コールセンターのロープレとは?種類や実施方法について
公開日 2024.05.24
更新日 2024.05.24
知識

コールセンターのロープレとは?種類や実施方法について

多種多様な問い合わせが寄せられるコールセンターでは、オペレーターの電話対応が顧客満足度に影響を及ぼします。そのため、オペレーターの育成に注力したい企業も多いのではないでしょうか。 オペレーターの電話対応スキルを磨くなら、ロールプレイング研修が有効な手段です。この記事では、コールセンターのロープレについて説明します。併せてロープレの種類や実施方法も解説するので、参考にしてみてください。  

コールセンターのロープレとは?

コールセンターにおけるロープレは、オペレーターに実施する研修のひとつです。ロープレとは「ロールプレイング」の略であり、役割を演じることを意味します。 つまり、オペレーター役と顧客役に分かれて電話対応の訓練をする方法が、コールセンターのロープレです。コールセンターのロープレでは、顧客の属性や温度感といった条件を変え、さまざまなシチュエーションの問い合わせを想定します。ロープレを通じて、オペレーターがより本番に近い形で電話対応業務を疑似体験することが可能です。 また、コールセンターで使用するシステム・ツールに慣れるために、実際に操作しながらロープレを行うケースもあります。とりわけコールセンターでは、新人オペレーターに対してロープレ研修を実施するのが一般的です。 顧客からの問い合わせ内容は多岐にわたり、オペレーターには臨機応変に対応する力が求められます。ロープレでオペレーターの判断力やコミュニケーションスキルが向上すれば、電話対応がスムーズになり、顧客の信頼感も得やすくなるでしょう。  

コールセンターでロープレを行う理由・効果

コールセンターのロープレで、オペレーターに電話対応を疑似体験させるのは何故なのでしょうか?ここでは、コールセンターでロープレを行う理由とその効果について解説します。  

実際の顧客対応がスムーズになる

コールセンターのオペレーターは、毎回異なる問い合わせに対応しなければなりません。また、顧客と1対1でやり取りしなければならず、緊張感や責任感が伴う立場です。 そこで、研修段階で新人オペレーターにロープレを行い、電話対応業務に慣れるよう促しましょう。ロープレで多彩な電話対応のパターンを経験することで、オペレーターに傾聴力や判断力など幅広いスキルが身につきます。 さらに、オペレーターが自信を持って業務にあたれるので、顧客対応がスムーズになるでしょう。  

オペレーターごとの課題を改善しやすい

コールセンターのロープレでは、オペレーターごとの課題を改善しやすいという効果があります。 特に新人オペレーターの場合、システム操作に不慣れだったり、応対方法がマニュアルと異なっていたりと、さまざまな課題が見つかるでしょう。こうした課題点を本番前のロープレで洗い出せれば、改善したうえで実際の電話対応に挑めます。 また、実務が始まると、管理者がオペレーター一人ひとりのレベルや状況を把握するのが難しくなりがちです。そのため、ロープレがオペレーターの特性を掴むために重要な機会となります。  

ケースごとの対応を練習できる

オペレーターにとって、ケースごとの対応を練習できるところがロープレの大きなメリットです。 商品の注文からサービスの利用方法に至るまで、数多くの問い合わせがコールセンターに寄せられます。なかには、クレームの電話も含まれるかもしれません。 オペレーターは受け付けた電話に対し、柔軟に対応する必要があります。クレームであっても、顧客の不満を丁寧にヒアリングして受け答えする姿勢が重要です。 ロープレなら、実務を想定したシナリオのもとで、ケースごとに適切な対応を練習できます。もし似たようなケースに遭遇しても、落ち着いて対応できるでしょう。  

整理された説得力のある会話が身につく

オペレーターの会話スキルは、コールセンター業務に欠かせない要素のひとつです。電話を受け付けたオペレーターの話に説得力がないと、顧客にストレスを感じさせかねません。結果として、顧客満足度を低下させる恐れもあるでしょう。 ロープレを繰り返し行う中で、オペレーターが顧客にわかりやすく説明する力を身につけられます。ロープレの効果で電話対応の品質が高まれば、企業のロイヤリティ向上も実現可能です。  

