コールリーズンとは?分析すべき理由や重要性について
公開日 2023.07.19
更新日 2024.01.29
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コールリーズンとは?分析すべき理由や重要性について

コールセンターの立ち上げ、または既存センターの運用最適化を目指しているのであれば、コールリーズンについて理解を深めることが非常に重要です。 「どのような理由で電話をかけてきたのか」「どんな内容の質問や相談が多いのか」このようなコールリーズンを適切に集計・分析できれば、商品の品質向上や改善、オペレーター業務の効率化にも役立てられるからです。 今回は、コールリーズンの概要や集計方法、併せて分析する重要性についてご紹介します。  

コールリーズンの意味とは?

コールリーズンの意味は、「顧客がコールセンターに架電をしてきた要因」のことです。つまり、「なぜ顧客がコールセンターに電話をしてきたのか」を表す言葉で、「コンタクトリーズン」とも呼ばれています。 コールリーズンには、さまざまな内容がありますが、一例として以下の状況が挙げられます。 ● 商品、サービスを注文したい時 ● 注文内容の変更、追加をしたい時 ● 商品の使用方法がわからない時 ● サービスの解約をしたい時 ● 商品を交換・返品したい時 ● クレームを言いたい時 このように、注文受付や変更・追加などのよくある内容から商品不良のクレームなど、多種多様な問い合わせが存在します。 寄せられた内容をもとに「(入電内容に対し)なぜ、そのような状況が起こったのか」を精査することで、業務の効率化やサービス品質の改善を目指すことができるのです。  

コールリーズン分析とは?

コールリーズン分析とは、顧客から寄せられた問い合わせ要因を種別ごとにカテゴリー分けし、その内容を精査することを指します。 分析することで、問い合わせ内容の把握ができるのはもちろん、どのような種類の問い合わせが多いのか、傾向をつかむこともできます。 「問い合わせが多い=早期に問題解決が必要」というように、改善が必要な内容の優先順位が明確になるため、効率的にかつ迅速に対策を講じられるようになるでしょう。 なお、分析する際には、パレート図の活用をおすすめします。パレート図とは、棒グラフと折れ線グラフ(累積比例を表す)を組みあわせた複合グラフです。 パレート図を用いることで、分析結果を可視化でき、入電数のなかで多くの割合を占めるコールリーズンを特定することが容易になります。  

コールリーズンの集計方法

分析を行う際には、「CWC(コールワークコード)」と「CRMシステム」からコールリーズンを集計します。 それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう  

CWC(コールワークコード)

CWCとは、電話応対後にどのような内容のコールだったのかを、ダイヤルボタン操作することで種類ごとに分類できるシステムです。この機能は、CMS(コンテンツ管理システム)に標準搭載されていることが多く、手軽に設定できます。 CWCは、ダイヤルボタン操作だけで簡単に集計できますが、オペレーターによる入力操作であるため、押し忘れ・押し間違いなどのミスが懸念されます。集計漏れなどがあると、正確に分析が行えないため、受電数とCWC集計に差異がないか定期的なチェックが必要です。 なおCMSの種類・設定にもよりますが、16桁までのコードを最大1999コードまで使用可能です。各桁の役割は、以下のように自由に設定できます。 <4桁設定の場合の例> 5222(5は部署コード、222はリーズンコード) このような番号体系で設定することで、部署ごとの集計も同時に行えます。  

CRMシステム

CRMシステムとは、顧客の名前や住所、電話番号などの個人情報や、購入履歴を管理できるものです。 その他、応対履歴の入力時にコールリーズンの登録も同時に行うことで、集計・分析にも利用できます。 具体的には、パソコン画面に問い合わせ内容の種別・カテゴリ分けができる構成にしておけば、データを記録し集計することが可能です。 前項のCWCとの違いとしては、CWCはダイヤルボタンで操作を行いますが、CRMシステムにおいてはパソコン操作が必要になります。 パソコン上で集計する利点としては、集計結果をCSVなどで出力できるシステムにすることで、パレート図も簡単に作成できる点です。  

コールリーズン分析の重要性

分析を行うことで、サービス改善や業務効率化など、顧客とコールセンターにプラスの影響をもたらすため、コールセンター運営には必要な作業といえるでしょう。 ここでは、重要性について具体的に解説します。  

商品やサービスの改善につなげられる

分析を行い、顧客のリアルな声を集めることで、商品・サービスの改善につなげられます。 例えば、分析結果から「◯◯(商品名)の使い方がわからない」などの問い合わせが多数寄せられているのであれば、その時点で該当商品の「使いにくい」という問題が発覚したことになります。 その声をもとに「どうすれば使いやすくなるのか」を企業側で検討し改善することで、商品・サービスの品質向上に役立てられるでしょう。 また、「◯◯のような商品はないか?」といった相談が寄せられている場合、商品・サービスの開発のきっかけにもなります。 このように分析を行うことで、顧客側の目線から得た課題をもとに、商品やサービスの改善・開発に活かせるのです。 それにより、企業の売上アップが見込めるのはもちろん、「顧客の要望に応えた=顧客に寄り添った対応している」ことにもなるため、顧客満足度向上にもつながります。  

