公開日 2024.05.18
更新日 2024.05.18
知識
コールセンターの受電業務はストレスが多い?その要因や解決方法とは
コールセンターの受電業務は、苦情・クレームへの対応や長時間の電話応対など、さまざまなストレスにさらされています。このストレスが積み重なると、オペレーターのモチベーションが下がり、離職率が上昇する危険性があります。
コールセンターを効果的に運営し、パフォーマンスを維持するためには、ストレス対策が不可欠です。
この記事では、受電業務におけるストレス要因とその影響に焦点を当て、具体的な改善策をご紹介します。
コールセンターとは?
コールセンターは、企業や組織が主に電話を通じて顧客とやり取りする窓口です。具体的な業務内容は後述しますが、オペレーターは、顧客からの問い合わせに答えたり、目標を達成するために電話をかけたりします。
コールセンター は、顧客との重要な接点であり、顧客満足度向上や売上増に貢献する重要な窓口です。しかし、オペレーターは時折、クレームや難しい要求に直面し、ストレスを感じることがあります。そのため、管理者はオペレーターのストレス要因を理解し、適切な対策を講じることが肝要です。
コールセンターの主な業務内容
コールセンターの業務内容は、大まかにアウトバウンド業務(発信)とインバウンド業務(受電)の2つに分けられます。
アウトバウンド業務
オペレーターが自ら、顧客や潜在顧客に連絡を取る業務です。顧客の拒絶や無視が多く、オペレーターの自信やモチベーションに影響を及ぼすことがあります。
業務内容には、以下のようなものが含まれます。
● マーケティング:市場調査を通じて、マーケティング戦略を実行する
● 営業活動:新商品やサービスのプロモーションを行い、顧客を獲得または維持する
● アンケート調査:顧客の意見やフィードバックを収集し、商品やサービスの改善に役立てる
インバウンド業務
顧客からの問い合わせに応対する業務です。クレームや不満を抱えた顧客との接触が時折あり、オペレーターは感情をコントロールし、適切に対応する必要があります。
業務内容には、以下のようなものが含まれます。
● 問い合わせ対応:顧客からの質問や疑問に応じる
● クレーム対応:不満やクレームに対応し、解決策を提供する
● 注文受付:商品やサービスの注文を受け付け、処理する
コールセンターの受電業務をストレスに感じやすい理由
コールセンター業務には、アウトバウンド業務(発信)とインバウンド業務(受電)が存在しますが、とくに受電業務はストレス負荷がかかりやすいとされています。
その理由は以下の通りです。
● クレーム対応が多く、自分が責められている気持ちになりやすい
● 電話を受け続けなければいけない
● 様々な問い合わせがあり柔軟に対応する必要がある
● 常にスピードが求められる
これらの要因が複合的に影響し、受電業務はストレスが蓄積しやすい環境とされています。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
クレーム対応が多く、自分が責められている気持ちになりやすい
受電業務におけるストレス要因の一つは、クレーム対応が多く、オペレーターが自分を責める気持ちになりやすいことです。顧客からのクレームや不満に対処する際、オペレーターは以下のような心理的プレッシャーに直面し、ストレスを感じやすくなります。
<責任感>
オペレーターは、企業の顔として顧客と接し、問題を解決する役割があります。問題が解決できないと、「自分にスキルが足りなかったからだ」などと、自分自身のせいだと感じることがあります。
<問題解決>
クレーム対応は複雑で難しい場合があり、解決できないと自己評価に疑念を抱くことがあります。
<非難への恐れ>
クレームの中には、オペレーターを責めたり批判したりするものが含まれます。これが続くと、オペレーターは自分自身を責めたり、自己評価を下げたりすることがあります。
電話を受け続けなければいけない
受電対応は、顧客からの問い合わせやクレームに対応する重要な業務です。しかし、電話を連続して受け続けることは、オペレーターにとって大きなストレス要因となります。
その理由は、以下のとおりです。
<休憩の余裕がない>
繁忙期などには、電話が絶え間なくかかってくるため、休憩が取れないケースもあります。この状況は常に緊張感をもたらし、ストレスを感じやすくします。
