クレーム対応の心構え・対応例〜事例を元に解説
公開日 2023.07.25
更新日 2023.07.25
知識

クレーム対応の心構え・対応例〜事例を元に解説

商品販売やサービス提供している企業では、クレームを受けることが多々あります。その際、クレーム対応の基礎知識がないと「電話に出るのが怖い」「適切な対応方法がわからない」など、苦手意識が先行してしまうかもしれません。 確かに、なかには悪意のあるクレームにあたって苦慮するケースもありますが、適切に対応することで、企業のイメージアップや商品改善に役立てられます。 そこで今回は、クレーム対応の基礎知識として概要と心構え、併せて事例をもとに対応方法と注意点をご紹介します。  

クレーム対応とは

自社の商品・サービスを利用し、不平・不満を抱えたお客様の対応にあたることを「クレーム対応」と言います。 クレーム対応の基本は、自社で定めたルールに則ったうえでの臨機応変な対応と、真摯な態度を心がけることです。うまく対処できれば、クレームを言ってきたお客様をリピーターにしたり、商品・サービスの改善につながったりする可能性があります。 そのため一概に、「クレームはネガティブなもの」とするのではなく、ビジネスチャンスとして捉えるべきといえるでしょう。 しかしながら、悪質なクレームを主張してくるお客様がいるのも確かです。そういった相手には、丁寧かつ冷静に対応しながらも、毅然とした姿勢をとることも必要です。  

クレーム対応をする際の心構え

クレーム対応をする際の心構えとして、以下の3つが挙げられます。 ● クレームとの向き合い方を改める ● 感情的になってはいけない ● 相手の話を聞き、気持ちに寄り添う まず、自分のミスで生じたクレームではない限り、「自分」にではなく、「会社や組織に寄せられているもの」と認識しましょう。クレームと真摯に向き合うことは良いことですが、怒りの感情を受け止めすぎると、必要以上に疲弊し苦手意識を助長させるからです。 次に、相手がどれだけ怒っていて、罵ってきたとしても感情的になってはいけません。相手と同じ熱量で言い返してしまうと、本来「自分」に向けられていなかったはずのクレームが「応対クレーム」へと変わってしまう恐れがあるためです。 最後に、正当な理由を持ったクレームの本質は、「困っている、助けてほしい、話を聞いて欲しい」という感情からです。まずは話をじっくりと聞いて、相手の気持ちに寄り添う姿勢を見せられれば、その段階で気持ちを落ち着かせられるかもしれません。 ▼関連記事 電話でのクレーム対応で心得るべきことを解説 メールでクレーム対応をする際の書き方 クレーム対応マニュアル  

事例を元にした場合別クレーム対応例

クレーム対応への苦手意識を克服するには、どのような事例があるのか?それに対しどう対処すべきなのか?など、多くの対応例を知っておくことがポイントです。 ここでは、電話対応で起こりやすい事例をもとに、対応方法と注意点について解説します。  

責任者を出せと言われた場合

「責任者を出せ」と言われた際の、対応方法と注意点は以下の通りです。  

クレーム事例

何度も同じ説明をしているがご納得いただけず「あなたでは話にならない。責任者に代わってください」と言われるケース。  

対応方法

責任者への交代を求められた場合には、「私が担当者です」と言い、お客様と向き合う姿勢を見せましょう。 「責任者を出せ」というワードを出すお客様は「(電話担当者に)話が伝わっていない」と感じたときでもあります。そのため、最初に心がけることは「相手の話に耳を傾ける」ことです。 話の途中で理不尽なことを言われ、相手の勘違いで発生しているクレームであると判明した場合でも、話の腰を折ることはせず最後まで聞くことに集中しましょう。  

