クレーム対応を上手く行う方法〜メール・電話で共通の手順や対処法  
公開日 2023.03.23
更新日 2024.01.29
知識

クレーム対応を上手く行う方法〜メール・電話で共通の手順や対処法  

クレーム対応を上手く行う方法〜メール・電話で共通の手順や対処法_アイキャッチ

クレーム対応は、対応する人にプレッシャーがかかりやすく、得意としている人はあまり多くはないことでしょう。しかし、クレームは商品販売や接客を業務内容としている場合はつきものといってもよく、対応手順とコツを理解して実践すると、商品やお店の信用を落とすことなくお客様にも納得をいただくことができます。そこで、クレームの正しい対応の仕方や、ポイントについてまとめましたので、業務のヒントとしてご活用ください。  

クレーム対応とは?

クレームとは、狭い意味では何らかの商品の欠陥や、サービスの提供の不具合について、返金や損害賠償請求を行うことをいいます。コールセンターやカスタマーサポートでは、お客様の苦情やお叱り、不満、異議を申し立てる行為を含めて考え、これを業務手順にのせて適切に処理することを「クレーム対応」と呼んでいます。クレーム対応は、多くの場合電話やメールで行います。 原因別・種類別に対応を手順化しておくことが、コールセンター等で業務上多くのクレームに適切に対応するために有効な方策であるとされています。  

クレームの発生原因として多いもの

クレームの発生原因で多いものは次の3つとされます。 ・商品・サービスの欠陥 ・接客態度への不満 ・お客様の誤解 商品・サービスの欠陥については、商品を代替品に交換する・返金することが最終的な解決方法になる可能性があるので、必要な場合は交換や返金をする手順を進めて対応します。不満を持たれているお客様の心情をくみ取り、不便な思いをさせたことに謝罪をするなど誠意ある対応を同時に求められますが、比較的定型的な解決手順を踏むことで解決につながるものと考えられます。 これに対して、接客態度への不満・お客様の誤解は、必ずしも解決策は存在しないほか、定型的な対応がうまく行かないこともあります。お客様は何が最もご不満なのか、十分にお客様の話を聞き、事実関係を把握して対応することが重要です。同時に、次にご紹介するクレームの種類にも着目して手順を決めておきましょう。  

クレームの種類とは

さらにクレームには種類があります。 整理すると、次のようにクレームは分類されます。  ①商品やサービスの供給者側に非があり、商品やサービスへの対応策が求められるもの  ②お客様の誤解が解けると解決するもの  ③悪意のあるクレーム ①には、事後のクレームそのものへの対応と、クレームを予防するための事前の対応があります。クレームそのものへは、謝罪・お詫び、条件に合う時には、返品・交換・返金などの対応が事後の対応です。クレームの予防策は、別途フローにのせて報告をし、他の事業部に対応してもらいます。 ②では、例えば商品の取り扱い説明書がわからずにお怒りのお客様の場合や、サービスに含まれている内容ではないのに、「当然あっておかしくないのに、含まれていない」などのお叱りが入ることもよくあることです。自分たちに非がない、しかし、お客様の目線に立つとご不便をおかけしていることもあることがかんがえられるので、丁寧に誤解を解く必要があります。一方で、感情を害したお客様が、悪意のあるクレームへと態度を変えることもあるので、対応には留意が必要です。  

クレーム対応の基本・心得

クレーム対応は、基本的にお客様はご不満を持っているので、不満に寄り添う対応が求められます。手順を決めて対応することは、機械的に対応をすることとは異なり、お客様の立場で物事を考えて推測してみる、ということです。  

クレーム対応はお客様の立場になることから

お客様の主張と心情を考えたパターン別の対応を簡単に説明すると次の通りです。 ・お困り、不愉快 謝罪・問題の解決を求めています。荷物が期日通りに届かない・せっかく買った高価な商品が使えない、となれば困るのは当然ですので、一緒に解決をするように対応すると、心情に合った対応ができます。 ・不当に扱われた、他のお客さんと比べて損をした お客様の自尊心・感情が傷ついています。大切なお客様の取り扱いとして不適切であることに共感をしめし、事実確認の上、エスカレーションにより担当部署に必要に応じた報告ができるようにします。 ・商品、サービスはもっとよくしないといけないとのご意見 お客様の正義感からのクレームです。お客様のご指摘にはまずお礼が必要です。同時に、ご指摘いただいた問題についてどの程度重要な問題なのか判断できるようにヒアリングし、エスカレーションを必要に応じて行うようにしましょう。 ・個人的な感情から、商品・サービスに不満がある 聞いてほしい、というお気持ちを尊重しましょう。否定するのではなく、理不尽ではないか、と思うことがあっても、まずは聞くことから始めてください。 ・嫌がらせ、悪ふざけ、脅迫 業務に対する嫌がらせ・悪ふざけによる妨害・会社に対する脅しは、威力業務妨害・脅迫罪などの犯罪行為に当たる可能性がある行為です。警察に通報する手順など、非常事態への対応法は確認しておきましょう。  

