コールセンターにおけるACDとは?用語定義やメリットを解説
公開日 2023.06.28
更新日 2024.01.29
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コールセンターにおけるACDとは?用語定義やメリットを解説

コールセンターには、毎日顧客からの問い合わせが数多く寄せられます。 特に受電の集中しやすい時間帯や、オペレーターの人員数が不足している環境では、電話に対応できないケースもあり得るでしょう。企業にとって、電話を取り損ねてしまう事態は避けたいところです。 顧客からの問い合わせに効率よく対応するために、コールセンターにACDを導入してみてはいかがでしょうか。 この記事では、コールセンターにおけるACDの定義や機能、メリットについて解説します。  

コールセンターにおけるACD(着信呼自動分配装置)とは?

「ACD」は「Automatic Call Distributor」の略称で、「着信呼自動分配装置」と訳されます。つまりACDとは、あらかじめ設定した条件に従って、コールセンターにかかってくる電話を自動的にオペレーターに割り振るシステムです。 もともとアメリカの会社で開発されたACDは、今や多くのコールセンターで利用されています。 オペレーターの稼働状況や個別スキル、発信側の電話番号など、コールセンターごとに必要な条件をACDに設定すれば、その都度適切なオペレーターに電話を繋げることが可能です。 これにより、入電待ちのオペレーターがスムーズに顧客対応できるようになります。 また、待ち時間の長い電話を優先的に受け付けたり、自動のガイダンスを流したりと、柔軟なフォローを実践できるところも、ACDの強みのひとつです。  

ACDの基本的な機能

ACDを利用すれば、コールセンターの業務内容やオペレーターの管理体制に応じて、効率よく電話を振り分けられます。ACDが具体的にどのような条件設定の機能を備えているのか、詳しくみていきましょう。  

待ち時間ガイダンス

コールセンターに電話をした際、「ただいま電話が込み合っております。しばらくお待ちください」という自動音声を聞いたことはありませんか? 顧客からの問い合わせに対し、回線が込み合っていたり、オペレーター全員が対応中だったりすると、電話も繋がりにくくなります。このような待ち呼(まちこ)の時間に流れるアナウンスが、待ち時間ガイダンスです。 ACDの待ち時間ガイダンスは、アナウンスの内容を自由に変更できます。そこで、顧客にただ電話の受付を待ってもらうだけでなく、別の手段を提示することも可能です。 例えば、混雑の少ない時間帯にかけ直してもらったり、web上での手続き方法を紹介したりと、顧客のニーズを想定した代替策を案内しましょう。  

あふれ呼設定

あふれ呼(あふれこ)設定とは、オペレーターが埋まってしまっている場合に、顧客からの電話を待ち呼にすることなく処理する機能です。 あふれ呼設定のもとでは、電話回線が込み合っている旨を伝えてから「後ほどおかけ直しください」とアナウンスが流れ、切電されます。顧客にとっては、コール音が流れている状態で数分間待たされるよりも時間のロスを削減できるでしょう。 また、ACDのあふれ呼設定は、切電以外にも様々な対応方法を選べます。留守番電話に転送したり、IVR(自動音声応答システム)に誘導したりすれば、問い合わせの取りこぼしを防ぐことが可能です。 コールセンターの応答率や企業への信頼感が低下しないように、あふれ呼設定の内容を工夫してみてください。  

スキルベースルーティング

ACDのスキルベースルーティングを使えば、各オペレーターのスキルに合わせて電話の割り振りを実行できます。 単純に待機中のオペレーターに電話を振り分けるだけでは、スムーズに対応できるとは限りません。例えば新人オペレーターに複雑な問い合わせ案件が回ってしまい、的確に回答できなかった結果、顧客に不信感を抱かせる恐れもあります。 そこで、IVR(自動音声応答システム)で事前に問い合わせ内容を把握した上で、ACDの機能によって最適なオペレーターを選出する体制を整えましょう。 また、外国語対応や専門的な知識を求められるコールセンターでも、スキルベースルーティング機能が役に立ちます。  

