公開日 2024.06.20
更新日 2024.06.20
知識
コールセンターで必要な役割とは?定義や業務内容について解説
年々増え続けているコールセンターですが、その背景には、人材不足に悩む企業が品質向上などを目的として、問い合わせ業務を外注するケースが増えていることがあげられます。
今後も、ニーズの多様化によりコールセンターの市場規模は加速するとみられ、コールセンターに課せられた役割も幅広くなるでしょう。
本記事では、コールセンターにおいて必要な役割とその理由について解説します。
どれも質の良いコールセンター運営に欠かせない土台になる内容ばかりですので、ぜひ参考にしてください。
コールセンターにおいて必要な役割
コールセンターは、さまざまな役割を担う人材で成り立っています。
コールセンター運営を円滑に進めるためには、それぞれの役割を自覚し、任務を全うすることで、チームとして連携することが大切です。
最初に、コールセンターに必要な役割を見ていきましょう。
オペレーター(コミュニケーター)
コールセンターになくてはならないのが、「オペレーター」や「コミュニケーター」と呼ばれるスタッフです。
最初にお客様対応をするため、「企業の顔」としての役割を担う大事な存在です。
・第一声でいかに印象を良くするか
・相手の話を遮らず、聞くことができるか
・正しい敬語や日本語が使えるか
など、教育の結果がストレートに現れるポジションでもあります。
コールセンター業務は主に、電話を受ける「インバウンド」と、電話をかける「アウトバウンド」に分かれますが、オペレーターの性格や好みによっては、十分な力が発揮できない場合も少なくありません。
日頃の業務の中で管理者がスタッフの得手不得手を見極め、必要に応じて配置転換などを実施するなど、個々の特性を活かした体制作りが必要です。
ラウンダー
コールセンターにおける「ラウンダー」とは、いわばオペレーターの見守り役です。いち早くオペレーターのフォローができるように、常にセンター内を巡回しています。
実際ラウンダーがいるのといないのとでは、問合せ1件にかかる時間が大きく異なります。
なぜなら、常にオペレーターの近くを巡回することで、
・エスカレーションがあった時にすぐにかけつけられる
・後処理の長いオペレーターに注意を促す
・対応が長引いている会話をモニタリングし、適宜アドバイスができる
など無駄な時間を極力減らし、稼働率、平均処理時間(AHT)や平均通話時間(ATT)といった、センター運営に直結する指標を高めることができるからです。
コールセンター業務は、まさに時間との戦いです。フットワークの軽いラウンダーが果たす役割は大きいと言えるでしょう。
リーダー
「リーダー」の主な業務はオペレーターのサポートですが、ラウンダーと違うところは、ラウンダーの判断で解決できない案件を処理したり、SVや上長に相談したりするといった業務が加わることです。
リーダーに任命される人は、オペレーターからスタートして経験を積み、その名のごとくリーダーとしての資質を持っていると判断される人で、将来のスーパーバイザー(SV)候補と言ってもいいでしょう。
実際、センターによっては、オペレーターの勤怠管理や健康管理を任されているリーダーもいます。オペレーターの中には、「SVに相談しにくいことでもリーダーには言える」のように、スーパーバイザー(SV)の補佐役として定着しているリーダーも珍しくありません。
スーパーバイザー(SV)
コールセンターにおけるスーパーバイザー(以下SV)の業務は多岐にわたります。
ラウンダー、リーダーと大きく違うところは「人材育成」に携わる部分です。立場的には会社側に位置し、
・オペレーターの勤怠管理やシフトの作成
・マニュアルの作成
・クライアント対応
・研修計画の立案や新人研修
・難しいクレーム対応
など、幅広い知識と行動力が求められるポジションです。
SVの多くは、これまでの経験やスキルが認められ、将来性を買われて抜擢された人がほとんどですが、「オペレーターを定着させる努力をしながら、人件費やコストを削減する」というように、一見相反する業務に疲弊してしまうSVも少なくありません。
SVの稼働を削減し、定着率を上げることは、安定したコールセンター運営の要となるでしょう。
マネージャー
コールセンターにおけるマネージャーはSVの直属の上司にあたります。