クレーム対応が上手い人の特徴とは

ところで、コールセンターなどでクレーム対応が上手な人は、クレームに対してどんな対応をしているのでしょうか。上手な人にも、共通点や特徴的な対応があるようです。 ・相手のいうことを否定しない ・よく話を聞いている、相槌をよく打つ ・やわらかな口調での対応 ・相手の話を確認し、解決策の提示では事務処理の速さが感じられる ・説明は丁寧にしている ・お礼、挨拶は忘れない お怒り・ご不満のある相手方の心情に寄り添う対応をしているのと同時に、丁寧に接することにより、相手を尊重している様子がうかがえるでしょう。また、確認をしてお困りごとに解決策を考えながら話をしているようにも感じられます。  

クレーム対応の手順

クレーム対応を迅速に処理することは、問題を先送りするよりも早期にクレームの解決につながりやすく、お客様の意に沿うものであり、結果、業務の負担をさげます。迅速に動けるように、クレームには対応手順を準備します。まずは謝罪から始め、そのあと基本的なクレーム対応の手順を実行します。 対応する側から見ると、手順全体を頭に入れておくことは、業務をスムーズにし、業務負担を心理的にも物理的にも軽くします。担当者は手順を頭に入れておきましょう。  

クレームの内容をヒアリングする

クレームの内容を正確に聞くことは、クレーム処理の第一歩です。メモを必要に応じて取りながら、どんなことが起こっていたのか、原因はなにか漏らさず聞き取りましょう。いつだれがどこでどんな風に何をした、その結果どんなことが起きたのか、テンプレート化してメモをすることも、漏れなく正確に対応するために有効です。  

クレームの理解が合っているかを確認する

ヒアリングが終わったら、復唱による確認を行い、理解が合っているかどうか、確かめておきます。クレームを申し立てるお客様としては、これ以上の間違いはうんざりしてしまいますし、また解決策も正確に事態を理解しないと適切に提示できないため、確認は重要です。

適切な解決策や代替案を提示する

まちがった商品が届いたら、正しい商品を再度配達するための段取りが必要です。また、支払った金額に見合ったサービスを提供しなかったことが分かった場合は、返金の手配なども必要になることがあります。これらの具体的な解決策として、できることをわかりやすく提示します。合理的な解決策であることがわかるように、理解しやすく丁寧な説明を心掛けます。  

改めてお詫びと感謝を伝える

クレーム処理は、お詫びから始まります。不快な思いをしているお客様に誠実な態度で接していると、最初は態度が硬いお客様からも徐々に理解を得やすくなります。また、クレームは悪意のものでなければ、業務改善につなげてくれているのでお礼をしっかり伝えましょう。  

自分に非がない場合の対応のコツ

会社側に非がないがお客様はお怒りという状況では、謝ったらよいのか、謝る必要はないのか、ということが問題になることがあります。こうした状況では「分けて考える」がコツです。お怒りになる原因を持たせたのは、会社側なので不愉快な気持ちにさせたことについては謝ることが必要です。しかし、会社側に非がない場合にも返金をしてほしい・もう一つ商品を送ってほしい、といった要求は理由がなく、できないことです。 そこで、謝ることと要求を通すことは別であることを念頭に置き対応します。「サービスの改善にご意見を生かしたいと思います」などとできる代替手段を提示するのも好ましい対応例です。悪意を持った不当な要求や、脅迫に変わった場合は、警察への通報も視野に入れる必要があることは留意しておく必要があります。  

電話でのクレーム対応のポイント

電話でのクレーム対応のポイントは次の通りです。 ・言葉遣いに注意 電話でのクレーム対応で注意したいのは言葉の使い方です。とくに注意したいのは「ですが」「でも」「お言葉ですが」といった相手に対する反論・否定・言い訳ととらえられる言葉遣いは火に油を注ぎます。声のトーンも落ち着きを感じられるものにすることが重要です。 ・電話の内容は録音 「言った、言わない」の水掛け論を避け、正確に理解するためにも録音は活用しましょう。反発も懸念されますので、お客様に録音することを直接言うのではなく、自動音声で了承を求めておきましょう。 ・時間がかかる場合は折り返す クレームは内容により、事実の確認や状況の確認に時間がかかることもありますので、折り返した方がお待たせせずに済むことがあります。 また、なかなかお客様のお叱りが止まらず、収集がつかない場合も見られます。その場合は、希望の日時に折り返し電話をすることとし、クールダウンしたほうがよいでしょう。  

