
取締役副社長 / コンタクトセンター検定スーパーバイザー
コールセンター業界で8年、管理職としても7年従事し、コールセンター立ち上げやACDシステムの内製化等、運営業務に携わってまいりました。コールセンター運営のノウハウ、マネジメントスキルを活かし貴社のパートナーとしてビジネスの成長に貢献させていただきます。業界特性やニーズに合わせて最適なご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
目次
コールセンターは、企業と顧客の間を取り持つ窓口です。顧客はコールセンターを通じて自らの要望を企業に伝えることができ、企業は顧客ニーズを経営方針に活かせます。コールセンターの対応によっては顧客満足度が向上し、企業のイメージアップにも繋がるでしょう。
適切な電話対応を行うには、コールセンターの品質を高める工夫が欠かせません。そこで、この記事ではコールセンターの品質管理方法と重要なポイントについて解説します。
コールセンターは企業の顔であり、顧客への対応力が問われるポジションです。そのため、常に質の高い電話対応を実現することが大切だといえます。ここでは、コールセンターで重視すべき3つの品質について詳しくみていきましょう。
コールセンターで重視される品質のひとつが、接続品質です。
接続品質とは、コールセンターにおける電話の繋がりやすさを示します。顧客がコールセンターに問い合わせてもなかなか繋がらない場合、接続前に切られてしまったり、クレームの原因になったりしかねません。同時に顧客がコールセンターの対応に不満を感じ、企業のイメージダウンに繋がる恐れもあります。つまり接続品質は、適切な電話対応を提供するための第一関門です。
接続品質の向上にあたって、電話回線の数やオペレーターの人員数を十分に確保しましょう。ただし、コールセンターの規模や繁忙期の有無、業務内容によって、必要なリソースは異なります。自社のコールセンターに見合った設備投資と人員配置を行い、円滑な運用体制を構築してください。
続いてコールセンターで重視される品質が、業務品質です。
顧客に満足してもらうと共にオペレーターの負担も軽減させることで、業務品質を向上できます。そのため、運営と品質という2つの面で品質を管理するようにしてください。
コールセンターの業務は多岐にわたり、オペレーターには柔軟な対応が求められます。しかし、クレームや長時間労働が続けば、オペレーターが心身ともに疲弊してしまう可能性があります。結果的に離職率が高くなり、業務に支障が出てしまう場合もあります。
また、オペレーターの対応スキルは、問い合わせの処理品質を左右するポイントです。オペレーター全員が顧客のニーズに合わせて対応できるように、マニュアルやトークスクリプトを作成しましょう。さらに研修の実施やシステムの導入を通じて、コールセンター業務の改善に取り組んでください。オペレーターの負担軽減が業務品質を高め、顧客満足度にもプラス効果を発揮します。
3つ目の重視すべき品質とは応対品質で、オペレーターの電話対応が適切かどうか見極める指標となります。例えば、顧客への言葉遣いや基本的なマナー、問い合わせへの回答内容などが応対品質を評価する基準です。また、顧客のニーズを正確に汲み取る対応スキルも、応対品質に大きく関与します。
コールセンターの応対品質は、このような基準を複数組み合わせた上で判断されます。オペレーターの電話対応が的確であるほど、顧客の信頼感も得やすくなるでしょう。顧客満足度の高いコールセンターを運営していくには、応対品質のブラッシュアップが必要不可欠といえます。
なぜコールセンターにおいて品質管理が重要視されるのでしょうか?その理由とは、顧客満足度が向上するのはもちろん、企業の利益にも結びつくからです。
もしコールセンターの接続品質が悪ければ、顧客に余計なストレスを感じさせてしまいます。また、業務品質の低下はコールセンターと顧客の双方に不利益をもたらす要素です。さらに応対品質が下がってしまうと、コールセンターの運営に悪影響を及ぼすだけでなく、顧客離れまで引き起こしてしまうかもしれません。
このような事態を避けるためには、コールセンターの品質管理に注力することが非常に重要です。コールセンターの品質を適切な方法で管理できれば、電話対応における業務品質と顧客満足度の向上が見込めます。
また、人員配置やオペレーターの指導、システムの導入など、応対品質の改善に必要な対策を進めることも大切です。コールセンターの品質管理を徹底し、顧客に満足してもらえる丁寧なサポートを提供しましょう。
コールセンターの品質を管理するには、どうすればいいのでしょうか?
