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公開日 2023.05.22
更新日 2024.01.29
知識

クレーム対応マニュアル 〜基本や心得、対応のコツなどを解説

企業のコールセンターにかかってくる電話には、問い合わせのみならず、クレームも少なからず含まれます。クレームにはマイナスなイメージを持ちやすいですが、企業にとっては商品・サービスに対する顧客の意見のひとつです。クレームを真摯に受け止めて対応すれば、商品・サービスの改善や顧客満足度の向上に繋がります。 自社でクレーム対応のマニュアルを整えることで、オペレーターが業務に集中できるコールセンターを目指しましょう。  

クレーム対応とは?クレームが発生する要因

コールセンターに寄せられるクレームの内容は多岐にわたり、顧客に合わせた柔軟な対応が求められます。そのため、クレームの種類や発生要因をきちんと理解しておくことが大切です。ここでは、クレームの定義と考えられる原因について詳しく説明します。  

クレームとは?

そもそもクレームとは、「購入利用した商品・サービスに関して不満があった場合、顧客が企業に対応を求める行為」を指します。 顧客からのクレームによって商品・サービスの欠陥が判明するケースもあるため、その扱い方には注意しなければなりません。クレームを単なる苦情として捉えるのではなく、企業の成長を促進するための材料として活用する意識を持ちましょう。コールセンターで適切にクレーム対応を進めるためには、マニュアルの整備も有効な手段といえます。  

クレームの種類や発生原因

クレームには企業側のミスで起こるケースもあれば、顧客側の事情によるケースも見られるため、それぞれ適切に対応しなければなりません。ここでは、クレームの種類として、主に3つを取り上げます。 ・商品・サービスの品質不良 ・接客対応によるトラブル ・顧客側の誤解 商品・サービスに不備や不具合があった場合、クレームが発生しやすくなります。商品のカラーやサイズが間違っていたり、発送が遅れたりすると、企業イメージまで損なわれかねないため、注意が必要です。 また、従業員の態度や言葉遣い、顧客対応の遅れなど接客に関わる面で、不満を抱かれることもあります。 さらに、顧客が商品・サービスの利用方法について誤解してしまい、クレームに発展するという可能性も想定しておきましょう。  

クレーム対応の重要性

クレームは顧客の率直な意見でもあるため、適切に対応する企業努力が必要です。また、クレーム対応に力を注ぐことで、企業全体はもちろん、社員にもメリットがあります。クレーム対応の重要性について、考えてみましょう。  

クレームの原因となった問題を解消する

顧客からのクレームには、商品・サービスに対する不満が反映されています。なぜクレームが発生したのか原因を探ることで、現状の課題が見えてくるでしょう。 商品・サービスの問題点が明らかになれば、解消に向けた方針を明確に設定できます。その結果、顧客の要望に応えた商品・サービスを開発することが可能です。改善された商品・サービスの効果により、既存顧客のリピート率アップはもちろん、新規顧客の獲得にも期待できます。  

二次クレームの発生を防ぐ

コールセンターのクレーム対応が十分でないと、顧客がオペレーターへの不満を募らせ、二次クレームに繋がる恐れがあります。このようなケースでは、クレームの素早い解決が困難になったり、企業の印象が悪くなったりしかねません。 クレーム対応のフローを設定しておくことで、オペレーターの応対レベルを均一化できます。また、コールセンター内でクレームへの対応状況が共有しやすくなるところもメリットです。適切な初動対応によって、二次クレームの発生を防ぐようにしてください。  

社員の精神的負荷を軽減する

クレームに対応するオペレーターには、精神的な負荷がかかりやすくなります。顧客から理不尽なクレームを受け、ストレスを感じるケースも多いようです。 クレームを有効活用していくためには、窓口である社員の業務環境を整える必要があります。コールセンター全体でクレームに対応できるよう、サポート体制を充実させましょう。クレーム対応のマニュアルを作成したり、担当オペレーターのアフターフォローを行ったりすることも、有効な手段です。  

クレーム対応の目的

顧客からのクレーム対応は、企業がコールセンターを運用していく上で重視すべき要素のひとつといえます。ここからは、適切にクレーム対応する目的について、詳しくみていきましょう。  

顧客が抱えている問題を解消し顧客満足度を上げる

コールセンターでクレームに対応する目的とは、顧客が抱えている問題を解消することです。 せっかく購入した商品に欠陥があったり、サービスが上手く利用できなかったりすると、顧客の不満からクレームが発生しやすくなります。クレームを放置せず、解決に向けて迅速に対応することで、顧客満足度が向上するように努めましょう。 また、クレームを出さない人と比べて、クレーム後の対応に満足した人のリピート率は高くなるといわれています。この「グッドマンの法則」に基づき、適切なクレーム対応ができれば、リピーターを増やすことも十分可能です。  

商品やサービスの改善点を認識する

クレーム対応によって、企業は商品・サービスに改善が必要だと認識できます。 クレームに対応する過程で問題点が発覚すれば、その解消に向けて適切な部署に割り振ることが可能です。クレームは第三者目線によるフィードバックとして、企業活動にプラスアルファの価値をもたらします。 また、クレームに対応して商品・サービスの開発を重ねるうちに、予想外の不具合が見つかるケースも考えられるでしょう。この点も含めて改善していけば、重大な事故が起こるリスクを軽減できます。  