コールセンターのロープレの種類

コールセンターのロープレは、実践する方法によって特徴があります。ここからは、コールセンターのロープレ4種類について詳しくみていきましょう。  

ケース型ロープレ

ケース型ロープレとは、特定のシチュエーションを想定して行う方法です。このロープレでは、顧客の条件や問い合わせに至る状況など、条件を細かく決めてシナリオを設計します。 特に、専門ジャンルに特化した商品・サービスを取り扱うコールセンターで実践されることが多いようです。商品・サービスに関するオペレーターの知識や理解を深めておけば、顧客が企業の電話対応に信頼を寄せるようになるでしょう。  

グループロープレ

グループロープレとは、グループに分かれて役割を入れ替えながら行う方法です。オペレーターはさまざまな役割を体験できるので、オペレーター役に徹するよりも広い視野を持つことができます。この経験により、自分の電話対応が顧客にとって適切であるか、考えるきっかけとなるでしょう。 また、実際の電話対応でもオペレーターが自分で判断する力を育てられます。  

問題解決型ロープレ

問題解決型ロープレとは、コールセンターで過去に起きた問題や、現在の課題となっている事例をロープレのテーマにする方法です。 実際にコールセンター内で発生した問題を扱うため、シナリオベースのロープレよりもリアルな訓練ができます。また、解決済みの事例であっても、オペレーター自身が対応策を考えることで状況判断力や柔軟な発想力が磨かれるでしょう。 さらにオペレーターの出した答えが、コールセンターが抱える課題の解決に役立つかもしれません。  

モデリング型ロープレ

誰か1人を代表者としてロープレを行い、その対応をモデルケースとする方法がモデリング型ロープレです。 他の参加者が代表者のロープレを真似することによって、理想とする電話対応のイメージを全員で共有しやすくなります。オペレーターの対応レベルを均一化できるので、常に質の高い電話対応が可能となるでしょう。 その結果、コールセンター全体の業務が効率よく進み、顧客満足度の向上や企業の収益アップにつながります。  

コールセンターにおけるロープレの流れ

コールセンターでロープレを行うには、どのような手順で進めればよいのでしょうか?ここでは、コールセンターにおけるロープレの流れを順番に説明します。  

目的と設定を決める

コールセンターでロープレを行うにあたって、まず研修の目的とロープレの設定を決めましょう。 企業によって、コールセンターの果たすべき役割は異なります。インバウンド業務とアウトバウンド業務のどちらが主軸なのか、どのようなジャンルの商品・サービスを扱っているのか、コールセンター業務の内容を整理してください。そこから問題点を洗い出し、解決に向けた手段としてロープレを実践します。 例えばクレームが起きやすくなっているコールセンターでは、オペレーターの傾聴力やトークスキルの向上を目的に掲げるとよいでしょう。 参加者全員に目的を周知したうえで、それぞれの役割に応じた設定でロープレに取り組みます。  

ロープレを実施する

目的と設定を決めたら、いよいよロープレを実施します。なお、新人オペレーターの研修ではスキルの高いオペレーターに協力してもらい、手本を見せてからスタートするのも効果的です。 ロープレを開始する前には、電話対応における全体の流れやトークスクリプトについて説明します。併せて、トークスクリプトの読み込みや声出しも行ってください。 目的に合ったロープレの方法に基づき、参加者が各自の役割になりきってシナリオを進めます。オペレーター役と顧客役のどちらも体験することで、オペレーターが顧客目線に立った電話対応のコツを掴めるでしょう。  

振り返りとフィードバックを行う

ロープレの実践後は、必ず振り返りとフィードバックを行ってください。オペレーター役として自身の言動をチェックするだけでなく、顧客役からの指摘内容を振り返って検証します。ロープレの段階でオペレーターが課題を自覚し、改善に取り組めば、実務でも顧客に配慮した対応ができるでしょう。 また、管理者や指導者が積極的にフィードバックを行い、オペレーターを手厚くフォローする姿勢も欠かせません。  

