公開日 2024.04.02
更新日 2024.04.02
外注
カスタマーサポートの外注・代行サービスのメリットや注意点を解説
カスタマーサポートの導入を検討している企業において、外注・代行サービスの活用は有望な選択肢といえます。業務の一部、または全般を外注することにより、人材不足の解消や応対品質の改善など、さまざまなメリットが得られるからです。
しかしながら、外注・代行サービスにも留意点があります。メリットだけでなく、注意すべきポイントを理解することは、リスクを最小限に抑えるために重要です。
本記事では、カスタマーサポートの概要と外注・代行サービスのメリット、注意点について詳しく解説します。
カスタマーサポートとは?
カスタマーサポートとは、顧客の問い合わせや要望に対応するチームや部門です。
主な目的は、顧客が抱える問題や要望に迅速かつ適切に対応し、顧客の満足度を向上させることです。たとえば、商品やサービスを利用した後に問題が発生した場合、カスタマーサポートの担当者は迅速に対応し、適切な解決策や必要な情報を提供します。
カスタマーサポートにおける丁寧な顧客対応は、良好な顧客関係の構築に不可欠です。顧客満足度を向上させ、売り上げを伸ばすことで、企業の成長に大きく寄与するでしょう。
カスタマーサポートの主な業務
カスタマーサポートには、主に以下3つの業務があります。
● 電話窓口業務
● 注文窓口業務
● テクニカルサポート業務
外注・代行サービスを利用する際は、企業のニーズや要件に応じて特定の業務のみを依頼する場合や、複数の業務を一括して外注することも可能です。
ここでは、それぞれの業務内容について詳しく説明します。
電話窓口業務
電話窓口業務は、顧客からの電話による問い合わせや要望に対応する業務です。企業内において、人材不足に陥っていたり、苦情・クレームに対する専門的な知識や経験が不足していたりする場合、電話窓口業務を外注・代行サービスに依頼する傾向が見られます。
電話窓口業務では、以下のような役割を果たします。
<配送に関するサポート>
配送関連の問題が発生した際、詳細な調査や解決策の提示を行います。遅延や誤配などの問題があれば、迅速に対処し、顧客の不安や不満を解消します。
<クレーム受付・処理>
顧客のクレームや不満に真摯に向き合い、適切な解決策を提示します。顧客対応後は、クレーム内容を適切に記録し、関係部署や担当者に連携するまでが一連の業務です。
注文窓口業務
注文窓口業務は、顧客からの注文を受け付け、処理し、必要な手続きや手配を行う業務です。外注・代行サービスを利用するパターンとしては、キャンペーンやセール期間など、予想される入電数の増加に対応するため、一時的に外注するケースが見られます。
注文窓口業務では、以下のような役割を果たします。
<注文受付と確認>
顧客から注文を受け、必要な詳細(商品名、数量、配送先など)を確認して、システムに入力します。
<注文の変更やキャンセル>
注文内容の変更・キャンセルを希望する顧客に対応し、要望に応じた手続きを行います。
テクニカルサポート業務
テクニカルサポート業務は、顧客が製品やサービスの利用中に技術的な問題や障害に直面した際、解決策やサポートを提供する業務です。自社内に、技術的・専門的知識があるものの、顧客に対してそれを効果的に伝えることが難しいと感じている企業が、外注・代行サービスを利用するケースが見受けられます。
テクニカルサポート業務では、以下のような役割を果たします。
<ソフトウェア・ハードウェアのトラブルシューティング>
ソフトウェア・ハードウェアの問題(接続問題や機能制限など)に直面した場合、トラブルの原因を特定し、解決策を提案します。一般的に、リモートサポート(遠隔操作)を通じて、トラブルシューティングを行います。
<インストールと設定のサポート>
顧客が製品やソフトウェアを初めて使用する際に、手順の案内や技術的なアドバイスなど、正しくインストールや設定が行えるようサポートします。
カスタマーサポートでよくある課題
自社内でカスタマーサポートを運営する際によく生じる課題には、以下の3つがあります。
● 電話が繋がらない
● オペレーターの応対品質担保が難しい
● 離職率が高く人材が定着しにくい
それぞれの課題について、詳しく見ていきましょう。
電話が繋がらない
一つ目の課題は、顧客が問い合わせをしても、オペレーターに電話が繋がらない点です。
とくに、繁忙期やイベント時には、多くの顧客が同時に問い合わせをするため、電話回線が混雑し、接続が不安定になることがあります。また、人員配置が適切ではない場合も、電話対応が追いつかず、電話が繋がらない、または待ち時間が長くなることがあります。
