コールセンターにおけるACW(平均後処理時間)とは?用語定義や計算方法を解説
公開日 2023.06.21
更新日 2023.06.21
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コールセンターにおけるACW(平均後処理時間)とは?用語定義や計算方法を解説

企業のコールセンターには顧客からの問い合わせが数多く寄せられ、その都度、適切な電話対応が求められます。業務を効率よく進め、顧客により一層満足してもらうには、コールセンター全体の生産性向上が欠かせません。 コールセンターの生産性を測る指標として重視される数値が、「ACW」です。 この記事では、コールセンターにおけるACWの意義について詳しく解説します。ACWを考慮する理由や、改善するためのポイントも併せて参考にしてみてください。  

コールセンターにおけるACW(After Call Work)とは?

「ACW」とはAfter Call Workの略称であり、顧客との通話後に行う処理作業にかかった時間の平均値です。ACWは「平均後処理時間」とも訳され、ATT(平均通話時間)と共にコールセンターのAHT(平均処理時間)を構成します。 ACW内にオペレーターが対処する具体的な作業とは、どのようなものなのでしょうか? 例えば、顧客からの依頼内容をシステム上に記録することが、後処理作業に該当します。また、商品・サービスに関する感想や意見についてまとめるケースもそのひとつです。コールセンターで顧客の声をきちんと記録しておけば、企業のブランディングやマーケティングに活用できます。 さらに、商品・サービスの注文入力など、問い合わせ内容に応じた手続きも重要な後処理作業です。このような処理を電話対応と同時に行うと、ミスを引き起こす恐れもあるため、通話終了後に作業する時間を設定しています。  

ACWの計算方法

コールセンターのACW(平均後処理時間)は、下記の計算式で算出します。 ACW=後処理時間の合計 ÷ 電話対応件数 また、ACWとATT(平均通話時間)の合計が、コールセンターにおけるAHT(平均処理時間)となります。 AHT(平均処理時間)=ATT(平均通話時間)+ ACW(平均後処理時間) コールセンターの生産性向上を図るなら、AHTを短縮する必要があります。しかし、ATTの長さは顧客からの問い合わせ内容に左右されてしまうものです。 そこで、記録入力をメインとするACWを積極的に短縮化することで、AHTの改善に繋げていきます。生産性を測る指標の中でも、ACWはコールセンターの取り組み次第で短縮しやすい要素だといえるでしょう。 ▼関連記事 コールセンターにおけるAHT(平均処理時間)とは? コールセンターにおけるATT(平均通話時間)とは?  

コールセンターでACWを考慮すべき理由

ACWは、コールセンターを円滑に運営するにあたって注目すべきポイントです。では、コールセンターのACWを考慮することで、どのようなプラス効果が期待できるのでしょうか? ACWを改善するメリットのひとつが、生産性の向上です。ACWが短くなるほど、オペレーター1人当たりの対応案件数も増加します。限られた時間内でより多くの電話対応が可能になれば、コールセンター業務の効率化に結びつくでしょう。 また、ACWの短縮によって、オペレーターを増員せずとも電話対応の回転率がアップします。その結果、オペレーターにかかる人件費や教育費、電話の通信費など様々なコストが削減可能です。コールセンター運用で発生するコストを抑えて企業利益に還元したいなら、一度ACWを見直してみてください。 さらに、生産性の高いコールセンターでは電話が繋がりやすく、顧客を待たせないという点も大きなメリットです。顧客の疑問や悩みに素早く対応できるので、企業に対する信頼感が高まります。つまりACWの改善を通して、顧客満足度の向上も見込めるのです。  

ACWが長くなりやすくなってしまうよくある原因

ACWの長さは、コールセンターで行う処理作業の内容と方法に影響されやすいといえます。 顧客との通話後に入力すべき事項が多かったり、システム操作が難しかったりすると、それだけ処理に費やす時間も増えかねません。また、後から管理者が記録をチェックする際も、業務フローが複雑になります。さらに、他部署との情報共有や上司との連携に時間がかかってしまう組織体制も、ACWが延びる一因です。このようにACWが長引けば、コールセンターのスタッフにとって業務負担が大きくなる、というデメリットがあります。 一方で、ACWの短縮にこだわりすぎると、電話対応の品質が低下するリスクにも注意すべきです。問い合わせについて十分な解決策を提示できなかったり、オペレーターの受け答えや言葉遣いが不適切だったりと、顧客満足度を下げる対応は避けなければなりません。質の高い電話対応に要するACWを想定し、コールセンター全体で改善策を実施することが大切です。  

