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公開日 2023.07.21
更新日 2024.01.29
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コールフローとは?重要性や設計のメリット・注意点

自社にコールセンターを設置し、カスタマーサポートに注力したいと考える企業も多いのではないでしょうか?しかし、コールセンターに電話をかけても希望通りの受付先に繋がらなければ、かえって顧客の不満を招いてしまうかもしれません。 このようなリスクを避けるために必要な仕組みがコールフローです。この記事では、コールセンターにおけるコールフローの重要性について解説します。また、コールフロー設計のメリットや注意点も説明するので参考にしてみてください。  

コールフローとは?

コールフローとは、顧客からの電話をその内容に応じて最適なオペレーターに振り分ける流れのことです。例えば、企業の問い合わせ窓口に電話をかけると、自動音声ガイダンスに沿ってプッシュ操作してからオペレーターに繋がるケースが見られます。このように入電を的確に分配する仕組みは、コールセンターを効率よく運営する上で重要なポイントです。 コールセンターでコールフローを設計するなら、2つのシステムを活用しましょう。 1つは「IVR(自動音声応答システム)」です。IVRは、自動音声ガイダンスによって顧客からの電話をカテゴリーごとに振り分けます。 オペレーターが事前に問い合わせ内容を把握できるので、スムーズな電話対応が可能です。また、回線が込み合っている場合には「待機」や「かけ直し」などの対処を促し、放置呼の発生を抑制できます。 もう1つのシステムが「ACD(着信呼自動分配装置)」です。ACDでは、顧客の問い合わせ内容に適したオペレーターを優先的に割り当てます。 つまりコールフローの設計では、IVRによって問い合わせ内容を振り分けてから、ACDで最適なオペレーターに繋ぐまでの流れを構築することが大切です。  

コールセンターにおいてコールフローが重要な理由とは

コールセンターにおいて、コールフローは電話対応の品質を高め、顧客満足度を向上させるために重要といえます。 顧客からの問い合わせ内容は多種多様であり、オペレーターには臨機応変な対応が求められるものです。また、取り扱う商品・サービスによっては、専門知識が必要となる場合もあります。 電話対応の円滑化を図るなら、特定のジャンルに精通していたり経験が豊富だったりと、個々のオペレーターの能力を活かせるフロー設計が効果的です。そこで、コールフローを介して「この問い合わせ内容については、このオペレーターグループに分配する」と設定すれば、顧客の問題解決に至るプロセスを短縮できます。結果的に顧客満足度が向上し、企業の評価や収益も上昇するでしょう。 さらに、コールフローの構築過程で人員配置や業務体制をブラッシュアップできれば、コールセンターのスムーズな運営にも繋がります。コールセンターのコールフローは、顧客と企業双方にメリットをもたらす要素です。 ただし、コールフローは導入して終わりではありません。問い合わせの実態にそぐわないコールフローを設計してしまうと、顧客の離脱だけでなく企業のイメージダウンを招く恐れがあります。そのため、コールフローの定期的な見直しを実施し、常に最適なコールセンター環境を整えるようにしてください。  

コールフローの構築・設計メリット

コールフローは、質の高い電話対応によって顧客満足度を向上させるキーポイントとなります。ここからは、コールセンターでコールフローを構築・設計することにより得られるメリットについて、詳しくみていきましょう。  

業務効率化を図ることができる

コールフローの構築・設計によってオペレーターの電話対応品質がアップし、コールセンター業務の効率化に繋がります。 コールセンターの生産性を高めるためには、人員配置の最適化や平均処理時間の短縮化など、様々な取り組みが必要です。同時に、コールフローが適切に作用しているコールセンターでは、生産性のさらなる向上が見込めます。 例えば、コールフローによってオペレーターが顧客の要望を汲み取りやすくなれば、顧客に満足してもらえるだけでなく、対応時間の短縮も実現可能です。 また、オペレーターがクレームを受けるリスクを回避し、ストレスや業務負担を軽減できます。さらに、対応できる電話の数が増えるので、受電漏れによる顧客離れや売上チャンスの損失を防げるでしょう。コールセンターの業務改善には、コールフローの構築・設計が大いに役立ちます。  

