コールセンターにおける応答率とは?用語定義や計算方法を解説
公開日 2023.06.23
更新日 2024.01.29
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コールセンターにおける応答率とは?用語定義や計算方法を解説

「入電が集中すると、対応しきれないことがある。改善策はあるのか?」このようなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 電話をかけてもつながらない、いわゆる応答率が低い状態は、お客様にストレスや不満を抱かせることから、顧客満足度の低下に直結します。 そのため、応答率の計算・分析をするなど、対策を講じながら運営することが必要です。 今回は、応答率の概要や計算方法をご紹介します。併せて、応答率を上げるポイントも解説しますので、コールセンター運営にお悩みの方は、ぜひお役立てください。  

コールセンターにおける応答率とは?

応答率は、入電(着信)に対し、電話を取り対応した数の割合を指します。コールセンター業務における、重要指標のひとつです。 冒頭でも述べたように、応答率が低い状態は、「電話がつながらない=お客様対応ができていない」状態を意味します。 その場合、電話がつながりにくいことに対して、クレームを受けたり、商品・サービスの注文窓口においては、新規受注の機会を逃したりしてしまいます。 それゆえに、コールセンターでは常に応答率の状況把握をしなければなりません。その際、改善が必要だと判断した場合には、現状の数値をもとに低下の原因を分析し、対処法を策定することが重要です。  

応答率の計算方法

まずは、応答率の現状把握から行いましょう。計算方法は、次の通りです。 応答率(%)=対応件数÷入電数×100 一例として、入電数が700件あり、そのうち500件対応できた場合は、以下の計算式になります。 500(対応件数)÷700(入電数)×100=71.4% ただし、一時的に入電数が増えたときや、コール1件に対しての通話時間が長くなり、対応件数が減った場合も、応答率は下がります。 そのため、応答率を分析する際には1日単位ではなく、30分・1時間単位で計測したデータをもとに行いましょう。 たとえば、応答率が著しく低下した時間帯があった場合には、「突発的に入電が増えたからか?それとも、人員がいつもより少なかったからか?」など、原因の解明および、改善策の検討が必要です。  

適切な応答率の目安とは

コールセンターが担う業務内容や運営方針によって、目安となる応答率は異なりますが、一般的には80〜90%以上で設定しています。 具体的には、通信機器の故障や盗難・紛失など、緊急性の高い内容を扱う場合は「90%以上」。緊急性が低い問い合わせや、注文受付を扱う業務の場合は「80〜90%」を目標値としています。 理想としては、100%の応答率を目標にしたいところですが、実際のところ多くのコールセンターでは100%に設定していません。なぜなら、入電が増える時間帯もあれば、極端にコールが少ない時間帯もあり、100%対応しようとすると余剰人員を投入しなければならないからです。 余剰人員がいる状態は、余計なコストがかかっていることを意味します。そのため無理のある数値や、一般的な目安だけを参考に設定するのではなく、自社の業務内容と予算を考慮して、目標値の設定を行いましょう。  

コールセンターで応答率を考慮すべき理由

コールセンターでは、以下の理由から一定程度の応答率を考慮すべきといえます。 ● 機会損失を防ぐため ● 顧客満足度向上のため それぞれの理由について、詳しく説明します。  

機会損失を防ぐため

商品・サービスの受注業務を行っている場合、「電話を取りこぼす=売れるはずだった機会を逃している」ということです。 また、電話をかけてつながらない状況が続くと、お客様の購入意欲が下がり、時間や日を改めてかけ直してくれることは難しいといえます。 「売上利益を上げたい」「販売機会を逃したくない」と考えているのであれば、過去実績や予測を分析し、それに応じた対策をすることで、機会損失を防げるでしょう。  

顧客満足度向上のため

応答率が低下した場合、もっとも影響を受けるのが顧客満足度です。なぜなら、電話をかけてくるお客様の心理は、「◯◯について質問したい」「商品を買いたい」などの、要求を持っているからです。 それにもかかわらず、電話がつながらないのは、お客様に大きなストレスを与えてしまいます。応答率を改善し「待ち時間がない、つながりやすい」という状態にすることで、お客様の利便性を高め、おのずと顧客満足度に直結するでしょう。  

応答率が下がってしまうよくある原因

応答率が下がってしまう主要原因として、以下のようなケースが挙げられます。 ● オペレーターの人材不足 ● オペレーターのスキル不足 ● 入電数の急な増加 ● AHTが長い それぞれの項目について、詳しく説明します。  

オペレーターの人材不足

応答率が下がる原因として、最もよくあるケースが「オペレーターの人材不足」です。入電数に対して、人員が足りていないと応答率は下がってしまいます。 しかし、慢性的な人手不足に悩まされているコールセンター業界では、人材の確保は容易ではありません。また、人材不足と認識していても、人員補充することによるコストアップを懸念し、他の方法で応答率を上げたいと考えるケースもあります。 このように、さまざまな理由から人材確保が難しい場合でも「入電ピークタイムのみ増員する」など、柔軟なシフト調整を行い、応答率低下を防ぐことが大切です。  

