「終わり良ければすべて良し」という言葉があるように、コールセンターにおいて余韻を残した会話は大きなイメージアップにつながります。
言い換えれば、クロージング次第でせっかくのチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
この記事ではコールセンターで実際に活用できる例文を紹介しながら、クロージングを成功させる方法について解説します。
コールセンターにおけるクロージングとは?
コールセンターにおけるクロージングには大きくわけて2つの意味があります。顧客に好印象を残したまま終話し、次につなげるための「締めくくり」と、商品やサービスの「成約」です。
コールセンターにとって顔の見えない顧客と信頼関係を結ぶには、言葉という武器を使って相手の心をつかむしかありません。
オープニングの第一印象もさることながら、最後のクロージングまで気を抜かずに丁寧でわかりやすい応対をすることで顧客の印象は大きく変わります。
また、購入しようか迷っている顧客に対しクロージングの一言が背中を押すきっかけにもなるはずです。
つまり、クロージングの成功は顧客満足度の向上につながり、結果的に企業に利益をもたらす重要なシーンとなるでしょう。
コールセンターのクロージングを成功させるポイント
コールセンターのクロージングを成功させるためには、いくつかポイントがあります。
特に下記の5つはコールセンターの良し悪しにつながる重要なミッションであり、応対品質向上のためにも外せないポイントです。
会話内容を再確認する
コールセンターにおいて問合せ内容の確認は非常に重要です。クロージングは、それまでの会話にすれ違いがないか確認できる絶好のチャンスです。
実際、再確認したことで誤解が解けたという場合も少なくありません。仮に認識の相違があった場合はすみやかに修正し、お詫びの言葉を伝えることが出来れば挽回も可能です。
顧客にとっても自分の話を真剣に聞いてくれた、正しく理解してくれたという印象が残り、安心感と信頼感が生まれます。
クロージングは、終話を急ぐあまりついおざなりになってしまいがちですが、最後まで気を緩めず元気な声でしめくくることが大切です。
不明点がないか確認をする
「お電話ありがとうございました」と「お電話ありがとうございました。何かご不明点はございませんか?」では、どちらが顧客の心をつかむでしょうか。
ほとんどの顧客は「ご不明点はございませんか?」と聞かれれば「大丈夫です、ありがとう」と感謝することのほうが自然でしょう。
クロージング時は会話内容を再確認するとともに、不明点がないかの問いかけをすることでプラスアルファの接客が可能です。
不明点があれば質問してくるでしょう?と思うのは間違いで、聞くタイミングを逃したり、聞きづらいムードであったりしただけかもしれません。
また、オペレーターに投げかけられたことで「言い忘れたことはなかったかな」と自問自答する良い機会にもなるので、必ずクロージングに盛り込みましょう。
お礼をする
コールセンターでの会話において「お礼」は、決して忘れてはならない大切なことです。お礼を言われて嫌な気持ちになる人はいませんし、むしろ「電話をして良かった」と思う人が多いはずです。
終話時には相手が気持ちよく電話を終えられるように、タイミングよくお礼の言葉を述べましょう。
ポイントは会話の内容に合わせて言葉を変化させることです。
例えば、電話の目的が問い合わせだったら「お問い合わせありがとうございました」、商品の購入につながれば「ご注文ありがとうございました」などです。
また会話の途中で間違いを指摘された際、お詫びの言葉とともに「ご指摘いただきありがとうございました」という言葉が出るようであればオペレーターとして本物です。
明るい声で対応する
コールセンターでの会話は「笑顔で明るく」が基本です。声が明るいと相手に好印象を与え、自然と会話が弾みます。
ただし、電話機を通しての声は通常よりも落ち着いたトーンで聞こえる傾向にあるため、若干高めの声を意識したほうがより明るいイメージになるでしょう。
自身の声を客観的に知るためには、録音された自分のコールを聞くのが効果的ですが、電話の中で聞こえている声は普段の会話で聞こえてくる自分の声と異なり、「自分の声じゃないみたい」と驚く人も少なくありません。
声の印象はそのまま企業のイメージにつながります。
会話の途中で行き届かない点があっても、クロージングを元気に明るく締めくくることを意識し、好印象で会話を終える努力が大切です。
ロールプレイングで練習を行う