トーク例と注意点

トーク例と注意点は、以下の通りです。 お客様:「もっと理解力のある人と話がしたい、責任者と代われ!」 担当者:「ご希望に添えず誠に申し訳ございませんが、お客様の話は私が伺います。そのうえで、上司にも報告したく存じます」 まずは「責任者に交代できない」ことに対し、お詫びします。そのうえで電話担当者は、「責任者に代わってほしいと思うほど何らかの不満を抱えている」と真摯に受け止め、話をしっかり聞きましょう。 なお、すぐに責任者に交代するのは対応として不適切ですが、あらかじめ責任者にバトンタッチするラインは決めておく必要があります。たとえば、「上席交代できない旨を一度伝えたが、納得してもらえない場合は交代する」というようなルール設定です。 繰り返し上席交代を求められているのに、「できません」の一点張りだと、それはそれで「話を聞いてくれていない」と受け取られてしまうので注意しましょう。  

感情的になっているお客様からのクレームが来た場合

感情的になっているお客様からクレームを受けた際の、対応方法と注意点は以下の通りです。  

クレーム事例

「お前らは何を考えている!」「いつまで待たせるつもりだ!」と開口一番から感情的になっており、こちらが話をする隙を与えてくれないケース。  

対応方法

電話を取った瞬間から、強い言葉で罵声を浴びさせられると、誰でも萎縮し恐怖さえも感じるものです。 感情的になっている人の多くは、無意識・意識的かかわらず「相手を萎縮させ、交渉を優位に進めたい」と、心のどこかで期待しています。この場合は、こちらが説明や釈明をしても全く聞いてもらえないどころか、「話を遮られた」と思い込み、かえって怒りを買ってしまいます。 そのため、お客様の怒りがおさまるまで、部分的な謝罪と相づちを打ちながら、話を聞き続けるのが最善の方法です。長い時間怒り続けるのは、体力的にも精神的にも負担が大きいといえます。担当者は「いつまでもこの状況は続かない」と思いながら、お客様の気持ちが落ち着くのを待ちましょう。  

トーク例と注意点

トーク例と注意点は、以下の通りです。 お客様:「買った商品が壊れていたぞ!どんな商品を客に売りつけている、いい加減にしろ!ばかやろう」 担当者:「ご不便おかけし申し訳ございません」 感情的になっている人が相手だと話に入る隙はないかもしれませんが、ここでのポイントはお客様が息つく間に、部分的に謝罪することです。(この例では「ご不便をおかけして」) なお、状況確認がとれていない状態でクレーム内容に対し、謝罪するのは避けましょう。たとえば、「こちらの手違いで商品を誤って届けてしまい、申し訳ございません」などと、本当に誤配送があったのかわからないうちに全面的に謝罪してしまうと、非を認めた事実を作られてしまう可能性があるからです。  

何度も同じクレームの問い合わせが来る場合

何度も同じクレームの問い合わせが来る際の、対応方法と注意点は以下の通りです。  

クレーム事例

解決策や代替案を提示しても、「誠意が見られない」「他の対応があるだろ」と、何度も同じ問い合わせがくるケース。  

対応方法

企業としては、誠意を見せるための対応策を提示しているのにもかかわらず、納得せず何度も同じ話をしてくるお客様もいます。 しかし、お客様に納得できないといわれても、企業側ができる対応策にも限界があるでしょう。そのため、要求に応じるのではなく、クレームがくるたびに時間を決めて応対するのがおすすめです。 たとえば、「入電から10分経過したら折り返し対応に切り替える」「会社としてできることはこれ以上ないと説明したうえで、時間を決めて話を聞く」などの方法が挙げられます。  

トーク例と注意点

トーク例と注意点は、以下の通りです。 お客様:「対応に納得できない、もっと誠意をみせろ」 担当者:「繰り返しになり大変心苦しいのですが、私どもが行えることは◯◯することです」 お客様:「それが納得できないと言っている、だからこうして何度も電話している」 担当者:「お客様は弊社に何を求めていらっしゃいますか?その内容をもとに、社内で協議し改めてご連絡いたします」 あまりにも提案する内容にご納得いただけないようであれば、要求内容をストレートに聞くのも有効な手段です。 しかしながら、言い方には気を付けなければなりません。傾聴の姿勢を基本とし、決して角が立つような言い方はせず、柔らかな口調で応対しましょう。  

