公開日 2024.07.01
更新日 2024.07.01
知識
コールセンターのオペレーター教育で行うべきカリキュラムとは?
コールセンターの運営において、「優秀な人材を育成したいけど効果的な教育方法がわからない」「研修の効果が現れない」という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、コールセンターのオペレーター教育を円滑にすすめるポイントや、具体的な研修方法を解説していきます。
なぜコールセンターのオペレーター教育が重要なのか
オペレーター教育はコールセンター運営を成功に導くための大切な要素といえます。効果的な教育を実施すればオペレーターのスキルアップになるだけでなく、企業の利益にもつながります。
オペレーター教育が重要な理由を、4つのポイントに分けて解説します。
応対品質を平準化するため
オペレーター教育の最大の目的は応対品質の向上です。応対品質が高いオペレーターは、顧客の真意を汲み取り、適切な解決方法の提案ができるため顧客満足度が上がり、企業に利益をもたらす重要な役割を果たします。
一方、応対品質が低ければ顧客の不満を招き、企業のイメージダウンにつながりかねません。
そのようなバラつきを無くすためには、カリキュラムに基づくオペレーター教育を実施し、応対品質を平準化して底上げを図る努力が必要です。
業務効率化を行うため
業務の効率化を図るためにもオペレーター教育は有効です。適切な教育を実施すれば、処理能力がアップし対応件数が増える、PC作業が早くなって後処理時間が削減できるなど、業務を効率化させ生産性を上げることができます。
一人一人のオペレーターのスキルアップが企業の利益につながるため、しっかりと教育する必要があるでしょう。
優秀な人材の育成を行うため
優秀な人材を育成するためにもオペレーター教育は欠かせません。そもそもコールセンター運営の良し悪しは、優秀なオペレーターをどれだけ育成できるかにかかっているといっても過言ではありません。
コールセンターにとって優秀な人材とは、会話のテクニックだけでなく顧客に対して好印象を与え、企業のイメージアップに貢献してくれるオペレーターです。
人材育成は熱意と時間がかかる仕事ですが、育成なくしてコールセンター運営は成り立たないことを理解しなければなりません。
オペレーターの定着を図るため
コールセンターは離職率の高い業界です。離職する原因の多くは顧客から無理難題を言われる、すぐに答えられない、ノルマが達成できないなど、スキル不足によるものも少なくありません。
解決方法として商品研修やクレーム対応研修、またセールストークの訓練などを実施すれば心の負担が減り、離職を思いとどまるケースが増えるのではないでしょうか。
加えてメンタル面でのフォローも同時に行えば、オペレーターの定着率向上につながるはずです。
コールセンターのオペレーターに必要なスキル
効果的なオペレーター教育を実施するには、ポイントを押さえた研修計画をたてることが重要です。
コールセンターのオペレーターに必要なスキルにあわせ、どのような研修が必要なのか、
それぞれ解説します。
問題解決能力
コールセンターにおける問題解決能力とは、顧客の悩みを理解し解決策を提案することです。特に、保留や折り返しにせず即答する「一次解決能力」が高いオペレーターは、顧客を待たせず好印象を与える優秀なオペレーターです。
一次解決ができるか否かはオペレーターの知識の問題であることが多く、研修によって補うことが可能です。
新人であれば、マニュアルがない場合の対処方法やエスカレの方法なども、合わせて再確認しておくことが大切です。
共感力・コミュニケーション能力
顧客の真意を汲むためには、共感力やコミュニケーション能力も重要なスキルです。
顧客は自分の話に共感してくれた、自分に興味をもってくれたと感じてこそ心を開くもので、会話が進まなければ相手の求めることが理解できません。
共感力やコミュニケーション能力は一朝一夕に身につくものではありませんが、相手の言葉を「復唱する」「オウム返しをする」ことや、相手の声に合わせてトーンを変えるなどのテクニックを盛り込むと良いでしょう。
基本的なPCスキル