顧客の心をつかむクロージングを実現するためには、ロールプレイングで訓練を行うのも効果的です。なぜならクロージングは、どちらかというとオペレータ手動で会話が進むため比較的改善しやすいシーンだからです。
訓練によって会話内容や不明点の確認不足が解消できればミスやクレームの防止にもつながり、結果的に顧客満足度の向上が期待できます。
お礼の部分は会話の内容と連動させて臨機応変に変える練習をすることでスキルアップにつながり、自信をつけるきっかけにもなるでしょう。
オープニングとクロージングはコールセンターの評価につながる重要なシーンです。時間をかけて練習を行い、オペレーターの底上げを図ることが応対品質向上につながる近道です。
コールセンターでのクロージングフレーズ例
クロージングが大切なことは理解したけど、実際どんな言葉を使ったらいいのかわからないという場合もあるでしょう。
最後にコールセンターで今日から使えるクロージングのフレーズを、インバウンドとアウトバウンドに分けて紹介します。
インバウンドの場合の例文
インバウンドの場合の例文をシーン別にご紹介します。
◆会話内容の再確認
「本日は、〇〇に関する手続きを私〇〇が承りました」
「〇〇様がご心配されているのは、〇〇についてですね?」
◆不明点確認
「本日のお問い合わせは〇〇でしたが、他にご不明点はございませんか」
「私の説明でご理解いただけましたでしょうか」
◆お礼の言葉
「本日はご注文ありがとうございました。使い方がわからなければ遠慮なくお問い合わせください」
「お問い合わせありがとうございました」
「(愛用者の場合)いつも〇〇をご愛用いただき、ありがとうございます」
◆お待たせしてしまった場合
「本日はお忙しい中お待たせしてしまい申し訳ございませんでした」
◆次回につなげる言葉
「私どもでお力になれることがございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください」
「またのお問い合わせをお待ちしております」
「商品の到着までお楽しみにお待ちください」
単純に「ありがとう」で終わらせるのではなく、会話の内容とリンクさせる意識が大切です。
アウトバウンドの場合の例文
一般的にアウトバウンドのクロージングは、いわゆる営業電話として成約につなげたい意思がある場合が多いものです。
その場合、あくまでも相手の温度感に応じた対応が必要ですが、前向きな会話で進んでいたのであれば一歩背中を押したトークも効果的です。
◆顧客の意思を探る場合
「ここまでの提案で何かご不明な点はございますか」
「ご参考までにどのプランがお気に召しましたでしょうか」
「今回のお話は、〇〇様にとってお役に立ちそうでしょうか」
「もしよろしければ資料を送らせていただいてもよろしいでしょうか」
◆意思決定を促す場合
「お伝えする内容は以上ですが、ご理解いただけましたでしょうか」
「きっとご満足いただけると思います」
「決めかねている点はどのような点でしょうか」
「次回のお約束は〇日と〇日、どちらがご都合よろしいでしょうか」
購入や契約につながらなかった時ほど話を聞いてくれたことにお礼を述べ、明るく好印象で終話することが次につながる第一歩です。
まとめ
コールセンターにおいてクロージングは、企業のイメージや実際の成約につながる重要なシーンです。フレーズ1つで印象が変わり応対品質向上につながるのであれば、改善しない手はありません。
とはいえ応対品質は一朝一夕で効果が現れるものではなく、結果を実感するにはある程度の年月も必要です。
なるべく早く結果につなげるためには、優秀な人材育成で定評のあるアウトソースの活用を検討するのも良いのではないでしょうか。
中央事務所は、専門講習を受けたプロのオペレーターが在籍しており、月間総受電数6万件(※1)、新規入電応対率98%(※2)、さらにカスタマー応対率95%(※3)を維持するなど確かな実績がございます。
コールセンターは人材教育が全ての基本です。応対品質向上のために効率よくアウトソースを活用し、質の高いコールセンター運営を目指しましょう。
※1: 月間総受電数6万件
2021年10月1日~10月31日の期間で入電数をCTI出力により、CTIに接続しオペレーター対応をした件数を集計
※2: 新規入電応対率98%
2021年1月~2022年4月の期間でオペレーター対応数を新規入電数で割り算出
※3: カスタマー応対率95%
2022年2月~2022年4月の期間でオペレーター対応数をお客さまからのカスタマー入電数で割り算出