コールセンターのエスカレーションとは?スムーズに行う方法やコツを解説
公開日 2024.06.20
更新日 2024.06.20
知識

コールセンターのエスカレーションとは?スムーズに行う方法やコツを解説

一日に何十件、何百件と対応しなければならないコールセンターでは、クレームを含め様々な内容の問い合わせが発生します。

プロのオペレーターたちは、管理者とのエスカレーションを通じて、すみやかに回答できるように教育されています。

この記事では、コールセンター運営に携わる皆様のために、エスカレーションをスムーズにする方法やエスカレーションする際のコツについて解説します。

今日から現場で活かせることばかりですので、ぜひ参考にしてください。

 

コールセンターのエスカレーションとは?

エスカレーション、通称「エスカレ」は顧客満足度をアップさせるために欠かせません。

エスカレーションとは、通話中にオペレーターが判断できない問合せを受けた時、電話を保留して、スーパーバイザー(SV)などの管理者に指示を仰ぐ作業のことです。

本来なら電話を保留せずに回答することが理想ですが、マニュアルにない質問や、温度感の高い顧客に対応しきれないなど、エスカレーションに費やす時間は少なくありません。

実際、多くのコールセンターで、「保留時間が長い」「エスカレーションの回数が多い」などの問題点があげられています。

どちらもオペレーターの知識不足によるものがほとんどですが、オペレーターの伝達の仕方が「何を言いたいのかよくわからない」というケースもあります。

顧客満足度に直結する応対品質改善のためにも、エスカレーションをスムーズに行うことが、コールセンター運営の大きなカギになります。

 

エスカレーションをスムーズにする方法

それでは早速、エスカレーションをスムーズにする方法からご紹介しましょう。

ポイントは、
・エスカレーションの判断軸を明確化する
・エスカレーション先・フローを明確化する
・エスカレーション次の情報共有項目を整理する

の3つです。一つずつ解説していきます。

 

エスカレーションの判断軸を明確化する

「わからないことがあったら挙手する」というのがコールセンターの基本ですが、中には、資料を確認する前にすぐに手をあげるオペレーターや、顧客を何分も待たせて、自力で調べようとするオペレーターなど千差万別です。

資料を見ればわかることでエスカレーションが行われると、SVが何人いても足りず、タイミングを逃せばクレームに繋がりかねません。

中には、SVが忙しそうだからといって遠慮する人もいるため、どのタイミングで挙手をするかを明確にしておく必要があります。

例えば、

・保留は1分以内
・苦情やクレームであっても、まずは話を聞く
・「別の人に代わって」と言われたらすぐに挙手

など、具体的にルールを決めておくと判断がしやすいでしょう。

 

エスカレーション先・フローを明確化する

オペレーターの多くは、「わからないことを聞かれたらどうしよう」「クレームだったら嫌だな...」と不安を抱えながら対応しています。

応対品質を統一するためにも、用件別のフローやエスカレーション先が一目でわかる資料は不可欠です。

また、フローがあると管理者の負担軽減や作業の効率化ができるだけでなく、一つの案件がどのような流れで処理されて解決に導くのか、オペレーターに責任感を持たせることもできます。

例えば、「責任者に代わって」と言われて対応交代したとしても、クレーム案件として報告書を提出するなどのフローがあれば、「SVに投げて終わり」ではなくなります。

もちろん、誰が見てもわかりやすいフローであることは言うまでもありません。

 

エスカレーション時の情報共有項目を整理する

エスカレーションした内容を整理して、管理者だけでなくオペレーターとも共有できるようにしておくと、同じような用件があった時に活かすことができます。

例えば、マニュアルに追加するもの良いですし、「こんな時はどうする?」といったQ&A集を作成するのも効果的です。

対応記録などはテンプレート化しておくと便利です。作成したフローなども常に最新の情報にしておく必要があるでしょう。

昨今の情報過多の時代において、顧客はいろいろな情報や知識を持っています。エスカレーションで得た情報を次に活かさなければ、管理者もオペレーターもいつまでたっても作業に追われるばかりです。

不必要なエスカレーションを減らすためにも、情報共有の整理は不可欠といえるでしょう。

 

エスカレーションする際のコツ

ここからはスムーズにエスカレーションを行うための、具体的な方法とコツを解説します。

ポイントは、

・時間を意識する
・結論から伝える
・ヒアリング不足がないようにする
・温度感なども伝え漏れがないようにする

の4つです。

 

時間を意識する

エスカレーションは多くの場合、顧客対応中に電話を保留して行いますが、実は顧客のほとんどは、保留時間が30秒を超えると「長い」と感じています。

また、質問を受ける→保留して自分で調べる→わからないから再度保留する、というように、挙手された時点で数回保留しているケースも珍しくありません。

オペレーター側は調べることに必死なので、待たせている意識が薄いのも事実です。

時間ばかり気にして冷たい対応になってしまったら本末転倒ですが、常に時間を意識しながら、エスカレーションの際はシンプルに要点を伝え、顧客を待たせない心構えが大切です。
保留にする際は「何度もお待たせして申し訳ありませんが...」「大切なことなので確認してまいります」とお伝えするなど、配慮は忘れないようにしましょう。

