稼働率とは?可動率・占有率との違いやコールセンターで重要視される理由
公開日 2023.05.23
更新日 2024.01.29
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稼働率とは?可動率・占有率との違いやコールセンターで重要視される理由

自社の商品・サービスに関する問い合わせ対応のために、コールセンターを設置している企業も多いのではないでしょうか?コールセンターを効果的に運営していくためには、電話対応のシステム作りやオペレーターの育成、人員配置などに気を配らなければなりません。 中でも、コールセンターにおける稼働率は、運営体制が適切かどうかチェックする指標のひとつです。この記事では、稼働率の定義とコールセンターで重要視される理由について解説します。  

稼働率とは?可動率との違い

そもそも「稼働率」とは、一体何を意味するのでしょうか?一般的に製造業における稼働率は、「人員設備の働きによって、どれだけ製品を生産できたか」という割合を示します。稼働率を算出すると、製造過程の作業が効率よく進んでいるか判断することが可能です。 また、従業員の作業量や、設備の生産能力を確認する手段ともなります。企業にとっては、経営戦略を練る上できちんと把握しておきたい数値です。 一方で、「可動率」も現場の生産能力を数値化したものです。上述の稼働率と区別して、「べきどうりつ」と読む場合もあります。可動率は生産設備の運転時間をベースにするところが、稼働率との違いです。総運転時間からメンテナンスやトラブルによる機械の停止期間を除き、「設備をどれだけ正常に可動させて生産できたか」計算します。生産現場にとって、可動率は従業員のモチベーションにも関わる目標指数です。 企業は稼働率と可動率それぞれの意味合いを正しく理解し、経営方針の決定に活かしていくことがカギとなります。  

コールセンターで稼働率が重要視される理由

作業や生産活動の効率性を示す稼働率は、コールセンターにおいても重要な指標として捉えられています。 コールセンターの稼働率とは、受電に対するオペレーターの対応具合を可視化したものです。稼働率を算出・分析することにより、コールセンター内で人材が足りているか、人員配置は適切か、といった運営体制をチェックできます。また、受電業務の生産性も具体的な数字として表すことが可能です。さらに、稼働率から各オペレーターの電話対応レベルを見極めれば、今後の育成プランに活かせます。 稼働率は、コールセンターの業務改善に欠かせない要素です。電話対応がスムーズに進行することで、オペレーターの負担を減らせるだけでなく、顧客満足度の向上にも繋がります。コールセンターの対応を通じて企業の業績やイメージをアップさせるなら、稼働率の見直しを積極的に行いましょう。  

コールセンターにおける稼働率と占有率の違い

オペレーターが顧客対応にどのくらい時間をかけているのか知るには、稼働率と占有率を参考にします。この2つには、どのような違いがあるのでしょうか?ここでは、稼働率と占有率それぞれの特徴や算出方法について説明します。  

稼働率とは、非生産時間を含めた業務の割合

給与が支払われる勤務時間内で、オペレーターが顧客対応にかける時間の割合を稼働率といいます。電話対応や後処理などの生産時間だけでなく、受電の待機時間も給与支払い時間に該当します。また、トイレ休憩や研修、ミーティングといった非生産時間を含める点も押さえておきましょう。コールセンター稼働率の算出方法は、以下の通りです。 稼働率=(通話時間+保留時間+後処理時間+待機時間+その他の時間)÷給与支払い時間 新人が多く、研修に時間を割いているコールセンターでは、稼働率が低くなる傾向です。 また、稼働率の高すぎる環境には問題があるといえます。稼働率が高まるとそれだけオペレーターの負荷が大きくなり、電話対応の品質低下や離職率の悪化を招きかねません。生産時間と非生産時間をバランスよく確保し、オペレーターの働きやすい環境を整える配慮が大切です。受電が集中する時間帯を実務にあてながら、余裕のあるタイミングで非生産時間を設定するように心がけてください。  

占有率とは、生産時間中に占める顧客対応の割合

コールセンターの占有率とは、オペレーターの生産時間内で、顧客対応にかける時間の割合です。稼働率とは異なり、待機時間は顧客対応の時間に含まれません。占有率は、以下の計算式から算出できます。 占有率=(通話時間+保留時間+後処理時間)÷(通話時間+保留時間+後処理時間+待機時間) 占有率によって、コールセンターの純粋な生産性をチェックしましょう。 占有率が高くなるほど、コールセンターの業務過多や人員不足が疑われます。オペレーターの電話対応レベルが下がると顧客に不信感を抱かせてしまうため、注意しなければなりません。一方で、占有率が低すぎる場合、人員が余剰している可能性があります。ただし、深夜や夜間など受電の少ない時間帯には、占有率も低くなりやすいです。 占有率の数値から、生産時間の内容や管理体制を見直すことが、コールセンター運営のカギとなります。  

