公開日 2023.06.20
更新日 2024.01.29
知識
コールセンターの電話対応マニュアルについて〜作成方法・見本
コールセンターでは、顧客への電話対応をはじめとして、オペレーターが様々な業務にあたっています。オペレーターの人員数が多いコールセンターほど、個人の力量によって対応品質に差が出てしまいかねません。そういった場合、コールセンターで電話対応マニュアルを作成すれば、オペレーターの電話対応レベルを均一化することが可能です。
この記事では、顧客満足度の高いコールセンターを構築するため、自社に必要な電話対応マニュアルの作成に関する解説をしていきます。
コールセンターで電話対応マニュアルを作っておくと良い理由
企業のコールセンターには複数名のオペレーターが所属しており、それぞれ顧客からの電話を受け付けています。商品・サービスに関する質問や新規注文など、問い合わせ内容は多種多様であり、顧客のニーズに合わせて対応することが大切です。
一方で、オペレーターごとに説明内容や対応の仕方が異なっていると、顧客に不信感を抱かせてしまいます。電話対応の差によってクレームを引き起こしたり、企業イメージを損なったりする事態は避けなければなりません。
そこで有効な手段となるのが、電話対応マニュアルの作成です。電話対応マニュアルがあれば、オペレーターのスキルや経験値を問わず、質の高い電話対応を安定して提供できます。マニュアルを通じて、コールセンターにおける電話対応のルールを明確にし、オペレーター全員の対応力を一定レベルに引き上げましょう。
ただし、マニュアル通りの対応が常に正しいとは限りません。顧客の要望に応えるためには、時としてオペレーターに臨機応変な判断が求められます。そのため、オペレーターはマニュアルを理解した上で、顧客に納得してもらえる対応策を考える、というスタンスも必要です。つまり、オペレーターは、電話対応マニュアルを遵守すると共に、電話対応スキルを磨いていく意識が重要だといえます。
コールセンターにおけるマニュアルの種類
コールセンターを円滑に運営するうえで、電話対応マニュアルは大きなカギとなりますが、どのようなマニュアルが必要なのでしょうか?ここでは、主に4種類のマニュアルについて説明します。
ビジネスマナー
オペレーターが電話対応時に間違った言葉遣いをしたり、不適切な態度を取ってしまったりすると、顧客の怒りやクレームを誘発しかねません。そのため、オペレーター1人ひとりが基本的なビジネスマナーを理解しておく必要があります。
企業側はビジネスマナーのマニュアルを作成し、コールセンター全体に周知するようにしましょう。オペレーター全員が共通のビジネスマナーを実践していけば、電話対応の品質を均一に保つことが可能です。
また、配慮の行き届いた電話対応によって顧客満足度が向上するだけでなく、企業のイメージアップも期待できます。オペレーターはビジネスマナーのマニュアルをしっかり読み込み、電話のかけ方から言葉遣いに至るまで、正しいマナーの習得を徹底してください。
コールセンターの基本事項
マニュアル化しておくべき基本事項として、商品・サービスの知識や会社概要、社内ルールなどが該当します。このような基本事項を一括してマニュアルにまとめることで、必要な時に事実確認しやすくなり、電話対応業務の円滑化が可能です。
また、商品・サービスの基本情報やよくある質問をマニュアルで網羅しておけば、オペレーターが安心して顧客に対応できます。在籍オペレーターはもちろん新人オペレーターの教育においても、このマニュアルを活用しましょう。
さらにコールセンターでは、商品・サービスに関する問い合わせ以外に、企業理念や事業内容を尋ねられるケースもあり得ます。特に会社概要についてオペレーターが正確に回答できれば、「社員教育が行き届いている」と顧客に好印象を抱いてもらうチャンスです。
基本事項を把握しておくことは、ビジネスマナーと同様に電話対応のベースとなるため、コールセンター全体で共有するようにしてください。
トークスクリプト
