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公開日 2023.09.26
更新日 2024.01.29
知識

コールセンター向けの音声認識システムとは?種類や活用のメリットを解説

業務の効率化や応対品質向上を実現するために、音声認識システムを導入するコールセンターが増えてきています。 しかし、「具体的にどのようなシステムなのか」、「汎用性が高いと言われているが、活用イメージが湧かない」このような、疑問やお悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、コールセンター向け音声認識システムの概要と活用が検討される理由、併せてメリットや導入時のポイントについてご紹介します。効率的な業務運営や生産性向上を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。  

コールセンター向けの音声認識システムとは?

コールセンター向け音声認識システムとは、通話内容を自動的にテキスト化する技術です。手動での入力作業を大幅に削減し、迅速な情報把握や効率的な顧客対応を実現します。 なお、音声認識システムには、以下2種類の導入形態があります。 <オンプレミス型> オンプレミス型は、自社に音声認識システムを保有し、運用・管理を行います。カスタマイズ性がの高く、データ管理もしやすいですが、システム設置費用や専門的な知識が必要です。 <クラウド型> 自社内にシステムの導入・構築が不要で、インターネット環境さえあれば簡単に始められます。導入にかかる費用や時間を最小限に抑えられますが、データをインターネット上で管理するため、セキュリティには十分な注意が必要です。  

なぜコールセンターでの音声認識システム活用が検討されるのか?

コールセンターでは、以下のような要因から音声認識システムの活用が検討されています。 <人手不足に陥っているため> コールセンター業界は、慢性的な人手不足が深刻な課題となっています。その影響は、オペレーターに重くのしかかり、業務負荷から応対対応品質や生産性の低下を招く可能性が高まります。そこでオペレーターが本来担う、対応履歴のテキスト化業務を音声認識システムに任せることにより、業務負荷の軽減につながります。 <サービスレベル向上の要求があるため> 類似の商品・サービスが存在する中で、顧客は良質なカスタマーサービスを常に求めています。また、自分が抱える問題や要望に迅速かつ適切に対応してもらいたいと考えており、その要求に応えるためには、サービスレベルの向上が必要です。 音声認識システムを活用することで、通話中の会話をリアルタイムにテキスト化し、オペレーターに正確な情報を提供します。より迅速で的確な顧客対応が可能になり、サービスレベル向上と顧客満足度向上を目指せます。 <データ分析の需要が高まっているため> コールセンターでは、日々大量の通話データが蓄積されます。その際、膨大な通話内容をテキスト化することで、効率的なデータ分析を行えます。データ分析は、顧客の傾向やニーズを把握し、適切な対策や改善策を立案できることから、センター運営で欠かせないプロセスです。  

コールセンターで音声認識システムが使われる理由・メリット

音声認識システムが使われる理由・メリットは、以下の通りです。 ● 業務効率化を図れる ● 応対品質の管理がしやすくなる ● オペレーターの教育を効率化できる ● VOCの蓄積ができる ● コンプライアンス対策がしやすくなる それぞれについて、詳しく見ていきましょう。  

業務効率化を図れる

音声認識システムが使われる理由・メリットの一つ目は、業務効率化を図れる点です。 電話対応業務では、オペレーターが通話内容の詳細をパソコンに手動で入力する必要があります。この手作業は、時間と労力を要する以外にも、ヒューマンエラーが発生する可能性も否めません。 音声認識システムは、音声データをリアルタイムでテキスト化するため、手動で文章化する必要がなくなります。テキスト化作業に費やす時間を顧客とのコミュニケーションに使えれば、より効果的なサポートや解決策の提供が可能となるでしょう。 また、テキストデータは後処理作業(通話内容の記録など)にもそのまま活用できるため、情報の取り漏れや入力ミスのリスクを減らせます。それにより、業務の効率が向上し、次の顧客対応へ迅速に移行できます。  

応対品質の管理がしやすくなる

2つ目は、応対品質の管理がしやすくなる点です。音声認識システムは、顧客の音声データを高い精度でテキスト化する能力を持っており、オペレーターの応対内容や言葉遣いを細かく記録できます。 不適切な表現の使用や、顧客へ適切なアドバイスが行われなかった際、通話データをもとにトレーニングやフィードバックを実施することで、応対品質の改善につなげられます。 また、クレーム対応の効率化も可能です。クレーム発生時、テキスト化された通話内容を確認することで、顧客の問題や不満を正確に把握し、適切な対応策の案内が行えます。これにより、迅速かつ適切なクレーム処理が行われ、顧客満足度の向上につながるでしょう。  

オペレーターの教育を効率化できる

3つ目は、オペレーターの教育を効率化できる点です。通話データを活用して、オペレーターの応対内容やコミュニケーションスキルを分析し、改善の必要性や個別のトレーニング内容を特定します。つまり、効果的なトレーニングプログラムが作成しやすくなり、なおかつオペレーターの能力向上を的確に支援することが可能です。 さらに、テキスト化したデータを用いて、業務の手順やトークの流れを文書化することで、オペレーター教育に使用するマニュアルの作成が容易になります。管理者は、マニュアルやトークスクリプトの作成にかかる時間と手間を大幅に削減し、効率的にオペレーター教育を行えるでしょう。  

