コールセンターの業務効率化・生産性向上を図る方法とは?原因と対策を解説
公開日 2023.09.12
更新日 2023.09.12
知識

コールセンターの業務効率化・生産性向上を図る方法とは?原因と対策を解説

企業にとって、コールセンターは顧客の声を取り入れる重要なポジションです。多様化する顧客ニーズに合わせ、コールセンターを効率よく運営したいと考える企業も多いのではないでしょうか。 コールセンターの業務効率化に伴って生産性が向上すれば、企業全体の収益アップも実現可能です。 そこでこの記事では、コールセンターの業務効率化・生産性向上を図る方法について解説します。円滑なコールセンター運営を阻害する原因も取り上げるので、対策の実践に役立ててください。  

コールセンターの業務効率化・生産性向上が重要な理由とは?

カスタマーサポートの一環としてコールセンターを設置する企業も多い中、業務効率や生産性は重視すべきポイントです。ここでは、コールセンターの業務効率化と生産性向上がもたらすメリットについて説明します。  

人件費などのコストが削減でき収益向上につながる

コールセンターの業務を効率化するには、オペレーターの人員配置や業務フローを見直す必要があります。コールセンターの稼働状況に適した業務環境を構築できれば、人件費や通信費といったコストの削減が可能です。 また、業務効率化によってオペレーターの電話対応がスムーズになるため、顧客満足度も向上するでしょう。つまり、企業にとっては不要な経費を削減できるだけでなく、収益をアップさせる効果が期待できます。 コールセンターの業務効率化は生産性を高めることに繋がり、長期スパンで企業利益を獲得できるところが大きなメリットです。  

オペレーターなどの負担を軽減し業務環境を改善できる

コールセンターの業務効率化は、オペレーターの負担軽減に繋がります。 コールセンター業務は多岐にわたるため、オペレーターの業務負担も大きくなりがちです。そこで、電話対応に役立つシステムを導入したり、業務マニュアルを作成したりすることで、コールセンター業務を効率化します。 問い合わせへの対応がスムーズになれば、顧客満足度が高まり、クレームの発生も防げるでしょう。その結果、オペレーターが安心して電話対応できる職場環境が整います。オペレーターが働きやすいコールセンターでは経験豊富な人材が定着し、人手不足の問題も解決可能です。 また、コールセンターの業務効率化と生産性向上によって企業の収益が上がれば、給与や福利厚生といった面で従業員に利益を還元できます。  

コールセンターの業務効率化・生産性向上を阻害するよくある原因

コールセンターで業務効率や生産性を改善しようとしても、なかなかうまくいかないケースもあるのではないでしょうか。ここでは、業務効率化と生産性向上を阻害する4つの原因について詳しく説明します。  

恒常的に人員不足の傾向がある

コールセンター業界では、恒常的な人員不足が問題となっています。 顧客からの問い合わせ内容は多種多様で、オペレーターには臨機応変な対応スキルが必要です。また、クレームの電話を受けるなかで、ストレスを感じるオペレーターも少なくないでしょう。 オペレーターにかかる負担が大きいと、戦力になる前に辞めてしまう可能性が高まります。結果として人材を育成できず、コールセンター内で人手の足りない状態が慢性化しかねません。このような環境では、コールセンターの業務を効率化することが難しくなります。 ▼関連記事 FTE(フルタイム当量)とは?意味や計算式をコールセンターの例で解説  

対応チャネルが多様化し対応が追いつかない

最近では、顧客とのコミュニケーションツールが多様化しています。顧客の問い合わせに的確に答えるためには、従来の電話だけでなく、メールやチャットなど幅広いチャネルに対応しなければなりません。 一方で、チャネルの導入には利用環境の整備やオペレーターへの研修が必要です。なかには、対応チャネルを増やすのに時間のかかるコールセンターもあるでしょう。また、実際にチャネルを使用するオペレーターの負担が大きくなると、かえって業務効率を低下させる恐れがあります。 ▼関連記事 コールセンター運営に必要な研修とは?研修のメリットや実施すべき内容  

応対品質の担保・均一化が必要

コールセンターの生産性を高めるためには、応対品質を均一に保つ必要があります。 コールセンターの応対品質は、顧客満足度はもちろん、企業の好感度にも結び付く要素です。もしオペレーターの対応にばらつきが出てしまうと、顧客が不満を感じやすくなるでしょう。そこで、人員配置や業務内容を見直すことでオペレータ―の対応レベルが均一化され、常に質の高い電話対応を提供できます。 コールセンターでは、応対品質を改善して業務効率化と生産性向上に取り組んでください。  