SVの育成や教育はもちろん、センター全体の収支を意識した採用計画や配置を管理することで、最終的にコールセンター全体の収益を上げるのがマネージャーの役割です。
また、社内の他のコールセンターと連携して人材の調整などを行うことで、企業全体の機会損失を防ぎ、利益向上を目指すという重要な役目を担っています。
とはいえ、マネージャーの右腕となるSVがいてこそ、マネージャー業務を円滑に進めることができます。
まずは、将来のマネージャー候補となるSVとの信頼関係を築き、SVを統括できるようなリーダーSVが育成できれば、安心して現場を任せられ、マネージャー業務に専念することができるはずです。
センター長
センター長は、コールセンターの最終的な責任者として、センター全体の管理・運営を行います。
現場での具体的な業務は、マネージャーの段階で解決していることがほとんどですが、大きな問題が発生したり、社外の関係者との対応をしたりする場合はセンター長の出番です。
普段は現場にいることは少ないポジションですが、いざという時には頼りになる存在です。
コールセンターとしての将来の目標、夢、ビジョンを熱く語り、それをセンター長からマネージャー、マネージャーからSV、SVからオペレーターへと落とし込んでいきます。
リーダーシップのあるセンター長の一言は、モチベーションをアップさせ、活気のあるコールセンター運営の一助となるでしょう。
コールセンター運営で役割が必要な理由
さて、ご紹介したとおり、コールセンターにはさまざまな役割がありますが、そもそも役割分担が必要なのはなぜでしょうか。
その理由は大きく分けて3つです。
・指揮命令系統を明確にするため
・品質を一定に保つため
・KPIや戦略を統一するため
一つずつ解説していきます。
指揮命令系統を明確にするため
コールセンターには、毎日何十本、何百本という問い合わせが入ります。中にはマニュアルにない質問や、無理難題を言われて対応に困る場面も少なくありません。
回答できない場合は、管理者にエスカレーションをして指示を仰ぐのが基本ですが、その都度SVが駆けつけていたら、SVの体がいくつあっても足りません。
そのために、まずはラウンダーが巡回をして手が上がる前に解決したり、簡単な質問であればリーダーが対応し難しい場合のみSVに連携したりするなど、分担すれば効率よくサポートすることができます。
目下、SVの業務量の多さが問題になっていますが、エスカレーションで時間を取られてしまうあまり、応対品質やスキルチェックができなければ本末転倒です。
その点からも、ラウンダーやリーダーの存在は大きいと言えるでしょう。
品質を一定に保つため
コールセンターは、電話のつながりやすさを計る「接続品質」、顧客満足に直結する「応対品質」など、決められた指標を元に日々、品質維持に取り組んでいます。
特に応対品質は、品質が良ければ顧客満足度の向上につながり、悪ければ苦情に発展したり、企業のイメージそのものを損なわせてしまったりする、重要なものです。
とはいえ、物事の良し悪しというのは人によって解釈にバラつきがあるので、「良い」「悪い」という感覚的な判断ではなく、数値化されたチェック項目を元に、判断基準を一定にしなければなりません。
そのために、あらかじめ品質管理の担当者を決め、チェック項目や判断基準を落とし込むことで、品質を一定に保つことができるのです。
KPIや戦略を統一するため
コールセンターの目標や戦略を達成するためには、「KPI」という目標数値をクリアすることが不可欠です。
例えば、応対品質のKPIとして「応答率」「放棄率」、また生産性や収益性に関するKPIとして「平均通話時間」「平均処理時間」「稼働率」などがあり、どのKPIも、センターの収支目標やクライアントの要望を元に落とし込まれます。
立てられた計画(Plan)はオペレーター教育によって実行(Do)され、評価(Check)、改善(Action)というように、役割を決めてPDCAサイクルを進めることが重要です。
つまり、センターに関わる全ての人間がKPIの目標値を把握して共有し、KPIや戦略を統一することが、目標達成の近道と言えるでしょう。
それぞれの役割の業務内容
コールセンター運営を円滑に進めるためには、全てのポジションがバラバラに動くのではなく各ポジションが上長の命令を忠実にこなし、報・連・相をしっかりと行うことが大切です。
センター長:コールセンター運営責任者。コールセンターの収支管理、センターのビジョンや長期計画立案
