公開日 2023.07.28
更新日 2024.01.29
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PBXとは?コールセンター用語解説と仕組み・メリットなどを解説
企業のコールセンターでは、毎日数多くの電話を受け付けています。顧客からの様々な問い合わせにいつでも最適なオペレーターが対応できれば、顧客満足度や企業イメージの向上に繋げられるでしょう。そのためには、コールセンターの設備環境を整えることが重要です。
そこで、この記事では、コールセンターに欠かせない設備のひとつである「PBX」について説明します。併せてPBXの仕組みやメリットなども解説するので、導入時の参考にしてみてください。
コールセンター用語のPBXとは?
「PBX」とは「Private Branch Exchange」の略称であり、「構内交換設備」、つまり電話交換機を意味します。PBXによって企業内に複数ある電話回線をまとめて管理し、外線と内線、あるいは内線同士の接続を的確に振り分けることが可能です。そのため、特に大企業やコールセンターにおいてPBXを利用しているケースが多く見られます。
PBXの主な機能は、下記の通りです。
・代表番号による発着信:1つの代表番号とルールを決め、複数の電話機での着信・発信が可能。
・内線同士の発着信:PBXシステムによる内線化で、社内や拠点間での無料通話が可能。
・転送機能:不在、話中など入電時のシチュエーションに応じて、別の電話機に転送可能。
・パーク保留機能:保留後に、PBXに接続されているすべての電話機で通話を引き継ぐことが可能。
・発着信の制御:企業内のどの電話機にどこからの外線を着信させるか、どの電話番号で発信するかを設定可能。「カスタマーサポートには、お客様相談窓口の電話番号で発着信させる」など。
コールセンターにPBXを導入すれば、1つの電話番号を用意するだけで、顧客からの問い合わせに応じたオペレーターをスムーズに選出できます。
また、PBXによる内線化で従業員のスマートフォンや他の拠点と連携できるため、より一層細やかな顧客対応が実現します。さらに、ビジネスフォンと比較して、接続可能な範囲や電話機の数、機器の種類が広いところもPBXの強みです。
コールセンターでPBXが重要な理由・導入メリット
PBXは、複数の電話回線を管理して個々の電話機に振り分けるための設備です。では、コールセンターにおいてPBXが重要な理由とは、一体何なのでしょうか?また、企業がPBXを導入するメリットについても説明します。
コールセンター構築・運用コストの削減
PBXの導入によって、コールセンターの構築や運用に関するコスト削減が可能です。
企業のコールセンターでは、顧客からの電話を受け付けて適切に対応することはもちろん、時には社内の関係者や担当部署と連携することも求められます。
もしPBXがなければ、企業内にはいくつも電話番号が存在している状態です。そのため、電話の引き継ぎに時間のロスが発生したり、どこに繋ぐべきか判断ミスを招いたりする恐れがあるでしょう。
また、オペレーターの電話機から営業担当のスマートフォンや支店の電話に繋ぎたい場合にも、機器の手配や通話料といったコストがかかってしまいます。
このようなコールセンターの課題を解決する手段が、電話回線を一括管理できるPBXです。
PBXが外線の電話を的確に振り分けるので、オペレーターの負担が軽減され、業務効率アップを見込めます。さらにPBXによる内線化を促進すれば、企業全体の通話料を抑えられるでしょう。企業と従業員双方の負担を減らしながらコールセンターを運営するなら、PBXの導入が有効だといえます。
顧客満足度の向上につながる
PBXは、コールセンターを効率よく運営するにあたって重要な設備です。
コールセンターにPBXを導入することで、問い合わせ内容に適したオペレーターがすばやく顧客に対応できます。一方で、顧客は電話をたらい回しにされたり、説明に時間をかけたりするストレスがなくなるので、安心してオペレーターとやり取りできるでしょう。
また、PBXによって他部署への取次が円滑になれば、顧客の問題を解決するのにも効果的です。
こうしたコールセンターの柔軟な対応は、顧客満足度の向上に繋がります。結果的に顧客の企業イメージも良くなる上に、商品・サービスの売上促進に伴う収益アップも実現可能です。顧客満足度を高め、企業の利益に結びつけたいなら、PBXの導入を検討してみるのが良いでしょう。
コールセンターのPBXの仕組みについて
コールセンターのPBXは、企業と顧客の両者にメリットをもたらします。では、実際にコールセンターでは、どのような仕組みでPBXを導入・運用しているのでしょうか?
