コールセンター運営とは?立ち上げ時のTODOや管理ノウハウを解説
公開日 2024.05.31
更新日 2024.05.31
知識

コールセンター運営とは?立ち上げ時のTODOや管理ノウハウを解説

コールセンターは企業にとって、顧客と円滑なコミュニケーションを確立する重要な拠点です。問い合わせ対応だけでなく、顧客の声を収集して商品改善や業務効率化にも役立ちます。 しかし、コールセンターの立ち上げや運営には、多岐にわたるタスクと準備が必要で、どこから始めればよいのか迷うこともあるでしょう。 そこで本記事では、コールセンター運営における手順と必要なポジションについて詳しく解説します。併せて、コールセンター運営を成功させるためのポイントやノウハウについても紹介していきます。  

コールセンター運営とは?立ち上げ時にやるべきこと

コールセンター運営とは、企業がスムーズに顧客サービスや営業活動を行うための組織運営を指します。 コールセンターの立ち上げに際して、以下の流れで進めるのが一般的です。 1. コールセンター運営の目的を設定する 2. KPIを設定する 3. 現状を正しく把握する 4. 解決すべきことを明確化する 5. 組織体制を決める 6. 業務プロセスを設計する 7. オペレーターの育成をする これらのステップを踏むことで、コールセンター運営がスムーズかつ効果的にスタートし、目標達成に向けた強力な基盤が築けるでしょう。 各ステップについて、詳しく説明します。  

コールセンター運営の目的を設定する

まず、コールセンターを立ち上げる目的は何なのかを明確にする必要があります。目的は、事業戦略や経営目標に沿ったものであることがポイントです。 具体的には、以下のようなものが挙げられます。 ● 顧客満足度の向上 ● 業務効率化 ● 新規顧客の獲得 ● 商品開発・改善 最初にコールセンターの目的を明確にすることで、運営方針や戦略の策定、次のKPIの設定が立てやすくなります。  

KPIを設定する

コールセンターの目標が明確になったら、次にKPIを設定します。KPIとは、コールセンターの運営状況を把握し、目標達成に向けて改善を促進するための業績評価指標です。 具体的には、顧客満足度、応答率、平均応答時間、放棄呼率、稼働率などが挙げられます。KPIを設定する際は、目標達成に向けて必要な指標を選び、具体的かつ測定可能な形で設定することが重要です。 コールセンター運営に欠かせない主要なKPIについて、後ほど詳しく説明します。  

現状を正しく把握する

次のステップは、現状を正確に把握することです。 たとえば、コールセンターの新設を検討し、顧客満足度向上を目指す場合、まず自社の現状を詳細に調査することが必要です。具体的には、以下の項目を分析し、現行のサポート体制や対応力を評価します。 ● どのような問い合わせが多いか ● 顧客からのフィードバック ● 顧客の期待やニーズ これにより、顧客の期待に応え、満足度向上に寄与できるような施策を導き出せるようになります。  

解決すべきことを明確化する

現状を把握したら、解決すべきことを明確化しましょう。現行の運営で発生している問題点や課題を把握し、それらに対する解決策や改善施策を明確にするプロセスです。 課題を洗い出すためには、以下の手法が有効です。 ● 過去のフィードバックやクレームを調査し、よく挙がる問題点を特定する ● SNSやカスタマーレビューのフィードバックを把握し、分析に活かす ● 満足度調査やアンケートを通じて顧客の意見や要望を収集する これらの手法を組み合わせ、最も重要かつ緊急な課題に優先的に対処することが肝要です。  

組織体制を決める

コールセンターの運営を支える組織体制を決定します。組織体制とは、業務を遂行するために必要な役割や責任、権限を定めたものです。 組織体制を決める方法は、以下のとおりです。 ● コールセンターの目的とKPIを踏まえて、必要な役割や責任、権限を定める ● 人員や予算を考慮して、組織体制を検討する ● 関係者との合意形成を図りながら、組織体制を決定する 組織体制を整えることで、各機能や業務プロセスがスムーズに連携し、最適な運営が可能になるでしょう。  

業務プロセスを設計する

コールセンターを立ち上げ、効果的に運用していくためには、慎重かつ緻密に業務プロセスを設計することが大切です。 具体的には、顧客からの問い合わせ受付から解決までの手順や、異なる種類の問い合わせに対する適切な対応フローを明確にします。業務プロセスがしっかりと設計されていれば、コールセンターがスムーズに機能し、問題が生じた場合も迅速なリカバリーが可能です。  