電話が繋がらない状態は、顧客にとって不便やストレスを与えるだけでなく、企業のイメージにも悪影響を及ぼす可能性も否めません。そのため、電話対応のみに依存せず、メールやSMS、チャット、LINEなど、さまざまなコミュニケーション手段を活用して、顧客の問い合わせに迅速かつ多角的に対応することが重要です。
オペレーターの応対品質担保が難しい
二つ目の課題は、オペレーターの応対品質の担保が難しい点です。その原因の一つとして、「トレーニング不足」が考えられます。
オペレーターが適切なトレーニングを受けていない場合、商品やサービスに関する知識やコミュニケーションスキルが不足しているため、顧客の問い合わせや要望に適切に対応することが困難となります。
また、電話の取りこぼしを防ぐため、オペレーターは限られた時間内に多くの顧客に対応しなければなりません。このような状況では、個別の顧客対応に時間をかけられず、その結果、応対品質が低下する可能性があります。
課題を解決するためには、継続的なトレーニングが不可欠です。具体的には、商品・サービスに関する知識とコミュニケーションスキルを向上させるためのトレーニングを定期的に(3〜6ヶ月に1回程度)実施します。
さらに、オペレーターの負荷を軽減するために、自動音声応答システム(IVR)やチャットボットなどのシステム導入も有効です。
離職率が高く人材が定着しにくい
三つ目の課題は、離職率が高く人材が定着しにくい点です。離職率が高い理由として、「高いストレスレベル」が挙げられます。
カスタマーサポート業務は、頻繁にクレームや苦情に対応し、感情的な顧客とのコミュニケーションにも取り組む必要があります。このような状況は、オペレーターに大きなストレスを与え、離職の要因となる可能性があるのです。
また、カスタマーサポートでは、反復的な作業や難解な問題解決が求められる場面も少なくありません。これらは、オペレーターのモチベーションの低下や業務へのやりがいの欠如につながり、人材が定着しにくいという問題が発生します。
課題を解決するためには、職場環境の見直しが求められます。たとえば、適切な休息やワークライフバランスの促進、ストレス管理のサポートなどを導入し、ストレスを軽減する取り組みが必要です。
カスタマーサポートを外注するメリット
カスタマーサポートを自社運用する場合、先述のような課題に直面する可能性があります。一方、外注・代行に依頼することで、以下のメリットが得られるでしょう。
● 人材不足を補填できる
● 応対品質が向上する
● 場合によってはコスト削減につながる
それぞれのメリットについて、詳しく説明します。
人材不足を補填できる
メリットの一つ目は、人材不足を補填できる点です。
企業は、従業員の予期せぬ退職や急激な業務量の増加、新規事業の立ち上げなどに直面すると、人材不足に陥るケースが多々あります。その際、自社で迅速に新しい従業員を採用し、空席を補填することは困難です。新たな従業員を採用するには、求人広告の作成、選考プロセスの実施、面接、契約手続きなど、多くの時間とリソースが必要になるからです。
しかし、カスタマーサポートを外注することで、これらの問題を解決できます。外注・代行サービスの利点は、専門的な知識やスキルを持った熟練の担当者を揃えており、企業は迅速に人材不足を補填することが可能です。
急な人材不足に直面しても、外注・代行サービスを活用することで、迅速かつ効果的に解消し、業務の円滑な遂行が可能となるでしょう。
応対品質が向上する
メリット二つ目は、応対品質の向上です。
カスタマーサポート業務では、コミュニケーション能力や傾聴力、会話力などのスキルが必要です。これらのスキルを社内でゼロから教育するには、多大な時間と労力がかかるでしょう。
一方で、外注・代行サービスを利用すると、専門的な知識を持ったオペレーターが、適切な対応方法とコミュニケーションスキルを駆使して良好な顧客関係を築きます。さらに、外注・代行サービスは一般的に、高い品質管理基準を持っており、定期的なトレーニングや監査を通じて、オペレーターの能力向上と品質向上に取り組んでいます。
外注・代行サービスの利用によって応対品質が向上し、企業の評判と信頼性を高められるでしょう。
場合によってはコスト削減につながる
メリット三つ目は、場合によってはコスト削減につながる点です。
自社でカスタマーサポートを立ち上げるには、設備費や人件費、教育費など多くのコストと時間がかかります。とくに、オペレーターの採用・育成においては大きなコストが発生しますが、それでも長期的な人材定着は難しいかもしれません。
外注・代行サービスに委託すると、これらの人材関連コストを削減できます。外注先には既に経験と専門知識を持ったオペレーターが在籍しており、高品質なカスタマーサポートを効率的に提供してくれるからです。