コールセンターに外部から着信があると、まずPBXに接続されます。この時、IVR(自動音声応答機能)とACD(着信呼自動分配装置)を併用して、事前にオペレーターが問い合わせ内容を詳しく把握できるように工夫してもいいでしょう。
そして、PBXから顧客のニーズに適合するオペレーターの電話機へと繋がります。PBXを導入すれば、1つの電話番号で複数の電話回線を取りまとめた上で、その都度最適なオペレーターを選出できるのです。
また、企業の内線から外部に電話したり、従業員同士で通話したりするケースでも、PBXを経由させることでよりスムーズに発着信できます。
顧客からの問い合わせが多様化する中で、コールセンターの業務環境を改善する取り組みが大切です。そこで、PBXによって社内外問わず電話対応業務を効率化できれば、コールセンター全体の生産性も高まります。
電話対応のまとめ役としてPBXを活用し、コールセンター体制のアップデートを図りましょう。
コールセンターのPBXの種類とメリット・デメリット
PBXの重要性や仕組みを理解したことで、コールセンターへの導入を検討する企業もあるのではないでしょうか?ここからは、コールセンターで利用されるPBXの種類とメリット・デメリットについて解説します。
オンプレミス型PBX
オンプレミス型PBXとは、PBXの機器類を企業内に設置して運用するタイプです。オンプレミス型の導入においては、機器類を購入したり、PBXと電話機を接続するためのサーバーや電話回線を準備したりする必要があります。
また、オンプレミス型PBXは電話回線を使うレガシーPBXと、インターネット回線網を利用するIP-PBXの2種類に分けられます。それぞれのメリット・デメリットについて、詳しくみていきましょう。
レガシーPBXはインターネット回線ではなく電話回線を使用するため、音声の品質を高く維持すると共に、セキュリティ面での安全性も強化できます。また、バックアップバッテリーを搭載したPBXなら、停電時でも使用できるところがメリットのひとつです。
しかし、レガシーPBXには初期費用が高額となったり、十分な設置スペースを確保したりと、企業側の手間やコストがかかるデメリットもあります。電話機の増設や拠点の移転のたびに、工事・保守点検を行わなければならない点に留意してください。特に社内の情報セキュリティを重視する大企業では、レガシーPBXが適しているといえるでしょう。
一方、IP-PBXはインターネット回線を利用することで、LAN接続できるパソコンやスマートフォンも企業の通話ネットワークに組み込めます。レガシーPBXと異なり、複数の拠点で使用できるところも大きなメリットです。
また、社内LANを完備している企業なら導入コストを抑えられます。しかし、インターネットに接続する分、セキュリティリスクに注意しなければなりません。自社で社内LANの整備とセキュリティ対策ができる企業なら、IP-PBXをおすすめします。
クラウド型PBX
クラウド型PBXは、クラウドサービスを利用する新しいタイプのPBXです。基本的な機能はオンプレミス型と変わりありませんが、インターネット上のサービスを介するため、企業にはPBXの機器を設置しません。
設置スペースが限られてしまう小規模のコールセンターでも取り入れやすく、機器類の購入や専用回線の開設といった導入コストも削減可能です。コールセンターを拡大・移転する際にも、必要な分だけクラウド型PBXのサービスを追加することで、設営にかかる手間や経費を抑えられます。
また、クラウド型PBXならスマートフォンやモバイル端末との連携も可能なので、通常業務はもちろんリモートワークにも便利です。さらに、国内外に拠点を持つ企業にとっては、内線化を進めて通話料削減を図れるところも魅力的でしょう。
一方で、クラウド型PBXのデメリットは、毎月クラウドサービスの利用料がかかってしまう点です。また、クラウド業者のインターネット環境を利用するにあたって、通話音声の品質保持やセキュリティ対策を考慮しなければなりません。
クラウド型は、コールセンターの規模にかかわらず、豊富な機能の活用とコスト削減を両立できる設備といえます。
コールセンターでPBXを導入する際のポイント
企業のコールセンターでPBXを導入する際、どのようなポイントに気をつければいいのでしょうか?PBXの種類とメリット・デメリットを踏まえた上で、3つのポイントについて解説します。
PBX導入時にチェックしたいポイントのひとつが、コールセンターの業務環境です。
コールセンターでは、業務内容によって必要なオペレーターや機材の数も異なります。拠点が1つに絞られ、コールセンターの規模や人員数もあまり変動しない企業では、安全性の高いオンプレミス型PBXがおすすめです。
一方で、今後の事業展開に伴ってコールセンターを拡大したり、社内に限らずリモートワークでも内線・外線を利用したりといった、企業ニーズの多様化も見込まれます。この場合、幅広く機能のカスタマイズが可能なクラウド型PBXか、オンプレミス型のIP-PBXを選ぶと良いでしょう。ただし、両方ともインターネット回線に接続するため、セキュリティ面での対策が欠かせません。
2つ目のポイントは、PBXにかかるコストです。
クラウド型PBXなら、初期費用や機器のメンテナンス費を抑えられます。その代わり、クラウドサービスの利用料が継続して発生する点に注意してください。
クラウド型PBXでは、コールセンターの規模やPBXの機種、利用するサービスプランに合わせてランニングコストが変動します。そのため、コールセンターの稼働状況をきちんと把握し、コストと利便性のバランスが取れたクラウドサービス業者を選ぶことが大切です。
3つ目のポイントとして、通話環境の安定性・安全性が挙げられます。
先述のように、インターネット回線を使用するIP-PBXとクラウド型PBXでは音声が不安定になったり、セキュリティリスクにさらされたりする可能性も考えられるでしょう。企業の信頼感を優先するなら、オンプレミス型のレガシーPBXが適しています。
ただし、レガシーPBXの導入にあたっては、機器の設置スペース確保や予算の想定といった準備も必要です。
自社のコールセンターに合ったPBXとはどのようなものなのか、3つのポイントと照らし合わせて検討してみてください。
まとめ
コールセンターにおける「PBX」とは電話交換機を意味し、複数の電話回線を一括管理して電話を適切に振り分けるための装置です。
PBXを導入することで、コールセンターの構築・運用に関するコストを削減できます。また、コールセンター業務が効率化されるため、顧客満足度の向上も実現可能です。
さらに、PBXはオンプレミス型とクラウド型の2種類に分けられ、それぞれに特徴があります。このようなPBXのメリット・デメリットを理解し、自社のコールセンターに適したPBXを選択しましょう。
中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)という確かな実績を持つ電話代行サービス会社です。カスタマー応対率は95%(※3)を記録し、手厚いサポート力を強みとしています。
また、中央事務所には専門講習を受けたオペレーターが在籍しているため、質の高い電話対応サービスが可能です。さらにオペレーターの業務範囲や使用ツールを充実させ、企業様の希望に沿ったプランを考案します。コールセンターの業務効率化を図りたいとお考えであれば、ぜひ一度中央事務所にご連絡ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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