マネージャー:現場責任者。リスク管理、採用計画、優秀なSVの育成
SV:オペレーター管理、新人教育、シフト作成、マニュアル作成、クライアント対応、マネージャーの補助
リーダー:SVの補佐、二次対応、SVとオペレーターの仲介役
ラウンダー:オペレーターのフォロー
オペレーター(コミュニケーター):一次対応
センターの規模によってはラウンダーという役割を設けていなかったり、SV業務をマネージャーが兼務したりとさまざまです。
ただし、その場合は管理者の繁忙を減らすために、優秀なオペレーターをラウンダーとして起用したり、簡単な二次対応はベテランのオペレーターに任せたりするなどの工夫が必要でしょう。
コールセンター全体としての役割
さて最後に、コールセンター全体としての役割を考えてみましょう。
コールセンターに課せられている使命は大きく分けて3つです。
・顧客の疑問や悩みを解決する
・顧客との関係を深める
・利益を生み出す
それぞれ解説していきます。
顧客の疑問や悩みを解決する
コールセンター最大の使命は、顧客の疑問や悩みを解決することです。
電話一本かければすぐにオペレーターに繋がって、タダで悩みが解決するなんて、顧客にとっては夢のようなサービスに違いありません。
インターネット環境がどれだけ普及しても、「直接話したい」「ネットでの個人情報漏洩が心配」など、コールセンターのニーズは高まるばかりです。
とはいえ、理路整然とお話してくれる方ばかりではありません。
注文を受けて、はい終わり、ではなく、顧客が求めているもの、いわゆる「真意を汲む」配慮の出来るオペレーターを育てることが、これからのコールセンターに求められる最大の課題と言えるでしょう。
顧客との関係を深める
声という武器を使って、顧客との信頼関係を深めるのがコールセンターの仕事です。
その観点から言えば、コールセンターはサービス業であり、接客業と言っても過言ではありません。
たとえ顔が見えなくても、声に現れる相手の喜怒哀楽をキャッチしながら対応することで、信頼関係が深まり、「電話して良かった」と思ってもらえたら成功だといえます。
顧客満足度が向上するだけでなく、コールセンター全体のイメージアップに直結するでしょう。
また、顧客との関係が深まることで、オペレーターに対するお褒めの言葉、またはお叱りの言葉を頂くこともありますが、その一つ一つがサービス向上につながる貴重な意見です。
顧客からの声を集めて分析を行い、時代に沿ったサービス改善をするのも、コールセンターの重要な役割の一つです。
利益を生み出す
コールセンターを業務委託する企業は年々増えています。
理由は、システム管理や事務費、人件費などの削減や人材不足があげられますが、単純な人材確保ではなく「教育されたコールセンターのプロ」を求めているというのが本音でしょう。
・応対品質改善による企業イメージの向上
・顧客との信頼関係によるリピーターの定着
・リピーターに向けての販売促進
・クレーム対応
など、時間と手間のかかる作業が、本来の業務を圧迫しているのも事実です。
「餅は餅屋」という言葉もあるように、コールセンターの業務はコールセンターに任せることで企業全体の生産性が上がり、結果的に利益を生み出すことにつながります。
質の良いコールセンターは企業に利益をもたらし、ひいては社会全体の発展に寄与する、大きな役割を担っていると言っても良いでしょう。
まとめ
時代と共に変化していくコールセンター。感染症対策をきっかけに在宅勤務に移行するセンターを増やした企業や、AI技術を導入し、業務の効率化に乗り出した企業も登場しました。
ただし、どんなにAIが進歩しても、オペレーターがいなければコールセンターは成り立ちません。
コールセンターへの期待が高まる中、どのコールセンターも優秀なオペレーターやSVの確保に必死です。
中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。
質の良い人材を確保できれば管理者の負担も軽減し、コールセンターの雰囲気も改善され、コールセンター最大の課題である、離職率の低下も期待できるでしょう。
コールセンター運営のことなら、業界を熟知した中央事務所にぜひご相談ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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