オペレーターの育成をする

最後は、オペレーターの育成に焦点を当てましょう。オペレーターが顧客に対して満足度の高いサービスを提供できるようにするためには、以下の方法が挙げられます。 <トレーニングプログラムの実施> 継続的なトレーニングプログラムを導入します。トレーニング内容には、コールセンターの業務知識、顧客対応のスキル、電話応対のスキル、パソコン操作のスキル、ビジネスマナーなどが含まれます。 <コミュニケーションスキルの向上> 適切な言葉遣いや顧客対応の心構えを身につけさせるトレーニングを実施します。傾聴スキル、共感スキル、問題解決スキル、クレーム対応スキルなども含まれます。 コールセンターの成功には、オペレーターの育成が欠かせません。適切なトレーニングとサポートを受けることで、オペレーターはスキルや知識を身につけ、高品質なサービスを提供できるようになります。  

コールセンター運営における主要ポジション

コールセンターの円滑な運営には、オペレーター、スーパーバイザー(SV)、マネージャーのポジションが不可欠です。 ここでは、それぞれのポジションに焦点を当て、必要なスキルや人物像について詳しく紹介します。  

オペレーター

オペレーターは顧客と対話し、問い合わせや要望に迅速かつ適切に対応するポジションです。同時に、対話やエスカレーションの詳細な情報を正確に記録し、必要に応じて上司や他の部署に報告することも業務の一部です。 オペレーターには、以下のスキルが求められます。 ● 商品知識:企業や商品に関する知識 ● ストレス耐性:ストレスに耐えられるスキル ● 問題解決能力:問い合わせやクレームを解決するためのスキル ● コミュニケーションスキル:顧客とのコミュニケーションを円滑に行うためのスキル オペレーターに求められるスキルや人間性は、業界・業種によって異なりますが、一貫して丁寧な言葉遣いと、相手の意図を正しく理解するコミュニケーション能力が不可欠と言えるでしょう。  

スーパーバイザー(SV)

スーパーバイザー(SV)は、コールセンターにおいて、オペレーターの育成や指導、管理を行うポジションです。オペレーターのパフォーマンスを向上させ、業務を効率的に運営することが主な業務です。 SVには、以下のスキルが求められます。 ● 教育・指導スキル:オペレーターのスキルや知識を向上させるためのスキル ● リーダーシップ:オペレーターを指導し、業務目標に向けて的確に誘導するスキル ● コミュニケーションスキル:オペレーターの意見や考えを理解し、適切に伝えるためのスキル スーパーバイザーは、上層部(マネージャーやクライアント)との連絡窓口としても機能します。組織の方針や目標を正確に伝える役割を果たすため、責任感と誠実な人間性が求められます。  

マネージャー

マネージャーは、コールセンター運営を統括するポジションです。オペレーターやSVの管理、業務改善、経営戦略の立案などを行うことが主な業務です。 マネージャーには、以下のスキルが求められます。 ● 経営視点:経営戦略を立案するためのスキル ● 分析力:業務データを分析し、改善策を立案するためのスキル ● マネジメントスキル:オペレーターやSVをマネジメントするスキル マネージャーはリーダーシップを発揮し、戦略的な視点でコールセンターの成功を導くため、優れたコミュニケーション能力や人間性が欠かせません。  

コールセンター運営における重要指標

コールセンター運営を評価するためには、先述したKPI(業績評価指標)に注目します。以下の指標が、その中核をなしています。 ● 応答率 ● 平均処理時間 ● 一次解決率 ● 稼働率 これらの指標を適切に活用することで、コールセンターのパフォーマンスを客観的に把握し、改善策を立案することが可能です。 各指標について、詳しく見ていきましょう。  

応答率

応答率とは、コールセンターに電話をかけた顧客に対して、オペレーターが応答した割合を示す指標です。計算式は、以下のとおりです。 応答率(%)= 対応件数÷着信件数×100 高い応答率は、待ち時間を最小限に抑え、顧客満足度と企業の信頼性を向上させます。逆に低い応答率は、顧客の不満を引き起こし、顧客ロイヤルティや企業の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。  

平均処理時間

平均処理時間とは、1件のコール対応に要した時間を示す指標です。計算式は、以下のとおりです。 平均処理時間(分) = 対応時間の合計÷対応件数 平均処理時間は、コールセンターの効率性や生産性を評価する上で重要な指標です。長すぎる処理時間は、待ち時間の増加やサービスの遅延を招く可能性があります。一方、短すぎる処理時間は、サービス品質の低下や問題解決の不足を示します。  