 

結論から伝える

エスカレーションする際は、結論から先に伝えましょう。

なぜなら、伝え方によっては、「何が言いたいのかよくわからない」ことが少なくないからです。

限られた時間の中で焦る気持ちはわかりますが、顧客との会話を時系列に沿って伝えたら、時間がいくらあっても足りないばかりか、「結局、何をしてほしいの?」ということにもなりかねません。

応対品質の観点から、「保留は1分以内」と定めているコールセンターが多いようですが、1分間で用件を伝えて管理者の指示を仰ぐのは至難の業です。

顧客の要望と問題点を先に伝え、「管理者が何をすれば良いのか」を明確にすることで作業が捗り、ひいては顧客満足につながります。

 

ヒアリング不足がないようにする

エスカレーションには、少なからず緊張が伴います。なぜなら、自分が顧客の質問に答えられない後ろめたさや、何度もお待たせしてしまうことに対する罪悪感があるからです。

また、相手が不機嫌な様子だと、肝心な事が聞けずに焦ってしまうこともあるでしょう。

ただし、二次対応をする管理者からすると、情報が不足していると的確なアドバイスが出来ないどころか、再度確認するなどの手間もかかります。

一番問題なのは、ヒアリングが不足していることで顧客の真意を汲み取れず、相手の求めていない回答をしてしまうことです。

新たなクレームにつながらないとも限らないため、顧客の目的・要望はきちんとメモを取り、エスカレーションしましょう。

 

温度感なども伝え漏れがないようにする

複雑な用件であればあるほど、エスカレーション時に伝える内容も多くなります。

顧客情報はもちろんのこと、すぐに回答してほしいのか折り返し希望なのか、また連絡先や時間帯、誰からの回答を求めているのかなど、多岐にわたります。

その中でも忘れてならないのは、相手の温度感を伝えることです。

・お待たせしている間に不機嫌になってしまった
・間違った回答をして注意を受けた
・チラッと苦情を言っていた

など、クレームの芽になりそうな情報も忘れずに伝えなければなりません。

その情報を元に優先度を決めたり担当者を振り分けたりすることで、エスカレーションの時間が短縮できれば、双方にとって満足のいく結果となるでしょう。

 

エスカレーションを減らすためにできること

コールセンターによってエスカレーションの頻度は異なるものの、管理者の稼働を増やしていることに違いはありません。

・オペレーターの教育方法を見直す
・マニュアルを充実させる

などで不必要なエスカレーションを減らすことができれば、業務効率が上がり、オペレーターの自信にもつながります。

 

オペレーターの教育方法を見直す

エスカレーションが発生する背景として、オペレーターの知識不足が挙げられます。

対策としては、研修内容を含めたオペレーターの教育方法を見直すのも一つの方法です。

多くの場合、新人を採用する際は商品知識や、マニュアルに沿った研修をするのが一般的ですが、デビュー後のフォローが手薄になっているのは否定できません。
ある大手通販会社のコールセンターでは、1ヵ月に1回「理解度テスト」と称して、待機時間にペーパーテストを実施し、知識のチェックをしているように、日増しに増える商品やサービスを理解するために効果があるといいます。

また、特にエスカレーションが多いオペレーターに関しては、原因を調査し、個別に指導するのも有効です。

 

マニュアルを充実させる

どのコールセンターも、マニュアルやFAQが準備されているはずですが、更新が追いついていないというコールセンターも多いのではないでしょうか。

もし、マニュアルに不備があるようなら内容を一新すると共に、探しやすくカテゴリー分けするなどの工夫が必要です。

なぜなら、せっかく充実したマニュアルを作成しても、

・マニュアルがどこにあるかわからない
・欲しい情報がどこに書いてあるかわからない
・資料がありすぎて、探すのが面倒

というオペレーターが意外と多く、資料を探すことを諦めてエスカレーションするケースも少なくないからです。

オペレーター教育の際は、マニュアルの場所や、一つ一つの内容についても指導することが大切です。

 

まとめ

受電数が多ければ多いほどエスカレーションの数も増え、必然と管理者に負担がかかります。

SVの負担軽減については、どのコールセンターも頭を抱えている問題の一つです。

エスカレーションの数を減らして、エスカレーションにかかる時間を削減できれば、生産性が上がるだけでなく、SVの負担も減り、離職率を食い止めることもできるでしょう。

とはいえ、それにはオペレーターや管理者に対して教育を徹底し、質の高いサービスを提供できるプロ集団を構築する必要があります。

中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)という確かな実績があります。また、カスタマー応対率95%(※3)を維持するサポートの手厚さも強みです。

コールセンターが乱立する昨今、質の良いコールセンター選びは重要です。コールセンター運営のことなら、業界を熟知した中央事務所にぜひご相談ください。

※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出

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