まず、コールセンターの品質管理にあたる担当者を決めましょう。一般的に、コールセンターではQA(Quality Administrator)が品質管理を担当します。QAはオペレーターの業務全般を管理するSVとは異なり、顧客対応の品質管理を専門とする職種です。
QAの業務では品質管理に関するノウハウが求められるため、品質管理の経験者やSV、コールセンター長が適任といえます。自社に該当する人材がいない場合は、外部委託も検討してみてください。
コールセンターのQAは、オペレーターの顧客対応を細かくモニタリングし、その品質を評価します。そして、対応内容に課題があればオペレーターごとにフィードバックするのも重要な役割です。QAが電話対応をきっちりチェックできる体制を整えることで、コールセンター全体の対応品質がアップします。このようにQAを設置するとともに、品質管理の現状把握と見直しも忘れずに実践してください。
コールセンターでは、QAを中心として品質管理に取り組みます。一方で、品質管理においては、設定した基準をクリアできているかどうかが重要なポイントです。ここでは、コールセンターの品質を調査するための方法を3つ紹介します。
モニタリングは、コールセンター内で品質調査を行う方法です。管理者がオペレーターの電話対応を直接聞いたり録音したりして、対応品質のレベルを調査します。
言葉遣いやマナーが正しいか、回答が顧客の意図に沿っているか、などコールセンターの業務内容に応じてチェック項目を設定し、各オペレーターを評価します。
モニタリングの結果はオペレーターのスキルアップに活用できるので、特に経験の少ないオペレーターを対象にするといいでしょう。ただし、コールセンターでモニタリングを実施する際は、管理者が公平な視点で判断する必要があります。
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コールセンターでのモニタリングとは?
覆面調査はミステリーコールとも称され、顧客を装った調査担当者がコールセンターに問い合わせて、オペレーターの対応品質をチェックします。この場合、自社の品質管理担当者に顧客のふりをしてもらうか、外部の業者に委託することも可能です。
覆面調査では事前に問い合わせのシナリオやペルソナを設定するので、オペレーターの評価基準を明確にできます。
また、顧客の目線に立ってオペレーターと会話できるところも大きなメリットです。顧客がオペレーターの電話対応をどのように感じているのか、よりリアリティをもって検証できれば、たとえ課題が見つかっても対策しやすくなるでしょう。
顧客満足度の向上を目指すなら、覆面調査の結果を有効活用してみてください。
コールセンターの品質調査は、外部に委託することも可能です。
例えば、対応品質の調査を専門業者に代行してもらうサービスが挙げられます。このような外部サービスでは、オペレーターの通話記録をもとにチェックとフィードバックを行います。
専門的な知識やノウハウを持つ人材に評価してもらえるので、モニタリングよりも客観性の高い調査結果を得られるでしょう。また、第三者目線によってこれまで見逃していたコールセンターの課題に気づく可能性もあります。
社内調査に限らず、外部サービスを上手く利用して、業務マニュアルの修正や人材育成の計画に取り組んでください。コールセンターの品質調査を通じて、業務環境のさらなる効率化を図りましょう。
コールセンターの品質は、自社あるいは外部サービスの調査によって評価できます。では、一体何を基準として品質を評価するのでしょうか?ここでは、コールセンターにおける品質の評価基準2つについて解説します。
顧客満足度は、企業にとって重要な指標のひとつです。そのため、コールセンターの品質管理では顧客満足度を数値化してチェックする必要があります。顧客満足度は電話対応のクオリティを表す基準であり、企業ごとに評価項目を設定しておくことが大切です。顧客満足度に関する品質管理の基準には、以下のような例が挙げられます。
