公開日 2023.05.24
更新日 2024.01.29
知識
コールセンターのアウトバウンド業務とは?コツや費用・電話代行サービス紹介まで
「電話営業のコツを知りたい」「アウトバウンド業務を成功させるにはどうしたらよいのか」このような疑問や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
たしかにアウトバウンド業務は、ただ闇雲に電話をかけているだけでは成果を上げられません。また、結果が出ない状況が続くと、オペレーターのモチベーション低下にもつながります。
そこで今回は、コールセンターのアウトバウンド業務の内容と成果を出すためのコツ、併せてアウトバウンド組織の立ち上げ方や費用についてご紹介します。
コールセンターの業務とは
コールセンターの業務とは、商品・サービスの問い合わせや受注、クレーム・苦情対応など、お客様との電話対応に特化した窓口のことです。
また、コールセンターが行う業務は「インバウンド」と「アウトバウンド」の2つに分けられます。
それぞれの業務内容や特徴について、詳しく見ていきましょう。
インバウンド
コールセンターのインバウンドは、お客様からの電話を受けて対応する業務です。
主に、以下のような業務があります。
・商品やサービスの受注
・顧客から受けた相談や質問にこたえる
・購入後の返品、交換対応をする
・クレームや苦情対応をする
インバウンドは、電話をかけてくる相手が不特定多数で、なおかつ問い合わせ内容や要求も多種多様です。
たとえば、商品・サービスの受注専用窓口であったとしても、実際には商品購入前の相談や質問を受けることもあります。また、お客様からの問い合わせに対し、すぐに解決できず、他部署への確認やエスカレーションが必要なケースも多々あります。
そのため、あらゆるシーンに応じられる対応力や、深い商品知識が必要です。
そしてインバウンド業務は、あらかじめ共有される「業務マニュアル」や「対応内容フロー」が広範囲にわたり、それに比例して研修のボリュームも多くなる傾向にあります。
アウトバウンド
コールセンターのアウトバウンドは、オペレーターからお客様や見込み客へ電話をかける業務です。
主に、以下のような業務があります。
・商品やサービスのおすすめ
・アフターフォローの案内
・セールスアポイントの獲得
・ユーザーアンケート調査
・世論調査
電話の発信先は、すでに利用・購入された既存顧客や、これまでに自社商品の購入経験がない新規顧客です。具体的には、既存顧客であればアフターフォローの案内、新規顧客には商品購入や契約促進など、双方とも「営業」を目的として発信します。
また、電話口の相手は何も知らない状態で電話を受けるため、話を最後まで聞いてくれないケースも多く、オペレーターには根気強さや忍耐力が必要です。
そのため、アウトバウンド業務では、お客様の興味をひくようなトークスクリプトを作成し、研修やシミュレーションを積むことがポイントです。
コールセンターのアウトバウンドの種類と仕事内容
コールセンターのアウトバウンドにおける代表的な業務は、以下の2種類です。
・テレアポ(テレフォンアポインター)
・テレマ(テレフォンマーケティング)
ここでは、それぞれの仕事内容について詳しくご紹介します。
テレアポ(テレフォンアポインター)
テレアポとは、テレフォンアポインターの略です。新規営業のアポイントメント獲得や、自社商品の案内・提案をするなど、いわば企業内勤務の営業の役割を担います。
電話をかける際には、トークの内容や流れをあらかじめ決めたトークスクリプトに沿って話を進めるのが一般的です。トークスクリプトがあれば効率的に話を進められ、また複数人のオペレーターが在籍する場合でも、自社商品やサービスに関して統一したトークが可能になります。
また、テレアポは「商品やサービスを売り込む」というイメージが強く、積極性や営業力があれば良いと思われるかもしれません。
しかし、アピールしたい商品やサービスへの深い知識や、いかなるシチュエーションでも話を聞いてもらえる、コミュニケーション能力・会話術を身に付けることも大切です。
テレマ(テレフォンマーケティング)
テレマとは、テレフォンマーケティングの略です。主に、既存顧客に対してリピート購入の促進やアフターフォローの案内、資料請求や問い合わせをしている見込み顧客への販売促進などの業務を担います。
テレマの広義の意味は、「電話を活用したマーケティング活動全般」のことを指すため、アポイントを取り付ける「テレアポ」もテレマのひとつです。
双方の違いとしては、テレアポは主に新規顧客を対象としているのに対し、テレマは既存顧客や見込み顧客に向けて電話をかけます。そのため、すでに商品やサービスについて知っている人が対象となり、テレアポに比べると「顧客に対応してもらいやすい」のが特徴です。
また、テレマは商品のセールスだけでなく「商品を使ってみてどうですか?」などのアフターフォローを行うケースもあります。
お客様からいただいたご意見やご要望から、商品・サービスの新規開発や品質向上に役立てることもあるため、オペレーターにはお客様に寄り添い肯定しながら話を聞き出すテクニックが必要です。