顧客満足度向上につながる

コールセンターにおけるコールフローの有無は、顧客満足度に大きく影響するポイントです。 コールフローでは、顧客の問い合わせ内容に合わせて対応スキルを有したオペレーターが選出されます。顧客にとって、自動音声ガイダンスに沿ってプッシュ操作をすれば、問い合わせの目的に応じたオペレーターに繋がるところがメリットです。 一方で、コールフローが作成されていないコールセンターの場合、顧客の問い合わせに対応できるオペレーターにすぐ繋がらず、何度も担当者が入れ替わって説明を繰り返す手間が生じます。その結果、顧客がたらい回しされたと感じてしまい、企業への不信感を抱いてしまうかもしれません。 このような事態を避ける方法として、コールフローの構築・設計が効果を発揮します。コールフローによって素早く正確な電話対応を実践することで、顧客が話しやすいサポート体制を提供し、顧客満足度を向上させましょう。  

コールフローの作成方法

コールフローの構築・設計は、企業と顧客双方にとってメリットのある取り組みです。では、実際にコールフローを作成するためにはどうすればいいのでしょうか?ここでは、コールフローの作成方法を説明します。  

業務に関わるスタッフや部署を整理する

コールフローを作成するにあたって、まずコールセンター業務に関わるスタッフや部署の整理から始めましょう。 コールセンターでは、必要なスタッフとしてオペレーターやリーダー、管理者などが挙げられます。その際、コールセンターのスタッフは社内から人員を異動させるのか、新たに採用するのかといった人事についても検討してください。 また、営業部や商品開発部、広報部など、問い合わせ内容によって連絡を取りたい部署もあらかじめ確認しておきます。さらに、商品・サービスの発送や修理を担当する部署との連携も欠かせません。併せてコールセンターでのシステムトラブルに備え、ヘルプデスクへの協力を依頼するといいでしょう。 コールセンター運営に必要な人員と連携先を把握することで、コールフローの構築に着手できます。  

それぞれにおける対応内容・作業を洗い出し整理する

コールセンター業務に関わるスタッフや部署をチェックしたら、それぞれの対応内容・作業を洗い出していきます。 コールフローの作成では、業務の内容や一連の流れを細かく想定することが大切です。電話対応で必要となる顧客情報やシステムへの入力方法、対応後の処理作業など、段階を区切って具体的にまとめるようにしてください。 また、コールセンター業務にかかる時間やコストを試算したり、クレームやトラブルへの対策を考えたりと、業務フローに問題点がないか検証しましょう。様々な問い合わせにも柔軟に対応できるコールフローを作成することで、オペレーターの業務負担が減り、顧客の信頼も得やすくなります。  

作業を時系列に並べる

コールセンター業務に携わる担当者と作業内容を抽出した後は、時系列に並べていきます。 特にコールセンターでは、顧客の問い合わせ内容に応じて実際の作業が分岐することに注意してください。例えば、問い合わせの目的が商品・サービスの「注文」か「修理依頼」なのかによって、次の段階における対応方法も変わります。 そのため、「注文」を受け付けてからのフローと、「修理依頼」に対処するフローを分けて作成しなければなりません。コールフローに含める作業に漏れがないことを確認しながら、それぞれの分岐点も見逃さないようにしましょう。  

業務のフロー図を作る

時系列に沿って配置した作業項目をベースに、コールフロー図を作成します。フロー図の作成には、ExcelやPowerPointを使用する方法がおすすめです。 コールフローは、上から下へと進んでいく流れが基本となります。また、作業が分岐するところには「はい・いいえ」というように選択肢を設けてください。このコールフローに従ってIVRやACDを設定し、顧客からの電話を振り分ければ、対応可能なオペレーターにスムーズに繋がります。 ただし、コールフローを細分化しすぎてしまうと、通話に至るまでの時間が長引いてしまいます。コールフローはあくまでも簡潔にまとめることが重要だといえます。  