応対時間の短縮が難しい

オペレータ―の応対時間が長いほど、コールセンターの業務効率化と生産性向上に悪影響を及ぼします。一方で、応対時間の短縮には難しい面があるのも事実です。 顧客対応では、電話でのやり取りに加えてさまざまな付随作業が伴います。また、イレギュラーな問い合わせやクレーム電話の場合、どうしても対応に時間がかかってしまうでしょう。 長時間の電話対応はコールセンター全体の業務効率を低下させます。結果として生産性も下がってしまい、コールセンターの運営状況が厳しくなってしまうことに繋がります。  

コールセンターの業務効率化・生産性向上を図るための方針

コールセンターが抱える課題によって、業務効率化と生産性向上がうまくいかない可能性があります。そこで、課題解決に向けた方針を設定し、コールセンターを効率よく運営できるようにしましょう。
 

オペレーターなど現場で働くメンバーの声を聞く

コールセンター業務の効率化を図るなら、管理者やオペレーターなど現場の声を聞くことが大切です。 企業は、業務フローを可視化するとともに、オペレーターに対するヒアリングも実施するようにしてください。例えば、「電話対応時に、顧客情報を検索しやすくしてほしい」という要望があれば、システムの導入を検討しましょう。 また、オペレーターがマニュアルやチャネルを使いこなせていない場合、サポート体制の見直しが必要です。実務にあたるオペレーターの声は、コールセンターの課題を洗い出すのに役立ちます。さらに、管理者からも意見を募り、オペレーターを育成指導していく方針を固めるといいでしょう。  

現状と理想を把握し、業務効率化のゴールを定める

コールセンターの現状把握と併せて、理想的なコールセンター像を明確にしましょう。 コールセンターに寄せられる問い合わせの傾向は、企業の業界や顧客層によって異なります。また、電話の多い時間帯や時期など、コールセンターごとに特徴が見られるものです。 このような稼働状況を把握したうえで、顧客ニーズに沿ったコールセンターを設計します。そして、理想を実現するにあたって課題となる点を改善し、業務の効率化に取り組んでください。業務効率化の具体的なゴールを定めることで、改善策もスムーズに実行できます。  

定めたゴールと改善方針を共有する

コールセンターの課題を洗い出し、ゴールと改善方針を定めたら、オペレーターに共有することがとても重要です。 業務効率化を推進する目的と設定したゴールについて、丁寧に説明してコールセンター全体に周知してください。コールセンター業務の効率化は、オペレーターにとってメリットのある方針です。この点をしっかり理解してもらうことで、オペレーターのモチベーションアップにも繋がるでしょう。 また、オペレーター自身がゴールを意識して業務に取り組めば、より早く効率化が進み、コールセンターの生産性向上も見込めます。  

実行と振り返りを行い改善サイクルを回す

業務効率化に向けて、対策の実行と振り返りを通して改善サイクルを回していきましょう。 計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)の流れに沿って、改善策の効果を検証します。 せっかく業務改善の計画を立てても、実行しただけでは本当に業務を効率化できているのかわかりません。改善策の実施後には、オペレーターの稼働状況がどうなっているのかを必ずチェックしてください。 対策がうまくいっていれば継続し、さらなる効果を引き出せるようにします。もし変化がなかったり、状況が悪化していたりするなら、問題点を見つけて改善する工夫が必要です。  

コールセンターの業務効率化・生産性向上を図る具体案

コールセンターの業務効率化と生産性向上を図るためには、明確なゴールと方針を定め、PDCAサイクルを回すことが重要となります。ここからは、業務効率化のサイクルで実行したい具体案を考えていきましょう。  

1つの問い合わせにおける処理時間を短縮化する

問い合わせ1件あたりの処理時間を短縮できれば、コールセンターの業務効率化が可能です。 例えば、問い合わせ履歴をデータ化して共有することで、オペレーターと顧客とのやり取りがスムーズになります。また、モニタリングを通じて管理者がオペレーターを手厚くフォローするようにしましょう。 これにより、平均処理時間(AHT)や平均通話時間(ATT)の短縮化が実現可能です。さらに、通話以外での作業内容を検証して時間のかかる工程を省けば、平均後処理時間(ACW)も短くできます。 ただし、処理時間を短縮しようとするあまり、顧客対応が煩雑にならないように注意してください。  

