クレーム対応の流れとフローチャートについて
公開日 2023.06.28
更新日 2023.06.28
知識

クレーム対応の流れとフローチャートについて

「クレームを受けた際、どう対応したらよいのかわからない」このように、クレーム対応体制が整備されておらず、苦戦している企業もあるのではないでしょうか。 適切に対処できないと、どれだけ頑張って対応しても、いつまでも解決に導けず疲弊する一方です。さらに、早く対応を終わらせたい一心から、適当に話を聞き、曖昧な解答をしてしまうと、新たなクレームをうむことにもなります。 課題を解決するには、基本的な案内の流れを図式にしたフローチャートをもとに、クレーム対応を行うのが有効な方法です。 今回は、フローチャートを用いて、クレーム対応の流れをご紹介します。あわせて、クレーム対応の概要や心得も解説しますので、従業員の教育にお役立てください。  

クレーム対応とは?

クレーム対応とは、自社商品・サービスを利用し、不平不満を抱いた顧客から寄せられた苦情を処理する業務のことです。 クレームはネガティブなイメージを抱かれやすく「厄介なもの、できれば対応したくないもの」と思う方も多いかもしれません。 確かに、悪質なクレームを主張してくるケースもあります。しかし、正当な理由を持ったクレームにおいては適切に対処することで、顧客満足度の向上や商品・サービスの改善に役立てられるため、誠実な姿勢で取り組むべきといえるでしょう。  

クレーム対応で心得ておくこと

クレーム対応で心得ておくことは、以下の通りです。 相手の話をしっかりと聞く ・決して感情的にならない ・クレームの考え方を改める クレーム対応の基本は、相手の話に耳を傾け、最後まで聞くことです。「早く対応を終わらせたい」という一心から、よく話を聞かずに、すぐに解決の提案をしてしまうと、誤った案内により二次クレームにつながるケースもあります。 また、どれだけ理不尽な内容であったとしても、感情的になってはいけません。こちらの感情をぶつけたとしても、かえって状況が悪化する可能性が高まります。何を言われても、落ち着いて穏やかな口調で対応しましょう。 最後に、クレームは、電話にでた「自分」に対して向けられたのではなく、「会社に寄せられている」と考えるべきです。相手の怒りや不満が「自分」に向けられていると思ってしまうと、精神的なダメージを受けることになるため、クレームへの考え方を改める必要があります。 ▼関連記事 電話でのクレーム対応で心得るべきことを解説 メールでクレーム対応をする際の書き方 クレーム対応の心構え・対応例〜事例を元に解説  

クレーム対応の基本的なフロー

クレーム対応を受けるときの基本的なフローを、以下のステップに分けてご紹介します。 ・謝罪 ・事実の確認 ・共感 ・判断 ・分岐①-1 対応方法の提案 ・分岐①-2 感謝・再謝罪 ・分岐①-3 サービス・プロダクト改善への活用 ・分岐②すぐに回答せず組織で対応 それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。  

謝罪

クレームの入電があった際には、相手の怒りを落ち着かせるために、まずは謝罪しましょう。ただし、この時点の謝罪はあくまでも、相手に不快な思いをさせたことに対しての謝罪です。 「すべて弊社の責任です」などと、企業側に全面的な非があるとして謝罪するのは避けなければなりません。なぜなら、クレームは相手の勘違いや悪意で起きているかもしれないからです。 トーク例としては、「この度は、ご不便おかけし申し訳ございませんでした」とするのが相応しいといえます。 なお、企業側に明らかなミスや過失があった場合には、クレーム内容に対して誠意を込めて謝罪しましょう。  

事実の確認

次に、相手の主張を聞きながら、事実の確認を行います。明確な事実を把握できなければ、相手が抱えている不満や困りごとを解決できないからです。 事実確認をする際には、5W1Hを用いることをおすすめします。 具体的には、以下の通りです。 ・「どんな(何)」問題が発生しているのか ・問題が発生したのは「いつ」なのか ・「どこで(場所)」問題に気付いたのか ・気付いたのは「誰」なのか ・「なぜ」そのような状況になったのか ・企業側に「どのように」対応してほしいのか これらの内容をヒアリングした後、事実確認を行いトラブルの焦点を見極めます。 ヒアリング内容によっては、相手の勘違いや認識違い、事実と異なる点があるかもしれません。その場合でも、話を遮ったり反論したりせずに、話を最後まで聞くことが大切です。  

