コールセンターが繋がらない原因とは?起きうる問題や改善方法を解説
公開日 2024.07.31
更新日 2024.07.31
知識

コールセンターが繋がらない原因とは?起きうる問題や改善方法を解説

最近「コールセンターの電話がつながらない」という嘆きを良く耳にします。 電話がつながらない状態は顧客の不満を煽るだけでなく、オペレーターの負担増加や顧客接点としての機会損失を招き、センター運営に大きな影響を与えてしまいます。 今回は、コールセンターが繋がらない原因や問題点をとりあげ、具体的な解決方法について詳しく解説します。  

コールセンターが繋がらない状態になる原因

早速、コールセンターが繋がらない状態になる場合の想定される4つの原因について検証します。  

オペレーターの人員不足

電話がつながらない場合、真っ先に考えられるのはオペレーターの人員不足です。人員が不足すると対応可能件数が減るため、放棄呼やあふれ呼が発生しがちです。 また、オペレーターにかかる負担が増えるため、ストレスが溜まって退職につながるケースも少なくありません。その結果、さらに人員が減って繁忙するという悪循環が予想されます。 実は多くのコールセンターが慢性的な人員不足に陥っており、体制の見直しなどを含めて解決すべき問題となっています。  

1回あたりの応答に時間を要し過ぎている

オペレーターの1回あたりの応答に時間がかかりすぎるのも、電話がつながらない原因の一つです。 応対に時間がかかる要因としては、顧客との会話が長引く、顧客特定や対応履歴の確認に手間取る、スキル不足で保留の回数が多いなどが考えられます。 顧客とのコミュニケーションを図るために丁寧な応対は必要ですが、丁寧すぎる応対は逆効果であることも指導しなければなりません。 同時にスキルアップ研修などを実施し、保留回数を減らす工夫も必要です。  

電話以外の問い合わせ方法がない

電話以外の問い合わせ方法がない場合も、電話がつながらない状態になりがちです。 顧客が悩みを解決したくても電話以外の手段がなければ、つながらないのを我慢して延々とかけ続けなければなりません。 そのうち電話をすること事態が面倒になり、離れていく顧客も多いはずです。 「あの会社はいつかけても繋がらない」というイメージを持たれてしまう前に、チャットやメール、SNSなど電話以外のチャネルを検討することも必要でしょう。  

一時的な入電増加

電話がつながらない状態が日常的なものではなく、一時的な入電増加が影響している場合があります。 例えば商品の発売日やサービスの申し込み開始日、通販のコールセンターなどでテレビCMを流した直後などは入電が集中することが予想されます。 また営業開始直後や終了直前、休日明けの月曜日なども電話がつながりにくい傾向にあります。 いずれにせよ一時的な入電増加であれば、人員調整や折り返しを提案するスナッチ対応などで解決することが多いものです。  

コールセンターが繋がらないと起きうる問題

電話がつながらない状態は、一時的であれ慢性的であれ顧客にとって不便であることに変わりなく、コールセンターにとっては致命的です。 ここからは、コールセンターが繋がらないとどのような問題が発生するのか解説します。  

顧客満足度の低下やクレームが発生する

問題を解決したいから電話をしているのに、電話がつながらないことは顧客にとってストレスでしかありません。 数分待っても繋がらなければ、企業に対して不満を抱いたまま切電することになります。 顧客の多くは商品ばかりでなく、コールセンターの対応まで含めて企業の良し悪しを判断するため、電話がつながらないだけで顧客満足度は低下します。 さらに日々の細かい不満が蓄積し、やがてクレームとなって爆発することも少なくありません。  

オペレーターの負荷が増える

電話がつながらない状態が続くと待呼のサインが点灯し、放棄呼やあふれ呼が増えていきます。 その状態を横目で見ながら顧客対応をするオペレーターは、かなりの重圧を抱えながら業務を行っているといっても過言ではありません。 管理者からも後処理を短くするような指示もあり、ひっきりなしに鳴り続ける電話にオペレーターの負荷は増える一方でしょう。 その結果、ミスを起こしやすくなり顧客の不満につながるという悪循環になりがちです。  

機会損失が起きる

インターネットの普及で顧客との関わりが減っている昨今、顧客からの入電は顧客との接点を持つ絶好のタイミングです。 それにもかかわらず電話がつながらなければ多大な機会損失が発生し、チャンスを逃すことになりかねません。 コールセンターにとって新規顧客獲得やリピーターの獲得は企業の利益に直結します。電話が繋がらないがゆえの機会損失は、コールセンターの運営に関わる重大な課題であり、真っ先に解決するべき問題と言えるでしょう。  

コールセンターが繋がらない時に改善すべき指標

コールセンターが繋がらない時は、的外れの対策を講じても効果は現れません。電話のつながりにくさを速やかに解消するためには、ポイントを抑えた取り組みが必要です。 真っ先に注目すべき指標は主に以下の5つです。  

応答率

顧客からの取り合わせに対し、実際にオペレーターが応答できた割合を示す応答率は、企業への信頼感や売上に関わる大切な指標です。 一般的なコールセンターの応答率は90%程度と言われていますが、80%台に落ち込むと「電話がつながりにくい」という苦情が発生する恐れがあります。 それ以下になると待たされている顧客が多いと判断し、50%近くになると電話が鳴りっぱなしでオペレーターにも負担がかかり、早急な改善が求められます。  

