公開日 2024.06.25
更新日 2024.06.25
知識
コールセンターのアップセル・クロスセルとは?違いやポイントを解説
コールセンターでは、たびたび「アップセル」「クロスセル」という営業手法を用います。どちらも、売上アップに欠かせない手法ですが、結果を出すためには目的を十分に理解し、ポイントを抑えて実施しなければなりません。
この記事では、アップセル・クロスセルの違いやポイントをわかりやすく解説しています。
コールセンターのアップセル・クロスセルとは?
コールセンターにおいてのアップセル・クロスセルとは、顧客との会話の中で用いるテクニックの一つです。どちらも購入単価を引き上げるという目的がありますが、その時の状況や顧客によって使い分ける必要があります。
まずは、それぞれの特徴について解説します。
アップセルとは?
アップセルとは、顧客との会話の中で、顧客が求めている商品より単価の高い商品やサービスを提案し、売上アップにつなげることを目的とした手法です。
例えば下記などがあげられます。
・安価の化粧品を求めている顧客に対し、年齢や肌質を考慮してワンランク上のシリーズを提案する
・単品でサプリを購入している顧客に対し、飲み忘れがないように定期購入をすすめる
・送料無料をアピールし、まとめ買いをすすめる
・スポーツジムの会員に対し、個別指導がプラスされた上位の会員ランクをすすめる
ちなみに、ECサイトなどで良く見かける、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という表示も、顧客が検索しているワンランク上の商品が並んでいることもあり、アップセルを使った販売促進の1つと言えます。
クロスセルとは?
一方、クロスセルとは、顧客が求めている商品に関連する商品をプラスして提案することで、追加購入につなげるための手法です。
例えば下記などがあげられます。
・美白化粧水を愛用している顧客に対し、さらに効果が感じられるように同シリーズの美容液をすすめる
・パソコン購入の顧客に、キーボードやマウスなどの備品をセットで提案する
・テレビの購入者に対し、一緒に見栄えの良いテレビ台もすすめる
同時に購入するメリットさえ伝われば、購入単価をアップさせるために有効な方法です。ただし、顧客に「あれこれ勧められる」と感じさせては、購入につながるどころか不信感を抱かないとも限りません。
押し売りに感じさせないスクリプトの作成や人材教育が不可欠です。
その他関連するダウンセル・パッケージセルとは
コールセンターにはアップセル・クロスセル以外にも、ダウンセル・パッケージセルという手法が存在します。
<ダウンセル>
ダウンセルというのは読んで字のごとく、商品の購入を迷っている顧客に対し、グレードを下げて低価格商品を提案する手法です。
売り手側にすれば、「価格を下げても、売れないよりは売れた方が良い」という苦肉の策ではありますが、顧客にとっては魅力的な提案であることに違いありません。
特に、価格がネックで購入に踏み切れないでいるのであれば、成約に結びつく可能性が高いでしょう。
<パッケージセル>
パッケージセルとは、購入を検討している顧客に対し、最初からセットで商品をすすめる手法です。
・スーツを売るために「新社会人セット」などと名付けて、スーツ、ネクタイ、ワイシャツをセットで販売する
・化粧品をシリーズで試せるように、まずは「トライアルキット」をすすめる
などは、パッケージセルの代表例と言えるでしょう。
アップセル・クロスセルのメリット
次に、コールセンターにおけるアップセル・クロスセルのメリットを見てみましょう。
アップセル・クロスセルを正しく実施することで、
・効率的に顧客単価の向上を図れる
・顧客満足度向上を狙える
といったメリットがあります。
効率的に顧客単価の向上を図れる
企業の収益アップの柱となるのは「新規顧客」の開拓と、「既存顧客」、いわゆるリピーターの育成です。
それぞれにメリットがあり、収益を上げるためには、両方の柱をバランスよく継続する必要があります。
とはいえ、新規顧客を開拓するためには、規模の大きいテレアポ部隊を結成したり、広告宣伝費や展示会開催などの経費がかかったり、コストや労力の割には期待どおりの結果につながらないことも少なくありません。
一方、既存顧客は、少なくとも一度は商品の良さを知っている顧客であり、ニーズさえつかめば、少ないコストで再購入につなげることも可能です。
もちろん、既存顧客の育成には綿密な顧客管理や手厚いフォローが必要ですが、ニーズに合ったアップセルやクロスセルを行うことで、効率的に顧客単価の向上を図ることができるはずです。
顧客満足度向上を狙える
アップセル・クロスセルによる提案が顧客の期待値を超えたものであれば、顧客満足度の向上にもつながります。
企業側がどれだけ顧客のニーズを探り、商品を提案したとしても、顧客の心が動かなければ購入には至りません。
