公開日 2023.05.23
更新日 2024.01.29
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VOCとは?コールセンターで重要視すべき理由や活用ポイント
企業にとって、自社の商品・サービスを利用する顧客の声は、経営方針にも関わる重要な要素です。顧客の声を収集・分析し、新商品の開発やサービスの改善に活かすことで、さらなる売上アップを狙えます。また、商品・サービスの質が高まれば、顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。
コールセンターに寄せられる多種多様な問い合わせも、顧客のリアルな声のひとつです。そこでこの記事では、コールセンターで顧客の声を集める重要性と活用ポイントについて解説します。
VOC(Voice of Customer)とは?
「VOC」とは「Voice of Customer」の略称で、「顧客の声」を指します。具体的なVOCとしては、以下のような例が挙げられます。
・コールセンターで受電する問い合わせやクレーム
・メールフォームからの問い合わせや意見
・企業が実施するアンケート調査の結果
・個人のSNSやブログ、ECサイトなどのレビュー
VOCは、電話やメールなど様々なチャネルを通じて収集可能です。その中には、顧客目線だからこそ発見できる潜在ニーズも含まれています。VOCに着目して細かく分析することで、顧客のニーズを見極め、商品・サービスの品質を効率よく高められるでしょう。 このように、企業がVOCを活かして経営改善を図り、顧客満足度の向上まで目指すことを「VOC活動」と呼びます。
コールセンターでVOCを考慮すべき理由
コールセンターは、VOCが多数集まるチャネルのひとつです。また、顧客から直接問い合わせを受け付けるという点で、よりリアルな意見を企業活動に反映できます。ここでは、コールセンターでVOCを重視するべき理由について、詳しくみていきましょう。
商品やサービスの改善に役立つ
コールセンターで得られるVOCは、企業の商品・サービスの改善開発に活用できます。
顧客からどのような商品・サービスが求められているのか把握した上で、開発を進めたいという企業も多いのではないでしょうか?VOCを分析すれば、顧客の要望が具体的に浮かび上がってきます。また、コールセンターでは顧客の性別や職業、住所といった顧客属性に関する情報も収集可能です。
VOCと顧客属性を紐づけることで、商品・サービスのターゲット層をより明確化できます。ターゲットを絞って商品・サービスの改善に取り組む姿勢は、企業の経営戦略上で重要なポイント です。既存顧客からの評判アップはもちろん、新規顧客の獲得も見込めるでしょう。
VOC活動をすることで顧客満足度の向上につながる
コールセンターを通じたVOC活動によって、顧客の満足度を向上させることが可能です。
企業のVOC活動では、まずVOCを集めて解析し、改善点のあぶり出しや新たなニーズの発掘を行います。その結果を基にマーケティングの戦略を立て、商品開発やサービス改良を進めていきましょう。
VOC活動は、顧客からのフィードバックを疎かにせず、真摯に対応する企業姿勢の現れです。商品・サービスを利用する顧客が「自分たちの声が届いている」と実感できれば、リピートが見込める上に、企業への信頼感も高まります。 また商品・サービスに対する顧客満足度が上がるほど、企業の業績アップも狙えるところが大きなメリットです。VOCを重要視したコールセンター運営が、企業の成長を促進してくれます。
チャネルごとのVOCの特徴
VOCを収集するためのチャネルは多岐にわたり、それぞれ利用するユーザー層や特徴が異なります。各チャネルのメリットを理解し、自社の目的に合った方法を選ぶことで、必要なVOCを効率的に集めましょう。
電話
電話は、コールセンターで収集できる代表的なVOCです。
デジタル化が進む近年においては、他のチャネルと比較して利用ユーザーの年齢層が高い傾向にあるといえます。一方で、顧客の口調や声のトーンから、リアルな意見を聞き取れるところが大きな特徴です。また、素早い解決を求められるケースも多く、その都度適切な対応を取れるかどうかがカギとなります。
さらに問い合わせだけでなく、クレームも見逃せないVOCのひとつ です。クレームを受け付けることで、商品・サービスの問題点や顧客の不満感が明らかになります。一見マイナスに捉えがちなクレームも、宣伝広告の改善や新商品開発に活用して、プラスの要素に転換しましょう。
より正確に電話でのVOCを集めたいなら、通話内容をテキスト化するシステムの導入も検討してみてください。
メール
メールは、24時間365日いつでもVOCを受け付けられるところが強みです。コールセンターの営業時間内に電話できない、というユーザー層にとっては利用しやすいチャネルといえるでしょう。
また、顧客からの問い合わせや要望が文章としてデータに残るため、より詳細なVOCを把握できます。企業と顧客の間で、問い合わせの経緯や問題点をしっかり共有するように心がけてください。さらに、VOCと併せて問題の解決方法も記録しておけば、今後の顧客対応に活かせます。
チャット
チャットのメリットとは、問い合わせへの即時対応とデータのテキスト化を可能にする点です。電話とメールのメリットを兼ね揃えたチャネルとして、VOC収集に大いに役立ちます。またチャットボットを導入すれば、オペレーターの業務負担を軽減することにも繋がるでしょう。