オペレーター各自で練習する

ロープレは、1回だけ実践して終わりではありません。ロープレの振り返りとフィードバックによって発見した問題を解決するために、繰り返し練習することが非常に重要です。 実務を想定したシナリオを何度も体験する中で、素早い判断力や適切なトークスキルが身につきます。新人オペレーターなら、ロープレの練習で電話対応の流れに慣れるように心がけてください。 また、既存オペレーターのロープレでは、より一層のスキルアップを目標に取り組むとよいでしょう。  

コールセンターでロープレをする際のポイント

コールセンターにおけるロープレの流れは、把握できたでしょうか?最後に、コールセンターでロープレをする際のポイント4つについて解説します。  

複数人で行う

コールセンターのロープレは、必ず複数人で行うようにしてください。 参加者が2人いれば、オペレーター役と顧客役に分かれてロープレを実践できます。しかし、オブザーバー役のいないロープレでは、どうしても客観性に欠けてしまいます。 ロープレの参加者が自身の演じた役割について考えることも、もちろん大切です。その一方で、オペレーター役と顧客役のやり取りに問題点はなかったか、第三者視点での評価がロープレの振り返りを深めるカギとなります。最低でも3人は人員を確保したうえで、ロープレを行いましょう。  

トークスクリプトを使用する

コールセンターのロープレでは、トークスクリプトを使用してください。 トークスクリプトとは、オペレーターに顧客対応の流れを示すマニュアルです。実務でトークスクリプトを活用するコールセンターも多いため、より現場に近い雰囲気でロープレを進められます。 また、ロープレの段階でトークスクリプトを読み込んでおけば、事前に内容を正しく理解することが可能です。本番においても、オペレーターがトークスクリプトに沿って落ち着いて対応できるようになり、顧客と円滑にやり取りできます。  

チェックリストを作る

ロープレを行う目的として、オペレーターの課題発見と改善が挙げられます。そこで、ロープレのチェックリストを作っておきましょう。 チェックリストには、オペレーターのやり取りで評価する項目を記載してください。例えば、話し方や声量、目線、姿勢といった表面的なポイントを検証します。また、問い合わせ内容の理解度や回答のスピード感など、電話対応の品質に関わるポイントも要チェックです。 その他にも、コールセンターごとに必要な項目を加えていき、チェックリストを充実させるとよいでしょう。チェックリストを活用すれば、ロープレの評価基準を統一したうえで、オペレーターの対応スキルを視覚的に分析できます。  

その場でフィードバックを行う

ロープレの終了後は、その場でフィードバックを行うようにしてください。 ただロープレを定期的に行うだけでは、ルーチンワークになりかねません。また、問題点の指摘が続くと、オペレーターのモチベーション低下を招く恐れも考えられます。 そこで、ロープレで良かったところを重点的にフィードバックし、オペレーターの自立を促しましょう。悪かったところは簡潔に伝え、丁寧にフォローする配慮も大切です。 次回のロープレを見据えてフィードバックを重ねていけば、オペレーターが改善に取り組む努力を維持しやすくなります。  

まとめ

コールセンターのロープレとは、オペレーターの電話対応における研修方法のひとつです。オペレーター役と顧客役に分かれ、さまざまなシチュエーションを想定して電話対応業務を疑似体験できます。 コールセンターでロープレを行えば、実際の顧客対応がスムーズになり、オペレーターの課題改善やスキルアップもできるところがメリットです。コールセンターのロープレには種類があるため、目的や内容に応じて使い分けてください。 ロープレを実践する際には、全体の流れとともに注意点も把握し、コールセンター全体の電話対応品質を向上させましょう。 電話代行サービス会社の中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)という確かな実績を保持しています。また、カスタマー応対率は95%(※3)を維持しており、手厚いサポート体制が強みです。 中央事務所の在籍オペレーターは専門講習を受けており、質の高い電話対応を提供できます。さらに、対応可能な業務範囲や使用ツールを拡充させることで、企業様のニーズに柔軟にお応えします。コールセンターのロープレでオペレーターのレベルを高めたい企業様は、中央事務所にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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