トークスクリプトとは電話対応の受け答えをまとめたテンプレートであり、オペレーターにとって業務上の重要な指標となります。トークスクリプトによく記載される内容例としては、下記の通りです。
・受電から終話までの対応フロー
・問い合わせの一例と回答方法
・商品・サービスに関する説明事項
トークスクリプトは、顧客の抱える課題を何パターンか想定して作成するのが基本です。
問い合わせに対してヒアリングを繰り返し、顧客の回答から解決策の提案に至るまでの流れを会話形式で提示します。また、作成したトークスクリプトは、ロールプレイングを通してより実情に即した内容へとブラッシュアップしましょう。
このように顧客の問い合わせに適したトークスクリプトを読み上げることで、オペレーターの経験・スキルを問わず、一定レベルの電話対応が可能です。そのため、オペレーターが落ち着いて受け答えできるようになり、業務負担も軽減されます。
さらに、コールセンターによっては英語の問い合わせを受ける場合もあるため、英語のトークスクリプトを用意するのも有効な対策です。
業務に使うシステムの利用方法
オペレーターは、ビジネスマナーやトークスクリプトといった対応スキルを身につける一方で、業務システムの利用方法も理解しておかなければなりません。
コールセンター業務では、パソコンやアプリケーション、チャットツールなど多彩なシステムを利用します。
基本となるシステムの使い方をマニュアル化すれば、いつでもオペレーター自身で確認できるところが大きなメリットです。オペレーターが操作に迷った際にマニュアルを見返す中で、次第にシステムを使いこなせるようになるでしょう。その結果、顧客への電話対応が一層スムーズになり、業務の効率化も図れます。
企業はコールセンターに導入しているシステムに関して、オペレーターにわかりやすいマニュアルを作成してください。
コールセンターの電話対応マニュアル作成ポイント
コールセンターの電話対応マニュアルを作成するにあたって、どのようなポイントに気を付ければいいのでしょうか?オペレーターの対応品質を均一化するという目的を意識しながら、効果的なマニュアル作りに取り組みましょう。
商品やサービスを売ることだけを考えすぎない
コールセンターでは、商品・サービスに関する問い合わせや注文を受け付けています。そのため、オペレーターの対応次第でリピート需要に繋がったり、新規顧客を獲得したりと企業の売上アップに貢献できるでしょう。
しかし、商品・サービスの売上にこだわって電話対応マニュアルを作成すると、顧客への配慮が不足してしまいます。
顧客に気持ちよく会話してもらうためには、オペレーターがビジネスマナーや正しい言葉遣いを習得していることが重要です。また、商品・サービスの知識や会社概要を定期的に確認できれば、顧客に適切な情報を伝えられます。このような項目を電話対応マニュアルに盛り込み、オペレーターの対応品質を向上させてください。思いやりのある電話対応こそが、商品・サービスの需要拡大に効果を発揮します。
お客様の課題解決のお手伝いをするというスタンスを持つ
電話対応マニュアルは、オペレーターの業務をサポートするツールのひとつです。トークスクリプトやシステムの利用方法をマニュアルで共有することにより、業務効率が高まり、コールセンターの体制も整います。
一方で、電話対応マニュアルの作成には、「顧客の課題解決のお手伝いをする」というスタンスが欠かせません。顧客は、課題の解決を期待してコールセンターに問い合わせてきます。そこで、オペレーターは機械的に対応するのではなく、顧客のニーズに合わせて適切な解決策を考えてください。
基本的な受け答えは電話対応マニュアルに基づきながら、柔軟な発想で顧客へのフォローに注力しましょう。電話対応マニュアルの作成は、オペレーターのみならず顧客にとってもプラスとなる取り組みだといえます。
お客様の視点に立ち、相手のメリットを伝える
企業がコールセンターの電話対応マニュアルを作成する際には、顧客目線に立つ意識を忘れてはいけません。
電話対応マニュアルの作成目的とは、オペレーターの業務改善であると同時に、対応品質のレベルアップでもあります。オペレーターは電話対応マニュアルで習得した知識を活かしながら、個々の課題に応じた解決策を提示しましょう。
