コールセンターにおける話し方や敬語のテクニック・トレーニング方法について
公開日 2023.09.19
更新日 2023.09.19
知識

コールセンターにおける話し方や敬語のテクニック・トレーニング方法について

オペレーターは、お客様と企業を結ぶ重要な役割を担っています。 しかし、「相手に伝わらない話し方をしている」「言葉遣いが不適切」オペレーターがこのような対応だと、顧客満足度の低下や、企業のイメージダウンにつながるかもしれません。 そこで本記事では、コールセンターでの話し方や敬語のテクニック、トレーニング方法についてご紹介します。適切な話し方や正しい敬語を身に付けることで、より高品質なお客様対応が実現できるでしょう。  

コールセンターにおける話し方・敬語の重要性について

コールセンターにおける話し方や敬語の使い方は、お客様と信頼関係を築くための重要な要素です。適切な対応ができているかどうかで、企業イメージや顧客満足度に影響を与えるからです。 そのためコールセンターでは、お互いの顔が見えない分「声」だけで良いイメージを抱いてもらえるよう、正しい敬語を使い、適切な話し方を意識しなければなりません。 これらのテクニックをマスターできれば、どのようなお客様に対しても、オペレーターは自信を持って対応できるのはもちろん、コールセンター全体の対応品質の向上にもつながります。  

コールセンターで意識すべき話し方

コールセンターでは、以下8つの点を意識することで、日常会話と比べワンランク上の話し方が身に付きます。 ● 相手の話をよく聞いた上で発言する ● 声色やボリュームをコントロールする ● 滑舌よくはっきり話す ● 早口にならないようにする ● 結論から話す ● ポジティブな表現を使う ● クッション言葉や正しい敬語を話す ● 相手のテンションに合わせた話し方をする それぞれについて、具体的に説明します。  

相手の話をよく聞いた上で発言する

用件や質問を把握するためには、相手の話をよく聞いたうえで発言しましょう。 「何を求めているのか」「どういった問題を抱えているのか」これらはお客様の話をよく聞くことで、正確に把握できるようになり、それに応じた的確な回答や案内が行えます。 また、話を聞く姿勢は、お客様に敬意を示す行動でもあります。話をしっかり聞いてもらえると、自分の意見や主張が尊重されていると感じ、オペレーターに対する信頼感や満足感が大きく増すことでしょう。  

声色やボリュームをコントロールする

お客様に好印象を抱いてもらうためには、相手に合わせて声色や声のボリュームをコントロールしましょう。 一般的に、電話の声は対面で会話するよりも「低く・小さく聞こえる」傾向にあるため、電話対応の場においてはいつもより声のトーンを高くし、大きめの声を意識する必要があります。 しかしながら、状況によっては声のトーンを高くするのは避けた方が良いパターンもあります。たとえば、お客様がお怒りの状態であれば、体の中に声を響かせるような丸みのある、低めの声を意識することで、お客様に安心感を与え、お怒りの気持ちを落ち着かせられるでしょう。 このように、お客様の立場や背景に合わせた声色やボリュームをコントロールすることで、話し方だけでも良い印象を与えられます。  

滑舌よくはっきり話す

お客様が誤解や聞き取り間違いをしないように、滑舌よくはっきり話しましょう。 滑舌が悪く、声がこもっていると、当然のことながら「何を言っているかわからない」とご指摘を受けてしまいます。 また、聞き取りにくい話し方をされ続けると、お客様は何度も聞き返す必要があるため、不信感やストレスを抱えてしまうかもしれません。 とくに重要な内容を伝える場合は、滑舌よくはっきりとした発音で話すことで、相手に正確な情報をスムーズに伝えられ、誤解を防ぐことも可能です。 なお、滑舌を改善するためには、口を上下に大きく開けて話すことを意識してみましょう。  

