コールセンターの負荷を減らすためのFAQとは?作り方のポイント
公開日 2023.08.22
更新日 2024.01.29
知識

コールセンターの負荷を減らすためのFAQとは?作り方のポイント

企業のコールセンターでは、毎日多くの電話を受け付けています。顧客からの問い合わせは多岐にわたる一方で、コールセンターによっては、よく尋ねられる質問もあるのではないでしょうか? このような「よくある質問」にテキストで回答するコンテンツが、FAQです。FAQを上手く活用すれば、コールセンターの負荷を減らせるでしょう。 そこで、この記事ではコールセンターにとって有益なFAQとは何か、詳しく説明します。FAQの作り方や運用方法についても解説するので、導入時の参考にしてみてください。  

FAQとは

FAQは企業のホームページや取扱説明書などで目にするコンテンツですが、Q&Aとの違いがわからないという方も多いのではないでしょうか?ここでは、FAQの特徴や構成要素について解説します。  

FAQとQ&Aの違い

FAQとは「Frequently Asked Questions」の略称であり、「頻繁に尋ねられる質問」を意味します。FAQでは質問と回答がセットになっており、FAQを見れば自発的に疑問を解消できるところが大きな特徴です。 また、FAQは誰に向けて作られたかによって、以下の3種類に大別されます。 ・一般ユーザー(顧客)向けFAQ ・コールセンター(オペレーター)向けFAQ ・社内向けFAQ 顧客向けのFAQは、企業のホームページで「よくある質問」として表記されることも多く、問い合わせの手間をかけずに疑問を解消できるツールです。 また、コールセンターや社内向けのFAQは従業員を対象としており、業務をスムーズに進めるのに役立ちます。 FAQとよく似たコンテンツにQ&Aがありますが、掲載される質問の頻度に違いがあると考えてください。想定される質問まで含むQ&Aと比べて、FAQは問い合わせの実情に沿った構成になっています。  

FAQの主な構成要素

わかりやすいFAQを提示することで、閲覧者の自己解決率を高められるだけでなく、顧客サポートも拡充できます。FAQの作成にあたっては、4つの構成要素を意識するようにしてください。 ・質問文 最初に、FAQの質問文を設定しましょう。ユーザーから頻繁に寄せられる質問内容に基づき、疑問点を簡潔にまとめます。このとき、本文に検索キーワードを含めるとユーザーのニーズを拾いやすくなるでしょう。 ・回答文 質問文に回答するテキストであり、FAQのメイン項目です。まず結論から述べることで、ユーザーが素早く内容を理解できます。また情報量が多い場合、箇条書きにしたり図表を挿入したりして、見やすいように工夫するといいでしょう。 ・参考ページのURL 回答の根拠となる情報や補足したい項目のURLを記載します。エビデンスを明示することで、FAQの信ぴょう性を高めましょう。さらに、詳細情報を知りたいという顧客ニーズも満たせます。 ・関連FAQ 関連するFAQや、併せて参考にしてほしいFAQのリンクも掲載してください。FAQの利便性が向上するのはもちろん、閲覧者の悩みや疑問にきめ細かく対応できるようになります。  

FAQを作成するメリット

FAQは、よくある質問とその回答がセットになったコンテンツです。FAQを作成すると、コールセンターにどのような効果をもたらすのでしょうか?ここでは、コールセンターでFAQを作成する2つのメリットについて説明します。  

コールセンター対応の負荷軽減やコスト削減

コールセンターでFAQを作成するメリットのひとつが、コールセンター対応による負荷やコストを減らすことです。 FAQを設置すれば、顧客がコールセンターに問い合わせる前に自力で解決を図れるようになります。その結果、オペレーターが対応する電話の件数が減り、業務の負担も軽減可能です。 また、オペレーターがより複雑な内容の問い合わせに集中できるので、コールセンター業務の効率化に繋がります。さらにFAQの導入によってオペレーターの労働時間を短縮したり、人員配置を適正化したりと、コールセンター運用にかかるコスト削減も期待できるでしょう。 併せて社内向けのFAQを準備し、ノウハウの蓄積と共有を進めることも大切です。  

カスタマーサポートの品質向上

FAQの作成は、コールセンターの業務改善だけでなく、顧客満足度の向上にも有効な手段です。 顧客はできるだけ早く疑問を解決したいと考えています。また、顧客の中には、コールセンターへの問い合わせにハードルの高さを感じる方もいるかもしれません。そのため、定型で回答できる質問についてはFAQでの解決を促し、顧客ニーズに応えることが重要です。 さらにFAQの内容を充実させれば、商品・サービスを利用する顧客への手厚いアフターサポートに結びつきます。コールセンターで適切なFAQを作成・運用し、顧客の企業に対する信頼感アップを目指しましょう。  

FAQの作り方・手順

コールセンターでFAQを作成することにより、業務の効率化や顧客満足度の向上といったメリットが期待できます。ここからは、コールセンターでFAQを運用する方法と手順について、詳しくみていきましょう。  

FAQを作成する目的の明確化

コールセンターでは、明確な目的を持ってFAQを作成するようにしてください。 誰がFAQを閲覧するのかによって、掲載すべき質問と回答の内容は変化します。そのため、FAQの作成にあたっては、最初に利用対象者を設定することが重要です。 例えば、顧客向けのFAQなら一般ユーザーや法人が対象となり、社内向けのFAQは従業員に活用されます。この前提に基づき、どのような情報が必要なのか検討しましょう。 FAQの対象や目的が定まっていないと、顧客のニーズに沿った回答を用意できません。また、顧客を誤ったFAQへ誘導してしまう恐れもあります。不適切なFAQは、顧客満足度の低下を招く原因のひとつです。 FAQの完成図を予想し、具体的な運用イメージまで想定しておくといいでしょう。  

