インバウンド営業とは?アウトバウンドとの違いや手法について解説
公開日 2024.05.18
更新日 2024.05.18
知識

インバウンド営業とは?アウトバウンドとの違いや手法について解説

顧客ニーズが多様化し、購買行動にも変化がみられるなか、企業にとって営業手法の見直しが重要となっています。そこで注目されている営業手法が、インバウンド営業です。 しかし、インバウンド営業とはどんなものかよくわからない、という企業も多いのではないでしょうか。この記事では、インバウンド営業の手法について詳しく解説します。アウトバウンド営業との違いや、メリット・デメリットも併せて参考にしてみてください。  

インバウンド営業とは?

インバウンド営業とは、顧客の能動的な行動に基づいて営業活動を行う手法で、「プル型営業」とも呼ばれます。顧客ニーズに合わせた情報・コンテンツを発信し、見込み顧客の関心を高めて商品・サービスの購買につなげるところが特徴です。 インバウンド営業では、セミナーやSNSなどさまざまな手法を活用して、顧客に有益な情報を提供します。これにより、顧客が企業に興味を持つように誘導することが可能です。顧客の能動的な行動が増えるほど、企業との接点も多くなり、結果的に商品・サービスの売上アップも見込めるでしょう。 また、インバウンド営業は顧客と接点を持ってからも、見込み状況に応じて情報発信を行います。コンテンツを上手に使い分けながら顧客育成に取り組めば、成約率の向上も可能です。企業にとってインバウンド営業は、多様化する顧客ニーズに対応できる有効な手段といえます。  

インバウンド営業とアウトバウンド営業の違い

企業の営業手法は、インバウンド営業とアウトバウンド営業の2つに分けられます。 顧客からのアクションが営業のきっかけとなるインバウンド営業に対し、自社から顧客にアプローチするのがアウトバウンド営業です。アウトバウンド営業では、これまでに接点のない顧客をターゲットにして、飛び込み営業やテレアポなどを行います。 つまりインバウンド営業とアウトバウンド営業は、顧客との接点があるかないかという点で異なるといえるでしょう。 また、アウトバウンド営業の目的は、新規顧客の獲得と商品・サービスの購入です。ピンポイントで顧客にアプローチするアウトバウンド営業は、短期間で成果を出しやすいと考えられます。 一方で、インバウンド営業の場合、コンテンツや情報を提供して見込み顧客を育成するプロセスが重要です。そのため、インバウンド営業においては、アウトバウンド営業と比べて長期スパンでの取り組みが求められます。  

インバウンド営業のメリット

インバウンド営業は、自社の情報・コンテンツを介して接点のある企業にアプローチする営業手法です。ここでは、インバウンド営業に見込まれる3つのメリットについて解説します。  

商談率、成約率が改善できる

インバウンド営業のメリットは、商談率や成約率を改善できるところです。 インバウンド営業では、自社に興味を持っている顧客がターゲットになります。見込み顧客との接点をベースにするため、より顧客ニーズに適したアプローチが可能です。その結果、従来よりも営業活動が効率化され、アポイントを獲得しやすくなるでしょう。 このように案件の商談化が進むことで、商品・サービスの成約につながるチャンスも増やせます。 インバウンド営業によって営業活動全体の質を改善し、企業イメージや売上利益の向上を図るとよいでしょう。  

潜在的なニーズの発掘をしやすい

インバウンド営業によって潜在的なニーズを発掘しやすいという点も、メリットのひとつです。 インバウンド営業では、顧客の能動的な行動やアプローチ開始後のやり取りを通じて、さまざまな顧客情報を蓄積できます。このようなデータを分析し、顧客の潜在的ニーズを掴むことが、営業活動の成功につながる大切なカギです。 また、長期的に顧客と関わるなかで信頼関係を構築できれば、顧客から新たな悩みや要望を引き出しやすくなります。そして、顧客の潜在的なニーズに応えた提案を行うことで、商談も円滑に進められるでしょう。 インバウンド営業は、顧客の満足度とロイヤリティを高めるうえで欠かせない要素といえます。  

営業担当のスキルへの依存度が低い

インバウンド営業には、営業担当のスキルへの依存度が低いというメリットもあります。 アウトバウンド営業の場合、自社と接点のない顧客にアプローチする分、成約のハードルが高くなりやすいです。成約数を増やすためにひとりの営業担当者が多くの顧客を抱えてしまうと、業務負担も大きくなります。 また、スキルの高い営業担当者に業務が集中する事態も起きかねません。 一方で、インバウンド営業の対象は見込み育成された顧客であるため、効率よくアプローチできます。商談化や成約までの流れがスムーズになれば、営業担当者の負担も軽減されるでしょう。 さらに、インバウンド営業で営業支援ツールを導入し、部署全体の業務品質を均一化することも効果的です。個人のスキルに頼るのではなく、企業が主体となって業務に集中できる環境を整えてください。  

インバウンド営業のデメリット

インバウンド営業は、顧客と企業の双方にメリットをもたらします。しかし、インバウンド営業にはデメリットがあることにも留意しなければなりません。ここでは、2つのデメリットについて説明します。  