コールセンター業務において基本的なPCスキルは不可欠です。PC操作でまごついて会話がぎこちなくなるのは本末転倒であり、顧客を待たせるだけでなく生産性においても致命的です。
逆に文字入力が早ければ後処理時間の短縮になり、放棄呼率を減らすことができるので、「電話が全然つながらない」といった顧客の不満解消につながるでしょう。
入力スピードは訓練によって上達するものですが、ショートカットキーや単語登録の使い方をカリキュラムに盛り込むのも効果的です。
コールセンターのオペレーター教育で伸ばすべきこと
優秀なオペレーターを育成するために伸ばすべき「5つのポイント」について解説します。教育担当者だけでなくSV・リーダーと共有し、日々の業務の中でも指導できるように落とし込んでおきましょう。
応対速度の向上
応対速度の向上は顧客満足度の向上に直結します。さらに、応対速度が上がればコールセンター全体の応答率アップにもつながります。
経験が長いオペレーターほど応対速度も早い傾向にありますが、慣れからくる事務的な会話には注意しなければなりません。
その点、新人オペレーターは知識が少ないため、研修によって知識が増えれば応対速度は格段に早くなり自信もついてくるはずです。管理者は随時応対速度をチェックして、フィードバックしてあげると良いでしょう。
応対力の向上
オペレーターの経験やスキルによって幅があるのが応対力、いわゆるコミュニケーション能力です。コールセンターの顧客は年代や性別もさまざま、話し方や問合せ内容も千差万別なので、顧客の雰囲気やニーズに合わせてコミュニケーションを図るという難しさがあります。
応対力を向上させるには聴く力、伝える力などはもちろんのこと、相手の話すスピードに合わせる、高齢者なら大きい声で話す、相手の言葉を遮らないなど、具体的なテクニックの教育も必要です。
クレーム対応力の取得
コールセンターにおいて「経験がものを言う」のがクレーム対応です。コールセンターで働く以上クレームは避けて通ることができませんが、精神的にダメージを受け離職につながることも少なくありません。
オペレーターで解決できない事案は管理者が引き継ぐのが一般的ですが、よりお客様を不快にしてしまったり、出来ない約束をしてしまったりしないよう指導する必要があります。
まずはクレームに対する心構えを教え、聞くことに徹する、共感するなどの考え方を身につけさせることが重要です。
モチベーションマネジメント
オペレーター教育で結果を出すためにはスタッフのモチベーションが不可欠です。仕事に対するモチベーションが低ければ、どれだけ細やかなカリキュラムを組んでも糠に釘になりかねません。
インセンティブなどがあれば別ですが、時給制のように目に見えるメリットがなければ、モチベーションを維持させることは難しいでしょう。
日頃から褒める習慣を欠かさず、自分の努力次第で昇給や昇格につながることをイメージさせることが大切です。
ストレスケアマネジメント
モチベーションの高さはストレスの有無に大きく関係します。オペレーターが伸び悩む背景には、スキル不足のほかに何らかのストレスを抱えていることが少なくありません。
まずは、スタッフ向けの満足度調査を実施する、個人面談をして話を聞くなどのフォローを実施し、ストレスの原因をさぐることが大切です。
原因がスキル不足によるものであれば研修を実施して知識を補う、また、ストレスが人間関係にある場合は、できる範囲で配置換えを検討するのも有効です。
コールセンターのオペレーター教育の種類
ここからは、コールセンターのオペレーター教育に欠かせない3つの研修について解説します。下記の研修はコールセンター教育の柱であり、次のステップに進むための足がかりとなる重要な研修です。
それぞれ解説します。
初期研修
初期研修は、主に新人対象に行うのが一般的です。コールセンターの基本スキルといわれる「ソフトスキル」と「ハードスキル」に沿って研修を行います。
<ソフトスキル>
顧客に好印象を与える話し方を中心に、会話を円滑に進めるためのコミュニケーション能力、顧客の悩みを聞き出すヒアリング力など、顧客との接し方に関わるスキル全般を指導します。
<ハードスキル>
システムの使い方や商品知識、エスカレーションの方法など、業務をすすめるための具体的なスキルを身につけさせることが目的です。
