コールセンターにおけるAHT(平均処理時間)とは?用語定義や計算方法を解説
公開日 2023.05.26
更新日 2024.01.29
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コールセンターにおけるAHT(平均処理時間)とは?用語定義や計算方法を解説

コールセンターの主要な役割とは、顧客の要望を聞き取り、解決に導くことです。オペレーターの電話対応によっては、顧客満足度や企業への信用にも影響を及ぼします。 質の高い電話対応を提供するためには、通話処理にかかった時間について分析することが重要です。 そこでこの記事では、コールセンターにおける平均処理時間の定義や計算方法について解説します。また、平均処理時間が長くなる原因と改善ポイントも説明するので、併せてチェックしてみてください。  

コールセンターにおけるAHT(Average Handing Time / 平均処理時間)とは?

コールセンターにおけるAHTとは「Average Handing Time」の略称で、平均処理時間という意味です。AHTの数値は、オペレーターが電話1件あたりにどれくらいの時間をかけて対応したのかを示しています。 コールセンターの生産性や業務の効率性を把握するにあたって、AHTは重要な指標のひとつです。例えばAHTが10分のコールセンターでは、1時間に少なくとも6件の問い合わせに対応できます。 現在の稼働状況を数値化することにより、コールセンターが抱える問題点を見つけやすくなるでしょう。また、AHTが長すぎたり短すぎたりしていないか、定期的に確認することも大切です。AHTの見直しを重ねていけば、コールセンターの円滑な運営や顧客満足度の向上も十分見込めます。  

AHTの計算方法

AHTは、ATT(平均通話時間)とACW(平均後処理時間)の合計から算出されます。計算式は以下の通りです。 AHT(平均処理時間)=ATT(平均通話時間)+ACW(平均後処理時間) ATT(平均通話時間)とは、オペレーターが顧客と通話した時間の平均値を意味します。また、ACW(平均後処理時間)は電話が終わった後に履歴を残したり、関係者や担当者に引き継いだりするための処理にかかる時間のことです。 もし通話や後処理にかかった時間の平均値がわからない場合、下記の式にあてはめて計算してみてください。 AHT(平均処理時間)=(通話時間の合計+後処理時間の合計)÷処理件数  

コールセンターでAHTを考慮すべき理由

コールセンターでAHTに着目すれば、企業だけでなく顧客にもメリットが生じます。 企業にとって、AHTはコールセンターの稼働状況を把握するために重要な指標です。AHTを算出することで、人員配置や業務効率が適切であるかどうか判断できます。 また、AHTが短くなるほど、少人数のオペレーターで業務を進行できるようになります。従来よりもオペレーター1人の対応件数が増えるため、人員を減らしてもコールセンター全体の生産性を維持することが可能です。 人員削減によって、人件費はもちろん、採用活動費や設備投資費といった様々なコストカットに結びつきます。 さらにAHTの短縮は、顧客満足度の向上にも効果的です。AHTの短いコールセンターでは電話が繋がりやすく、「待たされない」という好印象を抱いてもらえます。 一方で、AHTは短ければいいというものではありません。AHTを短くしようとして、電話対応の品質が落ちてしまったり、オペレーターがストレスを感じやすくなったりする恐れがあります。顧客のニーズに沿いながら企業への利益も見込めるよう、AHTの目標値を設定してください。  

AHTが長くなってしまうよくある原因

コールセンターのAHTが想定よりも長くなっていることに、悩んでいる企業もあるのではないでしょうか?ここでは、AHTを長引かせる3つの原因について詳しくみていきます。AHTの改善を図るにあたって、参考にしてみてください。  

顧客の質問に対しての回答がわからない

顧客からの問い合わせに対してどのように回答していいかわからないと、必然的に通話時間が伸びてしまいます。その結果、AHTが長くなり、顧客の満足度まで低下しかねません。 オペレーター自身が業務内容をきちんと理解できているかどうか、研修や面談を通じてフォローしましょう。また、よくある質問への回答をひとまとめにし、FAQを用意しておくことも有効な手段です。 特に新人オペレーターは、回答がわからずに焦ってしまい、ミスを引き起こす可能性も考えられます。FAQの利用方法を教えたり、電話対応のシミュレーションを実施したりと、新人教育にも注力してください。  

顧客への説明に時間がかかる

通話に時間がかかるほど、AHTもどんどん長くなっていきます。問い合わせに対して簡潔に説明できていないケースも、そのひとつです。 顧客の要望をうまく汲み取れなかったり、ヒアリングに漏れがあったりすると、適切な解決策を提示することが難しくなります。また、オペレーターの回答がわかりにくければ、かえって顧客を混乱させてしまうでしょう。 オペレーターのトークスキルを磨くために、OJT研修やフィードバックの機会を増やすようにしてください。また、トークスクリプトを作成して共有すれば、オペレーター全員がスムーズに電話を受け付けられます。 AHTの短縮を目指すのであれば、企業側がオペレーターを手厚くサポートしていく姿勢が重要です。  