応対品質の向上を図る

応対品質が向上すれば、コールセンター全体の業務効率と生産性にプラスの効果が見込めます。
顧客対応の品質を高めるために、オペレーターのスキルアップに注力してください。例えば、研修やOJTを充実させ、適切なコミュニケーション能力の習得を促しましょう。 また、業務マニュアルや社内FAQを用意することで、オペレーターの対応レベルを均一に保てます。クレームやよくある問い合わせへの対応方法については、マニュアルで共有するのも有効な手段です。 オペレーターが自信を持って電話に対応できれば、コールセンター業務が効率よく進むようになり、顧客満足度も高められます。  

自動化・システム化を図りオペレーターの負荷を軽減する

コールセンター業務の自動化とシステム化を図り、オペレータ―の負担を軽減することで効率のいい職場環境を構築してください。 CTIを活用すれば、入電時にオペレーターが顧客情報や対応履歴を確認できます。また、ACD(着信呼自動分配装置)やIVR(自動音声応答システム)の導入によって、適切なオペレーターに自動で電話を振り分けることが可能です。 その結果、オペレーターと顧客の意思疎通がスムーズになり、業務効率がアップします。さらにFAQページを設置して顧客の自己解決をサポートし、問い合わせの手間を省く工夫も効果的です。 最近では、文章で質問に自動応答できるチャットボットにも注目が集まっています。オペレーターの業務負担が大きいコールセンターでは、チャットボットを導入してみてはいかがでしょうか。  

人材の配置を見直す

コールセンターの人材配置を見直して、業務効率化と生産性向上を図りましょう。 入電数や対応実績のデータをもとにコールセンターの問い合わせ数を予測し、オペレーターのシフトを調整してください。時期や時間帯による繁閑の差を考慮することで、稼働状況に即した人材配置が可能です。 オペレーターの人員が充足していれば、効率よく顧客対応できるようになり、コールセンターの生産性アップに繋がります。また、電話対応の品質を高く維持できるため、顧客の信頼感も得やすくなるでしょう。企業はワークフォースマネジメントを意識し、適材適所の人材配置を進めることが大切です。  

コールセンターをアウトソースする

コールセンター業務の効率化にあたって、アウトソーシングの利用を検討するのもひとつの手段です。 コールセンター業務をアウトソースすることで、オペレーターの負担が軽減され、効率的に働けるようになります。また、アウトソーシングなら、夜間や休日などオペレーターが対応しづらい時間帯でもコールセンターの稼働が可能です。結果的にコールセンターの生産性が向上し、企業の収益アップを達成できます。 一方で、アウトソーシングには情報漏洩のリスクがあったり、社内でのノウハウの蓄積が難しくなったりします。このようなデメリットを理解した上で、コールセンター業務を効率よくアウトソースしましょう。  

まとめ

コールセンターの業務効率化と生産性向上は、企業の経営方針に関わる重要なポイントです。自社のコールセンターで業務効率と生産性を高めることができれば、オペレーターの負担軽減や企業の収益アップに繋がります。 ▼関連記事 コールセンターの生産性を上げる方法と重要性について しかし、コールセンターでよく見られる課題が円滑な運営体制の障害となっており、解決に向けた対策が必要です。 企業は、コールセンターにおける処理時間の短縮や、応対品質の向上に取り組むようにしてください。また、自動化とシステム化を進めてオペレーターの負担を軽減したり、人材配置を見直したりすることも効果的です。さらに、コールセンターのアウトソーシングも視野に入れてみましょう。 電話代行サービス会社の中央事務所では、月間の総受電件数が6万件(※1)にのぼります。また、新規入電の応対率は98%(※2)、カスタマー応対率は95%(※3)というサポート力の高さが強みです。 中央事務所には専門講習を受けたオペレーターが在籍しているため、電話対応の品質向上に貢献できます。さらに業務範囲や使用ツールを充実させており、企業様のニーズに応じたサービスの提供が可能です。コールセンターの業務効率化と生産性向上に取り組みたい企業様は、ぜひ中央事務所にご連絡ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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