オペレーターのスキル不足

十分な人員を確保できているのにもかかわらず応答率が低い場合は、オペレーターのスキル不足が関係しています。 スキルが足りていないと、要点を絞った案内や、お客様からの質問にすぐに答えられないため、対応時間が長くなってしまうものです。それにより、対応件数が減り、応答率にも影響を与えてしまいます。 また通話終了後には、応対内容やお客様からのご意見・ご要望などをパソコンの履歴管理システムにまとめる「後処理」にも時間を要しますが、入力作業に時間を取られてしまうと、次の電話に出られず応答率を下げてしまいます。 対策としては、ロールプレイング研修やOJT、また後処理に関してタイピング練習などを行い、スキル強化を図ることが必要です。  

入電数の急な増加

自社商品・サービスの新商品がリリースされた際や、テレビや雑誌など何らかの媒体で取り上げられた際には、入電数が増加し、応答率が低下しやすい傾向にあります。 一時的に、数値は悪化してしまいますが、上述したような要因であれば、時間の経過とともに入電数の増加はおさまり、応答率も回復するでしょう。 しかし、あらかじめ入電数の増加が見込まれるサービス展開を予定している場合には、黙って見過ごすのではなく、スポットで人員を増やすなど、柔軟に対応していかなければなりません。  

AHTが長い

AHTとは、コール1件に対して要する時間の平均値を表す言葉です。1回の応対時間が長くなると、応対できる件数は減少するため、応答率の低下を招いてしまいます。 なかには、顧客満足度を上げるために丁寧な対応を心がけ、対応時間が長引いてしまう人もいますが、それにより応対率が低下しては無駄足を踏むことになります。 AHTの適正値は業務内容によって異なりますが、平均値と比較しAHTが長いオペレーターには、再教育が必要です。 具体的には、対象オペレーターの通話内容を聞き返し、問題箇所のアドバイスを行うといった対策が挙げられます。  

応答率を改善するためのポイント

応答率を改善するための大切なポイントは、以下の通りです。 ● オペレーターの充足率を改善する ● 入電予測を立てて人材を配置する ● 自動音声応答システムを導入する それぞれについて、詳しく説明します。  

オペレーターの充足率を改善する

コールセンターにおいての充足率とは、各時間帯に必要な人数に対して、電話を受けられる状態のオペレーターが「どの程度、満たされているのか」を表す割合です。 計算式は、次の通りです。 充足率(%)=オペレーター数÷入電予測に対し必要人数×100 例として、入電予測に対して10人必要なのにもかかわらず、7人しか補えない場合、充足率70%となり「人員が足りていない」ということです。 このように、入電予測に対し適正人数を配置できないと、応答率アップは難しいといえます。割合に達していなければ、充足率の余剰がでている時間帯の人員を、足りない時間帯に補うなどの改善が必要です。  

入電予測を立てて人材を配置する

コールセンターへの入電数は、常に一定というわけではありません。曜日や時間帯などによって、波はあるものです。応答率を上げるためには、このような入電数の波にも対応できるよう、入電予測を細かく立てることが必要です。 入電予測をする際にはいくつかの方法がありますが、基本的には過去の入電データを使います。 過去のデータでは「土日は平日に比べ20%入電が少ない」「夕方は入電数が減る」など、入電数の波を把握できます。直近3カ月の平均値や、前年同月と比較することで、ある程度の入電予測が立てられるでしょう。 さらに過去データにくわえ、入電数に影響がありそうな数値を使うことで、より精度を高めることも可能です。 たとえば、「新商品が発売したあとは入電数が増える傾向にある」など、自社の性質に合わせた要素も、急な入電増加に対応するための大切な指標となります。 それをもとに、必要な人材を適切に配置できれば、応答率向上以外にも、効率の良いコールセンター運営が実現できるでしょう。  

自動音声応答システムを導入する

自動音声応答システム(IVR)とは、お客様から入電があった際、オペレーターの代わりに自動音声で対応するシステムです。 IVRを導入することで、自動音声で対応できる用件であれば、お客様を待たせることなく、問題を解決できます。 つまり、自動音声応答システムとオペレーターで役割分担することで、対応できる入電数が増え、結果として応答率アップにつながります。 また、有人対応のコールセンターでは難しいとされる24時間対応も、IVRを導入することで実現可能です。「いつ電話をかけてもつながる」というニーズを満たし、顧客満足度向上にも期待できるでしょう。  

まとめ

電話のつながりやすさの程度を表す数値のことを「応答率」と呼びます。応答率の目安は、「80〜90%以上」とするのが一般的です。 応答率が高ければ「電話がつながりやすい状態」を意味します。機会損失を防ぎ、顧客満足度の向上にも直結するため、応答率の改善・向上は重要課題といえるでしょう。 しかしながら、コールセンターの規模にもよりますが、「応答率を1%アップさせるには、オペレーターを1人増やす必要がある」と言われています。人を増やすということは、人件費と人材育成のコストが発生するため、改善に難しさを感じているセンターも多く存在します。 同じように応答率の改善に苦慮しているのであれば、電話代行サービスを利用する方法も検討してみてはいかがでしょうか。 株式会社中央事務所の電話代行サービスでは、入電予測に応じたオペレーター配置の最適化により、応答率についてご満足いただいております。月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。 「応答率を上げるには、どうしたらよいのかわからない」このように、応答率をはじめとした、電話対応でお悩みであれば解決のお手伝いをいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。 ※1: 月間総受電数6万件 2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計 ※2: 新規入電応対率98% 2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出 ※3: カスタマー応対率95% 2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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