営業対象に制限がある

インバウンド営業は、あくまでも顧客からの能動的な行動があってこその営業手法です。自らアプローチするアウトバウンド営業とは異なり、営業対象に制限があるところがデメリットといえます。 また、インバウンド営業を行うなら、そもそも顧客に自社への興味関心を持ってもらわなければなりません。そのため、顧客との接点を幅広く用意することが重要です。まず、自社の商品・サービスに対して購買意欲のあるユーザー層を分析します。 そして、見込み顧客に訴求するにはどのような情報・コンテンツが有効なのか、検討してください。営業対象が限られてしまう分、自社のマーケティング手法を充実させるようにしましょう。  

成約・受注までの時間が比較的長い

インバウンド営業では、顧客に自社を認識してもらい、関心を持ってもらうまである程度の準備期間が見込まれます。そのため、アウトバウンド営業と比べて、成約・受注までの時間が比較的長い点がデメリットです。 また、インバウンド営業で顧客に有益な情報を提供するには、情報・コンテンツの用意が欠かせません。自社に適したインバウンド営業の手法を決定し、運用に至るまでのコストを想定しておきましょう。 自社でコンテンツを内製するなら、人的リソースや運用のノウハウが必要ですが、アウトソーシングを利用する場合には委託費用がかかります。 インバウンド営業の導入にあたっては、長期スパンで計画を立てるようにしてください。  

インバウンド営業の主な手法

インバウンド営業では、顧客に情報発信して接点を作るために、さまざまな手法を用います。ここからは、インバウンド営業の主な手法5つをみていきましょう。  

メールマガジン

インバウンド営業の手法として挙げられるのが、メールマガジンです。 メールマガジンというと、商品・サービスの紹介やプロモーションといったセールス寄りのイメージが強いかもしれません。 しかし、インバウンド営業においては、メールマガジンを通じて需要の高い情報を提供します。定期的にメールマガジンを配信することで、顧客の購買意欲を促進し、新規受注やリピート注文につなげましょう。 また、メールマガジンでアンケートを実施すれば、顧客の潜在ニーズを掴むことも可能です。  

セミナー・ウェビナー

セミナー・ウェビナーを開催することも、インバウンド営業の主な手法です。 セミナーの参加者は、自社の商品・サービスに対する関心が高い状態だと考えられます。つまり、セミナーで顧客に有益な情報を提供してからアプローチすれば、商談や成約につながりやすくなるでしょう。 最近では、Zoomのようなオンライン会議ツールを使用するウェビナーも人気です。オンライン型のウェビナーなら会場の準備が不要となり、従来よりも開催コストを抑えられます。また、顧客にとっても気軽に参加できる点がウェビナーのメリットです。  

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、企業の調査データやノウハウをまとめたコンテンツです。主にPDF形式で作成され、eBookとも呼ばれます。 インバウンド営業において、ホワイトペーパーは見込み顧客の獲得に活用できるツールです。見込み顧客に配布するのはもちろん、Web上で公開することで、新規顧客の獲得を目指します。 また、ホワイトペーパーはパワーポイントで作成できるため、社内で用意可能です。 ただし、オウンドメディアのPV数やSNSのフォロワー数など、ある程度の閲覧者数を確保しておかないと、ホワイトペーパーの効果を十分に発揮できない可能性があります。  

SNS

自社の商品・サービスを顧客に認知してもらうには、SNSは有効な手法の1つです。SNSには無料で利用できるサービスが多いだけでなく、情報・コンテンツの拡散効果も見込めます。 また、企業が気軽に投稿し、顧客からリプライやDMなどのアクションを得やすいところもメリットです。SNSでのコミュニケーションをきっかけに、自社に興味を持った見込み顧客を育成してください。 TwitterやInstagram、TikTokなどさまざまなSNSがあるので、自社の取り扱う商品・サービスやターゲット層を考慮して選ぶとよいでしょう。  

オウンドメディア

オウンドメディアとは、主に情報発信を目的とする企業メディアのことです。企業のWebサイトやブログが、代表的なオウンドメディアにあたります。 オウンドメディアで定期的に記事を投稿したり、情報を更新したりすれば、顧客の興味関心を高める効果が期待できます。また、オウンドメディアの内容が高品質であるほど、顧客のロイヤリティも向上するでしょう。 しかし、オウンドメディアの場合、実際の成果に結びつくにはほかのインバウンド営業の手法よりも時間がかかると考えてください。メディアが検索結果で上位表示されるようになるまで、半年から1年ほど必要だといわれています。 オウンドメディアへの流入数を増やすため、コンテンツ内容を常にブラッシュアップしていく姿勢が大切です。  

インバウンド営業の手順

インバウンド営業のメリット・デメリットや主な手法がわかったところで、実際に取り組みたいという企業もあるでしょう。そこで、ここからはインバウンド営業の手順について解説します。  