ランダムルーティング

顧客からの電話を無条件でオペレーターに割り振るのが、ACDのランダムルーティング機能です。受電時に対応可能なオペレーターを自動で呼び出すので、顧客の待ち時間を短くできます。 一方で、スキルベースルーティングのようにオペレーターのスキルを振り分ける条件に反映していないところが、ランダムルーティングのデメリットです。問い合わせの内容によっては、担当オペレーターが途中で交代するといった手間も発生しかねません。 顧客に対して正確かつ迅速に対応するなら、オペレーターのスキルに応じて電話を割り振ることが重要です。コールセンターの規模や業務内容も考慮して、2つのルーティング機能を使い分けましょう。  

オペレーターステータス

通話中はもちろん、入電待ちや離席、後処理など、オペレーターの稼働状況はそれぞれ異なるものです。オペレーターステータスでは、このようなオペレーター個人の状況に合わせて電話を割り振ります。 待機時間の長いオペレーターに優先して入電するよう設定すれば、電話対応業務を均等に振り分けることが可能です。1人のオペレーターに電話対応が集まる事態を防ぎ、業務負担の軽減を図ってください。 また、オペレーターが通話後の処理作業に時間を割けるようになり、慌ててミスをするリスクも減らせるでしょう。オペレーターステータスによって業務内容を改善することで、必然的に電話対応の質が向上し、顧客の信頼も得やすくなります。  

スケジュール制御

ACDのスケジュール制御は、コールセンターの運営をサポートしてくれる便利な機能です。 コールセンターの営業時間外に電話がかかってきた場合、受付時間外であることを音声ガイドで知らせます。その際、コールセンターの営業時間を伝えて、再度連絡してもらえるようにアナウンスの内容を設定しておきましょう。 正しい営業時間がわかれば、顧客も安心して電話をかけ直しやすくなります。たとえ営業時間外であっても、顧客に丁寧に対応できるかどうかが企業の評価に結びつくと意識してください。  

ACDをコールセンターで使うメリット

ACDの機能は、電話を適切なオペレーターに振り分けて顧客への対応を円滑化するという重要な役割を果たしています。 コールセンターでACDを使うと、企業と顧客にどのようなメリットがもたらされるのか考えてみましょう。  

業務効率化

コールセンターにACDを導入するメリットのひとつが、業務の効率化です。 ACDの機能であらかじめ電話の振り分け条件を設定しておけば、問い合わせの内容やタイミングに応じて、適切なオペレーターに繋ぐことができます。オペレーターの稼働状況に偏りが出ないよう、ACDを活用して均等に電話を割り振りましょう。 また、ACDが条件に適したオペレーターを呼び出すので、受電から解決に至るまでの通話時間を短縮することも可能です。オペレーターの業務負担を分散できれば、コールセンターの生産性がアップするだけでなく、離職率の低下も見込めます。 さらに、ACDは新人オペレーターの育成にも有効です。ACDの設定を調整し、新人には基本的な問い合わせから対応させるようにしてください。質の高いオペレーターを育てる環境が整備されれば、コールセンター全体の業務効率化が進みます。  

顧客満足度向上

ACDは、顧客満足度の向上にも効果を発揮します。 ACDによる電話の振り分けや音声ガイダンスを活用すれば、待ち呼状態の顧客を減らすことが可能です。また、オペレーターに電話が繋がるまでの時間を短縮できるので、顧客にストレスを感じさせずに済むでしょう。さらに、問い合わせ内容に適したオペレーターが対応にあたることで、保留や転送などのタイムロスを削減できます。 オペレーターの電話対応がスムーズであるほど、顧客の満足度も高まります。顧客に信頼される企業イメージを形成するには、ACDを通じたコールセンターの運用が大きなポイントです。  

まとめ

コールセンターにかかってくる電話をオペレーターに自動で振り分けるACDは、業務効率の改善に有効なシステムです。ACDの機能を活かせば、電話対応の品質を高めるとともに、オペレーターの負担軽減と育成を実践できます。また、オペレーターとのやり取りが円滑になることで、顧客満足度アップも目指せるでしょう。 中央事務所には、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)といった確かな実績があります。また、カスタマー応対率も95%(※3)を記録し、顧客へのサポートを徹底しているところが強みです。 中央事務所の在籍オペレーターは専門講習を受けており、質の高い電話対応を得意としています。さらに、オペレーターの業務範囲や使用ツールも充実させているので、企業様のニーズに幅広く応えることが可能です。 コールセンターにACDを取り入れて業務の効率化や顧客満足度の向上に着手するなら、ぜひ中央事務所の利用を検討してみてください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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