「訴える」と言われた場合

「訴える」と言われた際の、対応方法と注意点は以下の通りです。  

クレーム事例

状況確認をするために質問したところ「私の言うことを疑うのか?名誉棄損で訴えてやる!」と言われるケース。  

対応方法

「訴える」の真意は、「納得できないが自分の力ではどうにもできない、だから他の力を借りたい」という気持ちです。もしくは、「訴える」と言えば自分の要求が通ると思っていて、常習的に口癖になっているパターンも考えられます。 こちら側ができることは、決してうろたえずに冷静になって話を聞き、お客様の事情や心理に寄り添い、理解を示すことです。  

トーク例と注意点

トーク例と注意点は、以下の通りです。 お客様:「お前の態度は俺を馬鹿にしている、訴えてやる」 担当者:「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。しかし、決してお客様を馬鹿になどしておりません」 お客様:「俺は傷ついた、だから訴える。それでもいいのか?」 担当者:「それでも訴えられるとおっしゃるのなら、私どもはお止めできません」 怒りがおさまらず「訴える」と言ってこちらを抑圧してくる様子が続くようであれば、「(訴えることを)私どもはお止めできません」と言い切ってもよいでしょう。 しかし、「訴えてもらっても構いません」と告げる際の判断には注意が必要です。お客様がお怒りの状態で、こちらが「構わない」と理屈で返してしまうと、さらなる関係性悪化につながるからです。 真摯な応対を目指すなら、お客様の話を聞き、気持ちを落ち着かせ、これ以上関係が悪化しないことを心がけましょう。  

明らかに非がない内容でのクレームを言われた場合

明らかに非がない内容でのクレームを言われた際の、対応方法や注意点は以下の通りです。  

クレーム事例

企業側に不手際がないことを伝えるも「事実がどうかなんてどうでもいい。とにかくこっちは困っている!とにかく謝りに来い!」と言われるケース。  

対応方法

会社側に非がないにもかかわらず「どうにかしろ」「謝れ」と言われることがあります。 そのなかには、お客様の勘違いや誤った認識から苦情を言ってくる場合があり、状況を一から真摯に説明することで、理解してもらえるケースもあります。なお、状況を説明する際には、一方的に話すのではなく「◯◯ということでお間違いありませんか?」など、質問しながら話を進めると納得を得られやすくなるでしょう。 残念ながら、誠意を持って対応しているのにもかかわらず、それでも言いがかりをつけてくる、いわゆる「クレーマー」に直面することもあります。 クレーマーにおいては、対応する以前に「自社に非がない時、どのようなゴールを目指すべきか」を決めておくことが重要です。 たとえば、ひたすら謝罪(クレーム内容以外に対し)し、納得してもらうのをゴールとするのか、もしくは毅然とした態度をとり、今後連絡が来なくするのをゴールとするのかなどです。  

トーク例と注意点

トーク例と注意点は、以下の通りです。 お客様:「注文していない商品が届いている。返金してほしい」 担当者:「ご不便おかけし申し訳ございません。しかし、そちらの商品はお客様ご自身でオンラインから注文されたものですが、覚えていらっしゃいますか?」 注意点としては、非がないクレームだと明らかな場合でも、現状お客様が不快な思いをしていること、わざわざ時間を割いて連絡してきてくれたことに対しての謝罪を怠らないことです。決して「非がないから謝る必要はない」と考えないようにしましょう。 ▼関連記事 クレーム対応の流れとフローチャートについて  

まとめ

クレーム対応と聞いて苦手意識が先行するかと思いますが、心構えを理解し適切に応対できれば、顧客満足度の向上や商品改善など、企業にとって利点が多いのも事実です。 しかしながら今回紹介したように、強い口調で怒鳴り、言いがかりのようなクレームを言うお客様もいます。そのような対応にあたっていると、電話担当者は多かれ少なかれ精神的な苦痛を受けるはずです。 担当者の負担を軽減し、なおかつ寄せられたクレームを業務改善などにも役立てたいと考えているのであれば、電話代行サービスの活用をおすすめします。 株式会社中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。 「クレームの対応方法がわからない」とお困りであればご相談の上、企業様に最適なプランをご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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