早口にならないようにする

話をしっかりと聞き取ってもらえるよう、早口にならないようにしましょう。 とくに、電話の相手がご高齢の方に対して早口になってしまうと、「会話が噛み合わない」と不快に感じたり、「話が理解できないから電話を切りたい」と話す気力をなくしてしまったりするケースもあります。 また早口で話すと、聞き手からしてみると急かされているように感じられるため、お客様との信頼関係が損なわれる可能性もあります。 電話対応では、落ち着いたテンポで話すことを心がけ、話の合間には「ここまでの流れでご不明な点はございませんか」というように、確認しながら話を進めることが大切です。  

結論から話す

お客様にすばやく情報を伝えるために、結論から話すことを意識しましょう。結論を後にして長々と経緯を話してしまうと、お客様の集中力が散漫になってしまったり、イライラさせてしまったりする可能性があるからです。 また、営業を目的に案内の電話をかける際にも、結論から話すことで相手の興味を引きつけ、その後のトークが進めやすくなります。 いかなる場合でも、「お客様は貴重な時間を割いて話をしてくれている」ということを念頭に置き、お客様に必要な情報をすばやく伝えるようにしましょう。  

ポジティブな表現を使う

どのような場面においてもポジティブな表現を使い、お客様に前向きな印象を与えましょう。 対応していると、お客様が求める要望や期待に応えられえない場面もあります。その際、「◯◯できません」というように、ネガティブな言葉を使ってしまいがちです。 しかし、マイナス表現のまま伝えてしまうと、さらにお客様に悪い印象を与え、不快感が増してしまうかもしれません。そのため、いかなる状況に直面しても、できるだけポジティブな表現を使うことが大切です。 たとえば、お客様から応対品質の指摘をいただいた場合には、単に「申し訳ございません」とするのでなく、「ご指摘をうけ、さらなる成長につなげます」とすることで、ポジティブな表現に変えられます。  

クッション言葉や正しい敬語を話す

お客様に依頼やお断りをする際、クッション言葉や正しい敬語を使うことで、相手の気分を害することなく円滑に話を進められます。 クッション言葉とは、コミュニケーションをスムーズに進めるために、本題の前に置く言葉です。「恐れ入りますが」「あいにくですが」「差し支えなければ」などが挙げられます。 クッション言葉がなく、依頼やお断りをしてしまうと、お客様は驚いたり、不快に感じたりしてしまうかもしれません。言いにくい内容だからこそ、クッション言葉を使ったり、正しい敬語を意識し、丁寧な態度で接したりすることで、言葉の印象をやわらげることができます。  

相手のテンションに合わせた話し方をする

話すテンポや呼吸など、相手のテンションに合わせることを意識しましょう。 仮に、早口で話すお客様から入電があった際、相手のペースに合わせずゆっくり丁寧に話してしまうと、お客様はテンポを乱され、大きなストレスを感じるかもしれません。 一方、話をじっくり聞きたいと思っているお客様からの入電の際に、早口でテンポ良く話してしまうと、適当で雑なイメージを与えてしまいます。 お客様のテンションに合わせた話し方を意識し、「話しやすい」「話を聞いていて心地よい」と感じてもらえれば、共感を生み出し、円滑なコミュニケーションが実現できるでしょう。  

正しい敬語と間違いやすい敬語

コールセンターでは、お客様に敬意を示すために、敬語を上手に使いこなさなければなりません。しかし、正しい敬語を使いこなすことは容易ではなく、間違いやすい表現も存在します。 ここでは、正しい敬語と間違いやすい敬語について解説します。  

敬語の正しい使い分け方(尊敬語、謙譲語、丁寧語)

敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の3種類があり、以下のように使い方が異なります。 <尊敬語> 相手の状態や主体を高め、敬意を払う敬語です。主に、目上の人やお客様に対して使い、コールセンターでは使用頻度が高い敬語といえます。 尊敬語の例としては、「お〜になる」「〜れる」「おっしゃる」などがあります。 <謙譲語> 自分の動作を謙遜させて、相手に敬意を示す敬語です。尊敬語と同じく、目上の人やお客様に対して使う敬語ですが、あくまでも動作の主体は自分側です。 謙譲語の例としては、「申し上げる」「伺う」などがあります。 <丁寧語> 言葉を丁寧にして、相手に敬意を示す敬語です。目上の人やお客様に使いますが、敬語のなかで最もポピュラーで、日常会話でも使われています。 丁寧語の例としては、「です」「ます」「ございます」などがあります。  