アウトバウンド業務のコツ
アウトバウンド業務は、それぞれのお客様に合わせて、商品やサービスの良さを魅力的に「話す」ことで成果があがりやすくなります。
ここでは、アウトバウンド業務のコツについて3つご紹介します。
商品やサービスを売ることだけを考えすぎない
商品やサービスを売ることばかりを考えてしまうと、その気持ちは自然と言葉にも現れ、お客様に伝わってしまいます。当然のことながら、その「売りたい」という気持ちは、自分の目標達成のためであり、お客様への価値提供に直結するものではありません。
そのため、オペレーターは売ることを考える前に「お客様の役に立つ・喜んでいただく」ことを念頭に業務に就くことが大切です。
それには次に紹介する、お客様のお手伝いをするというスタンスを取ったり、お客様にとってのメリットを伝えたりすることで「押し売り感」はなくなり、結果、売る側も購入する側も互いに満足する取引が可能になるでしょう。
お客様の課題解決のお手伝いをするというスタンスを持つ
商品やサービスを売る際には、「この商品が欲しい」と思わせる動機付けが必要です。それには、前述の通り「売る」前提を一旦無くし、「お客様が抱える課題解決のお手伝いをする」スタンスを持つことがポイントです。
具体的には、「◯◯について、お困りではないですか?」など、自社の商品やサービスに関連するキーワードを選定し課題を導きだします。
その課題から、電話口にいるお客様の事情や背景をイメージし「こうしたらどうですか?」と、お客様にとって必要だと思われる、商品やサービスの特徴を選んで提案しましょう。
そうすることで、お客様が本当に望んでいるものを提供でき「課題が解決できるなら使ってみたい」と購入の動機付けにつながります。
お客様の視点に立ち、相手のメリットを伝える
商品やサービスの魅力を言葉だけで案内するには、お客様の視点に立ち利用するメリットを伝え、イメージしてもらうことが大切です。
たとえば、お子さんのいるご家庭にウォーターサーバーの案内をする場合には、「弊社の水は、赤ちゃんのミルク作りにも安心して使えます。また、お湯を沸かす手間がかからずミルク作りの時短にもなります」など、具体的なメリットを伝えることがポイントです。
メリットを伝え、お客様が具体的な使用シーンを想像できれば「なぜこの商品を買うべきなのか」を納得できるようになり、申し込みの検討につながる可能性が高まるでしょう。
アウトバウンド業務に向いている人
コールセンターのアウトバウンド業務では、以下にあてはまる人が向いていると言えるでしょう。
・営業や接客経験のある人
・気配り力や傾聴力のある人
・気持ちの切り替えが上手な人
・ノルマ達成にやりがいを感じる人
ここでは、それぞれの特徴について説明します。
営業や接客経験のある人
これまでに営業や接客経験のある人なら、アウトバウンド業務でも活躍できるでしょう。アウトバウンドは、電話を通してアポイントの獲得をしたり、商品やサービスの魅力を伝え、受注までつなげたりするのが主な業務です。
同じく営業や販売職も、商品やサービスを深く理解した上で、魅力や良さをわかりやすく伝え売るという点が共通しています。
対面か非対面かの違いだけで、業務内容はほぼ同じであるため、営業や接客経験のある人ならアウトバウンド業務も抵抗なく担えるでしょう。
気配り力や傾聴力のある人
アウトバウンド業務は、お客様に合わせて会話する気配り力や、お客様の立場に立って話を進められる傾聴力のある人に向いています。
たとえば、ご年配のお客様に対し、言葉が聞き取りやすいように、ゆっくりと大きめの声で話せる人が気配り力のある人です。また、一方的に話を進めるのではなく、まずはお客様の立場に立って話しを聞き、気持ちに寄り添う姿勢も必要です。
話しに耳を傾け、気配りができれば「話していて気持ちがいいな」「話をきいてあげようかな」とお客様も思うようになり、その後のトークも聞き入れてもらいやすくなるでしょう。
気持ちの切り替えが上手な人
電話口の相手からすると、知らない人から突然電話がかかってきて営業されるわけですから、冷ややかな態度をとられたり、そもそも話をする前に電話を切られたりすることも多々あります。
そのようなときでも、「それはそれ」として気持ちを切り替え、次の発信ができる人であればアウトバウンド業務でも長く活躍できるでしょう。
ノルマ達成にやりがいを感じる人
アウトバウンドは、成績に応じてインセンティブ(報酬)が発生することが多い業務です。
具体的には、「どれだけ電話をかけたか」や「何件アポイントを獲得できたか」など、結果を出した分だけ報酬が返ってくるため、成果をあげることが好きな人にとって最適な業務といえます。
ノルマがあることにプレッシャーを感じる人もいるかもしれませんが、ノルマ達成に「やりがい」を感じられる人は、アウトバウンド業務に向いていると言えるでしょう。
アウトバウンド組織を立ち上げるには