クレーム対応の手段と対応例

コールセンターには、どのような手段で顧客からのクレームが寄せられるのでしょうか。クレーム対応に利用できるツールと併せて、応対時の例文も紹介します。クレームの特徴と内容に適した対応を取るようにしましょう。  

電話

電話によるクレームは、顧客にとって「すぐに解決したい問題」であり、素早い対応が求められます。また、クレームを入れる顧客の年齢層が比較的高いところも特徴です。顧客の話し方や声の調子から、相手がどのような感情を持っているのか読み取りましょう。 また、オペレーター側も言葉遣いに気をつけ、丁寧なコミュニケーションを意識してください。さらに電話の場合、録音機能やシステムによって通話ログを残しておくことも大切です。 【電話によるクレーム対応の例文】 「本件のためにお客様にお時間を取らせてしまい、申し訳ございません」 「担当者にお繋ぎ致しますので、しばらくお待ち頂けますでしょうか」 「頂いた内容について、弊社内で確認させて頂きます。少々お時間を頂き、折り返しお電話させて頂いてもよろしいでしょうか。本日、◯時頃までには必ずご報告させて頂きます」  

メール

企業の営業時間内に電話できない方や、正確に状況説明をしたい方が、メールでクレームを伝えてくるケースも見られます。クレーム内容が書面に残るため、顧客と企業の双方にとって問題点を共有しやすいところがメールのメリットです。 文章でのやり取りとなるため、誤字脱字がないか、正しい日本語となっているか、読みやすさを意識して返信しましょう。また、必要に応じて資料を添付したり、電話対応に切り替えたりして、きめ細やかなサポートを心がけてください。 【メールによるクレーム対応の例文】 「この度は、弊社製品の不具合によりご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」 「不具合の原因については、現在、製品開発部門の担当者が調査を行っております。原因がわかり次第、ご報告させて頂きますので、今しばらくお時間を頂けますと幸いです」 「今後はこのようなご迷惑をおかけしないよう、再発防止を徹底していく所存です」  

対面

企業の窓口では、対面でクレームを受け付けることもあります。直接顧客から意見を聞くため、担当者の精神的負担が大きくなる傾向です。 顧客の声から、本質となる商品・サービスへのニーズを引き出すことがクレーム対応のカギとなります。対面でのクレーム対応には、顧客目線に立った受け答えを徹底するようにしましょう。相手の目を見て話す、クッション言葉を多用するといった工夫によって、信頼感も得やすくなります。また、日頃からロールプレイングを実施しておけば、よりスムーズなクレーム対応が可能です。  

SNSなど

近年では、SNSを通じたクレームへの対応も必須となりつつあります。 特にSNSの場合、ユーザーの投稿によって、企業に間接的にクレームが届くというケースが多いです。SNSの投稿について、どこまでクレームとして対応すべきなのか、あらかじめ社内でルールを決めておくようにしてください。また、SNSを担当する部署とコールセンターで密接に連携できる体制作りも大切です。 クレーム対応にあたる際は、企業側から該当ユーザーのアカウントに連絡し、謝罪と併せて対処方法を提案します。ただし、ユーザーが企業アカウントに対して直接コンタクトを取ってきた場合は、メールと同様の形で対応するといいでしょう。  

クレーム対応の手順

顧客からのクレームを受け付ける際には、コールセンター全体で適切な手順を周知し、実践していくことが重要となります。ここでは、5つのステップに分けてクレーム対応のポイントを押さえていきましょう。  

まずは内容に関わらずお詫びを伝える

クレーム対応では、内容を問わずお詫びを伝えるところからスタートします。もし企業側に落ち度がなかったとしても、最初に謝罪をワンクッションとして取り入れ、コミュニケーションの円滑化を図るようにしてください。 一方で、ただ理由もなく謝罪するだけでは、顧客に誠意がないと捉えられる恐れもあります。相手に不快感を与えてしまった、あるいは手間をかけさせてしまったという事実に対して、お詫びの姿勢を見せることが肝心です。  

クレームの内容をヒアリングし事実確認する

続いて、クレームの内容を詳しく聞き取っていきましょう。ヒアリングでは「5W1H」を意識し、顧客の現状や商品・サービスの問題点について整理します。クレームに至った経緯が明らかになれば、顧客のニーズに沿った対応策を考えることが可能です。 また、ヒアリングによって把握した内容に間違いがないか、ひとつずつ確認するようにしてください。丁寧に事実確認を進めれば、顧客とオペレーターの間に認識のズレが発生する事態を防げます。  

解決策や代替案の提示をする

オペレーターは、クレームの内容を正確に把握した上で、具体的な解決策や代替案を提示します。商品の返品や交換など、顧客のニーズに応じて臨機応変に提案することがポイントです。 その場ですぐにクレームを解決できない場合は、折り返しの連絡を打診します。ここで、再連絡にかかる時間の目安を伝えておくと、顧客も安心できるでしょう。また、専門の部署に対応を引き継ぐなら、ヒアリングしたクレーム情報をしっかり伝達しておいてください。顧客に同じことを説明してもらう必要がなくなるため、二次クレームのリスクを減らせます。  