VOCの蓄積ができる

4つ目は、VOCの蓄積が効率的に行えることです。 VOCとは、「Voice of Customer(お客様の声)」の略称であり、顧客から寄せられた要望やクレーム、苦情などの声を表す言葉です。これらの声を収集し、分析することで企業は自社の商品やサービスに関する改善点や課題を特定できます。 音声認識システムは、大量の通話データをテキストとして保存・分析できるため、顧客の要望や問題点、傾向などを網羅的に把握できます。たとえば、顧客がよく問い合わせる問題や不満点を抽出し、それに対する改善策や適切な対応方法を検討することにより、顧客満足度の向上や問題解決能力の強化につながるでしょう。  

コンプライアンス対策がしやすくなる

5つ目は、コンプライアンス対策がしやすくなる点です。 音声データのテキスト化により、センター内におけるコンプライアンス違反やNGワードの検出が容易になり、管理者の作業負担が軽減されます。仮に、対応内容に問題が判明した際、本来であれば大量の通話録音を再生して問題箇所を探す必要があります。しかし、音声認識システムを活用することで、特定のキーワードやNGフレーズなどを検索し、必要な情報を素早く特定することが可能です。 また、応対クレームが発生した際には、通話内容を細部まで確認し、事実に基づいた対応ができます。これにより、クレーム対応の迅速化や客観的な証拠の提供が可能となり、問題解決における効率性が向上します。  

コールセンターで音声認識システムを導入する際の注意点

音声認識システムを導入する際の注意点は、以下の通りです。 ● 人間レベルの精度は期待できない ● 音声認識に十分な環境が必要 ● 導入・運用コストが必要 ● 認識精度向上の学習期間が必要 それぞれについて、詳しく見ていきましょう。  

人間レベルの精度は期待できない

注意点の一つ目は、人間レベルの精度は期待できないという点です。 具体的には、人間の発話は個人や地域によって異なり、アクセント、言語の変化、発音のクセなど、音声の多様性による影響があると、完璧な精度は期待できません。たとえば、顧客が方言を多用していたり、オペレーターが専門用語や業界固有の表現など、特殊な言語要素を使用していたりする場合には、認識の誤りが生じ、テキスト化の精度を下げる可能性があるのです。 そのため、クレームを精査する際など、高い精度を求める重要な業務においては人間による監査を行い、認識の誤りを見つけた際には、補正や修正を行う必要があります。  

音声認識に十分な環境が必要

注意点の2つ目は、音声認識に十分な環境が必要という点です。 残念ながら、周囲雑音の影響によって認識精度が低下するという弱点があります。そのため、以下の注意点に留意し、音声のクリアさや認識精度の向上に向けた取り組みが不可欠です。 <雑音やエコーの制御> コールセンター内では、多くの通話が行われるため、雑音やエコーが発生します。これらは、音声認識システムの性能に影響を与えるため、音響設計やノイズ対策を行い、クリアな音声環境の確保が重要です。 <マイクの配置と品質> 音声認識システムは、オペレーターの音声をマイクでキャプチャします。マイクの品質や配置は、音声の収集に影響を与えるため、適切なマイク性能を選定したうえで、マイク位置にも気を配る必要があります。  

導入・運用コストが必要

注意点の3つ目は、システムを導入する際には、導入・運用コストがかかるという点です。とくに、中・大規模のセンターは、数百万円以上かかる場合があります。 一例として、以下のようなコストの発生が見込まれます。 <システム導入費用> システム購入費やライセンス料、導入に関連するハードウェアやソフトウェアのコストが必要です。また、既存の通信インフラやネットワークのアップグレードにもコストが発生します。 <システムカスタマイズ費用> 音声認識システムをコールセンターの環境に適合させるためには、カスタマイズやトレーニングデータの収集・整備が必要です。その際、専門の技術者やデータ収集・分析のための、人的リソース投入に伴うコストが発生します。 <運用・保守費用> システムのトラブルシューティングやパフォーマンスの監視、品質管理などにもコストがかかります。  

認識精度向上の学習期間が必要

最後は、認識精度向上には学習期間が必要という点です。 人間の発話を正確に認識しテキスト化するためには、特定のオペレーションや業界の用語、アクセントなどに慣れる必要があります。つまり、システムが適切に動作し、高い認識精度を達成するためには、システムが大量の音声データを学習し、ユーザーの発話パターンや文脈を理解する工程が不可欠です。 また学習期間中は、音声認識システムの精度が十分ではない場合があるため、エラーが多発する可能性も考慮しなければなりません。 このように、データの収集や整理には時間とリソースがかかるため、導入前にトレーニングデータの準備と、品質管理に十分な時間を確保する必要があります。  

