取締役副社長 / コンタクトセンター検定スーパーバイザー
コールセンター業界で8年、管理職としても7年従事し、コールセンター立ち上げやACDシステムの内製化等、運営業務に携わってまいりました。コールセンター運営のノウハウ、マネジメントスキルを活かし貴社のパートナーとしてビジネスの成長に貢献させていただきます。業界特性やニーズに合わせて最適なご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
目次
電話対応を始めとして、コールセンターの業務は多岐にわたります。しかし、マンパワーだけではコールセンター業務をカバーしきれず、オペレーターの負担増や対応品質の低下に悩んでいる企業もあるのではないでしょうか。
コールセンターの生産性と顧客満足度の向上を図るなら、「CTI」と呼ばれるシステムの利用が効果的です。この記事では、コールセンターにおけるCTIの意味と導入するメリットについて、詳しく説明します。
「CTI」とは、電話機やFAXとコンピューターの機能を統合するシステムであり、「Computer Telephony Integration」の略称です。
コールセンターにCTIを導入し、電話機とコンピューターを連動させることで、よりスムーズな顧客対応が実現します。例えばCTIによって着信番号と顧客データベースを紐づければ、オペレーターの電話対応時に必要な情報をすぐに提示することが可能です。
またこの他にも、CTIにはコールセンター業務をサポートする多彩な機能が備わっています。CTIはコールセンター運営に欠かせない「コールセンターシステム」のひとつとして、幅広く支持されているといえるでしょう。
CTIは電話機とコンピューターを結びつけ、コールセンターの業務を円滑化するシステムです。CTIの機能としては、以下のような例が挙げられます。
・ポップアップ機能:着信番号を基に、オペレーターのコンピューター画面に顧客情報を表示させる機能です。オペレーターが既存顧客の名前や住所を調べずに済むだけでなく、聞き間違いによるミスも回避できます。また、ポップアップ機能と顧客管理システム(CMR)を連携させて購買履歴や通話記録など細かい情報をチェックできれば、顧客のニーズを的確に掴むことも可能です。
・自動音声応答(IVR):IVR機能では、コールセンターで自動音声を流すことが可能です。コールセンターの営業時間外には自動音声で対応したり、問い合わせ内容に応じて適切な部署・オペレーターに誘導したりと、コールセンター業務の効率化と負担軽減を図りましょう。
・通話録音機能:オペレーターと顧客との通話を自動で録音し、保存する機能で、後から内容を確認できます。電話対応でクレームが発生した場合の検証にも有効です。
・ACD機能:「ACD」とは着信呼自動分配装置を意味し、顧客からの電話を対応可能なオペレーターに振り分ける機能です。オペレーターの稼働状況に応じて優先順位を設定したり、専門知識や習得スキルによって電話を割り当てたりすることで、対応品質をアップさせましょう。また、オペレーターの電話対応数の差を是正する効果も期待できます。
さらに、登録番号に自動的に架電し、応答があればオペレーターに繋ぐ「予測発信機能」や、管理者がオペレーターの稼働状況を確認できる「モニタリング機能」もあります。CTIを導入する際には、コールセンターにどのような機能が必要なのか検証することが重要です。
CTIの形態は、インターネット上のサーバーやシステムを利用するのか、自社でシステム構築するのかによって2種類に分けられます。それぞれの詳細とメリット・デメリットについてみていきましょう。
クラウド型CTIでは、業者が用意するネットワークを介してサーバーやシステムを利用します。すでにインターネット環境が整った状態で運営を開始できるので、自社で新たにサーバーを設置したり、システムを導入したりする必要もありません。コールセンターの設備投資費を抑えたい企業にとっては、大きなメリットです。
また、コールセンターの業務内容に応じて柔軟にCTI機能を設定できるところも、魅力のひとつです。さらに、クラウド型であればオペレーターのリモート対応も可能となり、働き方の多様性を確保できるでしょう。
クラウド型CTIなら、導入コストを削減しながら効率のいいコールセンター運営を目指せます。
CTIの導入にあたって、企業主体でシステムを構築して運用していくのがオンプレミス型です。自社のコールセンター体制や業務内容に適した機能を選択しやすい点が、オンプレミス型のメリットといえます。
一方で、オンプレミス型では企業側がネットワーク回線やサーバーを用意しなければならないため、クラウド型と比較して初期費用が高くなってしまいます。また、コールセンターの改修工事が必要になったり、既存システムを見直したりと、CTIの実用化に向けて時間と手間がかかるところもデメリットです。