メールでのクレーム対応のポイント

クレーム対応メールの書き方のポイントは、次の通りです。 ・わかりやすく 回りくどい表現や、わかりにくい表現で誤解を与えるもの・お客様に過度の期待を持たせるような言い方で、さらにトラブルを呼び込む可能性はないか、ダブルチェックしておきましょう。 ・謝罪・お礼・挨拶は欠かさない 謝罪・お礼・挨拶は、3つでセット、と考えて落とさないように注意します。謝罪はその姿勢を見せることが重要です。心情を理解し、非がなくても不快な思いをさせたことについて最低限謝罪は必要と考えておきましょう。 ・クレームが発生した原因、理由 クレームが発生した原因・理由がある場合は、理由を説明しましょう。理由がわかると、解決できるクレームもあります。お客様の感情を害する言い訳は禁物ですので、なぜ発生したのか、簡潔にわかりやすく記載します。 ・改善策、解決策、代替案のご提案 改善策・解決策・代替案のご提案は、時間を使ってくださったお客様に対して、結果を示すこと・クレームに対する誠意を示すうえで重要です。同時にできる範囲のことを丁寧にしめすことがポイントです。できないことを示して、さらに問題を広げないように留意しましょう。 ・結び、締めの言葉 最後に、改めて謝罪をし、時間を使ってご意見をくださったお客様に感謝の気持ちで文章をまとめます。  

クレーム対応で避けるべき行動

クレーム対応には、NG対応といわれる対応があります。NG対応をした場合は、最悪会社名が実名で示されてSNSなどで炎上し騒ぎになることも考えられます。そうなると、解決により時間と金銭がかかることも考えられます。NG 対応はぜひ避けてください。  

顧客の話や主張を否定する

顧客の理解した事実・主張を「それは違います」などと言っても、感情を害してしまうため、一旦はとにかくじっくり聞くことに徹することとしましょう。そのうえで、認識違いや、最悪は不当な要求である、といった整理をつけて、お客様の誤解が解けるように説明を丁寧につける・スーパーバイザーにつなぐなど、より適切と思われる対応を行うと解決がつけやすいです。  

顧客の話を遮って話し始めてしまう

これも否定に等しいことで、さえぎられた方は不当な扱いを受けた、と思ってしまいます。クレーム対応に感情をさらに害したお客様から、二重クレームにも発展することがありますので、聞くことは話すことの100倍重要とくらいにとらえた対応をしましょう。  

真摯に対応せず解決しないまま放置してしまう

放置して何も対応しないことも、SNSなどでの風評などを考えると高いリスクがあります。また、風評を広げてしまう時間をつくってしまうことにもなります。真摯に・誠実に対応し、解決策・改善策・代替策の提案をすること、報告および業務改善の記録をつけることがこうしたリスクに対応する手段です。  

クレームをなるべく減らすためには

クレームの予防・減らすことに役立つのは、クレーム全体に着目し、クレームから垣間見える業務の現状を正しく認識し、分析の上対応、業務改善につなげることです。  

まずは社内で発生しているクレームを洗い出す

社内でどのようなクレームが発生しているのか、その傾向や、発生原因別・項目別に整理をしてみましょう。原因・原因発生の日時・原因発生と関連する業務・クレーム対象の商品またはサービス・項目・解決までの時間、など様々な切り口から傾向がみられるか、また発生しがちなクレームのパターンにも着目してみましょう。  

発生しがちなクレームへの根本的な対処を検討する

クレームが接客態度全般であれば、全体への指導・教育訓練による改善が必要であるとの結論は出やすくなります。また、教育訓練のプログラムを再度検討することも必要になるでしょう。クレームが特定の人物に集中している場合は、指導が必要になることもありますし、クレームが出やすい時間帯があれば、背景を見極め、繁忙時間の勤務調整を行うなどの方策も取る価値があるでしょう。 このように、クレームの原因・背景は、よく分析すると対応方法も異なることがあります。原因・背景をしっかり見極めて、直接クレームをなくす根本的な改善のための行動がとれるかはクレームを減らすためのカギになります。  

よくあるクレーム対応の例文やマニュアルを用意する

基本的にクレーム対応は大量の事務処理であり、クレームに組織的・定型的に対応することが必要です。まだ事業規模が小さいところでも、会社の成長段階の早いうちから、クレーム対応の例文・マニュアルを作成しておくと、二重クレームが発生しないように適切に対応することができます。 すでに事業規模がある程度の大きさがある場合、クレーム対応は、精神的にも肉体的にも負荷がかかる仕事であることを担当者やスーパーバイザーは実感していると思います。自動でできることはCTIシステムを使うなどして、働く人の負荷を下げ、業務環境をよくすることもクレーム対応の質を上げるうえではポイントと考えられます。  

まとめ                            

クレーム対応は手順やマニュアルであらかじめ準備をし、適切に対応するとトラブルを防ぎ、業務改善のきっかけにすることができます。結果として顧客によりよい商品やサービスを提供できるように会社を成長させることができます。 加えて、会社が大きくなった時に考えたいのはコールセンター業務のアウトソースの活用です。なかなか内製ではコールセンター業務を回すのは難しい場合、信頼できる外注業者を見つけることがポイントです。 株式会社中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。「自社商材にはどのような電話対応が必要なのか?」と悩まれる方にも、インバウンドタイプ、アウトバウンドタイプに関わらず、企業様のご要望に合わせた規模やプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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