公開日 2023.07.18
更新日 2024.01.29
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コールセンター導入におけるメリットや手順を解説
事業規模が大きくなると、顧客からの問い合わせが増え、おのずと電話対応に時間を取られることが多くなります。
その際、適切に電話対応できなければクレームやトラブルが発生し、企業イメージの低下を招いてしまうかもしれません。そこで、苦慮する問い合わせ対応の改善策として、コールセンター導入を考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、コールセンター導入の概要やメリット、併せて導入方法から手順まで具体的に解説します。
コールセンターの導入とは?
まずコールセンターとは、主に電話を用いて顧客とやり取りをする窓口のことです。
コールセンターを導入することで、企業から顧客に電話をかける「アウトバウンド業務」、顧客からの注文・お問い合わせを受ける「インバウンド業務」の電話対応に特化できます。
コールセンター導入の具体的なメリットは後述しますが、企業方針に沿った目的をもとに設定・構築・運営することで、業績改善や売上アップにつながります。
さらには、コールセンター専属のスタッフを配置することで、これまでコア業務をしながら電話対応を行っていた既存社員の業務負担を減らすことも可能です。
顧客から多くの問い合わせが来ているのにもかかわらず、コールセンターの導入を避け既存社員だけで対応してしまうと「電話をかけてもつながらない・適切に対応してもらえない」このような状態に陥り、顧客に不信感やストレスを与えてしまいます。
そのため、電話対応に苦慮しているのであれば、積極的にコールセンター導入の検討をおすすめします。
コールセンター導入の主な目的・メリット
コールセンターを導入する主な目的やメリットは、以下の通りです。
● 業務効率、生産性の改善
● 顧客満足度の向上
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
業務効率、生産性の改善
コールセンターを導入することで、既存社員の業務効率が上がり、生産性の改善に期待できます。
例えば、顧客からの問い合わせに対し既存社員が対応する場合、「円滑に電話対応を進める・早急に解決まで導く」というような、スムーズ且つ迅速な対応が難しいケースもあります。なぜなら、コア業務の片手間で電話対応することにより、集中して顧客対応ができず、対応の長期化を招いてしまう可能性があるからです。
しかし、コールセンターを導入することで、既存社員は電話対応に追われることなくコア業務を遂行する環境が整います。より効率的に業務を進められるようになり、結果として、企業全体の生産性向上を図ることも可能になるのです。
顧客満足度の向上
コールセンターを導入することで、顧客を待たせることなく迅速な対応が可能になり、顧客満足度の向上を図れます。
顧客が企業に問い合わせをしてくるのは、「トラブルが発生した」「解決してほしい」など、何らかの困りごとを抱えているときです。その際、すぐに対応してもらえなかったり、電話の待ち時間が長かったりすると、さらにストレスや不満を与えてしまいます。
電話対応に特化した窓口があれば、これまで以上のコール数に対応できるため、電話の待ち時間を減らすことが可能です。加えて、オペレーターは電話対応にだけ向き合えばよいわけですから、時間をかけ相手に寄り添った丁寧な顧客対応も可能になります。
顧客が期待する以上の対応ができれば、顧客満足度の向上につながります。そこからSNSなどで企業の良い評判が広まれば、さらなる新規顧客獲得にも期待できるでしょう。
コールセンター導入の主な方法
コールセンター導入の主な方法には「インハウス」と「アウトソース」の2種類があります。
ここでは、それぞれの概要とメリット・デメリットについてご紹介します。
インハウス
インハウスとは、コールセンター業務を自社内で構築、運営する方法です。また、子会社やグループ企業がコールセンター業務を担う場合も、インハウスと呼びます。
インハウスで導入するメリットは、応対品質の確保と臨機応変に対応できる点です。
インハウスでコールセンターを運用する場合は、自社の社員がオペレーター業務を担います。そのため、自社で扱う商品・サービスの深い知識や、状況に応じた臨機応変な対応がその場の判断で行え、業務を円滑に進められます。
