コールセンターのリコール対応とは?手順についても解説
公開日 2024.07.01
更新日 2024.07.01
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コールセンターのリコール対応とは?手順についても解説

企業の商品・サービスに欠陥や不具合が生じた場合に実施されるのが、リコール対応です。企業にとってリコールは避けたいものですが、万一の事態に備え、対応策を立てておく必要があります。 迅速かつ適切にリコール対応を行うためには、コールセンターを活用するのも有効です。 そこでこの記事では、コールセンターにおけるリコール対応の手順やポイントについて解説します。  

リコールとは

リコールとは、企業が取り扱う商品・サービスに欠陥や不具合が見つかった場合に行う対応業務のことです。リコール対象となる商品・サービスを回収し、修理や交換など、状況に応じて適切な措置を取ります。 リコールに関する窓口となるのが、コールセンターです。コールセンターで顧客からの問い合わせを受け付け、不良品の回収から良品への交換発送に至るまで、リコールの手続きを進めます。電話に限らず、メールや問い合わせフォームといった複数のチャネルを通して、リコールに対応するケースもあるでしょう。 リコールが発生すると、顧客のロイヤリティが大きく低下しかねません。そのため、顧客に納得してもらえる代替案を提示することが重要です。特に、リコール対応ではコールセンターの受電数が増加すると考えられます。これにより電話対応の品質が下がれば、顧客にさらなるストレスを抱かせてしまうでしょう。 企業のコールセンターでは、リコール対応の業務フローを決めておくとともに、トークスクリプトの用意やオペレーターの教育にも注力するようにしてください。  

製品ごとのリコール制度

リコール対応を行うかどうかは、法令の規定か企業の判断によって決まります。 製品の不具合が発覚した際に企業の判断が遅れると、被害の拡大に留まらず、重大な事故を引き起こしかねません。企業は顧客の安全を最優先したうえで、迅速にリコールの実施を判断する姿勢が大切です。 なお、製品ごとにリコールのルールや実施内容は異なります。主要な製品のリコール制度は、以下の通りです。 ・自動車:「道路運送車両法」の保安基準に基づく。国土交通省の所管 ・食品:「食品衛生法」に基づく。厚生労働省の所管 ・医薬品、医薬部外品、化粧品など:「医薬品医療機器等法」に基づく。厚生労働省の所管 この他、経済産業省の所管において、電気製品は「電気用品安全法」、ガス用品は「ガス事業法」に基づいてリコール制度が設けられています。 また、経済産業省のホームページにはリコール情報が掲載されており、消費者庁でもリコール情報サイトでさまざまな製品の情報提供を行っています。 リコールの実施を的確に判断するために、自社の商品・サービスに関する法律や該当のリコール制度を正しく理解しておきましょう。  

迅速にリコール対応するための手順

リコール発生は企業にとって大きなリスクとなるからこそ、顧客への損害を最小限に抑える対応が必要です。ここでは、迅速にリコール対応するための手順を6つの段階に分けて解説します。  

事実確認をおこなう

リコール対応するにあたって、まず事実確認をおこなう必要があります。 自社の商品・サービスによって事故が発生した場合、正しい情報を集めて状況を整理することが重要です。たとえ事故の予兆であっても、見過ごさないようにしましょう。 事故の情報収集においては、製品の識別情報や所有者情報をチェックします。また、事故発生の日時や場所も把握しておかなければなりません。さらに実際の被害を確認し、写真や動画などの状況証拠もあれば併せて検証します。 このような基本情報を押さえたうえで、事故の原因を調査してください。商品・サービスそのものに原因があると判明すれば、人的被害の有無や被害拡大のリスクを踏まえて、リコール実施について判断します。事故の再発を防ぐためにも、事実確認はリコール対応に欠かせないプロセスです。  