また、顧客の要望をきちんと汲み取り、どのようなメリットを得られるのか伝えることが、電話対応の重要なポイントとなります。オペレーターが顧客に寄り添った電話対応を実践できるように、マニュアルの種類から記載事項まで、顧客目線に徹して取りまとめるようにしてください。
マニュアル活用のポイント
コールセンターの電話対応マニュアルが完成したら、いよいよ業務での活用段階に移りましょう。ここからは、コールセンターで電話対応マニュアルを有効活用するためのポイントについて、詳しくみていきます。
作成するだけでなく、浸透を図る
せっかく電話対応マニュアルを作成しても、オペレーター間で周知されなければ意味がありません。また、電話対応マニュアルが使いにくい仕様だと、なかなか利用してもらえない一因となります。
索引を付けたり、検索機能を付随したりすることで、電話対応マニュアルの機能性を高めてください。その上で、オペレーターに電話対応マニュアルの使い方を指導し、積極的に業務に活用してもらいます。さらに、必要であれば電話対応マニュアルに基づく研修を行うこともひとつの手段です。
作成した電話対応マニュアルをコールセンター内に浸透させ、より手厚いカスタマーサポートを心がけましょう。
マニュアルに頼りすぎないスタンス形成を行う
オペレーター全員が電話対応マニュアルをもとに業務に取り組めば、質の高い電話対応を維持できます。また、オペレーターの受け答えが均一化されるので、顧客からの信頼も得やすくなるでしょう。
しかし、オペレーターがマニュアルに頼りすぎてしまうと、融通の利かない顧客対応になりかねません。結果的に顧客のニーズから外れた受け答えをしてしまい、不満感を抱かせるリスクがあります。
電話対応マニュアルに従うことはもちろん大切ですが、現実には顧客に配慮した対応が求められるものです。電話対応マニュアルを活用しながら、オペレーターが顧客目線で対応できるスタンスの形成を目指しましょう。
定期的な見直しを行う
コールセンターに寄せられる問い合わせ内容は日々変動し、その都度、臨機応変に対応しなければなりません。また、新しい商品・サービスが発売されたり、規格改定があったりすると、顧客からの問い合わせが増加する可能性もあり得ます。
このような変化が発生した場合には、すぐに電話対応マニュアルに反映させることが重要です。いつでも最新情報に基づいた電話対応マニュアルを準備し、顧客への対応品質をキープしましょう。
さらにコールセンター内の目標指数において、マニュアルの効果があまり表れていないようであれば、根本的な見直しと改善が必要です。どこに問題点があるのかを分析し、改定後の電話対応マニュアルもしっかりとコールセンター全体で共有してください。
まとめ
複数のオペレーターが業務にあたるコールセンターでは、電話対応のレベルに差が出てしまう可能性もあります。そこでカギを握るのが、コールセンターで共有する電話対応マニュアルです。電話対応マニュアルを作成することで、オペレーターの対応品質が均一になり、顧客満足度の向上に結びつきます。コールセンターでは、電話対応マニュアルをベースにしながら顧客に寄り添った対応スキルが求められるでしょう。
中央事務所の月間総受電件数は6万件(※1)にのぼり、新規入電の応対率も98%(※2)となっています。同時に、カスタマー応対率95%(※3)を維持しており、手厚いサポートを強みとする電話代行サービス会社です。
中央事務所には専門講習を受けたオペレーターが在籍し、質の高い電話対応サービスを展開しています。また、企業様のニーズに応じて、オペレーターの業務範囲や使用ツールを含めた電話代行プランを提案します。
自社でコールセンターの電話対応マニュアルを作成し、運営を軌道に乗せたいと考えている企業様は、ぜひ一度中央事務所にお問い合わせください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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