一方デメリットとしては、コールセンター構築、運営にかかる手間や費用が膨大になる点です。
なかでもオペレーター教育は難易度が高く、自社内にコールセンター運営のノウハウがない場合、外部から専門講師を呼び教育から研修まで行ってもらう必要があります。それにより、さらなるコストが発生するでしょう。
総じて、インハウスでのコールセンター導入は、時間や予算に余裕があることを前提とし、顧客と密接なかかわりをもった運営を行いたい場合に、利点が大きい導入方法といえます。
アウトソース
アウトソースとは、業務を外部に委託する方法です。具体的には、コールセンター設備の準備、オペレーターの確保・教育、運営から管理までを委託先に任せられます。
アウトソースで導入するメリットは、インハウスに比べコストがかからない点です。コールセンター規模にもよりますが、電話機やパソコン、システムなどを一から導入すると、数百万の初期費用が発生します。
しかし、既に必要設備が整っているアウトソース先を選択すれば、自社でかかる初期費用を最低限に抑えることが可能です。
またインハウスの場合、導入までに複数の工程を踏み、多くの時間を要します(詳細は後述)。ですがアウトソースにおいては、おおむね「委託先の選択→打ち合わせ→顧客リストの準備」のみで利用できます。
一方、デメリットとしては、情報共有や企業側(依頼者)との間にタイムラグが生じやすい点です。
例えば、その場での判断が難しいクレームを受けた際、企業側に確認したうえでの対応となり、顧客を待たせる時間が増えてしまいます。そのため、アウトソースする際には「問題が発生した際どう対処すべきなのか」など、イレギュラー発生時の対応マニュアル作成や連携を強化させる必要があります。
総じて、アウトソースは委託先との連携が必須になりますが、コストをかけず手軽にコールセンターを利用したい場合、利点が大きい導入方法といえるでしょう。
コールセンター導入までの手順
ここでは、自社でコールセンターを構築する「インハウス」での導入手順をご紹介します。
なお導入にあたっては、以下の工程を踏むのが一般的です。
1. 実現したいこと・目的の定義
2. 現状把握と課題の洗い出し
3. 業務プロセスの棚卸と設計
4. マネジメントや組織体制の設計
5. コールセンターのシステムや体制の構築
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
実現したいこと・目的の定義
コールセンターを導入する際には、まず実現したいこと・目的の定義を行います。つまりコールセンターを導入し、どのような目的を達成したいのかを明確にする工程です。
目的が明確化されていないと運営方針が曖昧になるほか、何を目標に業務に取り組めばよいのかわからず、オペレーターのモチベション・サービス品質の低下を招きかねないからです。
目的の一例としては、「電話でのコミュニケーションを通じて顧客接点を強化したい」「商品・サービスを広め売上を伸ばしたい」などのように、明確な目的を定義しましょう。
また、決定した目的はコールセンター業務に直接かかわる管理者・オペレーターだけでなく、関係部署にも周知し、全スタッフに共通理解を図ることも大切です。
ここで設定した目的は、コールセンター業務にかかわる全員が同じ方向を目指して業務を進めるためでもあります。
内輪だけが理解しているのでは、運営方針や判断軸が揺らいだり、取り組むべき課題が不明瞭になったりし、コールセンター導入に支障が出てしまうので注意しましょう。
現状把握と課題の洗い出し
次に、企業の現状把握と課題の洗い出しを行いましょう。
例えば、「顧客の問い合わせに対応しきれていないためコールセンターを導入したい」と考えているのであれば、「(数値化して)どれだけのコールを取りこぼしているのか」など、具体的な数値をもとに現状把握を行います。これをもとに、何をどうすれば課題を解決できるのかを検討しましょう。
他にも、「導入にあたっての組織体制が整っていない」「オペレーター教育できる管理者がいない」「コールセンターに必要なシステムを把握していない」などと、できるだけ多くの問題や課題を見つけ出すことも必要です。