リコール対応の対策本部を設置する

リコールの実施が決まったら、対応にあたる対策本部を設置します。 リコール対応では製品の回収だけでなく、消費者に向けた告知や関連企業への連絡、関係省庁への報告が必要です。業務内容が多岐にわたるため、全社を挙げて取り組まなければなりません。 そこで、経営責任者を筆頭に、必要な部門から代表者を選出してリコール対応にあたってください。対策本部には以下のような部門を設け、業務を分担するとよいでしょう。 ・製造部門:リコール対象となる製品の修理や代替品の製造、製造スケジュール全体の見直し ・広報部門:消費者への告知や記者会見の準備といった社外への広報活動 ・営業部門:取引先や業界全体への情報共有と協力依頼。製品回収のとりまとめ。 ・法務部門:リコール実施に関する法的な手続きや関係省庁への報告 ・消費者対応部門:リコール対応における顧客からの問い合わせやクレームに対処 ・経理部門:リコールにかかる費用の算出と資金の確保 リコール対応の可能性を考慮し、対策本部の組織構成や人材の選出方法をあらかじめ決めておくことも大切です。  

リコール方針を決定する

続いて、対応本部のもとでリコールの方針を決めていきます。 まず、企業側が今回のリコール対応で何を実現したいのか、目的を明確にしてください。 そして、事故の原因に基づいて、リコール方法の種類を決定します。製品に不具合や欠陥がある場合、製品を回収して修理する方法が適切でしょう。一方で製品の誤使用が原因であれば、不具合について消費者に注意喚起し、使用上の注意点を共有します。また、返金対応もひとつの手段です。 併せて、リコール対象の製品数と対象者の範囲を特定します。これに伴い、リコール実施率や実施期間といった目標数値も具体的に設定します。 リコール対応をスムーズに進めるには、リコールの方針を詳しく決定することがポイントです。  

ユーザーへの告知方法を決める

リコール方針を決めた後に、顧客ユーザーへの告知方法を検討します。できるだけ多くの対象者にリコールの実施を知ってもらえるように工夫しましょう。また、リコール対応の問い合わせを受け付けるチャネルも必要です。 リコール対象者の属性を明らかにしたうえで、企業が顧客情報を保有していれば、電話やメールによって告知します。メールの場合、顧客の見落としを防ぐために件名を強調するとよいでしょう。 顧客情報がわからない場合には、自社ホームページに告知を掲載したり、新聞広告や公共施設に掲示したりする方法もあります。このとき、対象者が確認できる媒体を選ぶことが大切です。 なお、リコール対応の告知にあたっては、対象製品の情報と併せてリコールの経緯や被害状況などもまとめて明記してください。問い合わせ先や今後の対応についても記載し、顧客への説明責任を果たしましょう。  

関係各所へ情報共有する

リコール実施の社内体制が整ったところで、関係各所への情報共有も忘れずに行ってください。関係各所の例としては、以下の通りです。 ・全社従業員 ・取引先や業界全体 ・弁護士 ・保険会社 対応本部だけでなく、全従業員にリコール対応を周知してもらいましょう。もちろん、取引先にもリコール対応に関する正しい情報を提供しなければなりません。取引先を介して、リコール対象者への告知範囲を広げられる可能性もあります。 また、リコール対応には法的責任を伴うケースも多いため、法律の専門家に相談することも有効な手段です。さらに、リコール保険に加入している場合、補償を受けられるか確認しておくとよいでしょう。 企業が積極的にリコール対応の情報を開示すれば、関係各所の協力を得やすくなります。  

リコールを実施する

リコール対応の事前準備と関係各所との情報共有が完了次第、リコールを実施してください。 企業のリコール対応には、スピードと正確性が求められます。そのため、リコールの実施状況を継続してモニタリングすることで、現状や効果を常に把握しておきましょう。収集した情報からリコール対応に問題点がないか検証し、必要に応じて見直しを行います。 また、コールセンターに寄せられた問い合わせや顧客の意見も、リコール対応の改善に必要な要素です。事前に設定した実施期間中に、リコール対応を効率よく進められれば、顧客からの信頼回復にもつながるでしょう。  