CTIを取り入れる際は、コールセンターの運営方針や導入予算を考慮し、自社のニーズに合った形態を選ぶようにしてください。
CTIシステムは、電話機とコンピューターを統合することで様々な機能を提供し、コールセンター業務をサポートします。ここからは、コールセンターでCTIを導入するメリットについて考えてみましょう。
CTIの機能を活用することで、顧客満足度の向上が可能です。
例えば、ポップアップ機能によって顧客情報を正確に把握できるようになれば、オペレーターが顧客とのやり取りに集中しやすくなります。また、通話録音機能のデータ分析によってオペレーターの電話対応をチェックし、個別にスキル指導を行うことも活用方法のひとつです。その結果、コールセンター全体で電話対応の品質を高められるでしょう。
さらに、CTIでは適切なオペレーターに着信を自動分配できるので、顧客の待ち時間が短くなる上に、電話対応の内容にも満足してもらえます。
そして、顧客のニーズにきめ細かく対応するためには、CTIに顧客管理システム(CRM)を連動させることも重要なポイントです。自社のコールセンターに必要なCTI機能を導入し、常に質の高い電話対応を提供しましょう。
CTIは、コールセンターの業務効率化と生産性向上に効果を発揮します。
コールセンターにおけるオペレーターの業務は、電話対応だけに留まりません。通話前後の事務処理などに時間がかかっていれば、それだけオペレーターの負担が増し、コールセンターの生産性も低下してしまいます。
そこで、オペレーターがスムーズに業務を進められるよう、CTIの各種機能を利用してみてください。顧客情報を探す手間を省いたり、対応可能な着信を振り分けたりすることで、オペレーターの負担が軽減されます。
また、顧客への対応記録をオペレーター全員で共有し、業務改善に活かすことも有効な手段です。CTIの導入によって、オペレーターがより一層働きやすい環境を整えられます。結果として、コールセンターを効率よく運営できるようになり、企業の利益向上に結びつくでしょう。
コールセンターにおけるCTIの導入は、企業にも顧客にもメリットをもたらします。では、企業のコールセンターでCTIを上手く利用するためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか?2つの注意点について説明します。
コールセンターにCTIを導入する場合、どのくらいの費用がかかるのか事前に想定し、予算を決めておきましょう。
クラウド型かオンプレミス型のどちらを選ぶかによって変動するものの、導入の初期費用が高額になりやすい点に注意してください。またCTIの導入後も、システムを利用していくにあたって維持管理費が発生します。
このようにCTIの導入・運用コストが高くなってしまうと、企業の経営に悪影響を及ぼしかねません。CTIの種類や自社に適した機能を見極めつつ、予算感に合わせて検討することがカギとなります。
CTIを導入する前に、自社で使用しているシステムとの連携が可能かどうか、必ず確認してください。
特にクラウド型CTIを選んだ場合、システムの連携性に支障をきたす恐れもあります。自社のネットワークで問題なく利用できるのか、既存のコールセンターシステムと連動できるのか、きちんと検証しておきましょう。
せっかくCTIを取り入れても、実際に自社のシステムと上手く連携できないのであれば意味がありません。CTIの導入を進めるなら、必要な機能と予算を設定するだけでなく、技術面でのチェックを欠かさないことが大切です。
コールセンターにおいて、電話機とコンピューターの機能を統合するシステムが「CTI」です。CTIには、顧客情報のポップアップ表示や通話録音など様々な機能が備わっており、コールセンター業務を円滑化するのに役立ちます。
また、CTIの導入によって顧客満足度が向上し、コールセンターの業務効率化と生産性向上も見込まれるところがメリットです。CTIを導入する際は、予算や既存システムとの連携性に気を付けるようにしましょう。
中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)といった実績を有する電話代行サービス会社です。手厚いサポートを得意とし、カスタマー応対率は95%(※3)を記録しています。
また、中央事務所には専門講習を受けたオペレーターが在籍しているところも強みのひとつです。質の高い電話対応はもちろん、請け負う業務範囲や使用ツールを充実させ、企業様のニーズに合ったサービスを実現します。
コールセンターでCTIの導入を希望する企業様は、ぜひ一度中央事務所にご連絡ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出