なお「実現したいこと・目的を定義する工程」と同様に、現状把握と課題の洗い出しは、センター導入に直接かかわるスタッフだけでなく、客観的且つ広範囲の情報を収集するために、関係部署も含めてヒアリングを行いましょう。
業務プロセスの棚卸と設計
業務プロセスの棚卸と設計では、コールセンター導入後に想定される、業務の流れを正確に洗い出し、整理・設計を行います。
具体的には、「業務の洗い出し→業務内容の認識→業務プロセスの設計」の3つのステップです。業務プロセスの棚卸をして詳細に把握することにより、業務改善のポイントやその改善手法の検討を可能にします。
例えば、業務の流れを想定し、一時間単位で業務量を測定・役割分担を設定。必要に応じて、業務プロセスの変更を行います。
結果として業務そのものを可視化でき、コールセンター導入前に、導入後の取り組み強化が可能です。
また、KPI(中間目標)の設定、定期報告の方法や内容詳細、緊急事態発生時の運用方法なども併せて設計しましょう。
マネジメントや組織体制の設計
ここまでの工程で得られた課題を解決できるよう、マネジメントや組織体制の設計を行います。
主な設計内容としては、コールセンター導入の目的や業務プロセスをもとに、必要なセンター規模の把握やそれに応じたオペレーター数を算出します。
この工程では、コスト面や人材確保の方法が大きな課題になるかもしれません。実際に導入してから「人員が足りない・多すぎる」ということがないよう、目的や業務内容をよく検討したうえで、適切なマネジメントや組織体制の設計を行いましょう。
なお、設計した組織体制をもとに、コールセンターの組織図、緊急連絡体制図を作成することも必要です。
コールセンターのシステムや体制の構築
最後に、コールセンターに必要なシステムや体制の構築を行います。以下の順に構築・設定していくことで、導入完了までスムーズに進められます。
①コールセンター業務に必要なインフラを設定
必要となるインフラ設定の一例として、以下のものが挙げられます。
● 電話機器:電話回線の設置や通話録音・音声アナウンスの設定
● ネットワーク:ネットワークポリシーに基づいたネットワーク設定
● 顧客管理ツール:顧客対応を記録するCRMツールの導入・設定
②人材採用
実際にコールセンターで働くオペレーターの面接・採用を行います。その際、正社員やアルバイト、パートなど雇用形態に配慮し、組織体制で設定した必要人数や役割など、運用要件を満たした人材を採用することがポイントです。
③研修・教育
人材の確保ができたら研修・教育を行い実践に備えます。主な内容としては、以下のものが挙げられます。
● 座学研修:コールセンターで扱う商品知識や業務での注意点を学ぶ
● 端末操作研修:実践業務をスムーズに進められるようにするための電話機・CRMツールなどの端末操作を学ぶ
● ロールプレイング研修:顧客とのやり取りを想定したトークスクリプトをもとに行う
ここまでの手順を経て、コールセンター導入が完了となります。
まとめ
コールセンターを導入することで得られるメリットは、「業務効率、生産性の改善」や「顧客満足度の向上」です。顧客から寄せられる電話対応に苦戦している、又は品質向上を目指したいと考える企業では、積極的にコールセンターを導入している傾向にあります。
なお、コールセンター導入の方法には「インハウス」と「アウトソース」の2種類があり、両者にはメリット・デメリットが存在します。なかでも、自社内で構築から運営まで行うインハウスの場合、費用はもちろんのこと、人材採用や育成に多くの時間が必要です。
そのため近年では、外部の電話代行サービスに委託する「アウトソース」を選択する企業が増えています。
株式会社中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。株式会社中央事務所の電話代行サービスでは、最短翌日から受架電サービスの開始が可能です。また、専門講習を受けたプロのオペレーターが、高品質かつ臨機応変な対応で顧客接点を担い、顧客満足度向上にも尽力いたします。
「コールセンターを導入したいが、必要コストが現実的ではない」と悩まれている企業様には、ご要望に沿った形で迅速に配置いたしますので、お気軽にご相談ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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