コールセンターが全く初めてというオペレーターにとってはかなりのボリュームですが、優秀な人材を見分けるチャンスにもなるので、力を入れるべき研修の一つです。
フォローアップ研修
初期研修を終えてデビューした新人を対象に行うのが「フォローアップ研修」です。いわゆる、PDCAサイクルのC(チェック)にあたるものですが、フォローアップ研修を行うことで新人の理解度を確認し、足りないスキルを補うことができます。
具体的には、理解度テストを実施し不明点を再確認した後、モニタリングをしてフィードバックをするのが効果的です。
特に、知識の少ない新人はフォローアップ研修後に急成長する可能性があるので、やりがいのある研修とも言えるでしょう。ただし、フィードバックをする担当者によって評価にバラつきがあってはなりません。評価基準を明確にした上で、個々の強み・弱みを考慮した評価をすることが重要です。
スキルアップ研修
コールセンターでの経験を積み一定のスキルを満たしたオペレーターには「スキルアップ研修」が効果的です。
スキルアップ研修では、コールセンターのプロとしてさらなるステップアップを目指すために、セールストークに特化した話法や法人向けのトーク、また1次対応でクレームを処理するテクニックなどを盛り込みます。
また、「マネジメントスキル」「モニタリングスキル」といったリーダーやSVに必要な知識も取り入れることで自身のスキルを客観的に見つめるだけでなく、管理者としてのセンスを引き出すきっかけにもなります。
コールセンターのオペレーター教育のポイント
オペレーター教育は、やみくもに行ってもコストがかかるばかりで、求める結果につながらないことも珍しくありません。
コールセンターにおけるオペレーター教育のポイントを再確認し、オペレーターと管理者双方にメリットのある研修を行うことが重要です。
3つのポイントについて解説していきます。
教育マニュアル・カリキュラムを用意する
オペレーター教育を実施する上で教育マニュアルとカリキュラムはどちらも不可欠です。ただし内容がわかりにくかったり具体的に何をするのかがわからなかったりすると、問題解決の役に立たないものになってしまいます。
そこで重要なのは、基本のトークスクリプトはもちろんのこと、困った時のQ&A、実際に発生したミス事例、切り替えしのトーク集など、現場ですぐに使えるマニュアルを用意することです。
また、画像や表などを利用して一目で見てわかる表現にする工夫も必要でしょう。
各オペレーターのスキルレベルに合わせる
コールセンターには新人からベテランもいれば、また10代〜70代と経験も年代もさまざまなオペレーターが在籍しているケースがあります。
そのため、研修の効果を発揮させるためには、各オペレーターのスキルレベルに合わせた研修を実施する必要があります。
日頃からオペレーターの仕事ぶりを把握し、レベルに応じた教育をタイミングよく実施することで、全体の底上げにもつながるはずです。
モニタリングをし、FBを行う
モニタリングはオペレーターのスキルを把握する上で効果的な手法の一つです。研修後の理解度を確認するためにもモニタリングは欠かせません。
ただし、モニタリングして終わりではスキルアップにはなりません。モニタリング後はフィードバックを実施して改善点を伝えるとともに、必ず良かった点も伝えて自信につなげることが重要です。
またモニタリングとフィードバックは定期的に行い、改善されているかどうかのチェックを継続することも大切です。
まとめ
教育カリキュラムを精査して効率よく研修ができれば、コールセンター全体の業務効率化につながります。とはいえ、オペレーター研修は細かい心配りと辛抱強さが求められるのも事実です。
既存のオペレーター教育と並行して、質の高い教育を受けたスタッフの採用を検討するのも良いでしょう。
中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございますのでぜひ一度ご相談ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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