コールセンター向け音声認識システムを選ぶ際に必要な観点

コールセンター向け音声認識システムを選ぶ際は、以下の観点が必要です。 ● 音声認識の精度は十分か ● 精度向上のためのチューニング機能があるか ● データ分析の機能やサポートは十分か ● 導入時、運用時にかかるコスト ● セキュリティ面が十分か それぞれについて、詳しく見ていきましょう。  

音声認識の精度は十分か

選ぶ際に必要な観点の一つ目は、音声認識の精度です。
高い精度の音声認識システムは、正確なテキスト変換のもと、顧客の要求や問題を把握します。一方、精度が低い場合、誤ったテキスト変換により、オペレーターが誤解した情報に基づいて対応を行う可能性や、誤った情報を顧客に伝えるリスクが高まります。 そのため、音声認識の精度を評価する際には、以下の要素を考慮することが重要です。 ● 単語エラー率:発話を誤認識する割合を示し、業界標準との比較が有効 ● 業界用語や専門用語の認識:業界用語や専門用語を正確に認識し、適切にテキスト化できるか ● リアルタイム性: 遅延なく音声をテキスト化できるか  

精度向上のためのチューニング機能があるか

2つ目は、精度向上のためのチューニング機能の有無です。チューニング機能とは、システムの設定やパラメータを調整することで、テキスト化の精度向上を図るための手段です。 具体的には、以下のようなチューニング機能があると、精度向上が見込めます。 ● アクセントや言語のカスタマイズ:特定のアクセントや方言、または複数の言語に対応できるように、カスタマイズできる機能 ● 専門用語の辞書登録:業界固有の専門用語や略語を認識するための、辞書登録やカスタムボキャブラリの追加ができる機能 ● ノイズフィルタリングの設定:雑音や環境ノイズを選別してに排除し、クリアな音声を認識するための設定やパラメータ調整ができる機能  

データ分析の機能やサポートは十分か

3つ目は、データ分析の機能やサポートの充実度です。 音声認識システムは、データ分析の機能も搭載されており、メーカー独自のデータ分析機能を提供します。要するに、メーカーごとに機能性や精度は異なるため、比較や評価を行うことが重要です。 十分なデータ分析機能があるシステムでは、カスタムレポートの作成やデータの視覚化が可能となり、スムーズな運用と効果的なデータ分析が可能です。 くわえて、サポート体制の充実度にも着目しましょう。たとえば、導入時にはシステムの正しい使い方や設定方法を学ぶためのトレーニングや教育プログラムの提供。導入後には、トラブルシューティングやシステムの最適化において、迅速な対応や専門家のサポートを受けられれば、非常に心強いと言えます。  

導入時、運用時にかかるコスト

4つ目は、導入時および運用にかかるコストを慎重に比較・検討することです。 既述の通り、導入時にはシステム購入費やカスタマイズ費用、保守やアップデートなどの運用費用がかかります。さらに、オペレーターや管理者へのトレーニングやサポートにも、追加のコストが発生する場合もあるでしょう。音声認識システムを選ぶ際には、これらのコスト要素を考慮し、導入および運用コストの全体像を把握することが重要です。 適切な予算計画とコスト管理を行うことで、コールセンターの経済的な健全性を確保できます。なお「安さ」だけで選ぶのは危険です。価格だけでなく、システムの信頼性、拡張性、柔軟性、セキュリティなどの観点も総合的に評価し、最適な音声認識システムを選ぶことが求められます。  

セキュリティ面が十分か

最後は、セキュリティ面を十分に考慮することです。セキュリティ対策は、コールセンターの運用において欠かせない要素であり、慎重な選択が求められます。 とくに意識しておきたい観点は、以下の通りです。 ● データの暗号化:データ漏えいや不正アクセス保護を目的に、音声データを処理する際、データの暗号化が行われているか確認する ● アクセス制御と認証:権限のない者からのアクセスを防ぐことを目的に、システムへのアクセス制御と、強力な認証メカニズムが備わっているか確認する ● データの保管と削除ポリシー:不要なデータは適切に削除することを目的に、音声データの保管と削除に関するポリシーが適切に設定されているか確認する ● セキュリティ監視と脅威対策:セキュリティ脅威の防御を強化することを目的に、定期的な監視とアップデートが行われているか確認する  

まとめ

コールセンター向けの音声認識システムは、顧客との通話内容を自動的にテキスト化する技術です。システムの導入により、業務の効率化、応対品質の向上、オペレーターの教育効率化、VOCの蓄積、コンプライアンス対策などのメリットがあります。 しかし、音声認識システムの精度は大幅に向上してきていますが、人間レベルの精度には、いまだ到達していません。また、システム導入にあたって、導入・運用の費用がかかるのはもちろん、一定の精度が出るまで時間を要するのは確かです。音声認識システムの導入を検討しているのであれば、電話代行サービスの活用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。 電話代行サービス会社である中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)という確かな実績を保持しています。カスタマー応対率も95%(※3)を維持し、丁寧なサポート体制が強みです。 中央事務所には。専門講習を受けたオペレーターが在籍しており、高品質の電話対応を強みとしています。コールセンターの業務改善に課題を抱えているのであれば、ぜひお気軽にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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