補える可能性もあり、待機時間を活用した商品研修やスキルアップ研修などを随時実施する必要があるでしょう。  

業務フロー

サービスレベルには、業務フローも関係している場合があります。 例えば、顧客対応で繁忙しているにも関わらず、営業電話やクレーム処理など、全ての処理を1人のオペレーターに任せてしまうと当然負担が多くなり、肝心なコールを逃してしまうことになります。 営業電話の処理方法を徹底し、顧客からの問合せ以外は他部署へ転送するなどフローの改善が効果的です。 また、顧客が電話をかけてから担当オペレーターにつながるまでの時間や工程が長いとサービスレベルの低下を招くため、なるべく少ない工程で完結できるような工夫が必要でしょう。 業務フローを落とし込む際は、業務フローとマニュアルを連携させて伝えることも大切です。  

業務効率化システムの有無

業務効率化システムの有無もサービスレベルに大きな影響を与えます。 コールセンターの業務を効率化させるシステムが導入されていれば業務の自動化が図れ、対応スピードの改善が期待できます。 特に処理に時間を取られる入力作業はオペレーターの労力と後処理時間を長引かせる原因になるため、効率化すべき課題の一つです。無駄な処理時間が減らせれば当然待ち時間が減り、顧客満足度の向上につながります。 業務効率化システムは初期投資や維持コストがかかりますが、オペレーターの負荷を軽減し応対品質向上が期待できる優れた方法です。 サービスレベル改善のためには各種システムを比較検討し、自社の課題に合ったシステムの導入を検討しましょう。  

コールセンターのサービスレベル改善の方法

最後にサービスレベル改善の具体的な方法について解説します。 まずは自社の問題点を洗い出し、いくつかの方法を組み合わせることによって企業側にとっても顧客側にとっても満足のいくサービスの提供が可能です。  

オペレーターの充足率を担保する

オペレーターの充足率はサービスレベル改善の大事な要素の一つです。充足率を高めることでサービスレベルの向上が期待できます。 充足率は「オペレーターの人数÷入電予測に対する必要人数×100」で割り出すことが可能です。例えば、オペレーターの人数が15人で必要人数が20人の場合の充足率は75%となります。 充足率は基本的に100%を目指し、95%〜105%の間で調整するのが理想なので、75%であれば明らかに人員不足であると言えるでしょう。 改善方法としては、入電の多い時間帯や曜日にオペレーターを多めに配置することですが、入電数が読めない場合も少なくありません。 過去の入電データを元に直近3カ月の平均値や前年同月と比較し、正しい入電予測に基づいた人員配置を行うことが重要です。  

平均処理時間(AHT)を短くする

1コールにかかる平均処理時間(AHT)の短縮もサービスレベル改善に有効です。1回の応対時間が短縮できれば放棄率が減り、サービスレベルの向上が期待できます。 ただしAHTの適正値は業務内容によって異なり、単純に短ければ短いほど良いというものではありません。 処理時間ばかり気にしすぎて事務的な応対になるのは本末転倒です。逆に相手が求めていないことまで懇切丁寧に回答するのも自己満足にすぎません。 AHTが長いオペレーターには、まず通話内容を検証して問題点をフィードバックし、案件によって緩急をつける指導が必要です。 目標値を設定する際は、オペレーターに過度なプレッシャーを与えないよう適度な目標を立てることもポイントです。  

平均後処理時間(ACW)を短くする

平均後処理時間(ACW)の短縮もサービスレベルの改善に最も効果的な方法です。 後処理時間とはその名の通り顧客との通話終了後に行う作業であり、次の受電に向けてすみやかに処理する必要があります。 例えば、後処理の作業の中で「必要以上に入力項目が多い」「記入方法が統一されていない」などは改善の余地があると考えて良いでしょう。 その場合、入力項目にプルダウンやチェック形式を採用してなるべく記述を少なくすることで後処理時間が短縮し、結果的にサービスレベルの改善につながります。 新人の後処理時間が影響している場合は業務フローの確認とともに、理解度チェックやタイピングテストなどのフォロー研修を実施するのも効果的です。  

業務効率化システムやツールを導入する

サービスレベルを改善するためには業務効率化システムやツールを積極的に活用することも有効です。 業務効率化システムの中で最近注目されているのは「CTIを連動させたCRMシステム」です。 顧客情報が一元化されているCRMサービスを導入することによって顧客の基本情報はもちろん、購入履歴や対応履歴がひと目でわかり、相手のニーズに沿った質の高い応対が可能です。 またCTIと連動させることで着信と共に顧客情報がポップアップされるので、顧客特定に時間がかからないことも大きなメリットです。 さらに顧客と文章でやりとりするチャットサービスを導入すれば電話による問合せ件数が減るため、結果的にサービスレベル向上につながります。  

アウトソースを検討する

サービスレベル向上のためにアウトソースを検討することも、とても有意義な方法です。 そもそもサービスレベルは、あくまでも効率的な運用が出来ているかを判断する指標の一つであって、サービスレベルが低いだけでコールセンターの良し悪しを決めることはできません。 大事なのはサービスレベルを上げる対策が応対品質の改善につながり、ひいては顧客満足度の向上を高めることに意味があります。その観点から思い切ってアウトソースを活用し、優秀な人材を即戦力にすることは効果があるといえます。 もちろん経費はかかりますが、サービスレベル低下に伴う機会損失や新人採用などの費用対効果を考えると、むしろコスト削減になる場合もあるでしょう。  

まとめ

コールセンターにとってのサービスレベルは、自社の評価につながる重要な指標です。 サービスレベル向上には平均処理時間(AHT)や平均後処理時間(ACW)の改善が近道ですが、結果が現れるまでには一定の時間や手間がかかります。 なるべく早く効果を出すためには優れた人材の確保が不可欠です。 中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。 短期間でサービスレベルの改善を実現するためには、プロ集団の育成に定評のある「中央事務所」に任せてみてはいかがでしょうか。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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