間違いやすい敬語とは

敬語は本来、相手を敬うために使われますが、使い方を誤ってしまうとかえって失礼な印象を与える可能性があります。以下に、間違いやすい敬語・表現をご紹介します。 <二重敬語> 一つの言葉に、2つの敬語が使われることを二重敬語といいます。 たとえば、「おっしゃられる」は、尊敬語の「おっしゃる」と「られる」を続けた二重敬語です。一見丁寧な印象を与えますが、一つの言葉に敬語を2つ入れてしまうと、言葉の意味がわかりづらくなってしまうので使わないようにしましょう。 <専門・社内用語> 専門用語や社内用語は、業界内でしか通じない言葉であったり、会社内で独自に使用していたりする言葉です。 お客様は、オペレーターに意味が分からない言葉を使われると、不快感やストレスを感じるかもしれません。とくに社内用語においては、本来の言葉を簡略化しているケースが多く、聞く側に「いい加減な対応をしている」と受け取られてしまう可能性もあるため注意しましょう。 <ファミコン用語> 「お見積りのほう作成します」こちらは、丁寧に感じる表現かもしれませんが、「ファミコン用語」と呼ばれ、敬語として成り立たない言葉です。「〜のほう」はファミコン用語の代表的な例で、本来は方角や場所を示すときなどに使用するものです。 その他、ファミコン用語には以下のようなものがあります。 ● (誤)こちらでよろしかったでしょうか→(正)こちらでよろしいでしょうか ● (誤)参考資料になります→(正)参考資料です  

コールセンターで避けるべき話し方

顧客満足度を高めるためには、お客様に寄り添ったコミュニケーションが必要不可欠です。一方、不適切な話し方や言葉遣いは、お客様との関係性を損なってしまうこともあります。 ここでは、以下5つのコールセンターで避けるべき話し方を紹介します。 ● 相手の考えを否定する ● 相手の話を遮る ● 早口で話す ● 馴れ馴れしく話す ● 威圧感のある話し方をする ▼関連記事 電話対応・コールセンターで押さえておくべき言葉遣いマニュアル それぞれについて、詳しく見ていきましょう。  

相手の考えを否定する

コールセンターで避けるべき話し方として、相手の考えを否定することが挙げられます。なぜなら、相手の気持ちを傷つける原因となり、問題の解決につながらないからです。 たとえば、商品・サービスを実際に購入したお客様から「使いにくい」という意見が寄せられた場合、「そんなことはありません」と否定的な言葉を言ってしまうと、お客様は自分の意見は尊重されていないと感じるかもしれません。 これは、お客様との信頼関係を損なうことになり、最悪の場合クレームに発展する可能性も十分あり得ます。 どのような内容の問い合わせであっても、お客様の考えを否定するのではなく、気持ちに寄り添いながら話を進めていきましょう。  

相手の話を遮る

相手の話を遮ることは日常会話においても失礼な行為にあたります。オペレーターは、お客様の話が終わるまで聞くことが大切です。 何より話を遮る行為は、お客様が伝えようとしている意図を理解できず、適切な問題解決に導けない場合があります。まずは、お客様の話をしっかりと聞き取り、理解することで心情を察知し、より適切な対応が可能になります。 なお、お客様が話している最中は、「話を聞いています」という姿勢を見せるために、適度に相づちを入れ信頼感や安心感を与えましょう。  

早口で話す

どんなに丁寧な言葉遣いを心がけていても、早口で話されると「聞き取りにくい」と感じるはずです。 とくにコールセンターでは、年齢性別関係なくさまざまな人とコミュニケーションをとります。その際、どのようなお客様でも理解できるよう、ゆっくりとわかりやすく話すことが基本です。 オペレータのなかには、自分自身が早口だと気付いていないケースもあります。定期的に、オペレーターのモニタリングを行い「早口になっていないか」「聞き取りにくい話し方ではないか」などをチェックし、必要に応じてゆっくり話すトレーニングを行いましょう。  