総着信件数

電話がつながらない時は、総着信件数が増加していることがほとんどですが、増加の原因を検証し入電傾向を見極めることで改善につながる場合があります。 例えば、総着信件数を時間帯別に算出すれば電話が集中する時間帯や入電のリズムを検証することも可能です。 ただし、総着信件数はコールセンターの業務内容によってバラつきがあるため、日頃から自社の入電件数を把握し、件数の増加が異常値であるか否かを判断することが大切です。  

放棄率

放棄率は、コールセンターに問合せをしたい顧客がオペレーターにつながる前に電話を切ってしまった件数の割合を指します。 つまり、電話がつながらない状態が長引けば自然と放棄率も高くなり、顧客の不満が蓄積している危険性を示しています。 放棄率の平均は8.6%程度と言われていますが、低いに越したことはありません。「放棄率=放棄呼数÷着信件数×100」で計算できますので、常に意識しておくと良いでしょう。  

一次応答完結率

一次応答完結率も、注目すべき指標です。 一次応答完結率とは、オペレーターが1人で対応を完結できた割合を示す指標で、「1人で対応を完結できた件数÷全対応数×100」で算出できます。 数値が高ければ問題ありませんが、低い場合は応対に時間がかかり電話のつながりにくさに影響したと推察できます。 一次応答完結率はオペレーターのスキルによって左右されるため、スキルアップの目標に設定するのも効果的です。  

サービスレベル

コールセンターにおけるサービスレベルとは、設定した時間内にオペレーターが対応できた件数の割合のことで、電話のつながりやすさを示す最も重要な指標です。 サービスレベルは「設定した時間内の応答件数 ÷ 着信件数 ×100」で求められますが、一般的には「20秒以内に80%の電話をとる」ことがサービスレベルの基準と言われています。 80%を下回った場合は、電話がつながりにくいだけでなく応対品質にも影響するため、早急な改善が望まれます。  

コールセンターが繋がりやすくするための具体的な改善方法

最後に電話をつながりやすくするための具体的な改善方法について、6つの視点で解説します。 どの方法も、コールセンターの本来の目的である「顧客満足度の向上」に直結する重要な対策ばかりです。  

人員の増員

コールセンターが繋がらない理由が人員不足にあると判断された場合は、すみやかに人員の増員が必要です。 特に、電話がつながりにくい時間帯が限定されている場合は総着信件数、放棄率、あふれ呼率などを分析し、人員が不足している時間帯や人数の把握が不可欠です。 ただし、いきなり人員を増やすのではなく、テレワークや時短勤務を導入しながらシフト調整を行い、必要な時間帯のみ人員を厚くするなど勤務体制の見直しから始めるのが良いでしょう。  

オペレーターの育成強化

オペレーター育成を強化しスキルアップを図ることは、コールセンターの繋がりにくさを改善するための重要なポイントです。 1人1人の能力が向上して一時応答完結率やAHTが短縮できれば、増員が必要な人数も絞られ人件費の削減にもつながります。 具体的にはフローの再確認や商品研修、またロープレを実施しながらの応対研修など、個々の弱みをカバーするための研修を実施すると良いでしょう。 また、メンタルケアを兼ねての個人面談も効果的です。  

業務フローの見直し

業務フローの見直しは、1人1人の対応時間削減に大きな効果を発揮します。 煩雑で使いにくい業務フローはオペレーターの混乱を招き、結局フローどおりにできなかったという場合も少なくありません。 フローの改善の中で特に有効なのが「トークスクリプト」の見直しです。 過剰な対応を簡潔にするだけでも時間削減につながる上、丁寧すぎて慇懃無礼だなどという印象の改善にも役立ちます。 改善した後は必ず効果を検証し、常に最新の状態に更新することが大切です。  

ツールやシステムの導入検討

ツールやシステムの導入は電話のつながりやすさに大きな効果を発揮します。 すでに多くのコールセンターで導入され実績を上げているのが、音声ガイダンスを利用して自動応答を行う「IVRシステム」です。 IVRシステムは問合せ内容によって担当に振り分けられるため、オペレーターの負担を軽減することが可能です。 最近では音声認識可能なAIを搭載したIVRも登場するなど、システム導入による業務効率化が定番となりつつあります。  

電話以外の問い合わせチャネルの拡充

顧客のニーズが多様化する昨今、電話以外のチャネルの拡充は安定したコールセンター運営に不可欠です。 チャットやメール、SNSなどのチャネルがあれば、問い合わせが電話ばかりに集中することを回避できます。 最近ではチャット機能を利用して自動で会話を行う「チャットボット」が登場し、繁忙の削減に一定の効果を見せています。 チャネルの拡充は一時的に経費が膨らみますが、電話がつながらずパンク状態になるよりは費用対効果が高い方法と言えるでしょう。  

アウトソース検討

適正な人員配置が重要なことは理解できても、現状の人員数やスキルで対応できない場合は、積極的にアウトソースを検討するのも一つの方法です。 コールセンターに特化したアウトソースを導入することでオペレーターへの教育や管理が委託でき、研修にかかる人件費の削減にも繋がります。  

まとめ

「コールセンターが繋がらない」ことは、企業側にとっても顧客側にとってもデメリットでしかありません。 電話が繋がらない理由はコールセンターによって異なるため、まずは原因を検証し、考えられる対策を1つ1つ実行していくことが重要です。 原因によっては思い切ってアウトソースを活用したほうが、スピーディーに改善できる場合もあるはずです。 中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。 スピーディーな問題解決のために上手にアウトソースを活用し、質の高いコールセンター運営を目指してみてはいかがでしょうか。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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