一次解決率

一次解決率とは、問い合わせやクレームに対し、1回目の対応で解決できた割合を示す指標です。計算式は、以下のとおりです。 一次解決率(%)=1回のコールで対応完了した件数÷対応件数×100 高い一次解決率は、迅速で効果的な問題解決が行われていることを示し、顧客満足度の向上や、再コールの防止につながります。対照的に低い一次解決率は、同じ問題に何度も対応することになり、オペレーターやサポート体制の効率性低下につながる可能性があります。  

稼働率

稼働率とは、オペレーターの稼働状況を示す指標です。計算式は、以下のとおりです。 稼働率(%)=顧客対応時間(通話中・保留中・後処理・待機時間)÷勤務時間×100 高い稼働率は、オペレーターが効率的に業務に従事し、生産性を最大化していることを示します。一方、低い稼働率は、非効率的な業務配置が発生している可能性が考えられます。  

コールセンター運営でよくある課題

コールセンター運営には、さまざまな課題が潜んでいます。ここでは以下6つのよくある課題に焦点を当て、それぞれの課題への対策やアプローチについて紹介します。 ● 人材不足 ● 高い離職率 ● 人材育成 ● 業務効率化 ● 顧客満足度 ● 多様な働き方への対応 各課題について、詳しく見ていきましょう。  

人材不足

課題の一つ目は、人材不足です。人手が不足すると、顧客からの問い合わせに素早く丁寧に応じることが難しくなり、顧客満足度の低下につながります。 また、限られた人数で多くの問い合わせに対応する必要があるため、オペレーターの業務負担が増加し、ミスやストレスが生じやすくなります。 改善に向けて、適切な採用戦略やトレーニングプログラムの充実、業務プロセスの最適化などが必要です。  

高い離職率

二つ目の課題は、高い離職率です。コールセンターにおいてオペレーターの離職率が高まると、以下のような影響を及ぼします。 <教育と業務への負担> 離職が頻繁に発生するため、新たなオペレーターに対するトレーニングが絶えず必要となり、業務への迅速な適応が難しくなります。 <サービス品質の低下> 経験豊富なオペレーターが不足すると、顧客サービスの品質が低下し、顧客満足度や企業の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。 離職率の改善には、労働環境や福利厚生の向上、キャリアパスの提供など、オペレーターの定着を促進する施策が求められます。  

人材育成

三つ目の課題は、人材育成です。オペレーターが適切なスキルを身につけ、顧客に対して効果的で満足度の高いサービスを提供できるようにすることが必要です。 人材育成の不足は、コールセンターの業務品質や効率に影響を与える可能性があります。オペレーターが必要な知識やスキルを習得していない場合、適切に対応できず、顧客満足度の低下や業務の滞りを引き起こすことがあります。 人材育成の課題に対処するには、継続的なトレーニングプログラムの導入や、オペレーターのスキルや知識を向上させるためのサポート体制を整備することが重要です。  

業務効率化

四つ目の課題は、業務効率化です。業務プロセスやシステムの改善などを通じて、業務をより迅速かつ効果的に行うための取り組みが必要である状態を指します。 業務効率化が不足していると、以下の問題が生じる可能性があります。 <オペレーターの負担増加> 業務が手間取ると、オペレーターの作業負担が増加し、ストレスやミスの発生が増える可能性が高まります。 <顧客満足度の低下> 業務が適切に行われない場合、顧客への対応が遅れ、顧客満足度の低下を招きかねません。 課題を解決するためには、業務プロセスの見直しやITツールの導入など、効果的な改善策が求められます。  

顧客満足度

五つ目の課題は、顧客がコールセンターとのやり取りに対して、どれだけ満足しているかを示す顧客満足度です。顧客がサービスに不満を抱くと、企業の評判や信頼性が損なわれ、リピーターの減少やネガティブな口コミが広まる恐れがあります。 コールセンターでは、迅速で的確な対応、丁寧なコミュニケーション、問題解決の効率性などが顧客満足度に大きく影響します。そのため、オペレーターのトレーニングや業務プロセスの改善などを通じて、顧客満足度向上に注力することが大切です。  