<瞬時の対応が求められる>
電話がかかってくると、すぐに対応しなければなりません。そのため、オペレーターは瞬時に判断し、行動する必要があります。このプレッシャーが、ストレスの要因となるのです。
<感情のコントロールが必要>
顧客からのクレームや怒りに対処する際、オペレーターは不安や恐怖などの感情を制御し、適切に対応しなければなりません。感情のコントロールが難しい場合、感情的な疲労が生じ、こうした状況がストレスの要因となります。
様々な問い合わせがあり柔軟に対応する必要がある
受電業務では、商品・サービスに関する問い合わせ、クレーム、注文変更、アフターサポートの受付など、さまざまな問い合わせに対応する必要があります。
たとえば、受注専用窓口でも商品を購入する前の相談や質問を受けるケースも少なくありません。また、問い合わせに対して即座に解決できない場合、他の部署に確認や上司への引き継ぎが必要になることもあります。
そのため、オペレーターにはさまざまな状況に対応できる対応力と、幅広い商品知識が求められます。この柔軟な対応がストレスの原因となり、オペレーターの負担を増大させることがあるのです。
常にスピードが求められる
常にスピードが求められる点も、受電業務におけるストレスの要因となります。
顧客は、問題や疑問が生じた際に、素早い対応を期待します。そのため、オペレーターは、顧客の要求を正確に把握し、速やかに適切な解決策を提供しなければなりません。
スピードを求められるプレッシャーは、大きなストレス源です。とくに、複雑な問題や初めての状況に対処する場合、ストレスを感じやすくなります。さらに、複数の顧客から同時に問い合わせがある場合、オペレーターは複数の課題を同時に処理しなければならず、ストレスが一層高まるでしょう。
ストレス過多を避けるためにできる工夫
ストレス過多を避けるためには、オペレーターのスキルアップと業務負荷の軽減が重要です。具体的には、以下の工夫が挙げられます。
● 研修やマニュアルを充実させる
● サポートや育成体制を手厚くする
● ツールの活用で業務効率化を図る
● 評価基準を明確にし、納得度を上げる
● 充足率が一定を切らないようにする
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
研修やマニュアルを充実させる
受電業務では、顧客からの問い合わせやクレーム対応など、多くのスキルが求められます。そのため、常に新しい知識やスキルを習得し、さまざまな状況に対応しなければなりません。
オペレーターのスキルアップと業務負荷の軽減のためには、研修やマニュアルを充実させることがポイントです。以下のような研修やマニュアルを用意することで、オペレーターのスキルアップを図れるでしょう。
● 顧客対応の基本研修:顧客対応の心構えやスキルを身につける
● 商品やサービスに関する研修:商品やサービスの知識を身につける
● クレーム対応のトレーニング:クレーム対応のスキルを身につける
● 業務マニュアルの提供:業務の流れや対応方法を把握する
これらの取り組みにより、オペレーターは必要な知識やスキルを効果的に身につけ、業務に自信を持ちながら対応できるようになり、ストレスを軽減できます。
サポートや育成体制を手厚くする
受電業務は、クレーム対応などストレスを感じやすい場面が多々あります。オペレーターがストレスを抱えないように、サポートと育成体制を充実させることが重要です。
<サポート体制>
オペレーターがストレスを抱えないように、サポート体制を整えます。具体的には、以下のサポートを用意しましょう。
● メンタルヘルスのサポート:ストレスチェックやカウンセリング
● 職場環境のサポート:休憩時間の確保や、残業や休日出勤の削減
<育成体制>
オペレーターのスキル向上をサポートし、自信を高めるために、以下の育成体制を整えましょう。
● スキルアップ研修:特定のスキルを強化するための研修やトレーニングを実施
● フォローアップ研修:入社後、ある程度の経験を積んだオペレーターを対象に、知識やスキルの定着を図るための研修
これらのサポートと育成体制の充実により、オペレーターはストレスを適切に管理し、高品質な顧客対応を維持できるようになるでしょう。
ツールの活用で業務効率化を図る