IVRの最適化ができる

IVRの最適化を図るには、コールリーズン分析は欠かせない作業といえます。 まずIVRとは、「音声自動応答機能」のことを意味します。オペレーターの代わりとなって、音声自動応答機能が一次対応の受付や問題解決までを導いてくれるシステムです。 具体的には「〜については1番を、〜については2番を押してください」というようにガイダンスが流れ、それを聞いて顧客は選択していきます。 その際、選択項目が多すぎたり、ガイダンスを聞くのに時間がかかったりすると、顧客にストレスや不快感を与えてしまいます。このような課題が生まれやすいIVRには、分析結果を反映させることが必須です。 例えば、問い合わせの多い質問を先頭にして、1番から番号を割り振ることで、顧客はすべてのガイダンスを聞かずとも、早い段階で番号の選択ができるようになります。 また、分析結果から問い合わせの少ない内容が見つかれば、その項目の分岐を削除して振り分けを絞ることもできます。 選択項目を減らし、ガイダンスを聞く時間が短縮できれば、顧客に余計なストレスを与えずにすむようになるでしょう。  

FAQの作成に活かせる

コールリーズンの分析結果は、FAQの作成・更新に活かせます。 分析を行うことで、どんな理由で問い合わせをしてきているのかを可視化して、現状把握できるようになります。 分析結果を抽出し多く寄せられているものが、人の判断や感性を必要としない定型的な問い合わせであったなら、自社サイトのFAQに反映することで、電話対応そのものを省けるのです。 例えば、「注文方法を知りたい」「注文後キャンセル・変更できるのか確認したい」などの問い合わせにおいては、FAQを利用することで自己解決できるものではないでしょうか。 分析結果から問い合わせの多い内容をピックアップし、自己解決できるものに関してはFAQに反映させることで、入電数を減らせ、且つ顧客の利便性向上にもつながります。 さらには、FAQの利便性が高められれば、オペレーター対応が必要な顧客だけがセンターに入電してくる流れを作れるため、オペレーターの対応量が減り業務負担も抑えられるでしょう。  

トークスクリプトの見直しに活かせる

通常コールリーズンを集計する際には、応対時間や後処理時間も記録します。この記録から、トークスクリプトの修正や削除などをし、改善に活用できます。 トークスクリプトは、顧客との円滑なコミュニケーションをとるために必要なアイテムです。しかし、1度作成したらそれで完成というわけではありません。 必要に応じて変更・削除・追加を行い、常に顧客対応がスムーズになるトークスクリプトを目指す必要があります。 とくに、特定の問い合わせに対して「対応が長引いてしまっている・スムーズな案内ができていない」という場合には改善が必要です。 「どのような問い合わせであった時に対応が長引いてしまっているのか」などと、コールリーズン分析することで読み取れます。 例えば、明らかに応対時間が長引いている内容においては、トークスクリプトに無駄な項目や、顧客に分かりにくい案内をしてしまっているのかもしれません。 その部分を見直し・改善することで、対応時間の削減が見込めオペレーターの業務改善にも期待できます。  

セルフサービスへの移行

オペレーター対応を必要としない問い合わせが分析によって判明した場合、セルフサービス移行へ向けた取り組みを促進できます。 分析を進めていくと、類似する問い合わせが多発していることにも気付けます。その内容が、オペレーターが対応しなくても解決できるものであれば、セルフサービス移行へ進めるべきといえるでしょう。 セルフサービスの具体的な方法としては、これまでに紹介したIVRに対応を任せたり、定型の問い合わせであれば、FAQに載せて顧客に自己解決をさせたりする方法があります。他にも、AIを用いたチャットボットで、適切な回答を用意する方法も良いでしょう。 セルフサービスが確立できれば、顧客は24時間好きな時間にサポートを受けられるため、疑問や不満をすぐに解決できます。 このようにコールリーズンを精査することで、結果としてセルフサービスにつながるチャネル拡充につなげられるため、コールセンター運営には重要性の高い作業といえるでしょう。  

まとめ

コールリーズンとは、「商品やサービスを注文したい」「解約手続きをしたい」などの、顧客がコールセンターに電話をかけてきた要因を指します。要因を集計し精査することで、顧客対応の効率化や問い合わせ削減など、センターで抱える課題解決に役立てられます。 しかし、利点の多いコールリーズン分析ですが、作業負荷が大きすぎるため利活用が難しいのも事実です。定期的に集計・分析する必要があるのはもちろん、得たデータから仮説思考を行い、施策の設定・構築・実装する作業も必要になります。 これら一連の流れは、コールセンター運営に詳しい担当者がいないと難しいケースもあります。そこで、電話代行サービスを利用してみてはいかがでしょうか。 株式会社中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。 株式会社中央事務所の電話代行サービスでは、経験豊富な営業コーディネーターが作成したスクリプトに基づき、質の高い応対品質を提供します。また、定期的に対応分析を行い、業務改善につながる提案が可能です。 コールセンター運用に苦戦しているのであれば、ご要望にそったご提案をいたしますので、お気軽にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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