ACWを改善するためのポイント

ACWの目標値を適切に定めることで、コールセンターの運営状態をアップデートできます。また顧客満足度が向上すれば、売上アップによる業績拡大も実現可能です。ここからは、ACWを改善するための4つのポイントをみていきましょう。  

オペレーターごとのACWを集計し分析する

コールセンターのACWを改善するにあたって、まずオペレーターの対応内容を検証する必要があります。つまり、実際にオペレーターの電話対応でACWがどのくらいかかっているのか、きちんとデータ化して分析することが重要です。オペレーターの後処理記録と対応件数からACWを算出し、それぞれの課題を分析してください。 システム入力が複雑でミスを繰り返していたり、関係者との連携が上手くいっていなかったりするなど、オペレーターごとに様々な原因が考えられます。ACWの長いオペレーターには、管理者側から丁寧なフォローアップを行えるよう、コールセンターの環境を整えていきましょう。  

ACWが長いポイントを見極める

ACWが長くなるポイントは、オペレーターの技量による人為的なものと、使用ツールや業務フローによるシステム的なものが想定されます。後処理作業のどの段階で時間がかかる傾向にあるのか分析し、ACWが長引く原因を特定しましょう。 ACW改善のために間違ったアプローチをしてしまうと、かえってオペレーターの電話対応が不十分となり、顧客からのクレームを招く危険性も高まります。結果的に、ACWだけでなくAHTまで長くなってしまっては意味がありません。 また、オペレーターの業務負担が増えるのも避けたいところです。ACWの目標を達成するには、オペレーターとシステムのどちらを変革すべきなのか、しっかり見極めてください。  

システムの導入やルールの見直しを図る

コールセンターでACWを改善するなら、新たにシステムを導入することも有効な手段です。 例えば、電話とコンピューターを統合するCTIによって顧客情報の閲覧が容易になり、通話の自動録音もできます。また、CRMと呼ばれる顧客管理システムを活用すれば、コールセンター全体で顧客情報や対応履歴の共有が可能です。さらに、管理者がモニタリング機能を使ってオペレーターの業務状況を把握することで、適切にサポートしやすくなります。 後処理作業を効率化するシステムを採用し、ACWの短縮を目指しましょう。 このようにシステム面の見直しを図る一方で、コールセンターの業務フローやルールにも問題がないか確認してください。通話後に入力する項目が多かったり、処理が複雑すぎたりすると余計な時間を取られかねません。 また、作業ルールが一本化されていないコールセンターでは、オペレーターごとの入力内容に差が出てしまう可能性もあり得ます。ACW短縮はもちろん、情報共有をスムーズにするためにも、ルールの統一と改正に取り組んでください。 ▼関連記事 CMS(コールマネジメントシステム)とは? クラウド型コールセンターシステムとは?  

オペレーターの教育内容を見直す

ACWの改善には、オペレーター個人のスキルアップも大切です。 入力時間を短くするために、タイピングのスピードや正確性を高める研修を実施しましょう。また、顧客情報や通話内容を的確にまとめ、報告できる能力も養う必要があります。 さらに入力システムの効果的な使い方を指導し、オペレーターが十分システムを使いこなせるようフォローしてください。オペレーターの教育方針を見直すことで、ACWが効率よく短縮化されます。 ただし、オペレーターにACWを意識させるあまり、電話対応が疎かになっていないか注意しなければなりません。企業側はオペレーターの能力や業務状況に配慮し、ACWの改善に向けてきめ細かくサポートしましょう。 ▼関連記事 電話対応マニュアルを徹底解説!マナーやポイント、テンプレ付き  

まとめ

平均後処理時間を意味するACWは、円滑なコールセンター運営の基準となる指標です。ACWの短縮によってコールセンターの生産性がアップし、コスト削減と顧客満足度の向上にも繋がります。 ▼関連記事 コールセンターの生産性を上げる方法と重要性について そのため、コールセンターのACWが長くなる原因を突き止め、主体的に改善策を実施していくことが重要です。システム導入やルールの見直しを通じて業務体制を整えたり、オペレーターの教育に注力したりと、様々な工夫が求められます。 中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)といった確かな実績を有しています。カスタマー応対率も95%(※3)を維持し、手厚いサポート体制が強みのひとつです。 また、中央事務所には専門講習を受けたオペレーターが在籍し、質の高い電話対応を実現しています。さらに、オペレーターの業務範囲や使用ツールを充実させており、企業様のニーズに合ったプランを提供することが可能です。 コールセンターのACW改善に取り組み、顧客から信頼される企業を目指すなら、中央事務所にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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