ストレスを軽減し、業務をスムーズに遂行するためには、ツールの活用が非常に重要です。具体的には、以下のようなツールの活用をおすすめします。
<CRM(顧客関係管理)>
顧客情報を管理し、履歴を追跡するために使用されます。オペレーターは、顧客の状況を把握した上で、適切な対応ができます。
<IVR(音声自動応答システム)>
電話を受けた際、自動的に応答し、適切な担当者や情報への誘導を行うシステムです。通話の初期段階で問題を分類することで、オペレーターにかかる業務負担を軽減します。
<チャットボット>
複数の顧客と同時に対話できるため、顧客の待ち時間を短縮できます。また、24時間365日対応が可能なため、入電の殺到を防ぎオペレーターの負担を軽減できます。
これらのツールは、コールセンターの業務効率向上とオペレーターのストレス軽減に貢献しますが、ニーズや業界によって最適なツールが異なることがあります。コールセンターの要件に合わせてツールを選定し、効果的に導入することが大切です。
評価基準を明確にし、納得度を上げる
受電業務は高いプレッシャーのもとで行われます。この状況下で働くオペレーターは、自身の成績や役割の評価が不透明だと、それがストレスや不満の原因となることがあります。
そのため、評価基準を明確にし、納得度を高めることが不可欠です。具体的には、以下の評価基準を考慮しましょう。
● 顧客満足度:顧客からの評価を数値化したもの
● 応答時間:問い合わせに対して、オペレーターが応答するまでの時間
● 処理時間:解決するまでにかかる時間
● クレーム発生件数:顧客からクレームが寄せられた件数
評価基準を明確にすることで、オペレーターは自身のパフォーマンスを客観的に評価できるようになり、納得度を高められます。また、評価基準を透明化することで、オペレーターが目標達成のために努力しやすくなるでしょう。
なお評価基準は、定期的に見直しを行い、時代の変化や企業のニーズに合わせてアップデートすることも大切です。
充足率が一定を切らないようにする
オペレーターの負担を軽減し、ストレスを防ぐために、充足率を一定以上に保つことも考慮しなければなりません。なお、充足率とはオペレーターの業務量と利用可能なリソースのバランスを示します。実際に顧客対応業務に従事している時間と、全体の労働時間で算出可能です。
充足率が低い場合、オペレーターに過度の負荷がかかり、ストレスの原因となります。そのため、充足率が一定以下であった場合、アウトソーシングの検討が有効な解決策と言えるでしょう。
アウトソーシングを検討する際には、以下の要点を考慮しましょう。
● パートナー選定: 信頼性の高いアウトソーシングパートナーを選ぶ
● 情報セキュリティ: 顧客情報のセキュリティを確保するための対策を講じる
● 長期的戦略: アウトソーシングを短期的な解決策ではなく、長期的な戦略として検討する
アウトソーシングを利用することで、急な問い合わせ増加や繁忙期に対応でき、充足率を一定に保つことが可能です。結果として、オペレーターのストレス軽減に期待できます。
まとめ
コールセンターは、顧客とのコミュニケーションを担当する重要な窓口です。業務内容は、大まかにアウトバウンド業務(発信)とインバウンド業務(受電)の二つに分けられますが、受電業務はストレスが高いとされています。
その理由として、クレーム対応や連続的な電話受信に対するプレッシャー、多岐にわたる問い合わせへの柔軟な対応などが挙げられます。これらのストレスを軽減し、オペレーターのモチベーション低下や離職率を抑えるために、いくつかの工夫が必要です。
なかでも有効なのは、アウトソーシングを検討し、充足率を一定の範囲内に保つ方法です。外部リソースを活用することで、オペレーターの負担を減らし、効率性と品質向上を促進できます。
中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。
中央事務所の電話代行サービスは、24時間・365日オペレーターによる電話受付が可能です。繁忙期や人材不足時などのスポット利用にも、柔軟に対応いたします。受電業務に課題を抱えている企業様は、お気軽にご相談ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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