リコール対応時のポイント

リコール対応を迅速に進めるにあたって、どのような点に注意すればよいのでしょうか?ここからは、企業がリコール対応時に押さえておきたい4つのポイントについて解説します。  

安全最優先で判断する

リコール対応では、顧客の安全最優先で判断することが何よりも大切です。 製品の不具合や欠陥による事故で人的被害が出た場合、企業の責任が大きく問われる事態となります。社会的信用を失った結果、企業の存続まで危惧されるかもしれません。そのため、迅速なリコール対応の判断が求められます。 一方で、リコールが発生すると、顧客は製品の利用に不安を感じるものです。そこで、リコールの実施にあたっては、正確な情報を顧客に周知する取り組みを徹底してください。 不具合の発生状況や回収方法など、顧客にとって必要な情報を提示することで、顧客側も安心してリコールを受け入れやすくなります。また、リコール対応について問い合わせできるように、コールセンターを設置するのも有効な安全対策です。  

丁寧に顧客対応をおこなう

リコールでの顧客対応は、いつも以上に丁寧におこなうようにしてください。 リコールを行う際には、対象製品を回収したり、修理のために一時的に預かったりする必要が生じます。顧客の同意を得られなければ、リコール対応が上手く進められません。 例えば「企業が回収用の資材を持参して引き取る」「修理中は代替品を無償で貸し出す」など、企業側から顧客の不便を軽減できるような対策を提案するとよいでしょう。また、コールセンターでリコール対応について説明する場合、言葉遣いや声のトーンに注意することも大切です。 丁寧でわかりやすい伝え方を意識することで、顧客に誠意が伝わり、リコールにも快く協力してもらえるでしょう。  

リコールの目的を共有する

リコールの目的を共有することも、重要なポイントです。 対策本部においてリコール方針を決める段階で、リコールの目的を明確にしています。その内容を全社従業員に共有し、協力を求めてください。 特にリコール対応では、コールセンターのオペレーターを始めとして、関係部署の従業員が業務を担当します。各人の業務負荷が大きくなる分、リコールを実施する理由について納得してもらえるよう、配慮が欠かせません。 また、リコールは企業全体に関わる問題であるため、直接関わりのない部署にも説明するようにしましょう。企業が一丸となって対応にあたることで、リコールによる危機を乗り越えられます。  

配送業者と連携をスムーズにする

リコール方法によっては、対象製品の回収や交換品の発送といった作業が発生します。この場合、企業はリコールの対象者に適切な情報を開示するとともに、回収の段取りも速やかに行わなければなりません。そのため、配送業者とのスムーズな連携が必須です。 企業は、自社のリコール対応について、配送業者と情報を共有するようにしてください。リコールの方針やスケジュールを伝えることで、配送業者側も企業の意図を汲み取りやすくなるでしょう。 また、回収方法や実施期間を遵守してリコール対応できれば、顧客の安全確保にもつながります。  

まとめ

リコールとは、企業の商品・サービスに問題があった場合に回収や修理、交換など適切な対応を行う業務のことです。製品ごとにリコール制度は異なっています。企業は顧客の安全を最優先に考え、迅速にリコール実施の判断を下さなければなりません。 迅速にリコール対応するには、事実確認から対策本部の設置、リコール方針の決定といった事前準備が重要です。さらに、顧客への告知や関係各所との情報共有も行ったうえで、リコールを実施します。 リコールでは、顧客に丁寧に対応するように心がけてください。併せて、社内で目的を共有したり、配送業者と連携したりと、さまざまな方面で協力を求める姿勢が大切です。 中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。 さらに、対応可能な業務範囲や使用ツールを充実させることで、企業様のニーズに合ったプランを提案しております。企業のリコール対応としてコールセンターの活用を検討している企業様は、中央事務所にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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