・モニタリングスコア:QAがオペレーターの対応をモニタリングし、言葉遣いやマナーなどの項目ごとに評価
・顧客満足度(CS):顧客へのアンケートや調査で顧客満足度を数値化
・クレーム発生率:顧客からクレームを受けた件数とその割合
・「ありがとう」発生率:顧客からお礼や感謝を伝えられた回数とその割合
顧客満足度の調査では、アンケートを行って段階的に対応への満足度を評価してもらうといいでしょう。
ただし、顧客満足度の計測には顧客や管理者の主観が含まれるため、時に感情面に影響される点に留意しなければなりません。アンケートの取り方や調査方法を工夫し、客観的な意見と数値で顧客満足度を判断するようにしてください。
もうひとつの品質評価の基準が、コールセンターの繋がりやすさです。繋がりやすさは、コールセンター全体のパフォーマンスを判断する材料となります。品質の評価基準となる数値は、以下の通りです。
・CPH:1時間あたりのオペレーターの電話対応件数
・ATT(平均通話時間):1コールあたりの平均通話時間
・ACW(平均後処理時間):通話終了後にオペレーターが作業にかける時間の平均
・AHT(平均処理時間):オペレーターが顧客対応にあたる時間(ATTとACW)の合計
このような数値をチェックすることで、オペレーターの稼働状況や対応スキルレベルを把握しやすくなります。
オペレーターが顧客からの問い合わせに対応しきれていない場合、繋がりにくいコールセンターという悪い印象を与えてしまう可能性があります。結果として、売上機会の損失や顧客満足度の低下も招いてしまいます。オペレーターの研修を積極的に実施したり、業務体制を見直したりして、電話対応のパフォーマンス改善に努めましょう。
コールセンターで品質を管理するにあたって、注意すべきポイントが2つあります。
1つ目は、品質管理を定期的に実施することです。いつでも繋がりやすいコールセンターは、顧客と企業の双方にとって理想的だといえます。
そのため、継続して繋がりやすさの品質を管理し、問題があれば改善策に取り組む姿勢が重要です。単発や不定期に品質管理を行っていては、データに一貫性が欠ける恐れもあります。企業は、長期スパンでコールセンターの品質を確認するよう心がけてください。
2つ目は、品質管理の調査結果をフィードバックして活用することです。せっかく電話対応の品質チェックを行っても、その内容を精査しなければ意味がありません。
また、管理者からオペレーターに適切にフィードバックし、育成に繋げる工夫も大切です。オペレーターと管理者が一丸となって業務改善に取り組めば、コールセンターの品質を高められます。
企業のコールセンターには、重視すべき3つの品質があります。それぞれの品質管理に取り組むことで、顧客満足度の向上だけでなく、企業の利益アップにも期待できるでしょう。また、コールセンターの品質を管理するにあたっては、品質管理の担当者と具体的な調査方法を決めることがポイントとなります。
社内外の人材・サービスを活用しながら、顧客満足度とつながりやすさの2つの基準でコールセンターの品質を評価してください。さらに、コールセンターの品質管理では、定期的な調査実施と結果のフィードバックを繰り返すことが大切です。
中央事務所は月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)といった実績を保持する電話代行サービス会社です。カスタマー応対率は95%(※3)を記録しており、手厚いサポート体制を敷いています。
また、専門講習を受けたオペレーターが在籍している点も、中央事務所の強みのひとつです。さらにオペレーターの請け負う業務範囲や使用できるツールを充実させ、企業様のニーズに応じたサービスを提供します。コールセンターの品質管理方法に悩んでいる企業様は、一度中央事務所にご連絡ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出