共感

ヒアリングする際は、共感を示すことも必要です。共感は、相手に寄り添い、高ぶった気持ちを落ち着かせる効果があります。 共感を示す際には、適度な相づちを会話の中に交える方法がおすすめです。なお「はい」以外に、以下の言葉を用いるとよいでしょう。 ・さようでございますか ・おっしゃるとおりでございます ・◯◯ということでございますね また、相づちを打つ際は、単調な言い方にならないよう、感情を込め、強弱をつけることもポイントです。 ▼関連記事 電話対応やコールセンターでよく使う言葉遣い一覧表  

判断

判断では、対応方法が以下の2つに分岐します。 ・分岐①クレーム内容が正当なもの→解決策の提案 ・分岐②へクレーム内容に悪意が感じられる→すぐに解答せず組織で対応 分岐①で考えられるクレーム内容は、主に商品・サービスの不備や不具合、配送ミスなど企業側に落ち度がある内容です。この場合は、対応方法の提案を行い、解決まで素早く導きましょう。 一方、分岐②においては、相手の勘違いや言いがかりなど、企業側に落ち度がない内容です。この場合は、すぐに解答するのは避け、組織として対応するために、一定の時間を置く必要があります。  

分岐①-1 対応方法の提案

企業側に落ち度があるクレームの場合には、素早く対応方法の提案を行いましょう。 対応方法の提案は、相手の心情に寄り添いながら進めることを心がけます。決して、「弊社としては、◯◯しかできませんのでご理解願います」などと、企業都合の一方的な内容や言い方にならないよう気を付けなければなりません。 また、提案した内容に同意が得られなかった場合には、互いに納得できそうな「代替案」を提示することも大切です。 対応方法の例文については、後ほど詳しく説明します。  

分岐①-2 感謝・再謝罪

提案にご納得いただけたら、感謝を伝え、再度お詫びをしましょう。 謝罪はフロー冒頭でも行っていますが、クレーム対応の「締め」として謝罪をし、ご指摘やご意見をくださったことに対して感謝を述べます。 また、いただいたご指摘から業務改善につなげる姿勢を見せることで、今後の関係を良好なものにする効果があります。 具体的には、「今後はこのようなことがないよう、精進してまいります」などのフレーズがおすすめです。  

分岐①-3 サービス・プロダクト改善への活用

クレームはネガティブなものとするのではなく、顧客からの「意見」として捉え、サービス・プロダクト改善へ役立てましょう。 クレーム対応のゴールは、相手に納得してもらい、電話応対を終わらせることではありません。自社内では気づけなかった顧客の不満や、提供する商品・サービスの不良など、いただいたクレームから改善につなげるまでを目標とすべきです。 改善すべき点をもとに品質を高めることで、さらに魅力的なサービス・プロダクトの提供につながるでしょう。  

分岐②すぐに解答せず組織で対応

クレーム内容に悪意が感じられる場合は、すぐに解答せず組織で対応しましょう。焦りや動揺から、その場しのぎの曖昧な解答をしないことが重要です。 クレーム対応をしていると、残念ながら言いがかりや難癖をつけてくる「クレーマー」に直面することがあります。その際は、相手に納得してもらう、信頼を取り戻すために対応する、と考えるのではなく、組織で対応することが大切です。 そのためにはあらかじめ、クレーマーからの入電があった際には「どう対応・対処するのか」を考えておく必要があります。 対応方法の例文については、後ほど詳しく説明します。  

クレーム対応のやりとり例文

ここでは、前項の「判断」から分岐する「解決策の提案を行う場合」と「内容に悪意があり、すぐに回答せず組織で対応する場合」のやりとりを例文にしてご紹介します。 あわせて、ポイントや注意点も解説しますので、それぞれを参考にしながらフローチャート作成にお役立てください。  