言い換えるなら、アップセル・クロスセルを実施して再購入につながった顧客は、その提案を高く評価し、自身にとって有益だと感じた証です。
例えば、掃除機の愛用者で年々バッテリー交換の頻度が高くなっている顧客に対し、「新品に買い替えたほうがストレスも減るし、コスパも良い」ことが伝われば、新品購入に至る可能性が高いだけでなく、適切なアドバイスをしてくれた企業に対して信頼感も増すはずです。
顧客の真意を汲んだ適切なアップセル・クロスセルは、顧客満足度を向上させ、ひいては企業の売上アップにつながる、双方にとってメリットの大きい営業手法だと言えるでしょう。
アップセル・クロスセルのポイント
アップセル・クロスセルを成功させるためには、ポイントを抑えた戦略が必要です。
具体的には、「顧客情報を蓄積・分析する」ことと「顧客視点で会話する」ことで、最大限効果を発揮することができます。
それぞれ詳細に解説していきます。
顧客情報を蓄積・分析する
アップセルもクロスセルも、関連商品をすすめるという点では同じですが、闇雲に関連商品を提案すれば良いというものではありません。
顧客が満足するか不信感を抱くかは紙一重で、顧客の真意を汲んだ提案でなければ効果が出るどころか、大事な既存顧客を減らしてしまうことにもなりかねません。
その点を踏まえ、最初にすべきこととしては顧客の購入履歴、属性、問合せ内容などを詳しく分析し、結果を共有できるようにシステム化することが大切です。
分析された顧客情報を元に、
・リピート率が高い
・高価格帯の購入が多い
・問合せ頻度が多い
などの顧客に対し優先的にアプローチをかけることで、効率よく成果につなげることが期待できます。
ただし、それには日頃から顧客情報を整理し、会話の記録なども詳細に残しておかなければなりません。
数が膨大であれば購入頻度に応じてランク分けをして、それぞれのランクに応じてアプローチする頻度を決めるなど、決して「売り急いでいる」と思われない工夫が必要です。
顧客視点で会話する
提案の際は、売上アップのために商品をすすめるのではなく、顧客が抱えている問題を解決し、顧客の要望を満たすための提案でなければなりません。
具体的なコツをいくつかご紹介します。
<提案は最後>
提案は、終話の少し前に切り出すと効果的です。最初からセールスの話をされて気分の良い人はいませんし、関連商品であればなおさら、終話前に切り出すのが自然な流れです。
<商品をすすめるのではなく、メリットを伝える>
顧客が購入の意思を固めるのは、「その商品を持っているとメリットがある」と判断した時です。メリットを感じさせることができれば、自然と商品は売れていくものです。
<結論は相手にゆだねる>
顧客は、一方的にすすめられることを望んでいません。商品の良さやメリットを伝えた後は、あまり結論を急がないほうが成功する確立は高いはずです。
大切なのは商品が売れることではなく、いかに顧客視点で会話をし、既存顧客として継続させるかを考えるべきでしょう。
アップセル・クロスセルのためのロープレを行う
顧客の要望を満たす提案をするためには、オペレーターが自社商品やサービスについて精通し、かつ自然な口調で提案できることが大前提です。そのためにはオペレーターの教育が欠かせません。
まず、商品の理解度を深めるために、実際の商品に触れながら定期的に勉強会を開いたり、随時「理解度チェック」のようなテストを実施したり、知識を確認するのも有効です。
ただし、オペレーターの中には、提案したい商品が浮かんでいても、話の切り出し方がわからず、提案できずに終話してしまったという人も少なくありません。
対策としては、
・セールストークをパターン化してロープレで練習する
・アップセル・クロスセルが成功した時の実際の音声を聞きながらロープレする
・成功事例をまとめてマニュアル化する
などが効果的です。
また、繰り返しロープレを実施することで品質のバラつきを防ぐと同時に、決して威圧的でなく自然な口調でセールスができるようになるでしょう。
まとめ
限られたコストの中で効率よく営業効果を出すためには、アップセル・クロスセルの導入が不可欠です。とはいえ前述したように、顧客のニーズやポイントを間違えると、企業に損失を与えることにもなりかねません。
せっかくのチャンスを逃さないためには、セールストークのプロを配置することが有効です。
中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。
コールセンターは、質の良いオペレーターがいてこそ結果につながります。ぜひ、優秀な人材確保にお役立てください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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