多様な働き方への対応

最後は多様な働き方への対応です。近年、働き方改革やライフスタイルの多様化により、従来のオフィス勤務だけでなく、在宅勤務やフレックスタイム制などの多様な働き方が求められています。 多様な働き方を導入することで、働く人々のワークライフバランスの向上や、異なる生活スタイルに合わせた柔軟な雇用が可能となりますが、一方で管理やコミュニケーションの確保が課題です。 課題への対応として、たとえばリモートワークの場合、リアルタイムな情報共有を可能にするツールや、遠隔での円滑なコミュニケーションを支援するビデオ会議ツールなどの導入が不可欠です。  

コールセンター運営のポイント

コールセンター運営のポイントには、以下の4つが挙げられます。 ● 自動化システムの導入 ● 教育環境・体制の整備 ● 評価制度の整備 ● オペレーターのアウトソース これらのポイントは、コールセンターの効率向上と顧客満足度の向上に寄与します。バランスを保ちながら、それぞれの要素を適用していくことが肝要です。 各ポイントについて、詳しく見ていきましょう。  

自動化システムの導入

最初のポイントは、自動化システムの導入です。自動化システムは、業務プロセスを効率的に処理し、オペレーターの負担を軽減します。これにより、迅速で正確な情報提供や問題解決が可能です。 音声認識システム、チャットボット、自動応答メールなどがその代表例です。これらのシステムを適切に組み合わせ導入することで運営効率を改善し、スムーズな業務遂行を図れます。  

教育環境・体制の整備

二つ目のポイントは、教育環境・体制の整備です。オペレーターには、正確で適切な情報提供や顧客対応が求められます。そのため、徹底的なトレーニングと教育プログラムの整備が必要です。 オペレーター教育は、新入社員の育成だけでなく、既存社員に対しても定期的な研修やスキルアップの機会を提供します。教育プログラムには、商品・サービスに関する知識向上やコミュニケーションスキル、問題解決能力の向上などが含まれます。 整備された教育体制は、オペレーターのパフォーマンス向上だけでなく、顧客満足度の向上にも直結する重要な要素です。  

評価制度の整備

三つ目のポイントは、評価制度の整備です。評価制度が整備されていないと、従業員のモチベーションや生産性が低下し、コールセンターの運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 評価制度の整備には、以下の点に留意しましょう。 <評価基準を明確にする> 評価基準は、コールセンターの目標やKPIを踏まえて、客観的に評価できるものにしましょう。 <評価結果をフィードバックする> オペレーター自身に、成果や貢献度を理解させるために、評価結果は積極的にフィードバックする必要があります。 評価制度を整備することで、従業員のモチベーションや生産性を高め、コールセンター運営を効率的に行えるようになるでしょう。  

オペレーターのアウトソース

最後のポイントは、オペレーターのアウトソースです。 近年、コールセンター業界の人材不足が深刻化していますが、アウトソースによって必要なスキルを持ったオペレーターをスムーズに導入できます。 また、コスト削減もコールセンター運営において重要な視点です。オペレーターのアウトソースによって、人件費や設備投資などのコストを効果的に削減でき、質の高いサービスを提供できます。 オペレーターのアウトソーシングは、柔軟性と効率性を向上させ、同時にコストを最適化し、高品質な顧客サポートを実現するための重要なアプローチです。  

まとめ

コールセンター運営とは、企業が顧客サービスや営業活動などを円滑に行うために設けられた組織の管理・運営を指します。コールセンターの立ち上げに際して、次のような流れで進めるのが一般的です。 1. 目的の設定:コールセンター運営の目的を明確化 2. KPIの設定:成功を評価するためのKPI(指標)を設定 3. 現状の把握:現行の状況や課題を正確に把握 4. 課題の明確化:解決すべき課題の明確化と優先順位付け 5. 組織体制の決定:適切な組織体制を構築 6. 業務プロセスの設計:効率的な業務プロセスを構築 7. オペレーターの育成:オペレーターのトレーニングと育成に重点を置く なかでもオペレーターの育成は、コールセンターの中核をなす要素であり、優れたパフォーマンスと効果的な顧客サービス提供に欠かせません。現状、コールセンター運営におけるノウハウが不足している場合、電話代行サービスの活用が有益です。 中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)という確かな実績を保持しています。また、カスタマー応対率95%(※3)を維持することで、手厚いサポートの実践に努めています。 中央事務所の電話代行サービスでは、専門講習(コンタクトセンター検定)を受けたプロのオペレーターが質の高いコール対応を提供します。企業の規模に合わせて柔軟に対応するプランをご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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