クレームに対して改めてお詫びと感謝を伝える

クレーム対応を一通り終えた後は、改めて顧客に向けてお詫びと感謝を伝えましょう。 クレームは、企業にとって有益なフィードバックとなり得るものです。商品・サービスの課題を洗い出し、今後の開発改善に活かすことで、企業の更なる成長が望めます。クレームを受けた企業は、貴重な機会を与えてもらったと感謝する姿勢を積極的に示すようにしてください。顧客にとっても、お詫びだけでなく感謝されることによって、「自分の意見を受け止めてもらえた」という満足感を得られます。  

クレームの内容を踏まえた商品やサービスの改善を行う

クレームに適切に対応できたら、その結果を商品・サービスの改善に役立ててください。 クレームの内容はもちろん、そこから派生して、新たな課題が見つかる可能性も十分考えられます。クレームのあった商品・サービスは、全体を見直すことで効率よくブラッシュアップしていきましょう。また、顧客の潜在ニーズを掘り起こせれば、売上アップに伴う業績の向上も期待できます。 さらに、クレーム対応を記録して振り返り、マニュアルを充実させていくことも忘れないでください。  

クレームを減らすための工夫

クレームは、企業にとって商品・サービスや業務内容を改善するきっかけとなります。一方で、クレームを減らすための工夫ももちろん必要です。顧客に気持ちよく商品・サービスを利用してもらえるよう、3つの取り組みに注目してください。  

クレーム対応の履歴を整理し分類する

通話の音声やメールの文面など、クレーム対応の内容はしっかり記録しておきましょう。電話の場合、録音機能を活用すれば、後から詳細をまとめ直す手間を省けます。 また、クレームに対してどのように対応し、解決に至ったのかというプロセスも併せて整理してください。商品・サービスの不良や理解不足から発生するクレームもあれば、イレギュラーな事態によって引き起こされるクレームもあります。それぞれのクレームを発生要因ごとに分類していけば、商品・サービスの課題点がどこにあるのか分析可能です。さらに、クレームのリストはマニュアルの作成にも活用できます。クレームに対応した後は、処理も丁寧に行うようにしましょう。  

発生頻度の高いクレームを事前に防止するための対策を検討する

クレーム対応の履歴を整理・分類する過程で、発生頻度の高いクレームが見つかることも考えられます。日常的に発生してしまうクレームは、原因を取り除いて根本的な改善を図りたいところです。 そこで、よくあるクレームに的を絞り、事前に防止するための対策を検討してください。商品の不具合が頻発しているのであれば、早急に原因の解明と改善に努めます。また、サービスへの不満が募っているようなら、サポート体制や接客対応を見直しましょう。商品・サービスの改善対策によって、クレームの発生源に直接アプローチすることが可能です。結果的にクレーム数を減らせるだけでなく、対応するオペレーターの負担も軽くなります。  

クレーム対応のマニュアルを整える

コールセンターに寄せられたクレームへの対応方法をまとめることで、マニュアルを整備してください。 クレーム対応のマニュアルが用意されていれば、コールセンター全体で適切な応対方法を共有できます。クレーム一つひとつに対し、常に質の高い対応を実現できるところが、マニュアル作成の大きなメリットです。とりわけ、発生しやすいクレームについてはマニュアルを活用し、迅速な対応を心がけましょう。 オペレーターが受け答えしやすい環境では、さらなる電話対応の品質向上も見込めます。また、スムーズにクレームを解決して顧客満足度の向上を目指すことも、企業の経営戦略において大切なポイントとなるでしょう。  

まとめ

コールセンターには、商品・サービスに関するクレームの電話もかかってきます。顧客からのクレームに適切に対応できるかどうかによって、企業の印象も左右されかねません。また、クレーム対応は商品・サービスの改善点や顧客ニーズを掘り起こすきっかけとなります。 顧客の抱える問題を解消できれば、満足度を向上させることはもちろん、企業の業績アップも可能です。クレーム対応を円滑化するために、履歴を分類・整理してマニュアルを作成しましょう。オペレーターの対応品質を高く維持することが、クレームの削減にも効果を発揮します。 一方で、クレーム対応のマニュアル化や体制作りには、アウトソーシングの利用も検討してみてください。 株式会社中央事務所は、月間6万件の総受電件数(※1)や新規入電の応対率98%(※2)といった実績を記録し、カスタマー応対率も95%(※3)を維持しています。柔軟な対応力ときめ細やかなサポートが、中央事務所の強みです。 さらに、中央事務所では専門講習を受けたオペレーターが在籍し、様々な業界・業種のコールセンター業務に従事しています。対応できる業務範囲やツールも幅広く設定しており、企業様のニーズに合わせて電話代行プランを提案することが可能です。コールセンターのクレーム対応に悩んでいる企業様は、ぜひ中央事務所にお問い合わせください。 ※1:2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2:2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3:2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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