架電以外の作業に時間がかかる

オペレーターの電話対応後には、様々な処理作業が伴います。この後処理に時間がかかってしまうことも、AHTが長くなる原因です。 例えば、電話対応の履歴を残す際にタイピングが遅かったり、入力すべき項目が細かすぎたりすると、それだけACWが伸びてしまいます。また、オペレーターが処理ツールやシステムを十分に使いこなせていないと、作業時間に無駄が生じがちです。 後処理のどの段階で時間がかかっているのか分析し、原因を探りましょう。オペレーターのスキルアップを図るべきなのか、システムの活用方法を見直すべきなのか、状況に応じて対策を練ることが、ACWを短くするカギとなります。  

AHTを改善するためのポイント

前述の通り、顧客との通話時間(ATT)と後処理にあたる時間(ACW)が長期化することで、AHTも長くなってしまいます。AHTを改善するためには、ATTとACWを短くする努力が欠かせません。そこで、ATTとACWを短縮可能にするポイントについて、それぞれ解説します。  

ATT(平均通話時間)を短縮するポイント

AHTを改善するために、ATT短縮に繋がる3つのポイントについて説明します。  

ATTの目安時間を設定する

ATTが極端に短くても、また長くなりすぎても、コールセンターと顧客双方にデメリットが発生します。そのため、コールセンターごとに目標とするATTを定め、職場全体で共有することが大切です。 これまでの通話記録を参照しながら、電話対応のモデルケースを想定した上でATTの目標を決めるようにしてください。オペレーターが丁寧に問い合わせに対応できるよう、ATT管理にはある程度の余裕が必要です。 また明確な目標設定により、コールセンターの生産性や業務効率の向上にも期待できます。  

研修や指導などサポート体制を充実させる

ATTの目安時間を決めるとともに、オペレーターへのサポートも拡充させてください。特にATTが長くなっているオペレーターに対しては、管理者や指導員が積極的にフォローしましょう。オペレーターが安心できる環境を整えれば、電話対応もスムーズに進み、ATTの短縮に繋がります。 また、オペレーターの電話対応をモニタリングし、ATTを長引かせる原因を探すことも効果的です。分析結果からテストや研修などを実施し、オペレーターの成長を促します。 さらに、電話対応の模範となるケースやオペレーターへのフィードバックは、コールセンター全体で共有していきましょう。どのように対応すればATTの目安時間に近づけるのか、オペレーターが具体的にイメージしやすくなります。  

社内FAQやマニュアル、トークスクリプトを準備する

問い合わせへの回答がわからなかったり、顧客に簡潔に説明できなかったりすると、ATTが伸びてしまいます。オペレーターの電話対応を円滑化するには、コールセンターの運用ルールや業務フローを整理しておきましょう。 FAQが用意されていれば、よくある質問に迅速に対処してATTを短縮できます。併せて、マニュアルやトークスクリプトの周知も徹底してください。  

ACW(平均後処理時間)を短縮するポイント

AHTの改善に向けて、ACWを短縮する3つのポイントに取り組んでいきましょう。  

ACWの目安時間を設定する

ACWに関しても、コールセンターで目安時間を決めて管理するようにしてください。オペレーターの入力スキルや使用ツールのスペックを考慮しながら、ミスなく処理できる時間を設定します。 具体的な目標があれば、オペレーターもACW短縮を意識しながら業務にあたることが可能です。  

タイピングスピードを上げる

電話対応履歴の入力や関係部署への連絡には、パソコンのキーボードを使用するケースが主流です。そのため、オペレーターのタイピングスピードが遅ければACWも長引いてしまいます。タイピングが不得意なオペレーターには、個人練習の機会を設けたり、研修を行ったりしてスキルアップを促しましょう。 また、タイピングスピードと併せて、入力のタイミングも工夫してみてください。顧客とやり取りしながら、入力可能な内容を先に記録しておけば、ACWを効率よく短縮できます。  

後処理の作業フローを見直す

オペレーターの能力にかかわらず、後処理の作業プロセスで時間のかかっている要素がないか、検証してください。例えば、対応履歴に入力する項目が多すぎたり複雑だったりすると、ACWが長時間に及びかねません。必須項目を厳選し、オペレーターが素早くデータ入力できる環境を作りましょう。 また、コールセンターのシステムやITツールの利便性を見直し、より使いやすいものへと入れ替えることも有効です。様々なアプローチを通じてスムーズな後処理が実現すれば、コールセンターの回転率もアップします。  

まとめ

コールセンターのAHTとは平均処理時間を意味し、ATTとACWの合算によって求められます。AHTは、コールセンターの生産性と業務効率性を判断する基準のひとつです。また、顧客満足度にも影響することから、コールセンターではAHTを適切に設定する必要があります。 AHTが長くなっている原因を分析し、ATTとACWの短縮に取り組めば、コールセンターの運営状況を改善することも可能です。 株式会社中央事務所は、月間の総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)といった実績を有する電話代行サービス会社です。カスタマー応対率も95%(※3)をキープし、安定したサポート体制を構築しています。 また、株式会社中央事務所のオペレーターは専門講習を受けており、いつでも的確に電話対応することが可能です。さらに、オペレーターの業務範囲や活用ツールも柔軟に展開し、企業様ごとの希望に沿ったプランを提供します。 コールセンターのAHTを改善し、顧客満足度や企業利益の向上を図りたい企業様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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