また、外注・代行サービスを上手に活用することで、需要の変動に柔軟に対応できます。ピーク時にはオペレーター数を増やし、需要が低い時にはリソースを縮小することにより、必要なときに必要なリソースを効率的に活用できます。
これにより、無駄なコストを削減しながら、高品質なカスタマーサポートを運営できるでしょう。
カスタマーサポートを外注する際の注意点
外注・代行サービスを利用する際には、留意すべきポイントも存在します。ここでは、以下3つの注意点を紹介します。
● コストがかかる
● 社内にノウハウが蓄積されにくい
● 情報漏洩のリスクがある
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
コストがかかる
一つ目の注意点は、予定よりもコストがかかる可能性がある点です。
通常、外注先は電話対応に必要な機材やシステム、オペレーターを提供してくれるため、自社運営に比べて低コストで導入できるはずです。しかし、企業の要件や特定の要求によっては、追加のカスタマイズが必要になることがあります。その結果、予定していたコストを上回る可能性も否めません。
たとえば、外注先が提供してくれる機器が要件に適合していない場合や、機能の拡張が必要な場合には、追加のカスタマイズ費用が発生するケースがあります。
コストアップを防ぐためには、打ち合わせや契約の段階で、業務の要件やカスタマイズに関する明確な合意を確保することが重要です。
社内にノウハウが蓄積されにくい
二つ目の注意点は、社内にノウハウが蓄積されにくいという点です。
外注・代行サービスを利用すると、企業にかかってくる電話は外部のオペレーターが対応するため、既存従業員の電話応対の機会は減少します。
電話対応を長期的に外注する場合、この点についてはあまり心配する必要はありません。しかし、将来的にコールセンターを自社で内製化する可能性がある企業にとっては、「従業員の電話応対スキルや経験の育成が進まない」という懸念が生じることがあります。
そのため、外注・代行サービスを選ぶ際には、電話応対の手順やトークスクリプト、イレギュラー対応方法などのマニュアルを共有できる会社を選択することが重要です。共有されたマニュアルをもとに従業員研修を実施することで、電話応対に関するノウハウを維持・向上させられるでしょう。
情報漏洩のリスクがある
三つ目の注意点は、情報漏洩のリスクがあるという点です。
カスタマーサポート業務を外注する際には、顧客情報や会社の機密情報など、機密性の高い情報を外注先と共有するのが一般的です。
しかし、外注先でセキュリティ面のトラブルが発生し、顧客情報などの機密情報が漏洩してしまった場合、企業の信頼性や評判に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。とくに、外注先が十分なセキュリティ対策を講じていない場合や情報管理教育が不十分な場合には、情報漏洩のリスクが高まるでしょう。
そのため外注・代行サービスを選択する際には、情報セキュリティ対策や個人情報保護について厳格な基準を保持していることを確認する必要があります。
具体的には、契約書に情報漏洩防止に関する規定が含まれているか、情報共有には適切な暗号化やアクセス制御の仕組みが導入されているか、など情報漏洩のリスクを最小限に抑えるための取り組みを行っているか確認しましょう。
まとめ
自社でカスタマーサポートを運営する場合、効率的な運営や応対品質の確保、人材定着の課題が存在します。このような課題に対応するため、多くの企業がカスタマーサポートを外注しています。外注・代行サービスの活用により、人材不足を補填し、応対品質の向上、場合によってはコスト削減にもつながるでしょう。
ただし、外注する際には注意が必要なポイントもあります。その一つが情報漏洩のリスクです。顧客情報の保護やセキュリティ対策には細心の注意を払い、信頼性の高い代行会社を選択することが重要です。
中央事務所は、月間の総受電件数6万件(※1)、新規入電の応対率98%(※2)という確かな実績を保持しています。また、カスタマー応対率は95%(※3)を維持し、手厚いサポート体制が強みのひとつです。
中央事務所には専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、顧客の個人情報や重要な情報の漏洩は一切ありません。セキュリティ対策にも徹底的に取り組んでおり、全スタッフがセキュリティ研修を受け、秘密保持に関する理解を深めています。
「カスタマーサポートの導入を検討している」とお考えでしたら、お客様の要望に応じた最適な提案をいたしますので、お気軽にご相談ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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