馴れ馴れしく話す

「馴れ馴れしく話す=相手を敬っていない」ことを意味します。お客様対応の場においては、避けるべき話し方といえるでしょう。 コールセンターでは、適切な敬語や表現を使い、丁寧な対応を心がけることが求められます。一方、馴れ馴れしい話し方は、お客様に不快感や違和感を与え、信頼を失う原因にもなります。 どれだけ親密な関係性になったお客様であっても、電話対応では距離感を大切にし、適切な敬語やフォーマルな表現を使うことが大切です。  

威圧感のある話し方をする

威圧感のある話し方は、お客様への謙虚さを欠く行為であるため避けるべきです。 たとえば、何らかの事情により不満を抱えているお客様に対し、威圧感のある話し方をすると、ますます不快にさせてしまい、解決策を見つけるのが難しくなってしまいます。 そのため、可能な限り威圧感の無い丁寧な表現を使い、落ち着いたトーンで話すようにしましょう。 仮に、お断りをする状況においては「できません」とするのではなく、「いたしかねます」とすると、婉曲的でやわらかい表現になります。  

コールセンターの話し方のトレーニング方法

コールセンターにおける、適切な話し方を習得するには、以下のトレーニングを実践しましょう。 ● 話し方が上手なオペレーターの対応を聞く ● ロープレを繰り返す ● 自分の応対を録音して振り返る それぞれについて、詳しく説明します。  

話し方が上手なオペレーターの対応を聞く

話し方が上手なオペレーターの対応を聞くことで、適切な対応方法や表現方法を学ぶことができます。たとえば、敬語の使い方やコミュニケーション方法、話すトーンやスピード感などが挙げられます。 これらは座学研修でも学ぶ内容ですが、それよりも身に付くのは、優秀なオペレーターの対応を聞き、良いところを真似して実践することです。 また、常日頃から周りの人の対応を聞く習慣を身につけることで、伝え方や言い回しのバリエーションが増え、お客様との会話がスムーズになるでしょう。  

ロープレを繰り返す

実践で起こりうる場面を想定して、ロープレを繰り返し行いましょう。ロープレとは、オペレーター研修でも用いられる、「実践を想定した練習」のことです。 ロープレを行うことで、対応品質の習得度合いを測ったり、技術に磨きをかけたりできます。 具体的には、電話をかける側、受ける側を決め、実践で起こりうる場面を想定し、適切に対応するために効果的な話し方や言葉づかい、表現方法を学びます。 また、ロープレを繰り返すことでトークスクリプトにも慣れ、言葉がスラスラ出るようにもなるでしょう。それにより、電話対応にも余裕が生まれ、お客様に配慮した言い回しが自然と使えるようになります。  

自分の応対を録音して振り返る

自分の応対を録音して振り返ることで、課題や改善点を明確にできます。 自分の話し方を正しく把握できていない人が意外と多くいます。そこで、自分の応対を録音して聞くことにより、自分がどのように話しているのか、どのような言葉遣いなのかを客観的に知ることが可能です。 それをもとに、自己分析を行い、改善点を見つけることで今よりワンランク上の電話対応ができるようになるでしょう。 なお、前項で説明した「ロープレ」での様子を録音し、振り返ることで効率的に課題の発見と成長につなげられます。  

まとめ

コールセンターにおける話し方や敬語の使い方は、企業のイメージを左右する重要な要素です。正しい敬語と状況に合わせた適切な話し方ができれば、お客様からの信頼を得ることができます。 しかし、適切な話し方や正しい敬語を完璧に習得するには、オペレーター教育に多くの時間を要します。電話対応の品質管理に苦慮しているのであれば、電話対応代行サービスを利用するのも有効な方法です。 中央事務所の電話代行サービスは、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。 「気配り」「心配り」を常に意識した、心のこもった応対ができるオペレーターが、企業様の顔となり電話対応いたします。電話対応でお困りであれば、ぜひ当社にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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