顧客にとっても、チャットはより気軽に問い合わせできるツールです。チャットを通じてこれまで埋もれがちだったVOCをピックアップし、顧客に満足してもらえる商品・サービスの提供を目指しましょう。
アンケート
アンケートからもVOCを集めることが可能です。通販サイトでの商品購入時やキャンペーン実施時など、企業のタイミングに応じて、ターゲット層を絞ったアンケート調査が行えます。普段問い合わせをしない顧客の声を知りたい場合には、有効な手段のひとつです。
ただし、もし不満があったとしても顧客がアンケートに回答してくれなければ、VOCを把握できません。アンケートの回答率が上がるよう工夫すると共に、チャネルを併用して幅広くVOCを収集するといいでしょう。
レビュー
ブログやECサイトにおけるレビューも、VOCに該当します。
個人のブログではリアルな感想が見られるものの、信ぴょう性に欠ける可能性も考えられるため、取り扱いには注意が必要です。
一方で、ECサイトのレビューは実際に商品を購入しないと書き込めないサイトも多く、ある程度信頼できるでしょう。とはいえ、批判的なレビューで商品の評価や企業イメージが下がるリスクも考えられます。インターネット経由のレビューは、内容を精査した上でVOCとして活用するようにしてください。
SNS
TwitterやInstagramといったSNSは、その影響力の大きさから注目すべきチャネルといえます。トレンドに敏感なユーザー層のVOCを収集するなら、SNSを積極的に分析してみましょう。また、問い合わせにまでは至らないサイレントカスタマーの声を見つけるのにも便利です。
しかし、日々大量の情報が発信されるSNS上で、自社に有益なものだけをピックアップするには時間と労力がかかってしまいます。テキストマイニングという言語解析の技術を利用すれば、商品・サービスへの感想や意見を的確に抽出することが可能です。SNSから感度の高いVOCを上手く取り入れていきましょう。
VOCを有効活用するためのポイント
コールセンターで収集するVOCは、商品・サービスの改善と顧客満足度の向上に結びつきます。企業にとって貴重なVOCを有効に活用するためにはどうすればいいのか、3つのポイントを意識するようにしてください。
VOCのログを残し分析すること
VOCをただ集めるだけでは、貴重な顧客の意見を活かしきれません。VOCのログを正確に残し、分析することが重要となります。
VOCの記録には、マンパワーと併せて様々なチャネルを利用してください。コールセンターでの電話対応に加えて、チャットでの問い合わせを受け付けたり、アンケート調査を実施したりと、チャネルの複数利用もおすすめです。自社の商品・サービスに対するVOCを多方面から拾い上げることで、より一層充実した情報が収集できます。そのデータを基盤としながら、商品・サービスの改良や業務改善に取り組みましょう。
また、VOCの記録と分析において、AIシステムや解析技術を導入することも効果的です。コールセンターでのVOC処理が円滑になれば、データ分析がはかどるだけでなく、オペレーターの負担も減らせます。
VOCの優先度を明確にすること
企業に集まるVOCの内容は多種多様で、時間をかけて対応すべき課題もあれば、すぐに解決しなければならないトラブルも含まれます。そのため、自社でVOCの優先度を明確にしておくことが重要です。
例えば、商品の欠陥やサービスの不具合は、ユーザーからの連絡で発覚するケースも見られます。このようなVOCに率先して対応することで、商品・サービスのアップデートを図りましょう。VOCによってもたらされる情報は、企業の生産活動をより強化してくれます。
また、VOCの優先順位を決めたら、適切な部署に対応してもらえるように振り分けしてください。コールセンターから各部署に向けて、スムーズにVOCを受け渡せる体制作りが大切です。
VOCをシェアしコールセンター自体の対応品質を上げること
VOCは商品・サービスの開発改善にとどまらず、コールセンターでの電話対応にも効力を発揮します。
VOCの収集にあたって、適切な対応内容はコールセンター内でシェアするようにしてください。電話対応の好例をオペレーター全員が共有しておくことで、応対品質に差が出る事態も防げます。結果的に、常に質の高い電話応対が可能となり、顧客の安心感や信頼度を高められるでしょう。 また、顧客満足度の向上によってクレームが減少すれば、オペレーターにとってより働きやすい環境を整備できます。オペレーターにVOCの重要性を理解してもらい、高品質なコールセンター運用を推進しましょう。
まとめ
VOC、いわゆる顧客の声は、企業活動の方向性に大きく影響を及ぼします。VOCを集めて分析することで、顧客のニーズに合った商品・サービスの開発が可能です。また、より快適に利用してもらうための改善策を見出す際にも役立ちます。VOCを活用すれば、顧客満足度がアップし、企業の業績向上も十分見込めるでしょう。様々なチャネルを駆使しながら、コールセンターでVOCを収集・共有するようにしてください。コールセンターの電話対応の品質を高めることが、企業の利益に繋がります。
株式会社中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。「自社商材にはどのような電話対応が必要なのか?」と悩まれる方にも、インバウンドタイプ、アウトバウンドタイプに関わらず、企業様のご要望に合わせた規模やプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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