目的・役割を明確化する

インバウンド営業を始めるにあたって、まず目的・役割を明確化することが重要なポイントです。 インバウンド営業は、顧客からの能動的な行動を営業のスタート地点とします。そして有益な情報・コンテンツを介して顧客を育成する、長期スパンでの営業手法です。 顧客とのアポイントを上手く取れず、成約率が低迷している企業は、インバウンド営業で底上げできる可能性があります。また、新たに市場開拓を考えている場合、インバウンド営業によって顧客の潜在ニーズを把握するとよいでしょう。 さらにインバウンド営業では、アウトバウンド営業よりも担当者の負担を軽減しやすいため、業務改善の役割も果たせます。 自社の営業活動における課題を洗い出し、インバウンド営業がその解決策として適切かどうか見極めてください。  

ペルソナやカスタマージャーニーを設計する

インバウンド営業では、必ずペルソナやカスタマージャーニーを設計してください。 最初に、営業対象となるペルソナを具体的に設定していきましょう。例えば、個人のペルソナなら年齢や性別、所得、家族構成といった項目が当てはまります。企業の場合、業界・業種や売上規模、社員数などがペルソナの要素です。 続いて、ペルソナの抱える問題やニーズを想定します。その内容に応じて、インバウンド営業で行う手法を検討するとよいでしょう。 段階的にペルソナを設計していくなかで、カスタマージャーニーも見えてきます。カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスを認知し、購入して利用するまでの道筋です。 インバウンド営業でカスタマージャーニーを細かくマップ化すれば、顧客との接点を効果的に配置できます。  

コンテンツ・コンバージョン動線を設計・制作する

ペルソナとカスタマージャーニーを具現化したら、ターゲットの能動的な行動を促せるコンテンツを制作していきます。 自社の商品・サービスや顧客層に合わせて、適切なインバウンド営業の手法を選んでください。ウェビナーやオウンドメディアなら、オンラインで顧客と接点を持つことが可能です。 また、SNSと併用すれば、情報の拡散効果も期待できます。対面セミナーの開催や展示会の参加を通じて、リアルでのコミュニケーションを強化してもよいでしょう。コンテンツの組み合わせによって、情報の発信範囲を広げられます。 コンテンツ作りとともに、コンバージョン動線も設計してください。コンバージョンとは、顧客の行動が企業の利益に転換することを意味します。インバウンド営業でコンバージョンを達成するには、コンテンツで顧客の購買行動を引き出す工夫が重要です。 例えば、メルマガからサイトやアプリに誘導したり、ウェビナーの参加を促したりして、見込み顧客を育成します。  

コンテンツへの集客、提供を行う

ペルソナに合ったコンテンツを制作するだけでは、顧客の関心を引き付けるのは難しいかもしれません。そこで、コンテンツへの集客、提供に注力するようにしましょう。 コンテンツの集客力を上げるなら、継続して顧客に情報発信する姿勢が重要となります。例えば、メールマガジンの配信やSNSの投稿を積極的に行うとよいでしょう。また、オウンドメディアでSEO対策を進め、検索順位アップを図るのも手段のひとつです。 このように顧客との接点を増やすことで、顧客が問い合わせや資料請求といった能動的な行動に至るきっかけを生み出せます。そのため、コンテンツの内容や運用体制をブラッシュアップし、顧客にとっての有益性を維持することが大切です。  

社内体制や運用体制を整える

ペルソナに適したコンテンツを介して見込み顧客を育成できれば、いよいよ商談・成約に進む段階です。 インバウンド営業では、顧客の購買意欲を損なわずに成約につなげることが求められます。特に、これまで育成してきた見込み顧客を営業チームに引き継ぐにあたって、綿密に連携できる体制を整備しなければなりません。マーケティングから営業活動に至るまで、インバウンド営業の部門全体で顧客のニーズや課題を共有するようにしてください。 また、インバウンド営業でSFAやMAなどの営業支援ツールを取り入れれば、業務の効率化が可能です。顧客とのコミュニケーションを円滑に行い、営業活動を成功させましょう。  

まとめ

インバウンド営業とは、顧客の能動的な行動を起点とする営業活動の手法です。インバウンド営業ではさまざまな手法を活用し、顧客の関心を高める情報・コンテンツを発信します。そのうえで商品・サービスの成約につなげることが、インバウンド営業に求められる役割です。 企業でインバウンド営業を行えば、商談率・成約率が改善され、顧客の潜在ニーズを発掘しやすくなります。また、担当者のスキルに依存しない営業活動を実現できるので、業務負担の軽減も可能です。一方で、インバウンド営業の成果が出るまでには、時間やコストがかかる点に注意しなければなりません。 インバウンド営業を開始するなら、手順に沿って適切な運用体制を構築するようにしましょう。社内での構築が難しい場合、アウトソースを検討するのも良いでしょう。 中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)という確かな実績を保持する電話代行サービス会社です。また、カスタマー応対率は95%(※3)を維持し、丁寧なフォローに努めています。 中央事務所の在籍オペレーターは専門講習を受けており、質の高い電話対応が大きな強みです。さらに、対応可能な業務範囲や使用ツールなどを充実させ、企業様のニーズに合わせたプランを提案します。インバウンド営業の導入・運用についてお悩みの企業様は、中央事務所にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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