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公開日 2023.08.15
更新日 2024.01.29
知識

コールセンター運営に必要な体制と基本的な組織図を解説

円滑なコールセンター運営を進めるうえで欠かせないのが、組織の体制や構造をわかりやすく可視化した「組織図」です。 組織図があることで、部署ごとの関係性が一目瞭然になり、業務責任や権限の在り処を明確にできます。 しかし、「体制や組織図はどう構築すべきか」「そもそも必要な業務がわからない」このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、コールセンター運営に必要な体制や役割、基本的な組織図と作成方法についてご紹介します。効率的なコールセンター運営を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。  

コールセンターの運営に必要な体制・役割

コールセンターの運営体制は、規模や業務内容によって異なりますが、おおよそ以下の職務から形成されます。 ● センターマネージャー ● マネージャー・ディレクター ● スーパーバイザー(SV) ● リーダー ● オペレーター ● クオリティマネージャー(QM)・トレーナー ● バックオフィス ● システム担当 それぞれの仕事内容や役割、求められる能力について説明します。  

センターマネージャー

センターマネージャーは、コールセンター全体の管理者・責任者として、運営や取りまとめを行うのが役割です。 仕事内容の一例は、以下のとおりです。 ● センター方針の策定 ● 本部や業務委託先とのやり取り ● 教育、人材育成 センターの統括以外に、社内関連部署や外部委託先との調整業務も行います。なお、部下にあたるマネージャー・ディレクター、及びSVの教育や育成もセンターマネージャーの役割です。運営方針に則り、人材育成方法の策定や教育計画の準備・実行などを行います。 センターマネージャーは、全体を統括するポジションであるため、経営者視点で物事を考えられる人材が望ましいといえます。また、センター内部・外部にかかわらず、誰とでも円滑にコミュニケーションがとれる能力が必要です。  

マネージャー・ディレクター

マネージャー・ディレクターは、センターマネージャー直下のポジションで、センターの管理・運営を行うのが役割です。 仕事内容の一例は、以下のとおりです。 ● 業務の現状把握 ● スーパーバイザー(SV)の目標設定、進捗確認 ● (重大なクレーム発生時など)イレギュラーでお客様対応 ● 労務管理 日々の業務としては、前日の稼働状況や応答率などの指標チェック、SVから受けた報告内容をまとめ現状把握を行います。それらをもとに、今後の目標設定や、目標達成に向けたサポートをするのがマネージャー・ディレクターの仕事です。 また、従業員が働きやすい環境にするための労働環境の管理、勤怠や福利厚生など労働に関連する管理も担います。 基本的に、オペレーター業務は行いませんが、重大なクレームが発生した際には、イレギュラー対応として稀に電話対応することもあります。 マネージャー・ディレクターには、優秀な部下(SV)を育てる育成スキルや、物事を客観的・全体的に見られる俯瞰する力が必要です。  

スーパーバイザー(SV)

スーパーバイザー(SV)は、オペレーターの育成・管理・フォローを行うのが役割です。 仕事内容の一例は、以下のとおりです。 ● 難易度の高いクレーム対応 ● オペレーターの応対品質のチェック ● オペレーターのシフト作成、管理 オペレーターの直属の管理者にあたるSVは、オペレーター数人から20人程度に対し、1人配置するのが一般的です。 SVは、オペレーターやリーダーが対応しきれないクレームや苦情が発生した際、二次対応を受け持つこともあります。そのほか、後述するクオリティマネージャー(QM)・トレーナーと共に、オペレーターの通話内容をモニタリングし、フィードバックを行います。 また、オペレーターのシフト管理を行うなど現場に深くかかわる職務です。SVには、上司・部下どちらとも円滑なコミュニケーションが取れる能力、そして難易度の高いクレームに対応できる力が求められます。  

リーダー

リーダーは、オペレーターが円滑にお客様対応を行えるようにサポートするのが役割です。 仕事内容の一例は、以下のとおりです。 ● オペレーターの対応フォロー、指導 ● 二次クレーム対応 ● OJT研修の実施 リーダーはSVの業務を補助しつつ、オペレーターのサポートを行います。リーダー1人に対し、オペレーター5人から10人程度束ねるのが一般的です。対応に苦慮しているオペレーターがいるときには、真っ先にフォローや対応方法の指導を行い、状況によっては電話対応を交代するケースもあります。 なお、オペレーター研修の一環として「OJT」を行う際、リーダーがオペレーターの横に付き演習を行います。そのため、オペレーターよりも深い業務知識を持ち、課題を抱えるオペレーターに対しては、具体的に解決策をアドバイスできる能力が必要です。  