分岐①のケース:解決策の提案を行う対応

解決策を提案する際は、相手に内容が伝わりやすいように、順を追ってゆっくり説明しましょう。 その際、自社内でしかわからない「社内用語」や「専門用語」の使用は望ましくありません。聞いてすぐに理解できない言葉で話をすると、雑で不親切な印象を与えてしまい、相手の怒りを助長してしまうので注意が必要です。 また、解決策を提案する際には、期限・数字・数量など具体的な数字も含めて伝えることもポイントです。たとえば、「◯月◯日までに商品を送ります」「◯◯円返金いたします」とすると、内容が具体的になり納得を得られやすくなります。  

<企業側に落ち度があり解決策の提案を行う際の例文>

従業員:「お電話ありがとうございます。◯◯会社◯◯です」 相手:「届いた商品が壊れている」 従業員:「◯◯の不具合が起きているのですね、ご不便をおかけして申し訳ありません」 相手:「すぐに交換してください」 従業員:「ご要望としては交換を望まれているということですね。それでは、不具合が起きている状態をもう少し詳しく教えていただけないでしょうか?」 ※ここで、5W1Hを用いて事実確認を行う 従業員:「この度は、商品に破損があり大変申し訳ございませんでした。すぐに新しい商品とお取り替えいたします。本日発送すると明日の◯月◯日にお届け予定となりますが、よろしいでしょうか?」 相手:「はい、わかりました」 従業員:「この度は、ご指摘いただきありがとうございました。真摯に受け止め、改善に向けて取り組んで参ります」  

<代替案を提案する場合>

相手:「違う店で買い直すので、交換ではなく返金してほしい」 従業員:「お客様が希望される返金の対応はできかねますが、新しい商品を本日発送し、すぐにお手元に届くよう手配することはできます」 相手:「わかりました」 従業員:「ご理解いただきありがとうございます。今後このような不手際が起こらないよう、社内での情報共有を徹底し再発防止に努めてまいります」  

分岐②のケース:内容に悪意が感じられる場合の対応

クレーム内容に悪意が感じられる場合は、すぐに回答せず組織で対応しましょう。 悪意のあるケースとしては、「些細なミスに対して、相応しくない過大な要求をしてくる」「怒鳴る、脅すような言葉を言ってくる」などが挙げられます。 悪意のある内容や威圧的な態度を取る相手に対しては、組織として対応します。つまり、電話に出た従業員が対応するのではなく、一度電話を切り、組織内で対応を考えるという方法です。 一度電話を切ることで、相手の温度感を下げられるのはもちろん、こちらも落ち着いて解決策を考えられる有効な手段です。  

<内容に悪意が感じられる場合の例文>

従業員:「お電話ありがとうございます。◯◯会社◯◯です」 相手:「そちらの商品を使いケガしそうになった。今すぐ家まで謝罪にきてください」 従業員:「この度は弊社の商品に関して、ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ございません。状況を確認したいので、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか?」 ※ここで、5W1Hを用いて事実確認を行う 従業員:「お話いただいた内容をもとに、こちらでも状況確認をいたします。少々お時間がかかりますので、折り返しお電話させていただきます」 このときのポイントは、疑問形ではなく「言い切る」ことです。「折り返し対応にさせていただいてもよろしいでしょうか?」などと疑問形で聞いてしまうと、悪質なクレーマーだった場合、電話を切らせてくれないケースもあるからです。 そのため、丁寧でありながらも言い切る表現を使い、きっぱりと電話を切る流れに持ち込みましょう。  

まとめ

クレーム対応のフローチャートは、「謝罪→事実の確認→共感→判断(対応方法の提案or組織で対応)」から構成されます。一般的なクレームであれば、フローチャートに則り対応をすることで、解決までの筋道が立てやすくなります。 しかしながら、悪質な内容のクレームを言いつけてくる「クレーマー」がいるのも確かです。そういったクレーマーに対しては「組織として対応する」と説明しましたが、実際のところ事態を収拾させるために、多くの時間と労力が必要になります。 そこで、おすすめなのが企業に代わって、クレーム対応をしてくれる電話代行サービスの活用です。 株式会社中央事務所の電話代行サービスでは、高品質かつ柔軟な対応ができるオペレーターが、問い合わせ・相談受付からクレーム対応まで幅広く担います。 株式会社中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。 「クレームに耐性がなく対応に課題を抱えている」このように悩まれている企業様にも、活用目的に合わせて柔軟にプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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