流れの整理や図化を行う

コールフロー図が完成したら、全体の流れを見直して整理しましょう。 先述の通り、コールフローが細かくなると電話対応にタイムロスが生じる恐れもあります。問い合わせ内容の振り分けに必要な項目を盛り込めているか確認し、不要な部分は削除するようにしてください。 また、コールセンターで同時に受付できる問い合わせの数を決めておくと、オペレーターが対応に追われる負担を軽減できます。さらに、IVRによる休業日・営業時間外のお知らせや待機アナウンスなど、顧客を長時間放置しない工夫も必要不可欠です。コールフローの実践を通じて、顧客の問い合わせを的確に解決できるようになります。  

コールフローの構築・設計における注意点

コールセンターでコールフローを構築・設計するにあたって、注意すべき点が3つあります。コールフローの作成時に陥りやすいリスクを把握しておき、顧客にとって利用しやすい問い合わせ環境を用意してください。  

問い合わせ者の離脱につながるリスクを把握しておく

コールセンターのオペレーターにとって、顧客の問い合わせ内容を事前に把握できるところがコールフロー実施のメリットです。一方で、顧客は自動音声アナウンスによるプッシュ操作を求められるため、音声が長かったり操作回数が多かったりするとストレスを感じやすくなります。 直接オペレーターと話せるまで待ちきれず、電話から離脱してしまう顧客もいるかもしれません。結果として顧客の満足度が低下するだけでなく、企業離れを招く可能性も考えられます。 そのため、コールフローを作成する場合、ガイダンスに基づく操作をできる限り少なく設定することが非常に大切です。また、問い合わせ先の電話番号を複数用意したり、チャットやメールなど他の連絡ツールを導入したりして、顧客の問い合わせニーズに幅広く対応できるよう工夫しましょう。  

「階層」と「選択肢」を少なくする

コールフローの「階層」と「選択肢」は、なるべく少なくしてください。 顧客がオペレーターと通話できるまでの「階層」を重ねすぎると、問い合わせの途中離脱に繋がってしまう可能性があります。また、プッシュ操作しなければならない「選択肢」が多すぎても、顧客のストレスになってしまいます。同時に、問い合わせに対応するオペレーターの分類も細かくなり、本来の目的に適さないオペレーターと繋がってしまう恐れがあります。 せっかくコールフローを作成したにもかかわらず、顧客がたらい回しにされてしまっては意味がありません。コールフローの「階層」と「選択肢」は、それぞれ3段階程度がベストだと考えられます。コールセンターの規模や目的に合わせて、「階層」と「選択肢」のバランスが取れたコールフローを設計しましょう。  

「その他の問合せ」の項目を設ける

コールフローを作成する際には、「既存情報の確認」や「新規の申し込み」といった基本的な項目だけでなく、「その他の問い合わせ」もカテゴリーに含めてください。 顧客の問い合わせ内容がコールフローに当てはまらなかったり、顧客が「どのプッシュ操作に該当するのかわからない」と悩んでしまったりすると、その時点で電話から離脱する可能性もあり得ます。たとえ何らかのプッシュ操作を選んだとしても、結果的に希望の問い合わせ先に辿り着けなければ、顧客満足度は低下してしまうでしょう。 コールフロー上で「その他の問い合わせ」を選べるようにすることで、顧客の不安解消を図れます。もちろん、その他の問い合わせ内容をきちんと聞き取り、改めて適切なオペレーターに繋げる仕組み作りも必要です。  

まとめ

コールフローとは、コールセンターにかかってきた電話をその内容に応じて適切なオペレーターに割り当てる流れを指します。IVRやACDといったシステムを導入してコールフローを構築・設計することで、コールセンターの業務効率化や顧客満足度の向上が可能です。 一方で、コールフローの作成にあたっては、顧客の途中離脱に繋がるリスクに気を付けなければなりません。顧客にとってわかりやすく便利なコールフローを設定し、よりスムーズな電話対応を目指しましょう。 中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)といった実績を持つ電話代行サービス会社です。手厚いサポートを得意とし、カスタマー応対率は95%(※3)を記録しています。 また、中央事務所では専門講習を受けたオペレーターが在籍しているため、質の高い電話対応が可能です。さらに請け負う業務範囲や使用ツールを充実させることで、企業様のニーズに応じたサービスを提案します。コールフローを構築・設計してコールセンターを運営したい企業様は、ぜひ中央事務所にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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