コールセンターにおける適正な稼働率とは

コールセンターの稼働率は、業務の効率性やオペレーターの働きやすさにも影響を及ぼします。企業にとって、適正な稼働率を設定することが重要なポイントです。 稼働率の適正ラインは、80%から85%といわれています。それ以上、もしくは以下の場合、どのような点に問題があるのでしょうか。 稼働率が80%を切り、70%以下となると、受電量に対するオペレーターの数が多すぎると考えられます。本来必要のない人件費が発生してしまうため、シフト管理を見直すようにしてください。稼働率に基づいて人員を適切に配置すれば、オペレーターの業務が効率よく進み、顧客満足度や企業利益の向上も期待できます。 一方で、稼働率が85%を上回っているなら、人員不足の可能性が高いです。特に90%を越えると、オペレーターの負担は大きなものとなります。電話対応のミスや品質レベルに差が生じ、顧客満足度を下げかねないので注意が必要です。  

コールセンターで稼働率を適正に保つ方法

コールセンターの稼働率は、高すぎても低すぎても業務に支障をきたす恐れがあります。そのため、コールセンターでは適正な稼働率を設定し、キープすることが重要です。コールセンターが円滑に運営できるよう、4つの方法を実践していきましょう。  

稼働率を考慮した人員配置を行う

稼働率を適正化するにあたって、人員配置の現状を調査し、必要に応じて修正してください。 コールセンターの規模に応じた人員数を設定するには、まず1時間、1日、1ヶ月と細かく区切って業務量を記録します。その結果から、オペレーターが電話対応にかかる時間を把握し、1件あたりの平均所要時間を割り出しましょう。 ただし、コールセンターによっては問い合わせの多い時間帯やシーズンが異なる点も、考慮しなければなりません。また、新人研修に割く期間も想定しておきたいところです。 コールセンターの業務時間内で受電量がどのように推移しているのか明確になれば、オペレーターの人員数を適切に調整できます。オペレーター1人に負担がかかりすぎたり、逆に時間を持て余してしまったりするケースを減らせるので、安定した電話対応が実現可能です。  

状況管理を都度行う

コールセンターでは、オペレーターが現在どのような状況にあるのか、ステータスの管理を都度行うようにしましょう。 ステータスの例としては、「入電待ち」「通話中」「後処理中」「休憩中」などが挙げられます。コールセンターの規模が大きい場合には、ステータスを設定管理できるシステムの導入もおすすめです。 オペレーターや管理者のステータスを管理することで、正確な稼働率を計算できます。また、オペレーターごとに電話対応の所要時間が判明するため、業務改善に向けた指導もしやすくなるところがメリットです。 ステータスの管理項目については、コールセンターの運営体制に合わせて設定してください。この際、項目を細分化しすぎると、かえってオペレーターがステータスを報告しづらくなることに注意しなければなりません。  

業務の効率化を行う

適正な稼働率を維持していくには、時間の有効活用がカギを握ります。 コールセンターでは、時間帯によって受電量が変動します。特に電話の少ない時間帯では、オペレーターの待機時間が生じるものです。このようなすき間時間を上手く利用すれば、人件費の無駄を省き、オペレーターのスキルアップに結びつけることができます。 待機時間中に研修や面談、ミーティングを行うのはもちろん、学習ツールを通じた教育指導も効果的です。コンスタントにオペレーター教育を実施することで、コールセンター全体のレベルを高めましょう。質の高い電話対応によって、稼働率が適正化されるだけでなく、顧客満足度の向上も見込めます。  

効率化のためのシステムを導入する

コールセンターの稼働率を適正にするために、業務の効率性を高めるシステムも取り入れてみてください。 近年では、コールセンターでの業務改善に役立つシステムが多彩に展開されています。顧客の待ち時間を短くしたり、適切なオペレーターに電話を振り分けたりと、便利な機能を活用するようにしましょう。自社のコールセンターに適したシステムを導入することで、オペレーターの業務負担が減り、人材が定着しやすくなります。離職率の低い環境では、電話対応レベルの均一化が可能です。いつでも質の高い電話対応ができるようになれば、顧客からの信頼感が増し、企業のイメージもより良いものとなります。  

まとめ

コールセンターの稼働率とは、オペレーターの勤務時間内における顧客対応の割合を示しています。この数値が高すぎる場合、オペレーターの業務負担が大きいと判断される一方で、低すぎれば人員数やシフト設定の見直しが必要です。 稼働率を常に適正に保つことが、企業のコールセンター運営に欠かせないポイントだといえます。そのため、オペレーターのステータス管理や待ち時間の有効利用、業務システムの導入を通じて、働きやすい環境を整えていかなければなりません。 株式会社中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。「自社商材にはどのような電話対応が必要なのか?」と悩まれる方にも、インバウンドタイプ、アウトバウンドタイプに関わらず、企業様のご要望に合わせた規模やプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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