コールセンターのアウトバウンド組織を立ち上げるには、「インハウス」と「アウトソース(電話代行を利用)」の2つの方法があり、立ち上げ方や必要な費用が異なります。
ここでは、それぞれの特徴について説明します。
インハウスで立ち上げる
まずインハウスとは、自社内の組織や人員のみで立ち上げる「自社運営」のことです。
アウトバウンド組織をインハウスで立ち上げる際には、以下のプロセスを踏むのが一般的です。
1. アウトバウンド組織に必要な機能を明確化
2. 運営体系の構築
3. 運営責任者の専任
4. 運営場所の確保
5. 必要設備や備品等の準備
6. FAQ、マニュアル、スクリプト作成
7. オペレーターの採用、育成
8. アウトバウンド組織の開設
また、費用においては「初期費用」と、その後の「運営費用」が必要です。
<初期費用>
立ち上げ時にかかる初期費用は、組織の規模や業務システムの内容によって異なります。
たとえば、10人未満のオペレーターが在籍する小規模な組織であれば、30〜50万程度が費用相場です。しかし、30人以上のオペレーターが在籍し、なおかつ設備の整った大規模なセンターであれば、200万円以上の費用がかかるケースもあります。
<運営費用>
初期費用と同じく、組織の規模や業務システムによって費用感は異なりますが、毎月数十万円から数百万円の費用がかかります。
・システム利用料(年間50万円程度)
・通話料や交換機の保守費用(毎月10~70万円程度)
・オペレーターの人件費(時給1,200~3,000円程度)
オペレーターの人件費においては、受注やアポイント獲得などの成約件数によって、時給とは別にインセンティブが加算されます。
このように、インハウスでアウトバウンド組織を立ち上げるには、複数の工程を踏み、それに伴い多くの時間と費用を要するため、大前提として予算と時間に余裕が必要です。
アウトソースする(電話代行を利用する)
アウトソースは、アウトバウンド組織の立ち上げから運営まで、まとめて電話代行サービスに依頼する方法です。
電話代行サービスの魅力は、自社内でアウトバウンド組織の構築やオペレーター教育を行わなくても、電話対応をすぐに行える点です。
おおむね、以下の手順だけで業務を開始できます。
・電話代行先の選択・契約
・打ち合わせ・運営方針等の決定
またアウトソースの場合、契約時に支払う「初期費用」と、毎月支払う「月額費用」で構成されるのが一般的です。
業務システム費や機材や備品費などは基本的にかからないため、インハウスよりも低コストで立ち上げられます。
<初期費用>
初期費用の相場は、1〜5万円程度。
この費用の中に、業務導入時に必要となるオペレーターの研修費と教育費、またマニュアルやトークスクリプトなど、業務フローの資料作成にかかる費用も含まれています。
<月額費用>
料金体系は、「月額固定型」「従量課金型」「成果報酬型」の3つに分けられます。
それぞれ違いや費用感は、以下の通りです。
・従量課金型(1コール300円〜1,000円程度)
決められたコール単価とコール件数によって算出する形式です。電話対応しなければ料金は発生しないため、件数が少ないクレーム・苦情対応などの業務に向いている料金体系です。
・成果報酬型(1アポイント獲得10,000〜20,000円)
獲得したアポイントや注文受付数などに応じて、料金が発生する形式です。
・月額固定型(月額2〜10万円程度)
月々決まった費用を支払う形式で、インバウンド業務に多く使われる料金体系です。
このなかで、アウトバウンド業務で多く用いられているのは、「従来課金型」と「成果報酬型」です。
まとめ
コールセンターのアウトバウンド業務とは、商品の案内やセールスアポイントの獲得、ユーザーアンケートなどを目的に、オペレーターからお客様や見込み顧客へ電話をかける業務のことです。
お客様は、何も知らない状態で電話を受けるため、話を最後まで聞いてくれないケースも多く、オペレーターには話を聞いてもらうためのコツや根気強さが必要です。
また、アウトバウンド組織を自社内で立ち上げたいと考えたとき、初期費用や運用費用など膨大なコストと時間がかかります。くわえて、アウトバウンド業務で成果をあげるには、オペレーターの力量が必要になるため、即戦力が欲しいという方は電話代行サービスに依頼するのがおすすめです。
電話代行サービスであれば、既に設備や人材がそろっていることから、コールセンターの立ち上げまでがとてもスピーディーに行えます。
株式会社中央事務所の電話対応代行サービスは、経験豊富な営業コーディネーターが作成したスクリプトに基づき、受注までつながるよう洗練されたコミュニケーションを実施しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。「電話による営業活動に力をいれたい」という方にも、専門講習を受けたプロのオペレーターがアウトバウンド業務を遂行いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出
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