オペレーター

オペレーターは、かかってきた電話に応対したり、お客様に電話をかけたりするのが役割です。 仕事内容の一例は、以下のとおりです。 ● 注文受付 ● 問い合わせ、質問受付 ● クレーム対応 ● 商品・サービスの案内 ● アポイント獲得 ● チャット、SMS対応 オペレーターは、企業の顔としてお客様と接点を持つ重要な役割を果たします。主に、電話でお客様と対話しますが、必要に応じてチャットやSMSなどでコミュニケーションをとるケースもあります。 さまざまなお客様と対話するオペレーターには、どのようなお客様に対しても柔軟に対応できるコミュニケーション能力が必須です。また、クレーム・苦情対応に直面することもあるため、クレーム対応力にくわえ忍耐力・ストレス耐性も欠かせません。  

クオリティマネージャー(QM)・トレーナー

クオリティマネージャー(QM)・トレーナーは、オペレーターの対応品質を評価・管理を行うのが役割です。 仕事内容の一例は、以下のとおりです。 ● オペレーター研修の実施 ● リアルタイムでのモニタリング ● 音声ログによる対応確認 ● 定期評価によるフィードバック 品質管理を担うクオリティマネージャー(QM)・トレーナーは、正しい言葉遣いやビジネスマナーなど、電話対応で必要なスキルをオペレーターに教育するのが主な業務です。 また、決められたオペレーション通りに対応しているかを確認するために、定期的にモニタリングとフィードバックを実施します。品質改善が必要なオペレーターに対しては、個別指導を行うのもクオリティマネージャー(QM)・トレーナーの仕事です。 誰にでも伝わるような教え方をしたり、オペレーターの能力や可能性を引き出したりするコーチング能力が必要です。  

バックオフィス

バックオフィスとは、「後方支援」という意味合いを持ち、主に事務処理を行うのが役割です。 仕事内容の一例は、以下のとおりです。 ● 商品情報管理 ● 顧客情報管理 ● 各種申請、調整、手配 ● 従業員の契約書管理 バックオフィスは、センター全体の管理にも関わり、コールセンター運営に欠かせないポジションです。 センターに勤務する従業員が「いかにして効率的に業務を進められるか」を検討するのも、バックオフィスの仕事です。例えば、オペレーターが商品・サービスを提案する際に使う、架電対象者リストの作成や、案内内容を細かくまとめた資料作りなどを行います。 バックオフィスは、仕事に対し丁寧に取り組む姿勢と、事務処理能力・タスク管理能力のある人が求められます。  

システム担当

システム担当は、コールセンターシステムやサーバー、ネットワークの構築・管理を行うのが役割です。 仕事内容の一例は、以下のとおりです。 ● コールセンターシステム構築、運用、保守 ● 社内インフラの整備 コールセンターでは、センター独自のシステムを多く使用しています。例えば、入電があるとPC画面上に顧客情報をポップアップさせるCTIシステム、その顧客情報を管理するCRMシステムなどが挙げられます。 オペレーターがこういったシステムをスムーズに扱えるのは、構築・管理・保守している人がいるからです。 また、PCや電話機に不具合が生じたときの修理対応や、使用しているアプリの更新など、社内インフラの環境整備を行うのもシステム担当の仕事です。 システム担当者は、社内PCのいかなるトラブルにも対応できるようなIT関連の専門知識と、相手にわかりやすく伝えるトーク力・コミュニケーション能力が求められます。  

コールセンターの基本的な組織図

コールセンターの基本的な組織図は、以下のようになっています。 コールセンター組織図 図のようにコールセンター組織のトップは、センターマネージャーです。センターを総合的に管理し、経営方針の決定を行います。 次に、電話対応に関する業務を行う「オペレーション部門」と、センター業務をサポートする「サポート部門」の2つに分かれます。 具体的な体制は、以下のとおりです。 <コールセンター組織のトップ> センターマネージャー:運営責任者 <オペレーション部門> ● マネージャー・ディレクター:センターの管理、運営 ● スーパーバイザー(SV):リーダーとオペレーターの管理、指導 ● リーダー:オペレーターのサポート ● オペレーター:電話対応 <サポート部門> ● クオリティマネージャー(QM)・トレーナー:対応品質の評価、管理 ● バックオフィス:コールセンター運営の後方支援 ● システム担当:コールセンターシステムなどの構築、運営、管理  