FAQの運用方法・公開方法の決定

コールセンターのFAQを作成する目的に続いて、運用・公開の方法を決定します。 FAQの作成には、FAQシステムの利用がおすすめです。FAQシステムがあれば、質問文と回答文の構築に加えて、公開管理まで可能となります。コールセンターの規模や問い合わせの内容に合わせて、自社に適したFAQシステムを選ぶようにしてください。 また、顧客ニーズの変化や商品・サービスの改善に伴い、FAQを見直すことも大切です。そのため、FAQの利用状況をきちんと管理できる体制づくりが求められます。事前にFAQの運用フローや担当者を決めておき、導入後もブラッシュアップするよう心がけましょう。  

FAQの材料の収集・想定されるFAQの洗い出し

FAQの運用・公開方法を決めた上で、掲載する情報収集に取り掛かります。 FAQはよくある質問に対応するためのツールなので、顧客からの問い合わせログを参考にするといいでしょう。電話はもちろん、メールやチャットも有効な情報源です。コールセンターのデータが不足している場合は、オペレーターにヒアリングしてもかまいません。 FAQの主軸となる情報が集まったら、優先順位をつけてカテゴリごとに分別してください。そして、コールセンターのよくある質問に対する回答文を考案します。このとき、マニュアルや取扱説明書、従業員の意見など幅広いツールを活用して、最適な回答を当てはめるようにしましょう。 さらに、想定されるFAQを洗い出すには、検索エンジンサイトやサイト内でよく検索されるキーワードが参考になります。顧客の潜在ニーズを掴むことで、利便性の高いFAQが作成可能です。  

FAQの文言の調整

これまでに収集した材料や想定されるFAQから、実際に掲載するFAQを作成します。 FAQの閲覧者が途中で離脱する事態を防ぐためには、正確でわかりやすい内容が必要不可欠です。質問文・回答文にはシンプルな文言を使い、一問一答形式でまとめるといいでしょう。 また、専門用語の多用もなるべく避けてください。さらにFAQの記載内容に間違いがないか、担当者に確認するなど、エビデンスを精査することも重要です。 いつ、誰が見ても明確な回答を得られるように、FAQの文言はしっかり調整しておきましょう。  

FAQ作成・運用のポイント

顧客にとって有益なFAQを作成・運用していくことが、コールセンターにもプラスの効果を発揮します。そこで、3つのポイントに注意してコールセンターのFAQ作成・運用に取り組みましょう。  

顧客視点でわかりやすくまとめる

FAQ作成の目的は、顧客の自己解決率を高めてコールセンターの負荷を減らすことです。そのため、FAQの内容は顧客視点をしっかり意識してまとめるようにしてください。 質問文が顧客ニーズに合っていなかったり、回答文が難しかったりすると、使いづらいFAQとして顧客から敬遠されかねません。かえって問い合わせが増えてしまい、顧客とコールセンター双方に負担がかかる可能性も考えられます。 顧客視点を取り入れるには、問い合わせログやアンケート結果など顧客の声を参考にすることが大切です。また、専門用語や社内用語はわかりやすい言葉に置き換えるといいでしょう。さらに、FAQに図表や関連情報を掲載して、顧客がスムーズに理解できる工夫も効果的です。  

定期的な内容の改善や情報の更新を行う

FAQを作成した後は、内容の改善と情報の更新が重要なポイントとなります。 FAQの設置によってどのような効果が表れたのか定期的に検証し、必要に応じて改善しましょう。例えば、FAQへのアクセス数やコールセンターの問い合わせ件数から、FAQの利用率をチェックします。 もし想定よりもFAQの利用率が低い場合、掲載内容が顧客ニーズに合っていない可能性が高いです。そこで、質問文の立て方や文言のわかりやすさ、検索のしやすさなど、多方面から原因を探すようにしてください。既存の内容を修正したり、新規のFAQを追加したりすることで、FAQをブラッシュアップできます。 また、FAQの情報が古いままだと適切な回答にならず、顧客のクレームを引き起こす可能性があります。FAQに掲載する情報は、常に最新かつ正確なものに更新してください。  

使いやすい・見られやすい場所に設置する

コールセンターのFAQを使いやすく見やすい場所に設置することも、大切なポイントです。対象者が簡単にアクセスできる場所にFAQを設置すれば、利用率の向上に繋がります。 例えば、顧客向けのFAQは企業のホームページやECサイトに設置した上で、わかりやすく誘導する配慮も忘れないでください。また社内向けのFAQであれば、共通のシステムやグループウェアへの設置が適しています。 さらに、FAQの検索性を高める工夫も重要です。検索ツールの導入や関連リンクの記載など、顧客が簡単に検索できる仕組みを作り、必要なFAQに辿り着けるようにしましょう。  

まとめ

FAQとは、「頻繫に寄せられる質問」を意味し、顧客が疑問を自己解決できるようにサポートする効果があります。コールセンターでFAQを作成すれば、業務の効率化やコスト削減を図ることが可能です。また、顧客満足度の向上にも期待できます。 FAQは作成目的を明確にした上で、顧客目線でまとめることが大切です。さらに定期的な改善・更新を通じて、わかりやすいFAQの運用を心がけましょう。 中央事務所の月間総受電件数は6万件(※1)、新規入電の応対率は98%(※2)にのぼります。また、カスタマー応対率は95%(※3)を記録しており、顧客サポートを重視した電話代行サービス会社です。 中央事務所ではオペレーターが専門講習を受けているため、質の高い電話対応を実践できます。さらに業務範囲や使用ツールに関しても、企業様のニーズに応じて提供可能です。コールセンター負荷を減らすためにFAQの作成・運用を考えている企業様は、一度中央事務所にご連絡ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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