コールセンターにおける組織図・組織体制の重要性

組織図は体制そのものを可視化し、従業員同士の相互関係が明確に示せるように構成されています。複数のポジションが存在するコールセンターでは、必要不可欠なものといえるでしょう。 ここでは、組織図・組織体制の重要性について具体的に解説します。  

指揮命令系統が明確になる

組織図・組織体制の重要性のひとつに、指令命令系統が明確になる点が挙げられます。 複数の職務から成り立っているコールセンターでは、指揮命令系統が不明瞭だとトラブル発生時において、「誰に指示を仰ぐべきかわからない」「SVがそれぞれ異なる指示を出す」といった混乱を招きかねません。 また、全従業員に周知したい事案が発生した際、「誰が誰に伝えるべきか」が曖昧だと、連絡モレや遅れが発生し、業務非効率化につながってしまいます。 指揮命令系統を示した組織図があることで、権限の明確化や責任の在り処、業務指示におけるトラブル防止が可能になります。  

戦略や方針が浸透しやすい

全従業員に対し、戦略や方針を浸透させるには、組織図・組織体制の構築が必要不可欠です。 経営戦略や方針は、センターマネージャーからオペレーター、システム担当に至るまで、すべての社員に共通する行動指針として明示するものです。これらが全従業員にまんべんなく浸透していれば、同じ目的や判断材料を持ち、歩みを進めることが可能になるでしょう。 しかし、全従業員に浸透させるといっても、単に呼びかけるだけではなかなかうまくいきません。全従業員に呼びかけつつも、同時に部署・部門ごとに責任者(SV)を決め、その責任者が自分のチームにアクション(チーム内ミーティングなど)を取っていくことが必要です。それには、センターに必要な役職を定め、組織体制を構築することが重要です。  

品質統一がしやすくなる

組織図・組織体制があることで、品質統一がしやすくなります。 組織図・組織体制が構築されていないセンターでは、組織全体の構造把握が難しく、センター内にどのような部署・部門があるのかわかりにくいものです。それによって、特定の部門に対し業務負荷がかかったり、権限が集中したりする場合があります。 例えば、本来SVが行うべき業務をリーダーが担ってしまうと、オペレーターのフォロー体制が万全でなくなってしまい、対応品質低下が懸念されます。また、すべての権限を一人の管理者に委ねてしまうと、トラブル発生時その管理者が不在だった場合、判断を仰ぐことができず対応の遅れが生じてしまうかもしれません。 組織図によって体制構造を可視化することで、各職務が担う業務内容と役割、権限の在り処が明確になるため、組織のバランスが整えられます。結果として、オペレーターが業務に遂行しやすい環境が整い、対応品質の均一化につながるでしょう。  

組織図の設計方法

組織図は、以下の方法で設計しましょう。 1. センターマネージャーの決定 2. 各部署・部門の責任者の割り当て 3. 職務ごとに縦割りで構成 組織図の設計で最初に行うことは、センターマネージャーの配置です。続いて、各部署の管理・運営に携わるマネージャーを割り当て、SV、リーダー、オペレーターの順に「縦割り」で構成していきます。縦割りで構成する理由としては、指揮命令系統をひと目でわかるようにするためです。 また、SVやリーダーの役職を複数配置する場合には、横に並べていきましょう。それにより、部署や人員数に偏りがないか、各部署との連携が問題なく取れるかが明確になります。 なお、組織図は一度作成したら完了というわけではありません。組織の形態に変化があった場合や、従業員の増減があった場合には、適宜見直しを行うことが重要です。  

まとめ

コールセンター運営を円滑にするためには、組織体制を可視化できる組織図が必要不可欠です。組織図があることで、指揮命令系統の確立と品質統一、戦略・方針が浸透しやすくなり、センターが一丸となり業務に取り組めるようになるでしょう。 しかし、コールセンター運営の体制整備を考える際は、業務のノウハウを豊富に持った人に任せるのが理想です。現状、適切な組織図を設計するのが難しいと感じる場合には、電話対応の全般を電話代行サービスに委託するのも有効な手段といえます。 株式会社中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。 「効率的にコールセンター運営をしたいが、やり方がわからない」とお困りであれば、企業規模に合わせ柔軟にプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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